So-net無料ブログ作成

SACDサラウンド・レビュー(548) [サラウンド・サウンド・レビュー]

reVisions - Steven Isserlis.jpg
reVisions - Steven Isserlis
BIS-SACD-1782
Steven Isserlis (cello)
Gabor Takacs-Nagy/Tapiola Sinfonietta
録音 2009年11月
BIS

サリー・ビーミッシュ:チェロと管弦楽のための組曲(原曲:C. ドビュッシー)
ラヴェル:2つのヘブライの歌
プロコフィエフ:チェロ・コンチェルティーノ ト短調 Op. 132 (編曲:V. ブロク)
エルネスト・ブロッホ:ユダヤ人の生活より(編曲:C. パルマー)

サリー・ビーミッシュ(Sally Beamish, 1956年8月~ )は、ロンドン生まれのイギリスの女性作曲家、ヴィオラ奏者。 王立ノーザン音楽大学でアンソニー・ギルバートとレノックス・バークリーにヴィオラを学び、後にドイツでイタリアのヴィオラ奏者ブルーノ・ジュランナに学んだ。ラファエロ・アンサンブルのヴィオラ奏者として弦楽六重奏のディスクを6枚録音している。しかし、ロンドンからスコットランドに移った後、ビーミッシュの関心は作曲に移った。彼女は膨大な数のオーケストラのための曲を書いており、それは2つの交響曲、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、オーポエ、サクソフォーン、トランペット、打楽器、フルート、アコーディオンのための協奏曲を含んでいる。また、室内楽と器楽曲、映画音楽、劇音楽、アマチュアのための音楽も作曲している。
Sally Beamish_1.jpg


スティーヴン・イッサーリス(Steven Isserlis, 1959年12月~ )は、イギリス、ロンドン生まれのチェロ奏者。10歳からロンドンの国際チェロセンターでジェーン・コーワンに師事。1976年、アメリカのオバーリン大学に留学。1993年、アメリカでピアティゴルスキー芸術賞を受賞。同年、イギリスのロイヤル・フィルハーモニック協会から年間最優秀器楽演奏家賞を受賞。多岐にわたるレパートリーと、ガット弦を用いた個性的な音色によって有名。愛器は、日本音楽財団より貸与されたストラディヴァリウス「フォイアーマン」(Feuermann)
Steven Isserlis_1.jpg


ガボール・タカーチ=ナジ(Gabor Takacs-Nagy,1956年~)ハンガリー生まれのヴァイオリニスト、指揮者。8歳でヴァイオリンを始める。フランツ・リスト音楽院で学び、F.ラドシュ、A.ミハーイ、G.クルターグなどに師事。1975年に創立したタカーチ・カルテットの創立者の一人で、1992年まで第1ヴァイオリンを務めていた。2007年からヴェルビエ祝祭室内管の音楽監督。2012年からブタペスト音楽祭の首席客演指揮者。ジュネーブ音楽院教授
Gabor Takacs-Nagy_1.jpg


タピオラ・シフォニエッタ(Tapiola Sinfonietta)は1987年に創設され、エスポー市管弦楽団とも呼ばれる。フィンランドの首都ヘルシンキに隣接したエスポーという市のタピオラ・ホールを拠点とする。芸術監督をオスモ・ヴァンスカ、ジャン=ジャック・カントロフなどが歴任している。
Tapiola Sinfonietta_5.JPG


チェロのソロ以外の管弦楽作品は1ポイントマイクを中心とした録音と思われ、コンサートホールのセンターで聴く音に近い。タピオラ・コンサート・ホールの豊かな残響を伴っており、ホール・トーンは良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメインだが直接音も入っている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

TA-DA5800ES導入によるサラウンド再生環境の評価 [オーディオ]

SONY製AVアンプTA-DA5800ESの音質は以前使用していたパイオニア製VSA-919AHよりかなり良くなっています。音の粒立ち感、クリア度が増し、何よりも音の濁り感が全くないことです。

残念な点はイコライザー機能が低域部、高域部のみの設定しかできないこと。マニュアルでの位相調整がサブウーハーにしかできないことです。又、PCオーディオとしてUSB-DAC機能を使用した場合、2チャンネルにしか対応していません。

今回の導入で同じ音源でのサラウンド再生は6系統を聴き比べできるようになりました。


現在のサラウンド再生環境ブロック図
現在のサラウンド再生環境ブロック図.jpg


各サラウンド再生の音質評価表
各サラウンド再生の音質評価表.jpg


OPPO BDP-103DJPのアナログ・オーディオ出力経由で再生した場合は、SONY TA-DA5800ESから直接再生した場合に比べ、音のクリアさや高域の伸び、低域の張出し感が劣るように感じました。内蔵DACの性能がSONY TA-DA5800ESのものより劣っていると思われます。また、BDP-103DJPからHDMI経由で再生した場合は、AVアンプ内でDSPを経由するため、音は良いですが、かなり加工されているようです。

SACDサラウンド・レビュー(547) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Marais Alcione_1.jpg
Marais
Alcione Suites des airs à joüer
AVSA9903
Jordi Savall/Le Concert des Nations
録音 1993年12月
Alia Vox Heritage

マラン・マレ:「アルシオーヌ」管弦楽曲版

「アルシオーヌ」はマラン・マレが作曲した唯一の音楽悲劇(オペラ)でこのアルバムに収録されているのは、この中に登場するアリアを管弦楽用に編曲し、4 つの組曲にまとめあげた管弦楽曲版。

マラン・マレ(Marin Marais,1656年5月~1728年8月)はフランスの作曲家、指揮者、バス・ヴィオール奏者。パリ南の貧民街で見習い靴職人の子供として生まれ、幼少の頃から音楽の才能を認められて1667年にはパリ第一の音楽教育機関だったサン=ジェルマン=ロクセロワ教会の聖歌隊に入り、1672年までフランソワ・シャプロンなどのもとに教育を受ける。 聖歌隊を出た後、ヴィオールをサント=コロンブ師などに師事して、名手として知られるようになり、おそらくはリュリ門下の作曲家ジャン=フランソワ・ラルウェットなどの手引きもあって、1676年にはパリのオペラ、そして1679年8月1日からはルイ14世の宮廷のヴィオール奏者に任命された。また作曲家としての名声も高く、1693年に最初のオペラ「アルシード」を発表してからは、パリのオペラの作曲家、そして後には指揮者としても成功をおさめている。晩年にはまた、ヴィオールの優れた教師として知られた。ヴィオール曲集第5巻の中の一曲で「膀胱結石手術図」という変わった曲名が付いているのがあるが、作曲者自身の膀胱結石の手術の様子がナレーションと音楽で表現されている。
Marin Marais_2.jpg


ル・コンセール・デ・ナシオン(Le Concert des Nations)はジョルディ・サヴァールの主宰するピリオドアンサンブルで1989年の結成以来、活動の中心をバルセロナに移すと共に、バロック期のスペインないしラテン系諸国の声楽、器楽作品を新鮮な解釈と表現のもとに演奏活動に取り組んでいる。
Le Concert des Nations_5.jpg


フランスのアストレ・レーベルの2ch音源をDSDにリマスタリングしたものだが、サラウンドスピーカーからの音にはアンビエンスな音も入っている。高域弦の音の伸びはあまり無いが、中低域弦の響きは豊かである。録音場所はカタルーニャ、カルドナ教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(546) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mendelssohn Piano Trios.jpg
Mendelssohn
Piano Trios
PTC 5186 085
Julia Fischer (violin)
Jonathan Gilad (piano)
Daniel Müller-Schott (cello)
録音 2006年2月 DSD Recording
PentaTone Classics

メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲集
・ピアノ三重奏曲第1番ニ短調Op.49
・ピアノ三重奏曲2番ハ短調Op.66

ピアノ三重奏曲第1番は1839年9月23日に完成し、この年の秋にライプツィヒで、発見されて間もなかったシューベルトの交響曲第8番「ザ・グレート」などと共に初演された。この時はメンデルスゾーン自身がピアノ、ヴァイオリンは友人のフェルディナンド・ダヴィッドが担当した。楽譜は1840年に一度出版されたが、その後ダヴィッドの助言を受けて第4楽章を中心に修正を加えて出版されたため2つの版が存在し、今日一般に演奏されるのは第2版の方である。ピアノの達人だったメンデルスゾーンらしく、演奏には高度な技巧を要する。

ピアノ三重奏曲第2番はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者として在任中の1845年に作曲されたと推測されている。ヴァイオリニスト・作曲家のルイ・シュポーアに献呈された。4楽章の構成で、演奏時間は約31分。

ユリア・フィッシャー(Julia Fischer ,1983年6月~)ドイツのヴァイオリンニスト、ピアニスト。スロヴァキア出身のピアニストの母と東ドイツ出身の数学者の父のもと、ミュンヘンで生まれる。4歳からヴァイオリン、ピアノを始め、アウクスブルクのレオポルト・モーツァルト音楽院でリディア・ドゥブロフスカヤに、ミュンヘン音楽大学でアナ・チュマチェンコにヴァイオリンを学ぶ。 1995年のユーディ・メニューイン国際コンクール、1996年の第8回ユーロヴィジョン若手演奏家コンクールなど参加した8つの国際音楽コンクールのすべてで優勝(うち3つはピアノでの受賞)。弱冠23歳でドイツの名門フランクフルト音楽大学の教授に抜擢され、ペンタ・トーンから8枚のアルバムを発表していたが2008年にDECCAに移籍した。
Julia Fischer_1.jpg


ジョナサン・ギラード(Jonathan Gilad,1981年2月~)フランス、マルセイユ出身のピアニスト。11歳で La Ville de Marseilleでグランプリを獲得、ザルツブルクの夏期アカデミーの室内楽部門で金賞を獲得。ニューヨークのカーネギーホール、アムステルダム・コンセルトヘボーなどに客演。
Jonathan Gilad_1.jpg


ダニエル・ミュラー=ショット(Daniel Müller-Schott,1976年11月~)はドイツ、ミュンヘン生まれのチェリスト。ワルター・ノータス、ハインリヒ・シフ、スティーヴン・イッサーリスに師事し、アンネ=ゾフィー・ムター財団から奨学金を得る。また、1年間ムスティスラフ・ロストロポーヴィチから個人的に教えを得る。1992年、15歳で「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」で優勝し、国際的に注目を集めた。使用楽器は1727年製マッテオ・ゴフリラー「Exシャピーロ」
Daniel Müller-Schott_4.jpg


ヴァイオリンは左、ピアノはセンター後ろ寄り、チェロは右に定位している。各楽器の音はナチュラルな音に録音されており、バランスも良い。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音。録音場所はドイツ、ケルンのDeutschlandfunk Sendesaal

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(545) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Vaughan Williams Symphony No.2.jpg
Vaughan Williams
Symphony No.2
CHSA 5001
Richard Hickox/London Symphony Orchestra
録音 2000年12月
Chandos

・バターワース:青柳の堤
・ヴォーン・ウィリアムズ:ロンドン交響曲(交響曲第2番) 1913年原典版

ジョージ・バターワース(George Sainton Kaye Butterworth, 1885年7月~1916年8月)はイギリスの作曲家。ロンドンに生まれるが幼くしてヨークシャーに移り、歌手の母親から音楽の手ほどきを受ける。子供時代から作曲に手を染めていたが、父親の意向で事務弁護士となるべくイートン・カレッジに通わされ、さらにオックスフォード大学トリニティ・カレッジに進んだ。しかし同校では、民謡蒐集家のセシル・シャープや、民謡を熱愛する作曲家のヴォーン・ウィリアムズとの出逢いにより、いっそう音楽に打ち込むようになる。現存する作品のうち、A.E.ハウスマンの詩集「シュロップシャーの若者(A Shropshire Lad)」を歌曲集にしたものが最も有名である。
George Sainton Kaye Butterworth_1.jpg


ロンドン交響曲はヴォーン・ウィリアムズが1912年から1913年にかけて作曲した2作目の交響曲である。初演は1914年3月27日にロンドンのクィーンズ・ホールにおいてジェフリー・トイの指揮による。演奏は成功したが、第一次世界大戦勃発の1ヵ月前にドイツの指揮者フリッツ・ブッシュのもとに初稿の総譜を郵送した際、これが失われてしまう。作曲者はパート譜を手がかりに、作曲の際にも後押しした友人ジョージ・バターワースの協力も得て総譜を再構成し、多少の改訂を施した稿が1915年から1918年までの演奏に使われた。その後、長年にわたって何度も改訂された上で、1928年に初版(最初の出版譜)が出されたが、最終決定版に辿り着くのは1936年ごろのことである。なお、この曲は第一次世界大戦で戦死したバターワースに献呈されている。

リチャード・ヒコックス (Richard Hickox,1948年3月~2008年11月)は、イギリスの指揮者、合唱指揮者。ロンドンの王立音楽院やケンブリッジ大学で学ぶ。1971年にシティ・オブ・ロンドン・シンフォニアとリチャード・ヒコックス・シンガーズを設立する。1976年からロンドン交響合唱団の指揮者を務める傍ら、1985年からはロンドン交響楽団の准客演指揮者も務めた。また1990年にサイモン・スタンデイジと共同でオリジナル楽器使用のコレギウム・ムジクム90を設立した。バロックから現代音楽に至る幅広いレパートリーを誇るが、特にシャンドス・レーベルを中心としたイギリス人作曲家作品のレコーディングは高く評価されており、フランク・ブリッジ、エドマンド・ラッブラ、レノックス・バークリーなどのオーケストラ作品の録音がある。このほかEMIやデッカ・レコードにも多数録音を残した。2008年11月23日にスウォンジーのブラングィン・ホールでグスターヴ・ホルストの声楽作品を録音している際に心臓発作を起こし、そのまま急逝した。
Richard Hickox_3.jpg


ロンドン交響楽団( London Symphony Orchestra,略称LSO)は、イギリスのプロのオーケストラのひとつ。ロンドンのオーケストラの中でも中心的存在で、本拠地は、1982年よりロンドンのバービカンセンター。1904年にクィーンズ・ホール管弦楽団のメンバーを中心に、英国初の独立採算、自主運営のオーケストラとして発足。同年6月9日にクィーンズ・ホールにおいて、ハンス・リヒターの指揮で第1回コンサートを開催した。その後、リヒターは首席指揮者に就任し、1911年にエドワード・エルガーにその座を譲るまで楽団の基礎を固める。ロイヤル・フィルとならび、「女王陛下のオーケストラ」としても知られ、名誉総裁にはエリザベス2世が就いている。主な歴代首席指揮者にアンドレ・プレヴィン(1968年~1979年)、クラウディオ・アバド(1979年~1988年)、マイケル・ティルソン・トーマス(1987年~1995年)、コリン・デイヴィス(1995年~2006年)。2007年から現在までヴァレリー・ゲルギエフが就いている。
London Symphony Orchestra_5.jpg


1ポイントマイクをメインとした録音と思われ、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。音像は左右、奥行き方向にも広がっている。教会での録音で残響も豊か。ロンドン交響曲は始めて聴いたが、3楽章がテンポが良く、ダイナミックレンジも大きく印象に残った。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はロンドン、オール・セインツ教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(544) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Couperin Pièces de violes.jpg
Couperin
Pièces de violes
AVSA9893
Jordi Savall ( basse de viole à sept cordes)
Ton Koopman (clavecin)
Ariane Maurette (basse de viole)
録音 1975年12月
Alia Vox Heritage

F.クープラン:ヴィオール曲集(2つの組曲、1728年)
第1組曲
・プレリュード
・アルマンド・レジェレ
・クラント
・サラバンド・グラーヴ
・ガヴォット
・ジーグ
・パッサカイユまたはシャコンヌ
第2組曲
・プレリュード
・フゲット
・ポンプ・フネーブル(葬儀)
・ラ・シュミーズ・ブランシュ(白いシャツ)


ジョルディ・サヴァール(Jordi Savall ,1941年~)スペイン東北部カタルーニャ州バルセロナ県イグアラダに生まれ、バーゼル・スコラ・カントルムでヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。1974年に器楽アンサンブルのエスペリオンXXを設立し、バーゼルを活動の拠点として数多くの録音を行ったが、1987年には合唱中心のグループであるレ・カペーリャ・レイアル・デ・カタルーニャを、1989年には管弦楽団ル・コンセール・デ・ナシオンを結成し、活動の中心をバルセロナに移すと共に、バロック期のスペインないしラテン系諸国の声楽、器楽作品を新鮮な解釈と表現のもとに演奏活動に取り組んでいる。2013年9月に久しぶりに来日し、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲などを演奏した。
Jordi Savall_3.jpg


アリアーヌ・モレット(Ariane Maurette)はヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、指揮者。バーゼル・スコラ・カントルム(Schola Cantorum, Basel)にてヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。バーゼル・スコラ・カントルムでヴィオラ・ダ・ガンバの教授を数年経験。ジュネーブ古楽センター(Centre de Musique Ancienne de Genève)の教授。
Ariane Maurette_1.jpg


トン・コープマン(Ton Koopman, 1944年10月~ )はオランダのオルガン奏者、チェンバロ奏者、指揮者。古典学を修めた後、オルガン、チェンバロをアムステルダム音楽院でグスタフ・レオンハルト及びシモン・C・ヤンセンに師事し、音楽学をアムステルダム大学で学ぶ。オルガン演奏とチェンバロ演奏の奏法で優等(プリ・デクセランス)に輝く。1979年にアムステルダム・バロック管弦楽団を設立し、1992年にはアムステルダム・バロック合唱団を併設。わけてもバッハの宗教曲やモーツァルトの交響曲の演奏・録音を通じて、オリジナル楽器演奏運動の雄となる。
Ton Koopman_1.jpg


バス・ヴィオールの響きはとても豊だか、こもりがちに聞こえる。コープマンの奏でるチェンバロの高域の音も倍音の響きも不足がち。音源はアナログ録音だがデジタル的にノイズ処理されているためか、S/Nは良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスな音も入っている。フランスのASTREEレーベルから出ていた1975年の録音の音源をDSDリマスタリングしたもので録音場所はフランス、サン・ランベール・デ・ボワ

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(543) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Prokofiev Visions Fugitives.jpg
Prokofiev
Visions Fugitives
BIS-2126 SACD
Terje Tønnesen/Camerata Nordica
録音 2012年3月
    2006年2月(Bartok)
BIS

プロコフィエフ:束の間の幻影 Op.22(全15曲)バルシャイ編曲弦楽合奏版
ヒンデミット:弦楽のための5つの小品 Op.44-4
ヴェーベルン:弦楽のための5楽章 Op.5
バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメントBB 118/Sz. 113

「束の間の幻影」は、プロコフィエフが1915年から1917年に作曲したピアノ曲集で20曲から成る。プロコフィエフがまだロシア国籍でヨーロッパで活躍していたころの作品で、ちょうどロシア革命(1917年)が勃発する時期に当たる。1918年4月15日に作曲者自身によって、ソビエト連邦のペトログラード(現ロシア、サンクトペテルブルク)において初演された。このアルバムに収められているのは曲集全20曲のうち15曲を、ソ連の指揮者ルドルフ・バルシャイが弦楽合奏用に編曲したもの。

テリエ・トンネセン(Terje Tønnesen,1955年~)はノルウェーのオスロ生まれの指揮者、ヴァイオリニスト。ヴァイオリニストとしては、1972年に17歳でセンセーショナルなデビューを飾り、その後スイスに留学しマックス・ロスタルに師事。帰国後の1977年にノルウェー室内管弦楽団を創設、1979年には24歳の若さでオスロ・フィルハーモニックの第1コンサートマスターとなった。カメラータ・ノルディカの芸術監督を務めている。
Terje Tønnesen_1.jpg


カメラータ・ノルディカ(Camerata Nordica)スウェーデンの弦楽アンサンブルで、スウェーデンの東沿岸、スモーランド地方カルマル郡のオスカルスハムンが本拠地。1974年にオスカーシュハムン・アンサンブルとして創設され、地域の音楽組織の一翼を担ってきた。テリエ・トネンセンが芸術監督に就任してから、BISレコードに6枚のCDを録音している。
Camerata Nordica_1.jpg


高域弦は音の伸びがあり、低域弦はとても豊な響きをしている。S/Nは良く、ダイナミックレンジも大きく、好録音。音像は左右、奥行き方向にも広がっている。サラウンドスピーカーには直接音も入っている。録音場所はスウェーデン、エーランド島(Öland)にあるAlgustrum kyrka

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(542) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Wolf-Ferrari Concertos.jpg
Wolf-Ferrari
Concertos
DOM 2929 90
Piet van Bockstal (oboe)
Luc Loubry (bassoon)
Hans Rotman/Westsachisches Symphonie Orchester
録音 2003年5月
Talent Records

ヴォルフ=フェラーリ:オーボエ、イングリッシュホルン、ファゴットのための協奏曲集
・ 牧歌 イ長調(オーボエ、弦楽、2つのホルンのためのコンチェルティーノ) Op.15
・イングリッシュホルン、弦楽、2つのホルンのための小協奏曲 Op.34
・組曲 ヘ長調(ファゴット、弦楽と2つのホルンのためのコンチェルティーノ) Op.16

エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ(Ermanno Wolf-Ferrari, 1876年 1月~1948年 1月)は、ドイツ人の父とイタリア人の母の元にイタリア、ヴェネツィアに生まれた作曲家。『四人の田舎者』(I quattro rusteghi 1906年)や『スザンナの秘密』(Il segreto di Susanna 1909年)などのコミック・オペラで知られる。オペラの多くはカルロ・ゴルドーニの戯曲を原作としている。歌劇だけでなく、たくさんの器楽曲も作曲したが、それらは主に経歴の最初期と最後に集中している。ヴァイオリン協奏曲だけはほぼ定期的に演奏されてきたが、オーボエと弦楽のための『牧歌的協奏曲』(Idillio-concertino - 実質的な室内交響曲)や、イングリッシュホルン協奏曲、ピアノ五重奏曲、2つのピアノ三重奏曲、3つのヴァイオリン・ソナタや室内交響曲、およびオルガン曲も作曲している。また、モーツァルトのオペラ『イドメネオ』の改訂も行っている。良く演奏されるものでは、悲劇『マドンナの宝石』(I gioielli della Madonna 1911年)からの間奏曲。
Ermanno Wolf-Ferrari_2.jpg


ハンス・ロトマン(Hans Rotman,1954年~)はオランダのロッテルダム生まれの作曲家、指揮者。指揮法をフランコ・フェラーラ(Franco Ferrara)、クルト・マズア( Kurt Masur)に師事。指揮者賞Daphne Proud Fellowship Awardで1位を獲得。1985年にボストンフィルハーモニーが主催するタングルウッド音楽祭に招聘された。1995年よりRadio Orchestra Brussels BRTNの首席指揮者。
Hans Rotman_1.jpg


西ザクセン管弦楽団(Westsachisches Symphonie Orchester)は1963年に設立のドイツ、ザクセン州に本拠のあるオーケストラ。現在はライプツィヒ交響楽団(Leipziger Symphonieorchester (LSO))に改称されている。
Leipziger Symphonieorchester_1.jpg


Talent Recordsはベルギーに本拠を置く、Domusic Productionsグループのレーベルで、女流ヴァイオリニスト、ローラ・ボベスコ(1921~2003)の録音で、特に日本では知られている。彼女はルーマニア出身で、母国の ELECT RECORDS へも少量の録音を残したが、1970年代以降の録音は、ほとんどが当レーベルからCD化されていた。

教会での録音でその影響を受けているのか、高域弦の伸びは有るがクリアさに欠け、中低域弦の響きも豊かさはもうひとつで、音像もあまり大きく広がっていない。ソロのオーボエなどはあまり前に出ることもなく、バックのオーケストラとのバランスは良い。サラウンドスピーカーの音には直接音がかなり入っている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(541) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Fiddler Tam.jpg
Fiddler Tam
6th Earl of Kelly
CKD 240
Mhairi Lawson (soprano)
David McGuinness /Concerto Caledonia
録音 2003年3月,9月,11月
    2004年3月
Linn Records

6代目ケリー伯(トマス・アレクサンダー・アースキン):声楽&室内楽作品集
・序曲 ハ長調 Op. 1, No. 2
・死は私にとって唯一の宝
・四重奏曲 ハ短調
・恋人への言葉
・序曲 変ロ長調 「水車屋の娘」 Op. 1, No. 28
・四重奏曲 イ長調
・トリオ・ソナタ第5番 ホ長調
・ケリー・リールの伝説
・ラルゴ
・トリオ・ソナタ第6番 ト長調

トマス・アレグザンダー・アースキン(Thomas Alexander Erskine, 6th Earl of Kellie,1732年9月~1781年10月)はイギリスの音楽家、作曲家。代々続くスコットランドの地主の家系に生まれるが、家は決して豊かでなかった。そのため彼は音楽で身を立てるべくまずヴァイオリンを学び、続いて1752年頃からの4年間、ドイツのマンハイムでヨハン・シュターミッツに作曲とヴァイオリンを師事。英国に戻った彼はまずロンドンで活躍し、マンハイム楽派のスタイルを広める。1767年にスコットランドに戻った彼は、エジンバラ音楽協会の重鎮として活動する一方、酒・女づくしの不道徳な生活をも楽しみ、十数年に及ぶそうした放蕩生活の果て、湯治滞在中のベルギーの鉱泉で亡くなった。
Thomas Alexander Erskine_1.jpg


マイリ・ローソン(Mhairi Lawson)はロンドン、ギルドホール音楽演劇学校(Guildhall School of Music and Drama)で学んだソプラノ歌手。ニューヨーク・リンカーン・センターやパリ、ロンドンを中心に活躍中。18世紀スコットランド、イタリア作品のスペシャリストとしても知られている。
Mhairi Lawson_2.jpg


デイヴィッド・マクギネス(David McGuinness)イギリス生まれのフォルテピアノ、チェンバロ奏者、指揮者。ヨーク大学(University of York)卒業後、グラスゴー大学(University of Glasgow)にて16世紀イギリス音楽を研究。コンチェルト・カレドニア(Concerto Caledonia)の音楽監督。
David McGuinness_1.jpg


コンチェルト・カレドニア(Concerto Caledonia)は18世紀のスコットランド音楽を得意とするピリオド楽器使用のスコットランドを拠点とするバロック・アンサンブル。音楽監督はキーボード奏者、指揮者のデイヴィッド・マクギネス。
Concerto Caledonia_1.jpg


録音時期が4回に分かれており、トラック1~11が1stVn×3,2ndVn×3,Va×2,VC×2,Db×1,Fl×2,Ob×2,Bs×1,Hrn×2,Cemb×1の編成でトラック4ではソプラノの独唱も入る。トラック12~16はVn×1,Va×1,Vc×1, Cemb×1の編成で教会での録音だが、残響はあまり無く、ソロのヴァイオリンの音の伸びも良い。トラック17~20はFl×1,Vn×1,Va×1,Vc×1,Cemb×1の編成でBBC Radio3でのスタジオ録音。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(540) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Szymanowski Violin Concerto No. 1.jpg
Szymanowski
Violin Concerto No. 1
CCS SA 36715
Rosanne Philippens(violin)
Xian Zhang/Nationaal Jeugdorkest
録音 2014年8月 DSD Recording
Channel Classics

シマノフスキ:
・ヴァイオリン協奏曲第1番 Op.35
・ロクサーナの歌 歌劇 「ロジェ王」 Op.46より(ヴァイオリンとピアノ版)
・「神話」 Op.30
・夜想曲とタランテラ Op.28
ストラヴィンスキー:
・ロシアの歌
・「火の鳥」より 「子守歌」「スケルツォ」(ヴァイオリンとピアノ版)

ロザンヌ・フィリッペンス(Rosanne Philippens,1986年10月~)はオランダのヴァイオリニスト。ハーグ王立音楽院、ドイツのハンス・アイスラー音楽大学でヴァイオリンを学び、2009年のオランダ国際ヴァイオリン・コンクール(オスカー・バック・コンクール)で第1位、また2014年のフライブルク国際ヴァイオリン・コンクールでも第1位に輝いた。使用楽器はElise Mathilde Foundationから借与されている、かつてジャニーヌ・ヤンセンが使用していた1727年製ストラディバリウス“Barrere”。
Rosanne Philippens_1.jpg


シエン・チャン(Xian Zhang,1973年~)中国系アメリカ人の女性指揮者。幼少のころから母親からピアノの教えを受ける。北京中央音楽院にて16歳から指揮法を習う。19歳で「フィガロの結婚」を中国国立歌劇場管弦楽団(China National Opera Orchestra)で振る。1998年アメリカに渡り、シンシナティ大学音楽院で学ぶ。Maazel/Vilar Conductors' Competitionで1位を獲得。2002年から2004年までニューヨーク・フィルの副首席指揮者。
Xian Zhang_1.jpg


オランダ・ナショナル・ユース・オーケストラ (Nationaal Jeugdorkest, The Nationaal Jeugd Orkest (NJO))オランダ国立の30歳以下の若手演奏家で構成されるユース・オーケストラ。別に14歳から18歳で構成されるJeugd Orkest Nederland (JON)がある。
Nationaal Jeugdorkest_1.jpg


ヴァイオリン・コンチェルトは1ポイントマイクをメインとした録音と思われ、音像は左右、奥行き方向にも広がっている。ソロのヴァイオリンはあまり前に出ることもなく、バックのオーケストラとのバランスは良い。サラウンドスピーカには直接音も入っている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SONY製AVアンプTA-DA5800ESの導入 [オーディオ]

我が家のサラウンド再生環境にパイオニア製AVアンプVSA919-AHを導入したのが2010年で5年を経過しました。最近はハイレゾのDSDファイルを直接再生できるAVアンプが世の中の主流になっており、当方も購入しました。
TA-DA5800ES_1.jpg

TA-DA5800ES_2.jpg

TA-DA5800ES_3.jpg

DSDファイルの再生は、今まで主に、PCからオーディオインターフェースFireface UC経由、及び、OPPO製BDプレーヤBDP-103JDP経由でアナログマルチチャンネル出力をAVアンプで再生していました。

TA-DA5800ESはStereoSound社HIVI誌のベストバイAVセンター部門2012年冬、2013年冬、2014年夏の連続1位及び、VGP2013のAVアンプ部門の金賞を得ており、評判のいい機種です。元SONYに勤務されていた金井隆氏(ハンドルネーム「かないまる」)などが開発し、いろいろな音質の向上つながる対策が取られています。

2012年11月発売から2年半がたっており、そろそろ製造中止になりそうだと言うことで価格もだいぶ下がっており、ファームウエアを最新のものにすると、USBポートを経由し、マルチチャンネル2.6MHzDSD音源を直接再生できる、と言うことで購入に至りました。また、PCにASIOドライバーをインストールすることで2chですがUSB-DACとしても使用できます。

まだエージングの途中で、あまり聴き込んでいませんが、以前使用していたAVアンプよりはだいぶ良さそうです。今後じっくり従来のマルチチャンネル再生システムとの音質の比較をしてみたいと思います。

ファインメット・シートによるAC電源対策
TA-DA5800ES_4.jpg

TA-DA5800ES_7.jpg


ファインメット・シートによるACトランスEMC対策
TA-DA5800ES_8.jpg


ファインメット・ビーズによるDC電源ノイズ対策
TA-DA5800ES_5.jpgTA-DA5800ES_6.jpg

SACDサラウンド・レビュー(539) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Bach Harpsichord Concertos, Vol. 2.jpg
Bach
Harpsichord Concertos, Vol. 2
AE-10067
Aapo Häkkinen(harpsichord)
Helsinki Baroque Orchestra
録音 2011年4月
    2010年5月
Aeolus

J.S. バッハ:チェンバロ協奏曲集 2
・チェンバロ協奏曲第3番 ニ長調 BWV 1054
・チェンバロ協奏曲第4番 イ長調 BWV 1055
・チェンバロ協奏曲第6番 ヘ長調 BWV 1057
・幻想曲 ハ短調 BWV 906
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ:チェンバロ協奏曲 ト長調 Fk. 40

チェンバロ協奏曲第3番の原曲は、今日でも演奏される有名なヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042。ヴァイオリン協奏曲第2番として演奏される機会が多く、チェンバロ協奏曲として演奏されることは滅多にない。チェンバロの奏法が存分に取り入れられ、独自の魅力を持っている。1738年から1742年頃にかけて作曲されたと考えられている。構成は3楽章からなり、演奏時間は約17分。

チェンバロ協奏曲第4番の原曲は、消失したオーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調か、ヴァイオリン協奏曲 ハ長調であったとされているが、近年では前者が原曲であったとする説が有力となっている。近代的で爽やかさをもった作品である。1738年から1742年頃にかけて作曲されたと考えられている。構成は3楽章からなり、演奏時間は約13分。

チェンバロ協奏曲第5番の原曲は、消失したヴァイオリン協奏曲 ト短調であるとされているが、この原曲がバッハ自身の作品か、他の作曲家の作品であるかどうか不明である。第2楽章はカンタータ第156番『わが片足すでに墓穴に入りぬ』のシンフォニアと同一の音楽で、「バッハのアリオーソ」として親しまれており、映画「恋するガリア」の中でも使われた。バッハとしては、初期のシンプルで古風な様式を示しているが、素材の有機的な展開といった点では、かなり巧みな書法が駆使されている。1738年から1742年頃にかけて作曲されたと考えられている。構成は3楽章からなり、演奏時間は約9分ないし10分。

アーポ・ハッキネン(Aapo Häkkinen,1976年~) はフィンランドのヘルシンキ出身のハープシコード奏者、オルガニスト、クラヴコード奏者、指揮者。ヘルシンキ大聖堂の聖歌隊員として音楽教育を受け始め、13歳からシベリウス音楽院でハープシコードを習い始める。1995年から98年にはアムステルダムのスヴェーリンク音楽院でボブ・ファン・アスペレンとメンノ・ファン・デルフトに、1996年から2000年にはパリでピエール・アンタイにそれぞれ師事しており、グスタフ・レオンハルトの知己も得ている。またフィレンツェの鍵盤音楽の校訂を行っており、シベリウス音楽院や世界中のマスタークラスで教鞭を取っている。同時に、ヘルシンキ・バロック管弦楽団の音楽監督としても活躍している。2015年2月に来日し、武蔵野文化会館や兵庫県立芸術文化センター神戸女学院小ホールで幻想曲ハ短調などを演奏した。
Aapo Häkkinen_3.jpg


ヘルシンキ・バロック管弦楽団(Helsinki Baroque Orchestra)は1997年創立。アーポ・ハッキネンが2003年に芸術監督に就任、2009年にリッカルド・ミナジ(Riccardo Minasi)が副監督に就任。フィンランドの古楽シーンを牽引している存在である。まだ若いオーケストラであるが、とても整然とした演奏で、その響きは生き生きとしている。既にロンドンのウィグモア・ホールを始め、ヨーロッパ各地で公演を行っている。
Helsinki Baroque Orchestra_2.jpg


このアルバムは ハッキネンと ヘルシンキ・バロック管弦楽団の組み合わせによるチェンバロ協奏曲集の第2集。第1集と同様に録音レベルは大きめで、各楽器の音のバランスはそろっている。コンチェルト6番では2本のリコーダーとポジティフ・オルガンが加わる。トラック11~13のW.F.バッハのチェンバロ協奏曲はチェンバロのみのソロ版。サラウンドスピーカらの音はアンビエンスがメイン。録音場所はフィンランド、Raumaにある聖十字架教会(Holy cross)、W.F.バッハのみがエスポー市近郊のKarjaaにあるSent Catherine教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch



SACDサラウンド・レビュー(538) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Haydn String Quartets Vol. 2.jpg
Haydn
String Quartets Vol. 2
CCS SA 28209
The Amsterdam String Quartet
録音 2008年6月 DSD Recording
Channel Classics

ハイドン:弦楽四重奏曲集Vol.2
・弦楽四重奏曲第34番ニ長調Op.20-4
・弦楽四重奏曲第68番変ホ長調Op.64-6
・弦楽四重奏曲第81番ト長調Op.77-1

四重奏曲 Op.20はハイドンが1772年に作曲した弦楽四重奏曲集で全6曲から成る。これらの6曲は、アムステルダムのフンメル社から出版された版の表紙に、太陽の絵が描かれていたことから、「太陽四重奏曲」の呼び名で呼ばれている。ただし、他の出版譜には太陽の絵は無い。6曲中、3曲のフィナーレにフーガが導入されている。

四重奏曲 Op.64はハイドンが1790年に作曲した弦楽四重奏曲集で全6曲から成る。エステルハージ侯爵家の宮廷楽団のヴァイオリニスト、兼実業家のヨハン・トストからの依頼によって作曲された中の第3番目の曲集で「第3トスト四重奏曲」と呼ばれている。作品64-5(Op.64-5)に有名な弦楽四重奏曲第67番ニ長調「ひばり」を含む。

四重奏曲 Op.77はハイドンが1799年に作曲した弦楽四重奏曲集で全2曲から成る。ロプコヴィッツ侯爵の依頼によるもので「ロプコヴィッツ四重奏曲」と呼ばれている。同侯爵への献辞が出版譜に載っている。この曲集は、当初6曲の計画で書き始められていたが、実際に作られたのは2曲だけ。

アムステルダム弦楽四重奏団(The Amsterdam String Quartet)はオランダ、アムステルダムを活動拠点とするピリオド楽器による弦楽四重奏団。メンバーは、2003年から2006年までコープマン率いるアムステルダム・バロック・オーケストラのコンサート・ミストレスを務めたヴァイオリンのアリダ・シャット、ロック・コンソートの創設メンバーでもあるヴァイオリンのジョン・ウィルソン・マイヤー、ダンディン・コンソートやキングズ・コンソートなどでも活躍するヴィオラのジェーン・ロジャース、そしてコンチェルト・コペンハーゲン、オランダ・バロック協会からソリストとして招かれているチェロのトーマス・ピット。
The Amsterdam String Quartet_1.jpg


各楽器はそれぞれの位置にしっかりと定位しており、音のバランスも揃っている。教会での録音であるが残響はあまり豊かでない。サラウンドスピーカからの音には直接音がかなり入っている。録音場所はオランダ、ルーン(Rhoon)のHervormde kerk

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(537) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Corelli Violin Sonatas Op. 5.jpg
Corelli
Violin Sonatas Op. 5
47724-8 (2 discs)
Stefano Montanari (violin)
Ottavio Dantone/Accademia Bizantina
録音 2002年4月,8月
Arts Music

コレッリ:ヴァイオリン・ソナタ集 Op. 5
・ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op. 5 No. 1
・ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 Op. 5, No. 2
・ヴァイオリン・ソナタ ハ長調 Op. 5 No. 3
・ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Op. 5 No. 4
・ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op. 5 No. 5
・ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op. 5 No. 6
・ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Op. 5, No. 7
・ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op. 5 No. 8
・ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op. 5 No. 9
・ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Op. 5 No. 10
・ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 Op. 5 No. 11
・ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 「ラ・フォリア」 Op. 5, No. 12

ステファノ・モンタナーリ(Stefano Montanari)イタリアのヴァイオリン奏者。ヴァイオリンとピアノをラヴェンナのヴェルディ国立音楽院で学んだ。古楽器アンサンブル、アカデミア・ビザンティーナのコンサートマスター。
Stefano Montanari_3.jpg


オッターヴィオ・ダントーネ(Ottavio Dantone)はイタリアの指揮者、チェンバロ奏者。オルガンとチェンバロをミラノのヴェルディ国立音楽院で学んだ後、国際的にチェンバロの重要なコンクールであるパリ(1985年)とブルージュ(1986年)の国際コンクールにて入賞。若くしてコンサートのキャリアを積み、聴衆と批評家の注目を集めた。1996年よりラヴェンナの「アカデミア・ビザンティーナ」の音楽監督。近年では、ソリストとしての活動に加え、オーケストラ指揮者としてもミラノ・スカラ座、マドリッド王立劇場、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院、ラヴェンナ・フェスティヴァル、シエナのアカデミア・キジアーナ、ボローニャ・フェスティヴァル、アムステルダムのコンサートヘボー、サルツブルグのモーツァルテウム、パリ・シャンゼリゼ劇場、イスタンブール国際古楽音楽祭など、世界中の重要なホールや音楽祭に招かれる。
Ottavio Dantone_2.jpg


アカデミア・ビザンティーナ(Accademia Bizantina)はイタリアのラヴェンナを拠点とし、指揮とコンサートマスターを務めるステファノ・モンタナーリが率いる演奏団体。17~18世紀の音楽解釈において、最も創造的で魅力ある演奏団体のひとつで、これまでも数多くの録音でピリオド楽器を用いながら、確かなテクニックと情熱的で個性的な演奏で聴き手を魅了している。
Accademia Bizantina_4.jpg


豊かな残響を伴う録音だが、ソロのヴァイオリンはその影響を受けず、とてもクリアな音をしている。これと比べるとこのアルバムの方が音質で勝る。サラウンドスピーカーからの音には直接音がかなり入っている。


サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(536) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Bruckner Symphony No. 7 _2.jpg
Bruckner
Symphony No. 7
NF61202
Hubert Soudant/Tokyo Symphony Orchestra
録音 2009年3月 DSD Recording
Fine NF

ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版)

ユベール・スダーン(Hubert Soudant,1946年3月~ )は、オランダ・マーストリヒト出身の指揮者。当初、オランダでホルン奏者として学んでいたが指揮者に転向すべくオランダの音楽院で指揮法を学び、1967年オランダ国営放送主催の指揮コースに参加、その資質を認められて、国内の4つの放送管弦楽団の副指揮者を務めた。1994年 ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の音楽監督に就任。 2004年に同団の音楽監督を退任、首席客演指揮者に就任。 2004年に東京交響楽団の第2代音楽監督に就任(2014年8月まで)。モーツァルトからマーラーまで幅広い時代のドイツ・オーストリアの音楽を得意としている。また、ボローニャ,フィレンツェ,川崎,東京で、プッチーニやヴェルディのオペラを指揮して好評を博した。
Hubert Soudant_3.jpeg


東京交響楽団(Tokyo Symphony Orchestra)は1946年に東宝交響楽団として設立、1951年に東京交響楽団と改称。音楽監督にユベール・スダーン、桂冠指揮者に秋山和慶、常任指揮者に大友直人、正指揮者に飯森範親、首席客演指揮者にニコラ・ルイゾッティを擁している。歴代の指揮者陣には往年の名指揮者アルヴィド・ヤンソンス、近衛秀麿、上田仁などを連ねる。主催する演奏会シリーズに、サントリー定期演奏会、川崎定期演奏会、東京オペラシティシリーズがあるほか、新国立劇場のレギュラーオーケストラとして、毎年オペラ・バレエ公演に出演している。またテレビ朝日「題名のない音楽会」へもレギュラー出演している。2014年9月からジョナサン・ノットが第3代音楽監督に就任した。
Tokyo Symphony Orchestra_3.jpg


2009年度第22回ミュージック・ペンクラブ音楽賞の「最優秀アルバム賞(日本人演奏部門)」と「最優秀録音賞」をダブル受賞したアルバム

シングルレイヤーのSACDで、高域弦の音伸びは良く、低域弦の押し出しのきいた厚みのある音と、きらびやかな金管の音色が印象に残った。適度な残響を伴い、ホールトーンもなかなか良い。S/Nも良く、ダイナミックレンジも大きい。録音場所はミューザ川崎シンフォニーホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch