So-net無料ブログ作成
検索選択

SACDサラウンド・レビュー(561) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Miniatures & Folklore.jpg
Miniatures & Folklore
LP002
Gavriel Lipkind (cello)
Alexandra Lubchansky (piano)
録音 2006年
Lipkind Productions

ミニアチュール&フォークロア
モシュコフスキ:ギターラ Op.45-2
ヴィエニアフスキ:スケルツォタランテラ Op.16
アルベニス:タンゴ
ディニーク:ホラ・スタッカート
ガブリエリ:リチェルカーレ第5番
チェレプニン:歌と踊り Op.84-2
プロコフィエフ:ワルツ Op.65
グラズノフ:アラブの旋律
ベン=ハイム:Lively
スクリャービン:ロマンス
ストゥチェフスキー:オリエンタル・ダンス
ツィンツァーゼ:チョングリ
メンデルスゾーン:無言歌集より 第43番
ポッパー:妖精の踊り Op.39
フォーレ:アレグレット・モデラート
チャイコフスキー:子守歌デュポール:エチュード 第7番
イベール:白い小さなろば
カサド:インテルメッツォ・エ・ダンツァ・フィナーレ
ブロッホ:祈り
ピアッティ:カプリース 第5番
ブラームス:ハンガリー舞曲 第1番
クライスラー:中国の太鼓

ガブリエル・リプキン(Gavriel Lipkind ,1977年~)イスラエル生まれのチェリスト。神童として早くからその名前を知られていた。イスラエル(テルアヴィブ)、ドイツ(フランクフルト)、アメリカ(ボストン)の3つのメジャーな音楽学校を卒業し、ウヂ・ヴィーゼル、アントニオ・メネセス、バーナード・グリーンハウスに師事した。12以上のコンクールで最高位を受賞。2002年にベルリンで行われた第1回エマニュエル・フォイアマン国際チェロ・コンクールでは、モーツァルトの協奏曲およびライマンの「ソロⅡ」の演奏解釈に対して、それぞれ特別賞を獲得した。15歳でズービン・メータ指揮のイスラエル・フィルと共演。その後も、ミュンヘン・フィル、ボルティモア響などのメジャー・オーケストラ、フィリップ・アントルモン、ジュゼッペ・シノーポリらの指揮者、ユーディ・メニューイン、ピンカス・ズーカーマン、ユーリー・バシュメット、ギドン・クレーメルらの錚々たる演奏家と共演する。2000年から演奏活動を休止し、レパートリーの拡大などを主たる目的としたサバティカル休暇に入る。そしてその間に対照的な2つの録音をプロデュース。彼自身のアレンジで収録した「ミニチュアとフォルクロール」とシングル・ボイス・ポリフォニー・シリーズの第一弾としてバッハの無伴奏チェロ組曲をリリースした。使用楽器は、Antonio Garani(1702年ボローニャ)
Gavriel Lipkind_1.jpg


アレクサンドラ・リュプチャンスキー(Alexandra Lubchansky)はロシアのサンクト・ペテルブルク生まれのソプラノ歌手、ピアニスト。サンクト・ペテルブルク音楽院(Conservatory in St Petersburg)にてピアノと作曲を学ぶ。その後イスラエルとドイツでもピアノを学び、ピアニストとして活躍。パリのルービンシュタイン・コンクールで1位。2000年からカールスルーエで声楽を学び始める。ヒルデスハイム市立劇場との専属契約を経て、05年よりフリー。これまでにバイエルン州立歌劇場、ザクセン州立歌劇場(ドレスデン・ゼンパー・オペラ)、ベルリン州立歌劇場、フランクフルト歌劇場、マリインスキー劇場、モネ劇場など各地に出演。『後宮からの誘拐』コンスタンツェ、『魔笛』夜の女王、『ドン・ジョヴァンニ』ドンナ・アンナ、『フィガロの結婚』伯爵夫人、『仮面舞踏会』オスカル、『椿姫』ヴィオレッタ、『チェネレントラ』タイトルロール、『ルチア』タイトルロール、『ホフマン物語』オランピア、『ナクソス島のアリアドネ』ツェルビネッタのほか、ヘンツェやリームなどの現代作品もレパートリーとする。
Alexandra Lubchansky_1.jpg


リプキン自身が立ち上げたレーベルからのリリースで、PCM録音されたものを2006年にDSDリマスタリングしたもの。チェロはセンターに、ピアノはセンター奥に定位している。チェロ用のマイクはオンマイク気味で弓の弦を擦る際のノイズまで拾っている。トラック5のガブリエリのリチェルカーレ第5番ではピチカット音の響きが美しい。トラック15では2台のチェロのための曲だがリプキン自身が最初に録音していたものに後から演奏したものをミキシングして、あたかも2名で演奏したかのように作成されている。サラウンドスピーカーからの音には直接音がかなり入っている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5ch

BD-Audioサラウンド・レビュー(11) [サラウンド・サウンド・レビュー]

7 with One Stroke.jpg
7 with One Stroke
0205-5
Ariadne Daskalakis/Stuttgart Chamber Orchestra
録音 2012年
Tacet

ヴィヴァルディ:協奏曲集
・3つのヴァイオリンのための協奏曲ヘ長調 RV.551
・ヴァイオリンとチェロのための協奏曲変ロ長調 RV.547
・4つのヴァイオリンのための協奏曲ホ短調 RV.550
・2つのチェロのための協奏曲ト長調 RV.531
・2つのヴァイオリンのための協奏曲イ短調 RV.522
・4つのヴァイオリンのための協奏曲ホ短調 RV.580 (編曲:Jochen Neurath)
・歌劇「ティト・マンリオ」 RV.778~アリア「Il figlio, Il reo」

アリアドネ・ダスカラキス(Ariadne Daskalakis,)はギリシャ移民の両親のもと、ボストンに生まれた米国人の女性ヴァイオリニスト。シモン・ゴールドベルクやトーマス・ブランディスに師事、1990年代初頭から各地のコンクールで入賞。仲間と2009年にケルンの古楽グループのアンサンブル・ヴィンテージ・ケルン(Ensemble Vintage Koln)を結成。2002年よりケルン音楽大学(Cologne Conservatory of Music and Dance)のヴァイオリン教授。
Ariadne Daskalakis_1.jpg


シュトゥットガルト室内管弦楽団(英:Stuttgart Chamber Orchestra,独:Stuttgarter Kammer orchester)は、ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州シュトゥットガルトに本拠を置く室内オーケストラである。1945年にカール・ミュンヒンガーによりバロック音楽を主として演奏することを目的として設立。20世紀後半におけるバロック・ブームの火付け役ともいえる存在で、それまでバロック音楽をロマン派風に演奏するのが一般的だったが、それとは一線を画す演奏スタイルは世界中に大きな影響を与えた。1990年にミュンヒンガーが死去して以降、1995年から2006年までデニス・ラッセル・デイヴィスが首席指揮者を務め、それまでほとんど取り上げていなかった現代音楽にも取り組んだ。2006年9月から現在までミヒャエル・ホフステッターが首席指揮者を務めている。
Stuttgarter Kammerorchester_2.jpg


低域弦の響きの豊かさは物足りないが、ソロのヴァイオリンの高域音のクリアな響きが印象に残った。以前TACETレーベルからリリースしていたSACDでの真空管ぽい、やわらかな音はしていない。マイクのセッティングは以前2Lがやっていたようにアンサンブルを円形に配置し、円の内側のマイクを全方向に配置したReal Surround Sound方式を採用している。第一ヴァイオリンはフロント・レフト、第二ヴァイオリンがフロント・ライト、チェロはサラウンド・ライト、ヴィオラはサラウンド・レフトから聞こえる。録音場所はロイトリンゲン、プロテスタント教会
7 with One Stroke_2.jpg


サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch(LPCM 24bit/96KHz)

SACDサラウンド・レビュー(560) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Brahms Symphony No. 2.jpg
Brahms
Symphony No. 2
CCS SA 33514
Ivan Fischer/Budapest Festival Orchestra
録音 2012年2月 DSD Recording
Channel Classics

ブラームス:
・交響曲第2番ニ長調op.73
・悲劇的序曲op.81
・大学祝典序曲op.80

イヴァン・フィッシャー(Iván Fischer, 1951年1月~ )は、ブダペスト生まれのハンガリーの指揮者。ウィーン音楽院でハンス・スワロフスキーに師事し、ウィーン交響楽団などへの客演で正当な音楽を作っている。ユダヤ系ハンガリー人で、父シャーンドル、兄アダム、従兄弟ジェルジも指揮者という音楽家の家族である。ブダペスト祝祭管弦楽団の創設にかかわり、1983年来音楽監督を務めている。また、2011年からはベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の首席指揮者にも就任した。代表盤は音楽監督を務めるブダペスト祝祭管弦楽団との、バルトークやコダーイ、ドヴォルザークの作品など。
Iván Fischer_5.jpg


ブダペスト祝祭管弦楽団(Budapest Festival Orchestra)は、ブダペストを本拠地とするハンガリーのオーケストラである。略称は英語ではBFO、ハンガリー語ではBFZ。2008年2月より現在に至るまで、創設者の一人、イヴァン・フィッシャーが音楽監督を務めている。1983年、指揮者のイヴァン・フィッシャーとピアニストのゾルターン・コチシュを音楽監督として創立した。構成する音楽家による自主的な演奏団体である。祝祭の名からもわかるように、当初は年に3、4回程度、ハンガリーの音楽祭などのイベントで演奏する団体であったが、1992年に常設オーケストラとなった。ハンガリー国内において、ベーラ・バルトーク国立コンサートホールやリスト音楽院大ホールで定期的にオーケストラ公演を行っている。また、定期公演中には毎年3月の「ブダペスト春の音楽祭」への出演も含まれる。近年ではザルツブルク音楽祭をはじめ世界各国の音楽祭に出演するなど、国際的な活躍も目立つ。
Budapest Festival Orchestra_4.jpg


スポットマイクを多用しない1ポイントマイク中心の録音と思われ、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。適度な残響の中、ホールトーンはとても良い。高域弦の音伸びは適度に有り、何より低域弦の厚みのある響きが良い。中でも悲劇的序曲はダイナミックレンジが大きく、印象に残った。サラウンドスピーカーからの音には直接音も入っている。録音場所はブダペスト、パレス・オブ・アーツ

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(559) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Schumann Works for Piano and Orchestra.jpg
Schumann
Works for Piano and Orchestra
SACD 7181
Gerhard Oppitz (piano)
Marc Andreae/Bamberger Symphoniker
録音 2010年6月,7月
Tudor

シューマン:
・ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
・序奏と演奏会用アレグロ、ピアノと管弦楽のための Op.134
・4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック ヘ長調 Op.86
・序奏とアレグロ・アパッショナート ト長調 Op.92

ゲルハルト・オピッツ(Gerhard Oppitz,1953年~)はドイツ、バイエルン州に生まれのピアニスト。5歳からピアノを始め、11歳で早くも公式の場でモーツァルトのニ短調協奏曲を演奏した。その際に演奏を聴いたシュトゥットガルト国立音楽大学の教授パウル・バックに見出され、1974年、ミュンヘンに移り住むまで、彼の元で研鑽を積む。1973年ヴィルヘルム・ケンプと出会い、教えを受けるようになった。977年、第2回アルトゥール・ルービンシュタイン・コンクールで第1位優勝。この優勝により、一躍、世界的に脚光を浴びる。翌年には、名門ドイツ・グラモフォンより最初のレコードをリリース。1981年、ミュンヘン国立音楽大学で開校以来最も若い教授となる。親日家でもあり、たびたび来日しており、今年は11月~12月に来日予定。
Gerhard Oppitz_1.jpg


マルク・アンドレーエ(Marc Andreae,1939年~)はスイスの指揮者。作曲家で指揮者でもあったフォルクマール・アンドレーエ(1879年~1962年)の孫にあたる人物で、オペラから現代まで幅広いレパートリーを持ち、特に現代音楽については100を超える作品を初演するなど熱心に取り組んでいる。チューリヒ音楽大学に学ぶ。その後、パリで、ナディア・ブーランジェに師事し、ローマとシエナでは、フランコ・フェラーラに師事する。1966年、「ルドルフ・ケンぺとチューリヒ・トーンハレ管弦楽団主催指揮者コンクール」で、優勝を果たす。その後1968年、フィレンツェのAIDEM作曲コンクールにも優勝する。1969年~91年、ルガーノにあるスイス・イタリア放送交響楽団音楽監督を務める。1990年~93年、ムーティもかつて振ったことのあるミラノの名門、アンジェリクム室内管弦楽団芸術監督を務める。その後、ドイツ、ゲッティンゲン交響楽団正指揮者に就任する。また自ら、イタリア・スブリア交響楽団を設立する。
Marc Andreae_1.jpg


バンベルク交響楽団(独: Bamberger Symphoniker- Bayerische Staatsphilharmonie)は、ドイツ・バイエルン州バンベルクに本拠を置くオーケストラである。 前身は、1940年にチェコスロバキア(当時はナチス・ドイツ支配下)のドイツ系住民によって創立されたプラハ・ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団(Deutschen Philharmonischen Orchesters Prag)である。同楽団は、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの推薦で、ヨーゼフ・カイルベルトを首席指揮者に迎えて活動していた。ドイツの敗戦後の1945年、チェコからドイツへ逃れた(ドイツ人追放)同楽団の楽団員が集結して本楽団を創立した。1946年3月16日、「バンベルク・トーンキュンストラー管弦楽団」として第1回演奏会を開いたが、同年6月1日、「バンベルク交響楽団」に改称した。 歴代の主な首席指揮者はヨーゼフ・カイルベルト、オイゲン・ヨッフム、ホルスト・シュタインなど。2000年からジョナサン・ノットを首席指揮者に迎えており、2012年11月には名誉指揮者のヘルベルト・ブロムシュテットと共に来日し、公演をサントリーホールなどで行った。
Bamberger Symphoniker_7.jpg


1ポイントマイクをメインとした録音と思われ、高域弦の音の伸びはあまり無いが、中低域弦の響きは豊かである。ソロのピアノとバックの演奏との音のバランスは良い。音像は左右、奥行き方向にも広がっている。サラウンドスピーカーからの音は直接音をかなり拾っている。録音場所はバンベルク・コンツェルト・ハーレ(ヨーゼフ・カイルベルト・ザール,Jossph-Keilberth-Saal)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(558) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Dvorak String Quartet No. 11, Cypresses.jpg
Dvorak
String Quartet No. 11, Cypresses
PRD/DSD 250 198
Prazak Quartet
録音 2004年5月,7月 DSD Recording
Praga Digitals

ドヴォルザーク:
・弦楽四重奏曲第11番ハ長調 Op.61, B.121
・弦楽四重奏のための「糸杉」 B.152


弦楽四重奏のための「糸杉」はドヴォルザークが24歳の時に書いた歌曲集の内の12曲を、22年後の1887年に弦楽四重奏曲に編曲したもので歌曲集は妻の姉(ヨゼフィーナ・チェルマーコーヴァー)との初恋に破れた想いから生まれ、「糸杉」と言う題は歌詞に取り上げたグスタフ・プレガー=モラフスキーの詩集のタイトルから取られている。演奏時間は約35分

プラジャーク弦楽四重奏団(Prazak Quartet)はメンバーがまだプラハ音楽院の学生であった1972年に結成された。1974年のチェコ音楽年にプラハ音楽院室内楽コンクールで第1位を獲得。1975年プラハの春音楽祭で演奏を行って国際的なキャリアを踏み出した。そして1978年にはエヴィアン弦楽四重奏コンクールで第1位に輝き、同時にコンクール中の最優秀録音に授与されるラジオ・フランスの特別賞も獲得。ヨーロッパ音楽界の主要都市であるプラハ、パリ、アムステルダム、ブリュッセル、ミラノ、マドリード、ロンドン、ベルリン、ミュンヒェンなどで公演を重ねるほか、幾多の国際的なフェスティバルに招聘されては、メナヘム・プレスラー、ヨゼフ・スークといった第一級の演奏家たちと共演している。今年の5月に開催されたL.F.J.2015にも来日しており、このところ毎年のように来日し、演奏を聴かせてくれている。
Prazak Quartet_8.jpg


オフマイクのセッティングなのか高域弦の音の伸びはあまり無い。各楽器の定位感、分離感は「糸杉」の方が良いように感じた。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音が占めている。録音場所はプラハのDomovina Studio

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(557) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mozart Horn Concertos.jpg
Mozart
Horn Concertos
KTC 5253
Paul van Zelm (natural horn)
Jan Willem de Vriend/Combattimento Consort Amsterdam
録音 2005年6月
Etcetera

モーツァルト:ホルン協奏曲集
・ホルン協奏曲第2番KV.417
・ホルン協奏曲第3番KV.447
・ホルン協奏曲第1番KV.412/KV.514(KV386b)
・ホルン協奏曲第4番KV.495

パウル・ヴァン・ゼルム(Paul van Zelm,1964年~)はオランダのホルン奏者。最初はトランペットとトローンボーンを習い、その後ホルンに変更した。アムステルダムのスウェーリンク音楽院(Sweelinck Conservatorium Amsterdam、現在のアムステルダム音楽院)にてホルンとナチュラル・ホルンを習う。その後エッセンのフォルクヴァンク芸術大学(Folkwang-Hochschule Essen)にてヘルマン・バウマン(Hermann Baumann)に師事。1999年よりケルン音楽大学教授を務めている。
Paul van Zelm_1.jpg


ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド(Jan Willem de Vriend, 1963年~ )はオランダの指揮者。ヴァイオリニストとしても超一流の実力を誇っている。近年では指揮者としての名声が欧米諸国を中心にますます高まっている。2006年からネザーランド交響楽団の首席指揮者兼、芸術監督を務めている。
Jan Willem de Vriend_4.jpg


コンバッティメント・コンソート・アムステルダム(Combattimento Consort Amsterdam) は1982年、伝統的なバロック・レパートリー以外の作品を開拓することを目的に、オランダで結成されたアンサンブル。普段耳にする機会のない作品を、彼らと同時代の大作曲家の作品と並べて演奏することで、耳慣れたレパートリーに新しい一面を発見することができ、その活動は高く評価されている。とりわけ、デ・フェッシュ、ヴァン・ワッセナー、ヘレンダールといったオランダの作曲家の作品をレパートリーにしていることも特徴的である。また、モンテヴェルディやパーセルのオペラ制作にも携わっている。
Combattimento Consort Amsterdam_1.jpg


Etceteraと言うレーベルはオランダ・アムステルダムのレーベルで、レパートリーは古楽から現代まで幅広いが、有名どころではなく、あまり知られていない貴重な録音を中心にリリースしている。演奏陣はオランダの演奏家が中心だが、ウィリアム・クリスティ、ヘレヴェッヘ、コープマンなどの大物が参加しているアルバムもある。

このアルバムではバルブを持たない、自然倍音のみを発音できるナチュラル・ホルンを使用している。
ソロのホルンとバックの演奏との音のバランスは良い。高域弦の音伸び、中低域弦の響きも豊かで、音像空間の広がりもある。サラウンドスピーカーからの音には直接音がかなり入っている。録音場所はアムステルダムのヴァールゼ教会(Waalse Kerk )

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(556) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Penderecki Horn Concerto, Violin Concerto No. 1.jpg
Penderecki
Horn Concerto, Violin Concerto No. 1
CCS SA 30310
Robert Kabara (violin)
Radovan Vlatkovic (horn)
Krysztof Penderecki/Sinfonietta Cracovia
録音 2009年6月,9月
Channel Classics

ペンデレツキ:協奏曲集
・ヴァイオリン協奏曲第1番
・ホルン協奏曲「冬の旅」

クシシュトフ・ペンデレツキ(Krzysztof Penderecki, 1933年11月~ )は、ポーランドの作曲家、指揮者。クラクフ生まれのカトリック教徒。ポーランド楽派の主要作曲家の1人である。日本では「広島の犠牲者に捧げる哀歌」(1960)という短い絃楽合奏の曲が知られている。作品は多岐に渡り、交響曲は現在6番が欠番で、8番まである。作風は前衛的なものから調性へと移り、新ロマン主義作家を代表する現代作家となった。
Krzysztof Penderecki_1.jpg


ロベルト・カバラ(Robert Kabara,1964年~)ポーランドのヴァイオリニスト、指揮者。
クラクフ音楽アカデミー(Music Academy in Cracow)にてヴァイオリンをエウゲニア・ウミンスカ(Eugenia Umińska)、カヤ・ダンチョフスカ(Kaja Danczowska)に師事。第9回(1986年)ヴィエニャフスキ国際コンクール3位入賞。シンフォニエッタ・クラコヴィア(Sinfonietta Cracovia)のヴァイオリニスト、指揮者を務める。
Robert Kabara_1.jpg


ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(Radovan Vlatković, 1962年1月~ )はクロアチア、ザグレブ出身のホルン奏者。6歳から2年にわたってアメリカ暮らす間にホルンを習い始め、帰国後にザグレブ音楽大学に学んだ後、デトモルト音楽大学でミヒャエル・ヘルツェルに師事。1983年にミュンヘン国際音楽コンクールにて優勝する。1992年からシュトゥットガルト音楽演劇大学で、1998年よりザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学で、2006年よりチューリヒ高等芸術学校にてホルン教授に就任している。また、マドリード・ソフィア王妃音楽学校のホルン教授も務めている。1982年から西ベルリンのベルリン放送交響楽団(のちのベルリン・ドイツ交響楽団)の首席ホルン奏者を務めたが、1990年にソリストとしての活動に専念するため退任し、ドイツ内外の主要なオーケストラ(バイエルン放送交響楽団、BBC交響楽団、アカデミー室内管弦楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団、NHK交響楽団など)に客演するとともに、ホルンのための主要な作品の数々を録音してきた。
Radovan Vlatković_1.jpg


シンフォニエッタ・クラコヴィア(Sinfonietta Cracovia)はクラクフ音楽大学の学生たちが、1992年に設立した室内楽団。1994年には、「王の首都クラクフのオーケストラ」の称号を得た。今日、当楽団は、エルジュビェタ&クシシュトフ・ペンデレツキ夫妻の援助と支援によって活動を行っている。監督は卓越したヴァイオリン奏者兼指揮者のロベルト・カバラである。シンフォニェトカ・クラコヴィアは、クラクフで催される多くの音楽祭に参加している。
Sinfonietta Cracovia_4.jpg


ホルン協奏曲「冬の旅」は2008年6月にヴラトコヴィチのソロとペンデレツキの指揮で日本初演が行われ、ペンデレツキのファンや金管関係者の間で話題を呼んだ。ヴァイオリン協奏曲はダイナミックレンジの大きな曲で、グランカッサの低音の響きや金管の美しい響きが印象に残った。ホルン協奏曲ではヴラトコヴィチの奏でるホルンの低音域の響きがとても良い。サラウンドスピーカらの音はアンビエンスがメイン。録音場所はヴァイオリン協奏曲第1番がクラクフ、フィルハーモニック・ホール、ホルン協奏曲はカトヴィツェ、シロンスク・フィルハーモニック・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(555) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Respighi La Pentola Magica.jpg
Respighi
La Pentola Magica
777 071-2
Damiana Pinti (mezzo soprano)
Marzio Conti/Orchestra Sinfonica del Teatro Massimo di Palermo
録音 2003年4月
CPO

レスピーギ:
・感覚(メゾ・ソプラノと管弦楽のための抒情詩)
・バレエ音楽「魔法の鍋」
・アレトゥーザ(メゾ・ソプラノと管弦楽のための短詩)

ダミアーナ・ピンティ(Damiana Pinti,)ローマ生まれのメゾ・ソプラノ歌手。ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院(Giuseppe Verdi Conservatory)でクラッシック・ギターを習った後、Citta di Stresa and Fernando Sor Competitionsに優勝。その後オーストリアのソプラノ歌手Margaret Baker Genovesiに師事。
Damiana Pinti_1.jpg


マルツィオ・コンティ(Marzio Conti, 1960年5月~ )イタリア、フィレンツェ生まれの指揮者、フルート奏者。1981年のザルツブルグ音楽祭にイ・ソリスティ・ヴェネティ(I Solisti Veneti)のフルートソリストとしてデヴュー。2005年から2010年までサンレモ交響楽団(Orchestra Sinfonica of Sanremo)の芸術監督を歴任。トリノ・レージョ劇場管弦楽団(Teatro Regio di Torino)、ローマ歌劇場管弦楽団(Teatro dell'Opera di Roma)、パレルモ・マッシモ劇場管弦楽団(Teatro Massimo in Palermo)、ボローニャ市立劇場管弦楽団(Teatro Comunale di Bologna)などに客演。
Marzio Conti_1.jpg


パレルモ・マッシモ劇場管弦楽団(Orchestra Sinfonica del Teatro Massimo di Palermo)
はイタリア、シチリア島のパレルモにあるマッシモ劇場専属の管弦楽団。2007年に合唱団とともに来日し、歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」や歌劇「道化師」の公演を行った。
Orchestra Sinfonica del Teatro Massimo di Palermo_1.jpg


レスピーギは作曲家でメゾ・ソプラノの声楽家でもあった妻のエルザのためにシェリーの詩を使った「感覚」など幾つかの作品を作曲した。このアルバムのいずれの曲にもメゾ・プラノの独唱が入る。高域弦の音の伸びはあまり無いが、中低域弦の響きは豊かで、サラウンドスピーカーからの音には直接音がかなり入っている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(554) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mendelssohn Piano concertos.jpg
Mendelssohn
Piano concertos
88883707352
Oliver Schnyder(Piano)
Douglas Boyd/Musikkollegium Winterthur
録音 2012年10月
RCA

メンデルスゾーン:
・ピアノ協奏曲第1番ト短調 Op.25
・ピアノ協奏曲第2番ニ短調 Op.40
・ピアノと弦楽のための協奏曲イ短調 MWV.O2

ピアノと弦楽のための協奏曲(独:Konzert für Klavier und Streichorchester)イ短調は、メンデルスゾーンが1822年(13歳)に作曲したピアノ協奏曲。一連の協奏曲の中で最初に作曲されたが、同年12月5日に演奏されて以来一度も演奏・出版されることのないまま20世紀になって再発見され、1997年にようやく出版された。演奏・録音の機会は極めて少なかったが、近年になって演奏が徐々に増えている。メンデルスゾーン家のサロン演奏会で演奏するために作曲されたと思われるが、詳細は不明な点が多い。2台ピアノ用編曲版がブライトコプフ・ウント・ヘルテルから出版されている。伝統的な3楽章構成。編成は独奏ピアノと弦5部。演奏時間は約33分。

オリヴァー・シュニーダー(Oliver Schnyder, 1973年10月~)は、スイス、チューリッヒの北西の街、ブルック生まれのピアニスト。チューリッヒ芸術大学でオメロ・フランセシュに、またマンハッタン音楽院でルース・ラレードに、ボルチモアでレオン・フライシャーにピアノを師事。アメリカ、ワシントンD.C.のジョン・F・ケネディー・センターでのデビューを皮切りに世界中で活躍するピアニスト。
Oliver Schnyder_1.jpg


ダグラス・ボイド(Douglas Boyd,1959年~)イギリスのグラスゴー出身のオーボエ奏者、指揮者。ジャネット・クラックストンの下、英国王立音楽院(ロンドン)で学んだ。またパリではモーリス・ブルグに師事している。最近までマンチェスター・カメラータの音楽監督、コロラド交響楽団とシティ・オブ・ロンドン・シンフォニアでは首席客演指揮者、セント・ポール室内管弦楽団のアーティスティック・パートナーを務めていた。現在はヴィンタートゥール・ムジークコレギウムの首席指揮者を務めている。ヨーロッパ室内管弦楽団の創立メンバーの一人であり、2002年までその首席オーボエ奏者を務めていたが、現在では指揮者として同楽団と定期的に共演している。
Douglas Boyd_4.jpg


ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム(Musikkollegium Winterthur)は1629年創立のスイス東北部のチューリヒ州にある基礎自治体ヴィンタートゥールに本拠を置く室内オーケストラ。1987年~1990年にはフランツ・ウェルザー=メスト(Franz Welser-Möst)が首席指揮者を兼ねていた。現在はイギリスのグラスゴー出身で、ヨーロッパ室内管弦楽団の設立メンバーの一人として2002年まで首席オーボエ奏者を務め、現在は指揮者として活躍する若き名匠ダグラス・ボイドが2009年より首席指揮者を務めている。第一ヴァイオリンに村主良子、ヴィオラにChie Tanakaが参加している。
Musikkollegium Winterthur_4.jpg


トラック1~6までのピアノ協奏曲第1、第2はライヴ録音だが聴衆のノイズなどは消されている。トラック7~9はセッション録音と思われるが、こちらの収録の方がバックのオーケストラの音質が幾分勝っているように感じた。いずれもソロのピアノ以外は1ポイントマイクを中心とした録音と思われる。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はスイス、ヴィンタートゥール・シュタットハウス

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(553) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Hovland - New Star in the Audio Sky.jpg
Hovland - New Star in the Audio Sky
The London String Sound
TM-SACD9003.2
Geoffrey Simon/
録音  不詳
Top Music International


The London Cello Sound
・The Swan
・Green sleeves Suite
・Tonight from West Side Story
The London Double Bass Sound
・The Elephant
・Old Man River
・American Basses from Suite & Low
Latin Cello
・Libertango
・La Cumparsita
・Begin the Beguine
The London Violin Sound
・Songs My Mother Taught Me
・Czardas
・Hungarian Dance
The London Viola Sound
・Galop from Cheryomushki
・Arrival Platform Humlet

ジェフリー・サイモン(Geoffrey Simon, 1946年7月~)はオーストラリア、アデレード生まれの指揮者。メルボルン大学でピアノを専攻。1968年にアメリカに渡り、ジュリアード音楽院でチェロを学ぶ。さらにインディアナ大学でヤーノシュ・シュタルケルに師事する傍ら、1969年には同地でブルーミントン交響楽団の音楽監督となる。1973年からイギリスでさらに指揮法を修め、ボーンマス交響楽団をはじめ各地のオーケストラと協演。1974年にはジョン・プレイヤー国際指揮者コンクールで入賞する(優勝者はサイモン・ラトル)。1978年にはアメリカに戻りウィスコンシン大学、北テキサス大学の教授を歴任、その後、1986年から1988年までオールバニー交響楽団、1992年から1996年までサクラメント・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督をつとめる。1997年にはシアトルのアマチュア・オーケストラであるノースウエスト・マーラー・フェスティヴァル管弦楽団の指揮者兼顧問に就任。またロンドンで自らCALAレーベルを創設し、レオポルド・ストコフスキーの復刻版や大作曲家の珍しい作品ばかりの録音を世に出して話題となる。現在はイギリスに在住し、レオポルド・ストコフスキー協会の会長でもある。
Geoffrey Simon_1.jpg


このアルバムは、ホヴランド(Hovland Company)と言うアメリカのロサンゼルスにある、真空管使用のプリアンプなどを製造しているオーディオメーカーが出したデモ用ディスクらしい。ブックレットの内容は収録曲名の紹介のみで、演奏団体名(LSO?)の記載が無く、残りは自社の製品のカタログになっている。2chのモノラルPCMで録音されたものをDSDリマスタリングしたものと思われ、マスタリング時のリファレンス機器にHovland社のプリアンプHP-200、パワーアンプにRADIAを使用している。トラック4~6のCbのソロでは押し出しのきいた豊かな響きをしている。

サラウンド・パフォーマンス  ――
音質               ☆☆☆☆
チャンネル           2ch

SACDサラウンド・レビュー(552) [サラウンド・サウンド・レビュー]

IvesBrandt, Copland.jpg
Ives/Brandt, Copland
SFS 0038
Paul Jacobs (organ)
Michael Tilson Thomas/San Francisco Symphony
録音 2010年2月,9月 
San Francisco Symphony

アイヴズ:ピアノ・ソナタ第2番「マサチューセッツ州コンコード」(コンコード・ソナタ)(編曲:H. ブラント)
コープランド:オルガンと管弦楽のための交響曲

チャールズ・アイヴズ(Charles Edward Ives ,1874年10月~1954年5月)はアメリカ合衆国の作曲家。作曲家でもあった父から基礎的な音楽教育を受けるとともに,地元の音楽教師からオルガンとピアノを学んだ。14才の時には,当時全米最年少のプロの教会オルガニストとなった。1893年にニューヘイヴンのホプキンス・グラマー・スクールへ進み,1894年にエール大学へ進学し、ホレイショ・パーカーに作曲を学んだ。アメリカ現代音楽のパイオニアとして認知されている。不協和音を実験し、だんだんと多用していくようなアイヴズの傾向が、当時の音楽界の権威に好ましくないと受け取られ、作品は存命中にはほとんど無視され長年にわたって演奏されずに来た。現在では、アメリカ的な価値観のもとに創作を行なった独創的な作曲家と評価されており、録音もかなりの数が存在する。作品にはさまざまなアメリカの民俗音楽の要素が含まれている。交響曲が6作品、管弦楽組曲、室内楽曲、ピアノ曲、声楽曲などが有る。
Charles Edward Ives _3.jpg


アーロン・コープランド(Aaron Copland, 1900年11月~1990年12月)は20世紀アメリカを代表する作曲家のひとり。ニューヨーク州ブルックリンにおいて、ユダヤ系ロシア移民の息子として生まれた。14歳で本格的にピアノを習い始め、作曲家を志したのは15歳のときという。16歳からルービン・ゴールドマークに作曲を師事する。1921年、21歳のときにパリに留学、個人的にナディア・ブーランジェの弟子となる。パリ留学中にはジャズの要素を取り入れた曲を多く書いていたが、次第に一般大衆と現代音楽の隔たりを意識するようになる。1924年に帰国すると、「アメリカ的」音楽を模索、アメリカ民謡を取材・研究し、これを取り入れた簡明な作風を打ち立てる。その後、再び純音楽的作品に戻り、12音技法を用いるなど曲折の後、晩年は非常な寡作となった。指揮や著述、音楽評論にも実績を残した。
Aaron Copland,_1.jpg


マイケル・ティルソン・トーマス(Michael Tilson Thomas,1944年12月~)アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスにて、ロシア系ユダヤ人の家庭に生まれる。南カリフォルニア大学にてインゴルフ・ダールの下で学んだ。1969年にウィリアム・スタインバーグの後任として ボストン交響楽団の指揮者としてデビューし、その後ニューヨーク・フィルハーモニック、ロサンジェルス・フィルハーモニック、ロンドン交響楽団、サンフランシスコ交響楽団の指揮者を務めた。 1988年にはクラウディオ・アバドの後任として、ロンドン交響楽団の首席指揮者に抜擢される。1995年以来、サンフランシスコ交響楽団の音楽監督を務めている。
Michael Tilson Thomas_2.jpg


サンフランシスコ交響楽団(San Francisco Symphony)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコを拠点とするオーケストラである。1911年に最初の演奏会を行なった。録音の歴史も長く、ピエール・モントゥー指揮のRCAへの録音、小澤征爾とエド・デ・ワールトのフィリップスへの録音、ヘルベルト・ブロムシュテットのデッカへの録音、マイケル・ティルソン=トーマスのBMGへの録音は著名である。
San Francisco Symphony_2.jpg


収録期日はそれぞれ異なるが、1992年夏に音響改修が行われたデーヴィス・シンフォニーホル(Davies Symphony Hall)でのライヴ録音。ステージ上にコンピューター制御の59枚の強化プラスチック製の音響反射板が設置されている。
1ポイントマイクを中心とした収録と思われ、コンサートホールの中ほどで聴くような音に近い。コープランドのオルガン・シンフォニーでのオルガンはかなり離れた所にマイクをセッティングしての収録だと思われるが、重低音を良くとらえている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメインだが、直接音も拾っている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch

BD-Audioサラウンド・レビュー(10)  [サラウンド・サウンド・レビュー]

String Quartets, Vol IV Schubert.jpg
Schubert
String Quartets, Vol IV
2L-105-SABD (2 discs)  DXD Recording (24bit/352.8kHz)
Engegårdkvartetten
録音 2013年11月
    2014年2月
2L

シューベルト:弦楽四重奏曲第13番イ短調 D.804, Op.29「ロザムンデ」
ラトシェ:弦楽四重奏曲第1番「鉛と光の物語」
ブリテン:弦楽四重奏曲第2番ハ長調 Op.36
J.ハイドン:弦楽四重奏曲第77番ハ長調 Hob.III-77, Op.76-3「皇帝」



マヤ・ソールヴェイ・シェルストルプ・ラトシェ(Maja Solveig Kjelstrup Ratkje,1973年~)はノルウェーの女性作曲家、歌手、キーボード奏者、ヴァイオリニスト。弦楽四重奏とアコーディオンのための『雅楽変奏曲』をはじめとする室内楽作品を通じてエンゲゴール四重奏団と出会い、新作を委嘱された。
Maja Solveig Kjelstrup Ratkje_2.jpg


「鉛と光の物語」はラトシェの第1番の弦楽四重奏曲にあたる作品。「偉大なベートーヴェンの音楽への賛辞」を背景に作曲され、「自由な芸術家」ベートーヴェンの「ラズモフスキー第1番」が創作のための素材に選ばれました。曲名の「鉛」は「恐怖」、「光」は「希望」を表す。

ハイドンの弦楽四重奏曲第77番の「皇帝」という副題は第2楽章が「オーストリア国家及び皇帝を賛える歌」の変奏曲であることに由来する 。現在この楽章の主題はドイツ国歌(ドイツの歌)となっている。イギリスに滞在中のハイドンはイギリス人たちが、イギリスの国歌を口ずさみ、国家への忠誠を心に深く抱く様を目撃し、感銘を受ける。時同じくして、オーストリアはナポレオン・ボナパルト率いるフランス軍の侵略に脅かされていた。ハイドンは、故郷の存続を他国から救い、人々にオーストリア人としての誇りを取り戻させ、励ますために「オーストリア国歌」制定を提唱。作曲に取りかかる。作曲時期は1797年で4楽章から成り、演奏時間は25分ほど

エンゲゴール弦楽四重奏団(Engegårdkvartetten)はノルウェー北極圏のロフォーテンを本拠とし、2006年創設された。アルヴィド・エンゲゴールを中心とする弦楽四重奏団。
Engegårdkvartetten_2.jpg


録音時の写真が2Lのサイトにアップされていたが、4人が半円形に陣取り、マイクはオフマイクのセッティングにしている。音の広がり感はあまり無いが、Vnはクリアな音で伸びが良い。Vcは厚みのある響きを伴っている。BD-AudioとSACDが同梱されているが、トラック9以降のハイドンの「皇帝」はSACDには入っていない。録音場所はノルウェー、ベールム、ヤール教会
Engegårdkvartetten_3.jpg


サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch(DTS-HD MA 24/192KHz)

SACDサラウンド・レビュー(551) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Lalo Milhaud Cello Concertos.jpg
Lalo/Milhaud
Cello Concertos
ARS 38 119
Nadege Rochat (cello)
Ola Rudner/Wurttembergische Philharmonie Reutlingen
録音 2012年12月
Ars Produktion

ラロ:
・チェロ協奏曲ニ短調
・ディヴェルティメント(歌劇「フィエスク」のバレエ音楽;1872)スケルツォ
ミヨー:チェロ協奏曲第1番 Op.136

ナデージュ・ロシャ(Nadege Rochat,1991年~)スイス、ジュネーヴ生まれのチェリスト。4歳よりチェロを習い始める。2001年に弱冠10歳で国際コンクールに出場し、最終審査に残る。ジュネーヴ音楽院に入学し、ダニエル・ヘフリガー(Daniel Heafliger)に師事、さらに2006年よりケルン音楽大学でマリア・クリーゲルに師事し、2010年3月にベルリンのコンツェルトハウスでデビューを飾った。
Nadege Rochat_1.jpg


オーラ・ルードナー(Ola Rudner,1953年~)は、スウェーデン、イスラヴェードの生まれの指揮者。ヴァイオリニストとして活動を始め、パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールに入賞する。また、シャーンドル・ヴェーグの助手を務めた。その後、ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団とウィーン交響楽団のコンサートマスターとして活動後に、指揮者としての活動を始めるようになった。1995年には、フィルハーモニア・ウィーンを設立し、ウィーン楽友協会を中心に演奏活動を開始した。2001年にタスマニア交響楽団首席指揮者に就任し、2003年まで担当した。また、2003年から2006年まで、ボルツァーノ・トレント・ハイドン管弦楽団の首席指揮者を務めた。2008年9月からはロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者に就任し、活動を行っている。他には、BBC交響楽団、フランクフルト放送交響楽団、ウィーン室内管弦楽団、ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団に客演、オペラではヴェローナ野外オペラやウィーン・フォルクスオーパーの他、オーストラリア、スウェーデン、イタリアの歌劇場に出演している。最近では東日本大震災後の2012年年末年始にウィーン・フォルクスオーパー交響楽団を伴い、来日した。
Ola Rudner_1.jpg


ロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団(Wurttembergische Philharmonie Reutlingen)は1945年創立のドイツ、バーデン=ヴュルテンベルク州のロイトリンゲンを本拠地とするオーケストラ。飯森範親が2001年9月から音楽総監督に就任し2007年まで務めた。(現在首席客演指揮者)。2006年2月には飯森と日本ツアー実施し、同年7月には、日本人指揮者がドイツのオーケストラと共演する「ベートーヴェン交響曲全集」の初例となるCDをリリースした。2008年からはオーラ・ルードナー(Ola Rudner)が音楽監督を務めている。
Wurttembergische Philharmonie Reutlingen_2.jpg


トラック1~3、9~11はチェロ協奏曲,トラック4~8が管弦楽曲。協奏曲ではバックの高域弦の音の伸びはあるが、中低音弦の響きは物足りない。ソロのチェロの音はなかなか良い。サラウンド・スピーカーからの音は直接音がほぼ占めており、アンビエンスな音はあまり感じられない。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(550) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Berlioz Harold en Italie_2.jpg
Berlioz
Harold en Italie
CHSA5155
James Ehnes(viola & violin)
Sir Andrew Davis/Melbourne Symphony Orchestra
録音 2014年8月,11月
Chandos

ベルリオーズ:
・序曲「ロブ・ロイ」
・夢想とカプリス Op. 8
・イタリアのハロルド Op. 16

ジェイムズ・エーネス(James Ehnes,1976年1月~)はカナダ出身のヴァイオリニスト。マニトバ州ブランドンに、トランペット奏者のアラン・エーネスの子として生まれ、4歳からヴァイオリンを始める。9歳からフランシス・キャプランに師事し、11歳でカナダ音楽コンクールに優勝。13歳でモントリオール交響楽団と共演した。1993年からはジュリアード音楽院でサリー・トーマスの指導を受け、1997年にペーター・メニン賞を受けて卒業した。2008年にコルンゴールドとバーバー、ウォルトンによる20世紀の隠れた名品と称されるヴァイオリン協奏曲の録音でグラミー賞を獲得。2010年にはカナダ勲章を授与されている。フルトンコレクションより借与されている1715年製ストラディヴァリウス“Ex Marsick”を使用。
James Ehnes_1.jpg


サー・アンドルー・デイヴィス(Sir Andrew Davis,1944年2月~ )は、イギリスの指揮者。エルガーやディーリアス、ヴォーン・ウィリアムズなどの近代イギリス音楽を得意とする。1970年にBBC交響楽団を指揮してデビュー。1975年にトロント交響楽団の音楽監督に就任後、レコーディングを活発に行う。1989年より2000年までBBC交響楽団の音楽監督、2005年から2008年までピッツバーグ交響楽団芸術顧問、2012年からはメルボルン交響楽団の音楽監督に就いている。
Sir Andrew Davis_1.jpg


メルボルン交響楽団(Melbourne Symphony Orchestra)はオーストラリアのメルボルンに本拠地を置くオーケストラ。創始者はアルベルト・ゼルマン。最初の演奏会は1906年12月11日に行われ、2007年に創立100周年を迎えた。2000年に初来日した。 歴代首席指揮者には、ワルター・ジュスキント、クルト・ヴェス、ウィレム・ヴァン・オッテルロー、フリッツ・リーガー、オレグ・カエターニがいる。日本人では、岩城宏之が首席指揮者(桂冠指揮者)、尾高忠明が首席客演指揮者を務めた。2012年よりアンドルー・ディヴィスが首席指揮者を務めている。
Melbourne Symphony Orchestra_1.jpg


高域弦の音の伸びはあまり無いが低域弦の響きは豊かで、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。序曲「ロブ・ロイ」では冒頭のホルンの響きが美しい。イタリアのハロルドの終楽章はダイナミックレンジが大きく、聴きごたえがある。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメインだが、直接音も拾っている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(549) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Du temps & de l'instant.jpg
Du temps & de l'instant
AVSA9841
Montserrat Figueras (voice)
Arianna Savall (voice, harpe)
Ferran Savall (lute, théorbe, guitar)
Pedro Esteban (percussion)
Jordi Savall (violes)
録音 2004年10月
    2005年1月
Alia Vox

時間と瞬間について
・恋人の歌第5曲「愛しい人に恋するあなたは」 (作曲者不詳)
・ナスタラン (ナグマ旋法) (アフガニスタン伝統音楽)
・ヘブライの子守唄 (作曲者不詳)
・ブルターニュ地方の哀歌による変奏曲 (ジョルディ・サヴァール)
・泥棒の歌 (カタロニア民謡)
・ロマネスカとパッサメッツォ (オルティス)
・「ラ・サルヴェ」 (アリアンナ・サヴァール)
・「治癒者とあなたは呼ばれ」 (作曲者不詳)
・「見覚えのない場所で」 (ギリシア民謡)
・モロッコ民謡
・子守唄「眠っている可愛い子は」 (作曲者不詳)
・タランテラ (伝ルカス・ルイス・デ・リバヤス)
・即興 (フェラン&ジョルディ・サヴァール)
・カナリオス (ジョルディ・サヴァール)
・「幻想的に」 (アリアンナ&フェラン・サヴァール)
・ミュゼット第1&2番 (マレ)
・「鳥の歌」 (カタロニア民謡)
・舞曲グァラーチャ (作曲者不詳)
・「カンツォネッタを聴け」 (メルーラ)


モンセラート・フィゲーラス(Montserrat Figueras,1942年3月~2011年11月)スペイン、バルセロナ生まれのソプラノ歌手。ジョルディ・サヴァールの夫人。2011年11月癌のため亡くなる
Montserrat Figueras_2.jpg


アリアンナ・サヴァール(Arianna Savall,1972年~)スイス、バーゼル生まれのスペインの歌手、ハープ奏者、作曲家。1993年にスペインの(Conservatory of Terrassa)にて声楽を María Dolores Aldeaに師事。その後同音楽院にてハープを学び1996年に卒業。1996年にスイスに戻りバーゼル・スコラ・カントルム( Schola Cantorum Basiliensis)にて Kurt Widmer に師事。2008年より父が音楽監督のHespèrion XXIに参加。
Arianna Savall_1.jpg


フェラン・サヴァール(Ferran Savall,1979年~ )トレボロ、リュート、ギター奏者、歌手。17歳よりバーゼル・スコラ・カントルムにて学ぶ。
Ferran Savall_2.jpg


サヴァール一家が演奏するこのアルバム・タイトル名「時間と瞬間について」は、古今の音楽や空間的に隔たった音楽などの間に存在する時間と演奏などの瞬間を念頭に置いて付けたもの。トラック2はアフガニスタンの民族音楽だが、打楽器の音がなかなか良い響きをしている。トラック1,3,5,7,9,11,15,19には独唱や合唱が加わる。録音場所はカタルーニャ自治州カルドーナ城参事会教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch