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SACDサラウンド・レビュー(535) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Franck, Strauss Violin Sonatas.jpg
Franck,Strauss
Violin Sonatas
PTC 5186 470
Arabella Steinbacher (violin)
Robert Kulek (piano)
録音 2012年5月 DSD Recording
PentaTone Classics

フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
R・シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調 Op.18

フランクのヴァイオリン・ソナタ イ長調は1886年に作曲したヴァイオリンとピアノのためのソナタ。フランス系のヴァイオリン・ソナタの最高傑作といわれる。4楽章からなり、いくつかの動機を基にして全曲を統一する循環形式(フランクが得意とした作曲技法で、交響曲ニ短調でも用いられている)で作曲されている。また、このソナタはピアノとヴァイオリンの音楽的内容が対等であり、ピアノはヴァイオリンの伴奏ではなく、ヴァイオリンも単なる独奏楽器ではなく、ピアノとヴァイオリンの二重奏曲と呼ぶべき大曲である。同郷の後輩であるヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイに結婚祝いとして作曲され献呈された。

リヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調は1887年から1888年にかけて作曲した唯一のヴァイオリン・ソナタ。シュトラウスが古典派的な絶対音楽からリストやワーグナーの影響を受けた交響詩やオペラへと創作の方向を変えた、その転換期の作品である。そのため、伝統的な3楽章形式に則っているものの、シュトラウスの個性を明確に示している。また、シュトラウスは自らヴァイオリンをかなりの程度弾きこなすことができたことから、華やかな演奏効果が発揮されるとともに高度な演奏技術が要求される。
初演は1888年10月3日にエルバーフェルトで、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団のコンサートマスターであったロベルト・ヘックマンのヴァイオリンと、同地で指揮者をしていたユリウス・ブーツのピアノで行われた。同年にミュンヘンで出版されている。

アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Arabella Miho Steinbacher, 1981年11月~)はドイツのヴァイオリンニスト。ミュンヘンでドイツ人の父親と日本人の母親との間に生まれた。ヴァイオリンを始めたのは3歳からで、9歳時にはミュンヘン音楽大学にてアナ・チュマチェンコのもとで学んだ。ドロシー・ディレイやイヴリー・ギトリスにも師事した経歴を持つ。2000年にハノーファーで開催されたヨーゼフ・ヨアヒム・ヴァイオリン・コンクールで入賞、翌年にはバイエルン州より奨学金を授与された。ソリストとしてのキャリアは、2004年パリでの劇的で予期せぬデビューに始まる。急病のチョン・キョンファに代わって、舞台に立ち、ネヴィル・マリナー指揮フランス放送フィルハーモニー管弦楽団とベートーヴェンの協奏曲を演奏し、大成功を収める。CDでの受賞には、エコー・クラシック賞(ドイツでのグラミー賞)の年間ヤング・アーティスト賞、<ル・モンド・デュ・ラ・ミュジーク>のレ・ショック・デュ・モワ賞、そして二つのドイツ・レコード批評家賞がある。以前ユリア・フィッシャーが使用していたストラディヴァリウス「Booth」(1716年製、日本音楽財団貸与)を使用している。最近では2014年12月に来日し、ベルク、メンデルスゾーンの協奏曲などを演奏した。
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ロベルト・クーレック(Robert Kulek)はラトビアの首都リガ生まれのピアニスト。9歳で家族とともにアメリカに移住。マネス音楽院でエレーナ・レオノヴァに、ロンドンのギルドホール音楽演劇学校ではジョアン・ハヴィルに師事。さらにイェール大学でボリス・ベルマンとクロード・フランクに師事した。優れた伴奏ピアニストとして、チョン・キョンファ、ギル・シャハム、アラベラ・美歩・シュタインバッハー、ユリア・フィッシャー、ヴィヴィアン・ハーグナー、ダニエル・ミュラー=ショットらと多数共演している。ヨーロッパのみならず、北アメリカ、東アジアにおいても絶賛されており、世界各地の著名ホールで多数演奏している。 音楽祭にも頻繁に出演しており、ドイツではシュヴェツィンゲン、メクレンブルク、ラインガウの各音楽祭、スイスのルツェルン音楽祭、フランスではコルマール、サン=ドゥニの各音楽祭、シカゴのラヴィニア音楽祭、バンクーバー室内楽音楽祭などが挙げられる。
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ヴァイオリンはセンター左寄り、ピアノは右寄りの下がった位置に定位しており、横方向と奥行き方向への広がり感がある。ピアノの響きがとても良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はオランダのファルテルモントConcertboerderij

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(534) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Masterworks for Flute and Piano.jpg
Masterworks for Flute and Piano
BIS-SACD-1429
Sharon Bezaly (flute)
Ronald Brautigam (piano)
録音 2005年8月
BIS

プロコフィエフ:フルート・ソナタ ニ長調 Op. 94
シューベルト:「しぼめる花」による序奏と変奏曲 ホ短調 Op. 160/D. 802
アンリ・デュティユー:ソナチネ
アンドレ・ジョリヴェ:リノスの歌

フルート・ソナタ ニ長調作品94は、独ソ戦のためプロコフィエフがモスクワを離れて疎開していた時期の1942年から1943年にかけて作曲された。作曲を開始したのは1942年9月、アルマアタ(アルマトイ)においてであるが、スケッチはその数年前にすでに書かれていた。翌1943年8月にペルミで完成し、同年12月7日にハリコフスキーのフルート、リヒテルのピアノでモスクワにおいて初演された。初演では好評を博したものの、その後フルート奏者にはあまり注目されず、時を置かずにヴァイオリンソナタ第2番 ニ長調 作品94bisに改作されることにつながった。

シャロン・ベザリー(Sharon Bezaly,1972年~)はイスラエルのテル・アヴィブ生まれのフルート奏者。11歳でフルートを始め、14歳でメータ指揮イスラエル・フィルと共演してデビュー。巨匠ピエール・ランパルの勧めでパリ音楽院に入学、アラン・マリオン、レイモン・ギオーに師事する。卒業と同時にカメラータ・アカデミカ・ザルツブルクに招かれ、1997年まで首席奏者を務めた後、ソロ活動に転じた。オーレル・ニコレの教えを受けた完璧な循環呼吸奏法に支えられた超絶技巧と豊かな音楽性で絶賛されており、グバイドゥーリナ、アホら現代を代表する作曲家が作品を献呈している。ドイツの権威ある「クラシック・エコー誌」から2002年の最優秀器楽奏者に選出された。日本のムラマツ製24Kゴールドのフルートを使用している。ストックホルム在住。
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ロナルド・ブラウティハム(Ronald Brautigam,1954年10月~)はブラウティガムと呼ばれることもある。オランダの主要なピアノ演奏家の一人。アムステルダムに生まれ、スウェーリンク音楽院でヤン・ウィーンに師事。その後、ルドルフ ・ ゼルキンについてアムステルダム、ロンドン、アメリカ合衆国で学んだ。1984 年にオランダの権威ある音楽賞のNederlandse Muziekprijsを受賞した。リッカルド・シャイー、シャルル・デュトワ、ベルナルド・ハイティンク、フランス・ブリュッヘン、フィリップ・ヘレヴェッヘ、クリストファー・ホグウッド、アンドルー・パロット、ブルーノ・ワイルなどの著名な指揮者のもと、主要なヨーロッパのオーケストラと定期的に共演している。
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フルートの音像はセンター、ピアノはセンター奥に定位しており、奥行き感はあるが、横の広がり感は無い。ベザリーの奏でるフルートは透明感のある音をしている。トラック15のジョリヴェの「リノスの歌」はテンポの緩急が激しい曲でベザリーのテクニックが光っている。録音レベルは低めで、サラウンドスピーカの音にはアンビエンスな音も入っている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(533) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Mozart
Haffner Serenade
PTC 5186 097
Gordan Nikolic/Netherlands Chamber Orchestra
録音 2006年4月
PentaTone Classics

モーツァルト:
・行進曲ニ長調K.249
・セレナード第7番ニ長調K.250「ハフナー」

セレナード第7番は、モーツァルトが1776年に作曲した管弦楽用のセレナードである。「ハフナー」という愛称を持ち、「ハフナー・セレナード」とも呼ばれる。ザルツブルクの富豪ハフナー家の結婚式の前夜祭のために作曲が依頼され、1776年7月21日に初演された。この曲を演奏する音楽家たちの入退場のために、行進曲K.249も同時に作曲された。

ゴルダン・ニコリッチ(Gordan Nikolic,1968年~)はセルビア生まれのヴァイオリニスト、指揮者。7歳からヴァイオリンを習い始める。スイスのバーゼル音楽院(Basle Music Academy)にてヴァイオリニスト、指揮者のジャン=ジャック・カントロフ(Jean-Jacques Kantorow)に師事。1990年にソロ・ヴァイオリニストのディプロマを獲得。 ロンドン交響楽団のコンサート・マスターと2003年よりオランダ室内管弦楽団の音楽監督、コンサート・マスターを兼任。
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オランダ室内管弦楽団(Netherlands Chamber Orchestra,蘭:Nederlands Kamerorkest)は、オランダ・アムステルダムを本拠地とする室内オーケストラである。1955年にシモン・ゴールドベルクを中心として設立。1985年にアムステルダム・フィルハーモニー管弦楽団(Amsterdams Philharmonisch Orkest)・ユトレヒト交響楽団(Utrechts Symfonie Orkest)と合併し、ネーデルラント・フィルハーモニー管弦楽団となるが、ネーデルラント室内管弦楽団の名称で引き続き活動を行っている。 コンサート活動が中心だが、ネーデルラント・フィルとともにネーデルラント・オペラのピットに多く入る楽団である。 主要な指揮者として、ゴールドベルク、デイヴィッド・ジンマン、アントニ・ロス=マルバらが務め、合併後はネーデルランド・フィルと兼任でヘルムート・ヘンヒェンが首席指揮者を務めた。2003年よりヤコブ・クライツベルクが同じく兼任で首席指揮者に就任していた。またフィリップ・アントルモンが客演指揮者を務めている。
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高域弦の音の伸びは良い。中低域弦の響きには豊かさがもう少しほしいところだが、好録音。教会での録音で残響はかなりある。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(532) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Mussorgsky
Pictures at an Exhibition
MAR0553
Ferruccio Furlanetto(bass)
Valery Gergiev/Mariinsky Orchestra
録音 2014年6月,7月 DSD Recording
Mariinsky

ムソルグスキー:
・組曲「展覧会の絵」(M. ラヴェルによる管弦楽編)
・死の歌と踊り(D. ショスタコーヴィチによる声楽と管弦楽編)
・交響詩「はげ山の一夜」(聖ヨハネ祭前夜の禿山 原典版)

「死の歌と踊り」はムソルグスキーが1875年に着手し、その2年後の1877年に完成させた、「死」を扱った全4曲からなる歌曲集である。歌曲の詞は、遠縁の詩人で当時同居していたアルセニイ・ゴレニシチェフ=クトゥーゾフによるものであり、歌曲集「日の光もなく」も彼の作による。作曲者の死後の1882年に出版された。D.ショスタコーヴィチの編曲による管弦楽伴奏版(1962年)もあり、この版で演奏されることも多い(その他にリムスキー=コルサコフ、グラズノフ、カレヴィ・アホによる編曲版も存在する)。ショスタコーヴィチ編曲版はガリーナ・ヴィシネフスカヤに献呈された。

ヴァレリー・ゲルギエフ(Valery Abisalovich Gergiev, 1953~ )はモスクワでオセット人の両親の家庭に生まれる。その後、北オセチア共和国の首都オルジョニキゼ(現在のウラジカフカス)に移り、オルジョニキゼ音楽学校を卒業後、レニングラード音楽院(現サンクトペテルブルク音楽院)でイリヤ・ムーシンに師事し、指揮法を学ぶ。同院在学中にカラヤン指揮者コンクール2位、全ソ指揮者コンクール1位の栄誉に輝く。1977年レニングラード音楽院を卒業し、テミルカーノフの助手としてキーロフ劇場(現マリインスキー劇場)の指揮者となる。1988年、マリインスキー劇場の芸術監督に選出され、同劇場を世界中が注目する一流歌劇場へ発展させた、カリスマ性を備えた現代屈指の指揮者。2007年よりロンドン響首席指揮者。最近では2014年10月にマリインスキー歌劇場管弦楽団共に来日し、サントリーホールなどで公演を行った。
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マリインスキー劇場管弦楽団(Mariinsky Orchestra)、旧称キーロフ管弦楽団は、ロシア・サンクトペテルブルクにあるマリインスキー劇場付属のオーケストラである。ピョートル大帝の治世のもと18世紀に創設。ロシアで最も古い音楽団体として、由緒ある歴史を誇る。マリインスキー劇場は、19~20世紀の名作オペラやバレエが多数生まれた場所であり、ボロディン「イーゴリ公」、ムソルグスキー「ボリス・ゴドノフ」、チャイコフスキー「くるみ割り人形」「眠りの森の美女」のほか、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ等がオペラやバレエの初演を行った。
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ダイナミックレンジの大きな録音で、ワンポイントマイクをメインにスポット・マイクを多用したと思われ、各楽器の音のレベルはバランスよくミキシングされている。高域弦の音の伸びはあまり無いが、中低域弦の響きは豊かである。トラック20の「禿山の一夜」は金管の響きが印象に残った。サラウンドスピーカーからの音には直接音がかなり入っている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(531) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Bach
French Suites
AVCL-25510/1 (2 discs)
Mayako Sone (harpsichord)
録音 2003年10月(第5番,第6番)
    2004年5月(第3番,第4番)
    2004年10月(第1番,第2番)
Avex classics

J.S.バッハ:フランス組曲(全曲)
・第1番ニ短調 BWV.812
・第2番ハ短調 BWV.813
・第3番ロ短調 BWV.814
・第4番変ホ長調 BWV.815
・第5番ト長調 BWV.816
・第6番ホ長調 BWV.817

フランス組曲はバッハがケーテンで過ごした1722年頃の作品群。鍵盤楽器のための6つの組曲であり、比較的演奏は容易。イギリス組曲に短調作品が多く、演奏も技術が求められ、峻厳な曲想であるのと好一対をなしている。この時期先妻を亡くし、15歳下のアンナ・マグダレーナ・ヴィルケと再婚している。創作の意欲も衰えがなく、本作をはじめ多くの鍵盤楽器曲が残されている。

曽根麻矢子(Mayako Sone ,1964年11月~ )は、日本のチェンバロ奏者。上野学園大学教授。東京都生まれ。5歳のときに、ピアノとバイオリンを始める。桐朋学園高校ピアノ科在学中に、J.S.バッハを深く理解しようという動機で始めたチェンバロの魅力に取り憑かれ、高校卒業後、通奏低音奏者として活動を始める。 1986年、ブルッヘ国際チェンバロコンクールに入賞。その後、渡欧を繰り返し、コンクールの審査員であったスコット・ロスの他、ケネス・ギルバート、グスタフ・レオンハルトの指導を受ける。1990年以降しばらくは、パリに拠点を置き、フランスや日本を中心に活躍。拠点を日本に戻した後も、敬愛するJ.S.バッハの曲を中心に、精力的に演奏活動を行っている。1996年出光音楽賞受賞、1997年飛騨古川音楽大賞奨励賞を受賞。2003年以降、J.S.バッハの全曲演奏会を行っており、合わせてCDをリリースしている。
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録音時期が3回に分かれているが、特に第1番、第2番はS/Nが悪く、演奏が無い無音時に、空調機らしきノイズがめだつ。こちらの方が録音も新しく、S/Nも良く、録音レベルは大きめだが高域弦の倍音の響きが美しい。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音。録音場所は浜離宮朝日ホール


サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5ch

大英博物館展~「100のモノが語る世界の歴史」 [美術・絵画鑑賞]

昨日、知人が今年も入選した「美術文化展」の鑑賞も兼ねて上野の東京都美術館で「大英博物館展」を観てきました。
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昨日は毎月第3週水曜日の「シルバーデー」であり、天気も良かったので高齢の来場者が多く、約40分待ちでした。
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今まで国内で行われた大英博物館の展示品に関する展覧会に行ったのは、2000年11月「大英博物館の秘宝展」、2011年7月「大英博物館~ギリシャ美術展」、2012年8月「大英博物館~古代エジプト展」で、今回で4回目です。
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今回のコンセプトは大英博物館の700万点を超える収蔵品から選び出した100作品を通じて、200万年前から現代に至る人類の創造の歴史を読み解こうとする試みです。

大英博物館展の構成  ~ モノが語る 世界の歴史~

・プロローグ
   印象に残った展示物 ・「古代エジプトの棺」(紀元前600年頃)
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・第一章…創造の芽生え ~人類の発祥と、人類が作った道具
   印象に残った展示物 ・「オルドヴァイ渓谷の礫石器」(200万~180万年前、タンザニア)
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今朝の新聞に「ケニアの北部の約330万年前の地層から人類最古と見られる石器が約150点見つかった。」というニュースの記事が載っていたが、これはホモサピエンスでなく猿人が使用したものらしい。

・第二章…都市の誕生 ~5000年前に都市文明が誕生し、生まれた文化
   印象に残った展示物 ・「ラムセス2世像」(紀元前1280年頃、エジプト)
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・「ウルのスタンダード」(紀元前2500年頃、イラク)
箱にラスピラズリという青色の彩色がされています。
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・第三章…古代帝国の出現 ~支配者と、軍事力など当時の古代帝国。
   印象に残った展示物 ・「アウグストゥス帝の胸像」(1~40年、イタリア)
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ロゼッタストーンのレプリカの展示もありましたが、30年前に大英博物館で本物を見ました。

・第四章…儀式と信仰 ~各地に広まった宗教と民間信仰
    印象に残った展示物 ・「ガンダーラの仏像」(100~300年、パキスタン)
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・第五章…広がる世界 ~交易により世界へと広まった言葉や信仰、文化など
    印象に残った展示物 ・「ボロブドゥールの仏頭」(780~840年、インドネシア)
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・第六章…技術と芸術の革新 ~美しさと機能性を兼ね備えた道具など
    印象に残った展示物 ・「ヘブライ語が書かれたアストロラーペ」(1345~1355年、おそらくスペイン)
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・第七章…大航海時代と新たな出会い ~大航海時代の異文化との触れ合い
    印象に残った展示物 ・「柿右衛門の象」(1650~1700、有田)
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・第八章…工業化と大量生産が変えた世界 ~大量生産されたモノからメッセージを読む
    印象に残った展示物 ・「ビーグル号のクロノメーター」(1795~1805年、イギリス)
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大英博物館展公式サイト

SACDサラウンド・レビュー(530) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Mozart
Violin Sonatas
98904
Paul Badura-Skoda (hammerklavier)
Thomas Albertus Irnberger (violin)
録音 2010年1月
Gramola

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集
・ヴァイオリン・ソナタ第24番 ヘ長調 K. 376
・ヴァイオリン・ソナタ第32番 変ロ長調 K. 454
・ヴァイオリン・ソナタ第28番 変ホ長調 K. 380

トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Thomas Albertus Irnberger,1985年~)はオーストリア、ザルツブルグ生まれのヴァイオリニスト。7歳からヴァイオリン、8歳でピアノを習い始めた。才能を認められ、わずか9歳でザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学の特待生として入学を許される。15歳でチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲でビルケント交響楽団(BilkentSymphony Orchestra)と共演し、センセーショナルなデビューを果たす。リンツ・ブルックナー音楽院でヨゼフ・ザバイーニに、パリでギトリスに、その他シトコヴェツキー、アルベルト・リジー、イーゴリ・オイストラフといった巨匠たちに師事。
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パウル・バドゥラ=スコダ(Paul Badura-Skoda, 1927年10月~ )は、オーストリアのピアニスト・音楽学者。イェルク・デームスやフリードリヒ・グルダとともに、いわゆる「ウィーン三羽烏」のひとり。ウィーン音楽院に学び、1947年にオーストリア音楽コンクールに優勝し、その結果エトヴィン・フィッシャーの薫陶を受ける。1949年にヴィルヘルム・フルトヴェングラーやヘルベルト・フォン・カラヤンらといった著名な指揮者と共演する。1950年代には、米国と日本を訪れた。録音数は膨大で、200点以上に達するが、ウィーン古典派、とりわけモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトの専門家である。自筆譜や歴史的楽器の蒐集家としても有名。エヴァ夫人ともども碩学をもって名高く、揃って『新モーツァルト全集』において、ピアノ協奏曲第17番、第18番、第19番の校訂者を務めた。1976年、オーストリア政府よりオーストリア科学芸術功労賞を授与。また、マンハイム大学より名誉教授の称号を授与されている。
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Gramola Recordsは1924年に創業したウィーンの輸入代理店が2002年に立ち上げたレーベル。ウィーン音大やザルツブルクのモーツァルテウム、リンツ・ブルックナー音大などオーストリア屈指の教育機関で修練を受けた気鋭奏者、歌手たちを起用している。

父と孫ぐらいの年齢差のある、スコダ83歳、イルンベルガー25歳の時の共演。
ピアノはセンター左寄りの奥目に定位し、ヴァイオリンはセンターに定位している。ヴァイオリン用のマイク位置は距離を少しとったオフマイクのセッティングと思われるが、クリアで伸びのある音をしている。録音場所はザルツブルクのSaal Schweighofer

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(529) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Rachmaninov
Cello Sonata
BIS-SACD-1858
Alexander Chaushian (cello)
Yevgeny Sudbin (piano)
録音 2010年1月
BIS

ラフマニノフ:
・チェロ・ソナタト短調 Op. 19
・14の歌 Op. 34 第14番 ヴォカリーズ ホ短調(チェロとピアノ編)
ボロディン:チェロ・ソナタロ短調
ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタニ短調 Op. 40

アレクサンダー・チャウシャン(Alexander Chaushian, 1977年~)はアルメニア生まれのチェリスト。7歳の時に祖父からチェロを教わる。ユーディ・メニューイン音楽学校でメリッサ・フェルプスに、ギルドホール音楽演劇学校でオレグ・コーガンに、ハンス・アイスラー音楽大学ベルリンではボリス・ペルガメンシコフやダヴィド・ゲリンガスなどに師事。プレミオモーツァルト国際コンクール(ヴェローナ)、ピエール・フルニエ賞、チャイコフスキー国際コンクール、ミュンヘン国際音楽コンクールなど受賞歴多数。ソリストとしては、ウィーン室内管弦楽団、アカデミー室内管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、ロイヤル・フィル、スイス・ロマンド管弦楽団、ボストン・ポップス、アルメニア・フィルなどと共演している。日本では、サントリーホールでのコンサートにおいてデビューし、大成功をおさめた。また、ドミトリ・シトコヴェツキー、ダヴィド・ゲリンガス、ユーリ・バシュメット、ギドン・クレーメルなどと共演している。英国王立音楽大学教授。
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エフゲニー・スドビン(Yevgeny Sudbin, 1980年~)ロシアのサンクトペテルブルク生まれ。幼少の頃から優れた音楽的才能を発揮し、1987年にはサンクトペテルブルク音楽院へ入学。90年にベルリンで研鑽を積んだ後、97年よりロンドンに居を構え、王立音楽院でクリストファー・エルトンに師事。その間にイタリア、コモ湖国際ピアノアカデミー参加、マレイ・ペライヤ、クロード・フランク、レオン・フライシャー、スティーヴン・ハフ、アレキサンダー・ザッツにも師事する。 06年にヨーロッパ、北欧ツアーのほか、大絶賛されたカナダとアメリカツアーを実現、フリック・コレクション・シリーズでニューヨーク・デビューを果す。2007年アメリカのアスペン音楽祭、フランスのラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭、ニューヨークのメトロポリタン博物館ピアノ・フォルテ・シリーズでデビューをする。2010年10月、アムステルダム・コンセルトヘボウ大ホールデビューを果たす。2011年1 月、初来日し埼玉と東京のリ サイタルは絶賛を博す。2012年10月にも再来日し、D.スカルラッティのピアノ・ソナタなどを演奏した。
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チェロはセンターやや右、ピアノはセンターやや左寄りに定位しているが奥行き感はあまり無い。チェロの音は豊かな響きを伴っている。一方、ピアノの音にはみずみずしさがあまり感じられない。サラウンドスピーカーからはアンビエンスな音も含まれている。録音場所はイギリス、ブリストル、聖ジョージ教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(528) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Mozart
"Haydn" Quartets (I)
PRD/DSD 250 242
Prazak Quartet
録音 2007年9月
Praga Digitals

モーツァルト:ハイドン・セット(I)
・弦楽四重奏曲第15番ニ短調 K.421
・弦楽四重奏曲第17番変ロ長調 K.458「狩り」
・弦楽四重奏曲第19番ハ長調 K.465「不協和音」

ハイドン・セットとは、モーツァルトの作曲した6曲の弦楽四重奏曲(K.387、K.421、K.428、K.458、K.464、K.465 )である。まとめてヨーゼフ・ハイドンに献呈されたので、「ハイドン・セット」または「ハイドン四重奏曲」と呼ばれている。モーツァルトが2年あまりを費やして作曲した力作であり、古今の弦楽四重奏曲の傑作として親しまれている。出版前、1785年1月15日と2月12日に、モーツァルトはハイドンを自宅に招き、この6曲の全てまたは数曲を披露している。モーツァルトはその際自らヴィオラを弾いたと伝えられる。

プラジャーク弦楽四重奏団(Prazak Quartet)はメンバーがまだプラハ音楽院の学生であった1972年に結成された。1974年のチェコ音楽年にプラハ音楽院室内楽コンクールで第1位を獲得。1975年プラハの春音楽祭で演奏を行って国際的なキャリアを踏み出した。そして1978年にはエヴィアン弦楽四重奏コンクールで第1位に輝き、同時にコンクール中の最優秀録音に授与されるラジオ・フランスの特別賞も獲得。ヨーロッパ音楽界の主要都市であるプラハ、パリ、アムステルダム、ブリュッセル、ミラノ、マドリード、ロンドン、ベルリン、ミュンヒェンなどで公演を重ねるほか、幾多の国際的なフェスティバルに招聘されては、メナヘム・プレスラー、ヨゼフ・スークといった第一級の演奏家たちと共演している。今月開催されたL.F.J.2015にも来日しており、このところ毎年のように来日し、演奏を聴かせてくれている。
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Vnは高域の伸びがあり、クリアーな響き、中低域弦は厚みのある音をしており、好録音。各楽器はそれぞれの位置にしっかりと定位している。スタジオでのセッション録音だがサラウンドスピーカーからの音にはアンビエンスな音も入っている。録音場所はプラハのDomovina Studio

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(527) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Saint-Saëns
Piano Quartets
943 1519-6
Mozart Piano Quartet
録音 2007年12月
    2008年12月
MDG

サン=サーンス:ピアノ四重奏曲集
・ピアノ四重奏曲変ロ長調Op.41
・ピアノ四重奏曲ホ長調
・舟歌ヘ長調Op.108

モーツァルト・ピアノ四重奏団(Mozart Piano Quartet)はドイツとオーストラリア出身の国際的なソリストが集まって1997年創立。当初はアンサンブル・ティラミス(Ensemble Tiramisu)という名前で知られていた。メンバーはヴァイオリンのMark Gothoni、ヴィオラのHartmut Rohde、チェロのPeter Hörr、ピアノのPaul Rivinius。
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ピアノはセンター奥で音量は控えめにミキシングされており、他の楽器もそれぞれの位置に定位している。高域弦の音の伸びはあまり無い。サラウンド・スピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はドイツ、ハノーファーの南西約50kmにあるマリエンミュンスター修道院

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5.1ch (2+2+2方式)

SACDサラウンド・レビュー(526) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Dream of the Orient
474 992-2
Werner Ehrhardt /Concerto Köln
録音 2002年11月
Archiv Produktion

オリエントの夢
・モーツァルト:歌劇『後宮からの逃走』序曲
・イジア音階によるトルコ風協奏曲
・ユリュク・セマイのリズムによる最後のトルコ伝承曲
・グルック:歌劇『思いがけないめぐり会い(メッカの巡礼)』序曲
・イブラヒム・アガ:兵士の行進曲
・タタール・ハン・ガジ・ギライ:トルコ兵士の行進曲
・クラウス:歌劇『スレイマーン2世、または3人の王』からのバレエ~アレグロ
・作者不詳:皇帝サルタンの入場
・クラウス:歌劇『スレイマーン2世』からのバレエ~皇帝サルタンの入場/奴 隷たちの入場/エルミラの踊り/トルコ兵士の行進曲
・トルコの伝承曲:メッカへの巡礼者たちの聖歌
・クラウス:歌劇『スレイマーン2世』からのバレエ~ロクスラナの入場
・クラウス:歌劇『スレイマーン2世』からのバレエ~戴冠式
・トルコの伝承曲:苦行派托鉢修道僧の歌
・クラウス:歌劇『スレイマーン2世』からのバレエ~苦行派托鉢修道僧の入場
・ジュスマイア:トルコ風シンフォニア ハ長調、他

ヴェルナー・エルハルト(Werner Ehrhardt,1957年~)はドイツのヴァイオリニスト、指揮者。フランツ・ヨーゼフ マイヤー(Franzjosef Maier)やシギスヴァルト・クイケン(Sigiswald Kuijken)にヴァロック・バイオリンを師事。1985年から2005年までコンチェルト・ケルン(Concerto Köln)のコンサートマスターと音楽監督を務めていた。また、カントゥス・ケルン(Cantus Cölln)、ムジカ・アンティクヮ・ケルン(Musica Antiqua Köln)のメンバーも兼ねていた。2004年にピリオド楽器を使用したオーケストラ「ラルテ・デル・モンド」(Orchestra l’arte del mondo)を創設。
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コンチェルト・ケルン(Concerto Köln)は、ドイツ、ケルンに本拠を置く古楽器オーケストラである。1985年に設立。設立当初より常任の指揮者は置かず、2005年より楽団のフルート奏者マルティン・ザンドホフ(Martin Sandhoff)が芸術監督を務めている。また楽団の運営や曲目の選定は楽員達で行うなど自主的な活動を行っている。代表的なレコーディングは、ヴィヴァルディやJ・S・バッハの作品集、メンデルスゾーンの「弦楽のための交響曲」全集、ルネ・ヤーコプス指揮でヘンデル・グルックの歌劇やモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」、シュタイアーのフォルテピアノ独奏でモーツァルト・ピアノ協奏曲集などがある。
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18世紀にヨーロッパで流行したトルコ風音楽と、トルコの伝統的な民族音楽を組み合わせたアルバム。ドイツの作曲家はグルック、クラウス、オーストリアはモーツァルト、ジュスマイアの各作品が民族楽器を使用したトルコ伝統的な民族音楽と融合する。
高域弦は音の伸びが有り、中低域弦の響きは豊かで好録音。録音場所はケルン、メランヒトン教会(Melanchthen Kirche)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(525) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Mozart
Piano Concertos Vol. 8
BIS-2064 SACD
Ronald Brautigam(fortepiano)
Michael Alexander Willens/Die Kölner Akademie
録音 2013年12月
BIS

モーツァルト:ピアノ協奏曲全曲シリーズ第8集
・ピアノ協奏曲第16番ニ長調KV.451(カデンツァ;モーツァルト)
・ピアノ協奏曲第15番変ロ長調KV.450(カデンツァ;モーツァルト)
・ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調KV.382(カデンツァ;モーツァルト)

ロナルド・ブラウティハム(Ronald Brautigam,1954年10月~)はブラウティガムと呼ばれることもある。オランダの主要なピアノ演奏家の一人。アムステルダムに生まれ、スウェーリンク音楽院でヤン・ウィーンに師事。その後、ルドルフ ・ ゼルキンについてアムステルダム、ロンドン、アメリカ合衆国で学んだ。1984 年にオランダの権威ある音楽賞のNederlandse Muziekprijsを受賞した。リッカルド・シャイー、シャルル・デュトワ、ベルナルド・ハイティンク、フランス・ブリュッヘン、フィリップ・ヘレヴェッヘ、クリストファー・ホグウッド、アンドルー・パロット、ブルーノ・ワイルなどの著名な指揮者のもと、主要なヨーロッパのオーケストラと定期的に共演している。

ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(Michael Alexander Willens)はアメリカの指揮者。ジュリアード音楽院にて指揮をジョン・ネルソン(ジュリアード音楽院)、レナード・バーンスタイン(タングルウッド)などに学ぶ。リンカーンセンターのグレート・パフォーマーズ・シリーズやドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、イタリアなどの主要な音楽祭に出演。ケルン・アカデミーの音楽監督。

ケルン・アカデミー(Kölner Akademie)は指揮者のミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズによって、1996年に創設されたドイツのケルンを拠点とするオーケストラ。レパートリーは17世紀から21世紀までの音楽で、それらの作品をその時代の演奏解釈のもとに時代に合った楽器(バロック、クラシックなど)を使い分ける。歴史的研究を追求し、作曲家の意図を引き出すことを心がけるその演奏は新鮮で自然に聴こえ、作品の本来の姿を生き生きと響かせる。 2013年5月にブラウティガム、ヴィレンズと共に来日し、モーツアルトのピアノ協奏曲などを演奏した。

ブラウティハム、ヴィレンズとケルン・アカデミーのコンビによるモーツァルト、ピアノ協奏曲全曲シリーズ第8弾。高域弦の音の伸びは良く、中低域弦の響きも豊か。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。編成はVn×8,Va×2,Vc×2,Cb×2,Fl×1,Ob×1,Fg×2,Hr×2,Tp×2,Timp×1。フォルテピアノはペダルの無いタイプで、アントン・ワルター1805年のレプリカ、2011年ポール・マクナルティ製を使用。録音場所はケルン、ドイツ放送室内楽ザール(Deutschlandfunk Kammermusiksaal, Köln)
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サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(524) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Schumann
Zwickau Symphony & Overtures
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Frank Beermann/Robert Schumann Philharmonie
録音 2011年9月
CPO

シューマン:
・序曲、スケルツォとフィナーレ Op. 52
・劇音楽「マンフレッド」 Op. 115 序曲
・序曲「ジュリアス・シーザー」 Op. 128
・序曲「ヘルマンとドロテア」 Op. 136
・交響曲 ト短調 「ツヴィッカウ」 Anhang A3 (M. ヴェントによる校訂版)

交響曲ト短調 「ツヴィッカウ」は、シューマンが作曲に着手し、第2楽章までを完成させながら、全曲を完成しなかった交響曲で、若き日のシューマンが、初めて交響曲の作曲に挑んだのが、この曲であるとされる。作曲は1832年に着手され、第1楽章のみをまず完成させた。1832年にツヴィッカウにて、クララ・ヴィークのピアノ演奏会があり、このときにこの第1楽章が初演された。しかし、当時既にピアニストとして名声を博していたクララの陰に隠れ、全く評判にならなかった。1841年に完成した交響曲第1番 以降に番号が付けられているため、作曲者自身は「交響曲」以上の曲名を与えていないが、通称として「ツヴィッカウ交響曲」あるいは「交響曲ト短調」と呼ばれ、作品番号も与えられていない。ツヴィッカウは、シューマンが生まれた地であるとともに、この曲の初演が行われた地である。

フランク・ベールマン( Frank Beermann ,1965年3月~)はドイツのヴェストファーレンに生まれの指揮者。2007/2008年のシーズンからケムニッツ劇場の音楽総監督を務めている。
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ロベルト・シューマン・フィルハーモニー(Robert Schumann Philharmonie)は,ドイツのザクセン州のケムニッツ市立のオーケストラとして1833年に創立された歴史のあるオーケストラ。リヒャルト・シュトラウス、クレンペラー、ワルターなどが客演指揮している。1983年の創設150周年を期にロベルト・シューマン・フィルと改称し,現在はオペラ,バレエ,演劇,コンサートを行うケムニッツ劇場のオーケストラとして活躍している。現在フランク・ベールマンが音楽監督を務める。
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教会の豊かな残響を伴う環境での録音だが、その影響をあまり感じさせない。1ポイントマイクを中心とした録音と思われ、高域弦の音の伸びはあまり無いが、中低域弦の響きは豊かである。特に冒頭のCbは押し出しのいい響きをしている。コンサートホールの中ほどで聴いているように、各楽器はバランスよくミキシングされている。サラウンド・スピーカーの音には直接音も拾っている。録音場所はドレスデン、聖ルカ教会(Lukaskirche Dresden)
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サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015(2) [クラシック音楽鑑賞]

4日の最終日公演に行ってきました。
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今日は時間に余裕が有ったので東京駅で降り、東京ビルTOKIAのガレリアで行われていたピアノ4手連弾の無料コンサートを見学後、以下の公演を聴いて来ました。

■公演番号314(ホールA)
チャイコフスキー:交響曲 第4番 ヘ短調 op.36
指揮 アジス・ショハキモフ
演奏 デュッセルドルフ交響楽団
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演奏は3日の公演番号212と同じショハキモフ指揮、デュッセルドルフ交響楽団の組み合わせでした。この曲は私の好きな曲の一つで、CDでは何回も聴いていますが、演奏会で聴くのは初めてでした。聴いた感想ですが、デュッセルドルフ響は冒頭からホルンが見事な音色の響きを放ち、さすがクラシックの本家本元だけあるなと感心した。特に終楽章のフィナーレはチューバをはじめ金管のパワーに圧倒されました。金管が弱点の日本のどこかの交響楽団とはパワーの点でも差があるな、と感じました。


■公演番号325(ホールB7)
C.P.E.バッハ:
・シンフォニア ト長調 Wq.182/1,H.657
・シンフォニア 変ロ長調 Wq.182/2,H.658
・チェンバロと2つのヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスのための協奏曲 ニ短調

チェンバロ独奏 鈴木優人
指揮 ロベルト・フォレス・ヴェセス
演奏 オーヴェルニュ室内管弦楽団

C.P.E.バッハのシンフォニア ト長調 Wq.182/1と変ロ長調 Wq.182/2は、6曲から成るハンブルク・シンフォニア(Hamburg Sinfonias)と言われている「6つのシフォニア」の第1番と第2番で59歳の1773年に作曲されたもの。

鈴木優人(Masato Suzuki,1981年~)はオランダ・デンハーグ生まれ。東京藝術大学作曲科卒業、同大学院古楽科にてオルガンを父・鈴木雅明に師事。2007年オランダ・ハーグ王立音楽院修士課程オルガン専攻を首席で修了。同年9月より同音楽院即興演奏科を栄誉賞付きで日本人として初めて修了。アムステルダム音楽院チェンバロ科にも学ぶ。現在、バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとして、また室内楽やチェンバロやオルガンソロなど国内外で演奏活動を展開している。

ロベルト・フォレス・ヴェセス(Roberto Fores Veses)はスペイン、バレンシア出身。ペスカーラ音楽院とシベリウス音楽院で指揮を学ぶ。2006年にオルヴィエート国際コンクール、2007年にスヴェトラーノフ国際指揮コンクールで優勝。2012年、オーヴェルニュ室内管弦楽団の音楽監督・芸術監督に就任。これまでリヨン国立管、プラハ・フィル、ミラノ響等を指揮。

オーヴェルニュ室内管弦楽団はフランスの中南部オーヴェルニュを拠点のする室内管弦楽団。1981年創設。歴代の音楽監督にはジャン=ジャック・カントロフ、アリ・ヴァン・ベークがいる。21名の優れた奏者から成り、バロックから現代まで幅広いレパートリーを誇る。欧州内外の国際音楽祭での演奏に加え、地元オーヴェルニュでの定期公演も好評を博している。これまでE.クリヴィヌ、B.ヘンドリックスらと共演。今シーズンにはI.ファウストやC.ポッペンらと共演予定。

ハイドンやベートーヴェンなどに大きな影響を与えた大バッハの次男、C.P.E.バッハは私の好きな作曲家の一人です。シンフォニアの20曲をはじめ、チェンバロ協奏曲など、とても多くの作品を作曲しました。

オーヴェルニュ室内管はVn×11、Va×4、Vc×4、Cbs×2、Cemb×1の22名の編成のようで、弦はほとんどがモダン楽器を使用しているようでしたが、ピリオド用の弓を使っているメンバーもいました。3曲目のニ短調はチェンバロ協奏曲に編曲されているらしく、ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスのソロパートは有りませんでした。チェンバロのソロを鈴木優人さんが務め、見事なテクニックを披露してくれました。アンコールにJ.S.バッハの平均率クラヴィーア曲集第1巻の第1曲を弾いてくれました。

地上広場の屋台
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ガラス棟ロビーギャラリーでの LFJトークサロンにて
ヴァイオリンニストの成田達輝氏のミニステージ
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ピアニストの本田聖嗣氏と成田達輝氏のトーク
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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015(1) [クラシック音楽鑑賞]

「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2015」は昨日の5月2日から4日まで東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催されています。今年のテーマは「PASSIONS(パシオン)」恋と祈りといのちの音楽です。2日目の今日、以下の公演を聴いて来ました。
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■公演番号212(ホールA)
マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調より 第4楽章 アダージェット
ワーグナー:オペラ《ローエングリン》より 第1幕前奏曲、第3幕前奏曲
ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》より 前奏曲とイゾルデの愛の死
指揮 アジス・ショハキモフ
演奏 デュッセルドルフ交響楽団

マーラーの交響曲 第5番第4楽章アダージェットは10分ほどの楽章で、弦楽器とハープだけで演奏する非常にゆっくりとしたテンポの美しい曲であることから、別名「愛の楽章」とも呼ばれており、映画『ベニスに死す』で使われたことで有名。

アジス・ショハキモフ(1988年~)ウズベキスタン生の指揮者。13歳でウズベク国立響にてデビュー。マーラー国際指揮者コンクール2位。ドレスデン・シュターツカペルやブレーメン・カンマーフィル、コムナーレ劇場フィル、シンフォニア・ヴァルソヴィア、ローザンヌ室内響等と共演。交響曲だけでなくオペラも得意とし、受賞も多数。

デュッセルドルフ交響楽団(Düsseldorfer Symphoniker)は1818年創立の市音楽協会をルーツとし、メンデルスゾーンとシューマンがかつて音楽総監督を務め、ドイツで2番目に古い市民オーケストラでもある。20世紀に入ってからはE.フィッシャーやホロヴィッツがソリストとして出演、R.シュトラウスが指揮となり、2009年にアンドレイ・ボレイコが音楽総監督に就任。共演には他にも、エッシェンバッハ、バレンボイム、ヤルヴィ、シャイー、ブッフビンダーらが名を連ねている。デュッセルドルフ・トーンハレのレジデント・オーケストラ

デュッセルドルフ交響楽団を始めて聴いたが、第1ヴァイオリンに坂口双葉、Sakuko Hayashi 、Tadako Okabeの日本人奏者をはじめ、第2ヴァイオリンやコントラ・バスなどに東洋系女性奏者が計6、7名いるようだった。3曲ともテーマの「愛のパシオン」通り、美しいメロディーのテンポのゆったりとした曲だった。

■公演番号213(ホールA)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61
独奏 オリヴィエ・シャルリエ
指揮 ロベルト・トレヴィーノ
演奏 シンフォニア・ヴァルソヴィア

オリヴィエ・シャルリエ(Olivier Charlier,1961年2月~)は、フランスのヴァイオリニスト。10歳からパリ音楽院でジャン・フルニエに師事し、また、ユーディ・メニューイン、ヘンリク・シェリング、ナディア・ブーランジェに師事した。1978年、ミュンヘン国際音楽コンクール(第3位)、1979年、モントリオール国際コンクール、1980年、シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール、1981年、ロン=ティボー国際コンクール(第2位)、エネスコ・コンクール、1982年、インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクール(第4位)に出場、入賞を果たした。世界各国の著名なオーケストラと共演し、レコーディングも数多い。日本では読売日本交響楽団、新星日本交響楽団などと共演した。1981年、パリ音楽院の室内楽クラスの助手となり、1992年からヴァイオリン科の教授を務め、ロン=ティボー国際コンクールなどで審査員を務めている。

ロベルト・トレヴィーノ(Robert Trevino,1983年~)20歳の2003年にシンシナティ交響楽団のアソシエート・コンダクターとしてプロデビュ。2009~11年にニューヨーク・シティ・オペラでアソシエート・コンダクターならびに客演指揮者を務め、モーツァルトからバーンスタイン、世界初演作品まで数々のオペラを指揮。2011年、タングルウッド音楽祭にてレヴァインより小澤征爾フェロー賞に選出。ボストン響、ロサンジェルス・フィル等に客演している。

シンフォニア・ヴァルソヴィアはポーランド・ワルシャワに本拠地があるオーケストラである。1984年、ポーランド室内管を前身に、メニューインにより設立された。これまでアバド、デュトワ、アルゲリッチ、ルプー、シフ、ドミンゴ、ラローチャ、クレーメル、ムターらと共演。現芸術監督はK.ペンデレツキ。2010年の「LFJワルシャワ」発足にも貢献。昨2014年、楽団創設30年を迎えた。

演奏予定のソロ奏者のオーギュスタン・デュメイが一時的な肩の痛みにより、長時間の演奏ができないと言うことで、急遽、同じフランス人のオリヴィエ・シャルリエに変わった。シャルリエは事前の練習が十分できなかったのか、出だしは弓使いが悪く、変な雑音も聞こえたが、曲が進むにつれて良くなってきた。

SACDサラウンド・レビュー(523) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Chopin
Piano Sonata No.2
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Nelson Freire (piano)
録音 2004年12月 
Decca Classics

ショパン:
・12のエチュード Op.10
・「舟歌」嬰ヘ長調 Op.60
・ピアノソナタ第2番変ロ短調 Op.35「葬送」

12の練習曲 作品10の初版はショパンが23歳の1833年に発表された(一部は1829年には既に作曲されていた)。ショパンは当時のパリのサロンで既に有名な作曲家、ピアニストとして認知されていた。この曲集は当時作曲活動にひたむきであったフランツ・リストに捧げられ、二人が知り合うきっかけにもなった。第3番によく知られている「別れの曲」を含む。

ネルソン・フレイレ(Nelson Freire,1944年10月~)はブラジルのピアニスト。3歳でピアノを始め、姉が弾いたばかりの曲をそらで演奏して周囲を驚かせた。フランツ・リストの孫弟子にあたるルシア・ブランコの指導を受け、5歳で最初のリサイタルを行い、モーツァルトのピアノソナタ イ長調を取り上げた。1958年にウィーン音楽院に留学して、フリードリヒ・グルダの恩師ブルーノ・ザイドルホーファーに師事した。1964年にリスボン・ヴィアンナ・ダ・モッタ国際ピアノコンクールを制覇するとともに、ロンドンでリパッティ・メダルとハリエット・コーエン・メダルを獲得した。このほか最近の活動としてはマルタ・アルゲリッチとの歴史的なツアーがある。2011年1月、フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受章した。最近では2014年10月に来日し、ワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団の組み合わせでブラームスのピアノ協奏曲第2番をサントリーホールなどで演奏した。
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録音場所は19世紀に建てられた麦芽の製造所を、 コンサートホールに改装したイギリス、サフォークに在るスネイプ・モルティングス ・コンサートホール
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コンサートホールでのセッション録音でピアノの微細な響鳴音をうまくとらえている。フレイレのテクニックにも魅せられた。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch