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SACDサラウンド・レビュー(589) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mahler Symphony No. 2 - Fischer.jpg
Mahler
Symphony No. 2
CCS SA 23506 (2 discs)
Lisa Milne
Birgit Remmert
Hungarian Radio Choir
Ivan Fischer/Budapest Festival Orchestra
録音 2005年9月
Channel Classics

マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」

マーラーの交響曲第2番ハ短調は、1888年に着手後、幾たびかの変更、改訂がなされ、1894年12月に最終稿が完成した。「復活」(Auferstehung)という標題が付される。これは、第5楽章で歌われるフリードリヒ・クロプシュトックの歌詞による賛歌「復活」(マーラー加筆)からとられたものだが、マーラーがこの題名を正式に用いたことはない。オルガンやバンダ(舞台外の楽隊)を含む大編成の管弦楽に加え、第4楽章と第5楽章に声楽を導入しており、立体的かつスペクタクル的な効果を発揮する。このため、純粋に演奏上の指示とは別に、別働隊の配置場所や独唱者をいつの時点でステージに招き入れるか、合唱隊をいつ起立させるかなどの演出的な要素についても指揮者の考え方が問われる。

リサ・ミルン(Lisa Milne)はスコットランドのソプラノ歌手。王立スコットランド音楽・演劇学院(Royal Scottish Academy of Music and Drama)にてパトリシア・マクマホン(Patricia McMahon)に師事。1993年マギー・テイト賞(Maggie Teyte Prize )や1996年ジョン・クリスティー賞(John Christie Award)など数々の受賞歴あり。2005年にオペラや音楽に貢献したことにより、エリザベス女王誕生日記念MBE勲章(MBE in the Queen's Birthday Honours)を受領。世界各国のオペラハウスや音楽祭に出演している。王立スコットランド音楽院の教授にも就いている。
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ビルギット・レンマート(Birgit Remmert)ドイツのアルト歌手。ブラウンシュヴァイク生まれ。同市、およびデトモルトで声楽を学ぶ。チューリッヒ歌劇場との契約でキャリアをスタート。そのほかにもベルリン、ドレスデン、アムステルダム、マドリッド、ザルツブルク音楽祭、バイロイト音楽祭など各地に出演。「蝶々夫人」スズキ、「ファルスタッフ」クイックリー夫人、「仮面舞踏会」ウルリカ、「ジャンニ・スキッキ」ツィータ、「ラインの黄金」「ワルキューレ」フリッカ、「ローエングリン」オルトルート、「ルサルカ」魔法使い、「サムソンとデリラ」デリラ、「影のない女」乳母などのレパートリーを持つ。
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イヴァン・フィッシャー(Iván Fischer, 1951年1月~ )は、ブダペスト生まれのハンガリーの指揮者。ウィーン音楽院でハンス・スワロフスキーに師事し、ウィーン交響楽団などへの客演で正当な音楽を作っている。ユダヤ系ハンガリー人で、父シャーンドル、兄アダム、従兄弟ジェルジも指揮者という音楽家の家族である。ブダペスト祝祭管弦楽団の創設にかかわり、1983年来音楽監督を務めている。また、2011年からはベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の首席指揮者にも就任した。代表盤は音楽監督を務めるブダペスト祝祭管弦楽団との、バルトークやコダーイ、ドヴォルザークの作品など。

ブダペスト祝祭管弦楽団(Budapest Festival Orchestra)は、ブダペストを本拠地とするハンガリーのオーケストラである。略称は英語ではBFO、ハンガリー語ではBFZ。2008年2月より現在に至るまで、創設者の一人、イヴァン・フィッシャーが音楽監督を務めている。1983年、指揮者のイヴァン・フィッシャーとピアニストのゾルターン・コチシュを音楽監督として創立した。構成する音楽家による自主的な演奏団体である。祝祭の名からもわかるように、当初は年に3、4回程度、ハンガリーの音楽祭などのイベントで演奏する団体であったが、1992年に常設オーケストラとなった。ハンガリー国内において、ベーラ・バルトーク国立コンサートホールやリスト音楽院大ホールで定期的にオーケストラ公演を行っている。また、定期公演中には毎年3月の「ブダペスト春の音楽祭」への出演も含まれる。近年ではザルツブルク音楽祭をはじめ世界各国の音楽祭に出演するなど、国際的な活躍も目立つ。

冒頭のコントラバスの厚みのある響きがなかなか良い。打楽器などには補助マイクを使用していると思えるが、ワンポイントマイクをメインとしたダイナミックレンジの大きな録音で、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。録音場所はブダペスト、芸術宮殿(パレス・オヴ・アーツ)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(588) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Schubert
Complete Works for Violin and Piano Vol. 2
PTC 5186 348
Julia Fischer (violin, piano)
Martin Helmchen (piano)
録音 2009年7月
PentaTone Classics

シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための作品全集 2
・ニ重ソナタ イ長調 Op. 162, D. 574
・幻想曲 ハ長調 Op. 159, D. 934
・ピアノ連弾のための幻想曲 ヘ短調 Op. 103, D. 940

ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 ハ長調 D934は、フランツ・シューベルトが1827年から1828年にかけて作曲した室内楽曲。シューベルトが晩年に書いた傑作であり、ピアノとヴァイオリンのための書かれた最も美しい作品のひとつである。1827年12月にシューベルトのピアノ三重奏曲第2番の初演が行われ大きな成功を収め、これに触発されたというシューベルトはヴァイオリンとピアノのための楽曲に着手した。翌年1月までに全曲が完成されて2月7日にウィーンで初演されたものの、この演奏会は大変な不評に終わった。当時のウィーンの聴衆や批評家は曲の長大さに耐え切れず、次々席を立っていったと伝えられる。演奏時間は約25分。

ピアノ連弾のための幻想曲 ヘ短調D940は、フランツ・シューベルトが死去の年、1828年に作曲したピアノ連弾曲。シューベルトの数多い4手ピアノ曲の中でも、とりわけ印象深い晩年の傑作として、多く演奏されている。単一楽章だが、全体は大きく4つの部分で出来ていて、4楽章の曲を通して演奏する、という見方もある。全曲で571小節。演奏時間は約16~19分。

ユリア・フィッシャー(Julia Fischer,1983年6月~)ドイツのヴァイオリンニスト、ピアニスト。スロヴァキア出身のピアニストの母と東ドイツ出身の数学者の父のもと、ミュンヘンで生まれる。4歳からヴァイオリン、ピアノを始め、アウクスブルクのレオポルト・モーツァルト音楽院でリディア・ドゥブロフスカヤに、ミュンヘン音楽大学でアナ・チュマチェンコにヴァイオリンを学ぶ。 1995年のユーディ・メニューイン国際コンクール、1996年の第8回ユーロヴィジョン若手演奏家コンクールなど参加した8つの国際音楽コンクールのすべてで優勝(うち3つはピアノでの受賞)。弱冠23歳でドイツの名門フランクフルト音楽大学の教授に抜擢され、ペンタ・トーンから8枚のアルバムを発表後、2008年にDECCAに移籍していたが、現在はDECCAのみならず、ペンタ・トーンからもCDのリリースは再開されている。
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マルティン・ヘルムヒェン(Martin Helmchen, 1982年~)ドイツのベルリン生まれ。6歳よりピアノを習う。ベルリン音大、ガリーナ・イヴァツォーヴァ氏に師事の後、2001年よりハノーファー音大、アリエ・ヴァルディ氏の元で学ぶ。2001年クララ・ハスキル・コンクール優勝。最近では2012年3月に来日し、N響定期公演などで演奏し、また、ヴェロニカ・エーベルレ(ヴァイオリン)と石坂団十郎(チェロ)とのピアノ・トリオで日本ツアーを行った。
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トラック9~12の幻想曲は連弾の曲で、10代の頃に8つの国際コンクールで優勝し、そのうちピアノ部門が3つというピアノ演奏でも超一流のフィッシャーが連弾に参加している。ヴァイオリンはセンターやや左より、ピアノは右寄り奥に定位している。ピアノの音量はヴァイオリンよりやや控えめ。センタースピーカーからの音は大きめで、サラウンドスピーカーからの音は直接音がメインになっている。録音場所はオランダ、ファルテルモントConcert boerderij

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(587) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Haydn
Piano Sonatas
BIS-SACD-1788
Yevgeny Sudbin (piano)
録音 2009年2月(No.47&60),6月(No.53,Fantasia,Lark)
    2010年1月(Variation)
BIS

ハイドン:
・ピアノ・ソナタ第47番 ロ短調 Hob.XVI:32
・ピアノ・ソナタ第60番 ハ長調 Hob.XVI:50
・ピアノ・ソナタ第53番 ホ短調 Hob.XVI:34
・幻想曲(カプリッチョ) ハ長調 Hob.XVII:4
・ピアノ・ソナタ ヘ短調 「ピッコロ・ディヴェルティメント - 変奏曲」 Hob. XVII:6
・弦楽四重奏曲第53番 ニ長調 「ひばり」 Op. 64 No. 5, Hob.III:63 - 第4楽章 フィナーレ アレグロ(ピアノ編)

ハイドンのピアノ・ソナタは疑問視や偽作、消失作も含めれば、65曲存在するがホーボーケン番号で番号が振られているのは52番まで、ランドン版での番号は62番まである。現在は、ソナチネアルバムやソナタアルバムで掲載されている曲のみが知られており、特に第35番ハ長調Op.30-1 Hob.XVI.35(ランドン版では第48番)が有名である。大半の曲では、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ・ソナタに陰に隠れ知名度が高くないが、近年ではピアニストのレパートリーとなりつつあり、再評価が進んでいる。

エフゲニー・スドビン(Yevgeny Sudbin, 1980年~)ロシアのサンクトペテルブルク生まれ。幼少の頃から優れた音楽的才能を発揮し、1987年にはサンクトペテルブルク音楽院へ入学。90年にベルリンで研鑽を積んだ後、97年よりロンドンに居を構え、王立音楽院でクリストファー・エルトンに師事。その間にイタリア、コモ湖国際ピアノアカデミー参加、マレイ・ペライヤ、クロード・フランク、レオン・フライシャー、スティーヴン・ハフ、アレキサンダー・ザッツにも師事する。 06年にヨーロッパ、北欧ツアーのほか、大絶賛されたカナダとアメリカツアーを実現、フリック・コレクション・シリーズでニューヨーク・デビューを果す。2007年アメリカのアスペン音楽祭、フランスのラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭、ニューヨークのメトロポリタン博物館ピアノ・フォルテ・シリーズでデビューをする。2010年10月、アムステルダム・コンセルトヘボウ大ホールデビューを果たす。2011年1 月、初来日し埼玉と東京のリ サイタルは絶賛を博す。2012年10月にも再来日し、D.スカルラッティのピアノ・ソナタなどを演奏した。
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ピアニッシモからフォルテまで、倍音の響きが美しい。録音期日は3回に分かれているが、同じ教会での録音で、その差はほとんどない。トラック12はハイドンの弦楽四重奏曲第5番の終楽章をスドビンが編曲したテンポの速い曲。センタースピーカーからの音は低めに抑えられており、サラウンドスピーカーからの音にはアンビエンスな音も入っている。録音場所はイギリス、ブリストルにあるSt.George’s

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(586) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Schumann
Piano Works
222873
Ronan O'Hora (piano)
録音 1995年5月
Membran

シューマン:ピアノ作品集
・幻想小品集Op.12
・アラベスク ハ長調Op.18
・子供の情景Op.15
・森の情景Op.82より(第1曲,第3曲,第7曲,第9曲)

幻想小曲集 作品12は、ロベルト・シューマンが1837年に作曲した、8曲からなるピアノ曲集。タイトルの通り、一つ一つの曲は幻想的な情緒に満ちており、それぞれに文学的な標題が付けられている。なお、シューマンの作品で「幻想小曲集」と銘打たれているものは他にも作品73(クラリネットとピアノ)、作品88(ピアノ三重奏)、作品111(ピアノ独奏)がある。演奏時間は約28分

アラベスク 作品18は、ロベルト・シューマンが1839年に作曲したピアノ曲。「アラベスク」と題するピアノ曲は、クロード・ドビュッシーなどその他の作曲家にも多く書かれているが、シューマンが最初である。曲はABACA+コーダのロンド形式で書かれており、付点リズムと内声部が絡み合う繊細な主題にホ短調とイ短調のエピソードが挿入されている。特にホ短調のエピソードの後に続く移行部や、コーダに見られる細やかなテンポの変化の指示、夢見るような穏やかな音楽は、シューマン独自の魅力である。演奏時間は約6分


子供の情景 作品15は、ロベルト・シューマンが1838年に作曲した13曲からなるピアノ曲集の代表作のひとつ。特に第7曲の「トロイメライ」は名高い。演奏時間は約17分。

森の情景 作品82は、ロベルト・シューマンが1848年から49年にかけて作曲した9曲からなる作品。ラウベの詩集「狩の日誌」(Jagdbrevier)に触発されて作曲した。当初は各曲に短い詩がついていたが、後にシューマンは第4番のドイツの作家ヘッベルによる詩以外は取り去った。シューマンにしては珍しい自然を描写した曲だが、全体に暗く重い雰囲気で、標題とともにやがて迫り来る破局を予感させる。演奏時間は約18分。


ロナン・オホラ(Ronan O'Hora,1964年~)英国マンチェスター生まれのピアニスト、教授。王立ノーザン音楽大学でリシャルト・バクストに学ぶ。ロンドン・フィル、BBC響、フィルハーモニア管など英国を代表するオーケストラと度々協演し、巨匠メニューイン、エド・デ・ワールトらと共演するイギリス・ピアノ界の重鎮。ザルツブルク音楽祭、ラヴィニア音楽祭などにも出演。王立ノーザン大学およびチータム音楽院教授を経て、1999 年よりギルドホール音楽演劇学校ピアノ科主任教授。最近では毎年のように来日し、リサイタルやコンペティションの審査員、マスタークラスの指導を行っている。
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Membranというドイツのレーベルは元々1990年代後半に TRING というレーベルで発売されていたTHE ROYAL PHILHARMONIC COLLECTIONシリーズというPCM録音の音源をDSDリマスタリングし、SACDハイブリッド盤で発売している。音質はあまり良くない。録音場所はイギリス、ケンブリッジ、ウエストロード・コンサートホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(585) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Romantic Metamorphoses
CC SSA 37215
Dana Zemtsov(viola)
Cathelijne Noorland (piano)
録音 2014年1月
Channel Classics

ロマンティック・メタモルフォーゼ
ヴュータン:ヴィオラ・ソナタ
エフゲニー・ゼムツォフ:古いスタイルのメロディー
ブロッホ:組曲「1919年」
ワックスマン/クーゲル編:カルメン幻想曲(ヴィオラ版)

アンリ・フランソワ・ジョゼフ・ヴュータン(Henri François Joseph Vieuxtemps, 1820年2月~1881年1月)は、フランスで活躍したベルギー人のヴァイオリニスト・作曲家。織匠とヴァイオリン職工の家系に生まれる。音楽を愛好する家庭環境のもとに、アマチュアの父親と地元の音楽家からヴァイオリンの手ほどきを受け、6歳でピエール・ロードの作品を弾いて公開デビューを果たした。ヴュータン作品の根幹をなすのはヴァイオリン曲であり、7曲ある協奏曲と、変化に富んだ短いサロン小品が含まれるが、生涯の終わりにかけてヴァイオリン演奏を断念してから、しばしば他の楽器に切り替え、2つのチェロ協奏曲と1つのヴィオラ・ソナタなどを作曲した。弦楽四重奏曲は3曲ある。
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エルネスト・ブロッホ(Ernest Bloch, 1880年7月~1959年7月)はスイス出身のユダヤ人作曲家・音楽教師。ブリュッセル音楽院でウジェーヌ・イザイほかに師事。その後フランクフルト・ホーホ音楽学校にも学ぶ。1916年に渡米するまでヨーロッパ各地を転々とした。1924年に合衆国市民権を取得。主に門弟を通じてアメリカにおける戦間期の新古典主義音楽の興隆を後押しした。
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フランツ・ワックスマン(Franz Waxman, 1906年12月~1967年2月)は、ドイツ出身のアメリカ合衆国の作曲家。ユダヤ系。本名はフランツ・ヴァクスマン(Franz Wachsmann)。ヤッシャ・ハイフェッツのために作曲されたヴァイオリンと管弦楽のための「カルメン幻想曲」などの演奏会用作品も手懸けているが、一般には映画音楽の作曲家として有名である。
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ダナ・ゼムツォフ(Dana Zemtsov,1992年~)はメキシコ生まれのヴィオラ奏者。両親ともに世界で活躍するヴィオラ奏者で、叔父のアレクサンドル・ゼムツォフもLPOの首席を務めた名ヴィオリスト。5歳の時から両親からヴィオラの教えを受け、マーストリヒト音楽院ではミハイル・クーゲル(Michael Kugel)に師事。欧州各国のコンクールで優勝した。
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カテライネ・ノーランド(Cathelijne Noorland,1983年11月~)はオランダ生まれのピアニスト。8歳よりピアノをFrank Fahnerに師事。10歳よりエンスヘデ音楽院(Conservatory of Enschede) にてBenno Pierweijerに師事。アムステルダム音楽院でWillem Brons、Mila Baslawskajaに師事し、2009年にマスタークラスを終了。
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ヴィオラとピアノとの音のバランスはとても良い。スタジオでのセッション録音なので、サラウウンドスピーカーからの音はほぼ直接音が占めている。トラック4の「古いスタイルのメロディー」はダナ・ゼムツォフの祖父の作品で、妻のために書いた愛の溢れる作品。トラック9はビゼーの歌劇「カルメン」を編曲したカルメン・ファンタジー。録音場所はオランダ、ヒルフェルスムのMCO Studio 1

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(584) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Scarlatti
Sonatas
940 1162-6
Christian Zacharias (piano)
録音 2002年6月
MDG

ドメニコ・スカルラッティ:
・ハープシコード・ソナタ ハ短調 K.126/L. 402
・ハープシコード・ソナタ ト短調 K.450/L.338
・ハープシコード・ソナタ ト短調 K.108/L.249
・ハープシコード・ソナタ ハ長調 K.384/L.2
・ハープシコード・ソナタ ハ長調 K.406/L.5
・ハープシコード・ソナタ ヘ短調 K.69/L.382
・ハープシコード・ソナタ ヘ長調 K.518/L.116
・ハープシコード・ソナタ ヘ短調 K.519/L.475
・ハープシコード・ソナタ ニ短調 K.434
・ハープシコード・ソナタ ニ長調 K.278/L.S15
・ハープシコード・ソナタ ホ短調 K.402/L.427
・ハープシコード・ソナタ ホ長調 K.403/L.470
・ハープシコード・ソナタ ホ長調 K.206/L.257
・ハープシコード・ソナタ 変ロ長調 K.202/L.498

ドメニコ・スカルラッティ(Domenico Scarlatti, 1685年10月~1757年7月)は、イタリアのナポリ出身で、スペインのマドリードで没した作曲家。同年にJ.S.バッハ、ヘンデルのバロック時代の代表的作曲家が生まれているが、スカルラッティもその時代の鍵盤曲に新しい用法を取り入れた重要な作曲家である。マリア・マグダレーナ・バルバラ王女のために書かれた個性溢れるチェンバリズムが繰り広げられる555曲の練習曲が、そのテーマ性と展開によって後に「ソナタ」と呼ばれて親しまれている。作曲家のアレッサンドロ・スカルラッティは父親。
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クリスティアン・ツァハリアス(Christian Zacharias,1950年4月~)はインドの東部ジャムシェッドプール生まれのドイツ人ピアニスト、指揮者。1961年から69年までカールスルーエ音楽院で亡命ロシア人ピアニストのイレーネ・スラヴィンに学んだのち、1970年から1973年までパリで名匠ヴラド・ペルルミュテールに師事。1969年ジュネーヴ国際音楽コンクール2位受賞、1973年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール2位受賞ののち、1975年パリ・ラヴェル・コンクールで優勝、以後、国際的な活動を展開し、1979年にはEMIと専属契約を結び、数多くのレコーディングをおこなった。その後、弾き振り中心に指揮者としての活動をスタート、1992年にスイス・ロマンド管弦楽団を指揮してデビュー後は各地のオーケストラと共演を重ね、2000年からはローザンヌ室内管弦楽団の首席指揮者を務める一方、2002年、エーテボリ交響楽団の首席客演指揮者も務め、現在ではオペラも指揮するなど活動の幅を広げている。
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オフマイクでの、残響の豊な環境での収録と思われるが、倍音の響きは美しく、左右、奥行きへの広がりもある好録音。録音場所はドイツ、ケルンとハノーファーの中ほどにあるFürstliche Reitbahn Bad Arolsen

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch(2+2+2方式)

JAXA調布航空宇宙センターへ行ってきました [その他]

9月14日の多磨霊園の墓参の帰りに、国立天文台を見学しましたが、途中で昼食を摂った後、JAXA調布航空宇宙センターにも寄って、見学してきました。
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現在飛行中で、12月3日に地球の重力を利用して軌道を変える、スイングバイが予定されている、小惑星探査機「はやぶさ2」の情報なども展示されているかと期待していましたが、ここではなく、相模原キャンパスで展示しているそうです。
調布航空宇宙センターは、全国で13か所あるJAXAの施設の中で、航空技術の研究を推進する唯一の拠点として、また将来の宇宙プロジェクトを先導する先行的な宇宙技術の研究や新しい航空宇宙技術を創り出すための基礎的・基盤的技術の研究を進めています。
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◍航空機用ハイブリッド電動推進エンジン
従来のエンジンに比べ燃費も良く、整備も容易
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◍小型超音速実験機「NEXST-1」
燃費を改善する超音速機の機体形状を適用しており、2005年にオーストラリアのウーメラ実験場で飛行実験を行いました
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◍小型自動着陸実験機「ALFLEX」
自動着陸の基盤技術を確立することを目的とするため開発され、ヘリコプタにより、高空から分離投下した後、滑空しながら滑走路へ自動的に着陸させます
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◍FJR710エンジン
日本で研究開発された高性能ターボファンエンジンです
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◍スペース・ミッション・シミュレータ
滑走路から離陸し、そのまま大気圏をぬけて宇宙ステーションにドッキングや地球への帰還のシミュレーションを体験しました
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◍YS11機首部
計180機が製造され、海外にも輸出されていた初の国産中型機のYS11は、衝突防止装置が設置されていないため、現在は飛ぶことができないそうです。退役したYS11を後部は金属疲労などの解析に有効使用し、その機首部のみを展示しています。
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◍YS11コックピット
意外と狭いコックピットでした
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国立天文台 三鷹の見学 [その他]

一昨日に春、秋、恒例となった多磨霊園への墓参の帰りに、普段は門の前を何回も素通りしていた国立天文台三鷹キャンパスを見学してきました。
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◍第一赤道儀室
1927年 カール・ツァイス社製口径20cm屈折望遠鏡
主に太陽の黒点観測で使用された
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◍太陽系ウオーキング
太陽からの距離に比例する位置(140億分の1)にそれぞれの惑星の看板(14億分の1)が立っています。
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◍太陽塔望遠鏡(アインシュタイン塔)
昭和5年に完成した太陽分光写真儀室
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◍天文台歴史館(大赤道儀室)
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カール・ツァイス社製口径65cm屈折望遠鏡
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◍展示室
野辺山にあるパラボラアンテナの模型
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ハワイ島マウナケア山にあるすばる望遠鏡の模型
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◍ゴーチェ子午環室
ゴーチェ子午環は子午線上の天体の位置(赤経と赤緯)を正確に観測するよう工夫された望遠鏡
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◍天文機器資料館
すばる望遠鏡の観測装置の一部
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太陽電波望遠鏡
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SACDサラウンド・レビュー(583) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Schumann
Piano Quartet,Piano Quintet
92.574
Claire-Marie le Guay (piano)
Mandelring Quartett
録音 2009年5月
Audite

シューマン:
・ピアノ四重奏曲変ホ長調op.47
・ピアノ五重奏曲変ホ長調op.44

クレール=マリ・ル・ゲ(Claire-Marie le Guay,1974年6月~)はフランス人のピアニスト。音楽一家の家庭に生まれ、4歳からピアノを習い始め、14歳でパリ国立音楽院に入学。現在、同音楽院教授。レオン・フライシャー、ジョルジュ・セボック、ドミトリー・バシキロフなどに師事。1998年度には権威ある“ヴィクトワール ドゥラ ムジーク”(音楽の勝利)賞を受賞した。数々のコンクール入賞歴をもち、パリを中心にロンドン、ニューヨークでも活躍している。これまで、D.バレンボイム、J.セムコフ、G.アルブレヒト、L.ラングレ、G.クレーメルらと共演。世界の主要オーケストラとの共演も多い。バロックから近代まで幅広いレパートリーを誇る他、現代曲も得意とし、デュティユー、マントヴァーニ、グバイドゥーリナらに新作初演を任されている。最近では5月に行われた、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2015に来日した。
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マンデルリング弦楽四重奏団(Mandelring Quartet)はドイツ西部プファルツ地方ノイシュタットを本拠地とする。ドイツ・ワイン街道沿いの町ハンバッハで生まれ育った3人のシュミット兄妹のセバスチャン・シュミット(1stVn)、ナネッテ・シュミット(2ndVn)、ベルンハルト・シュミット(Vc)に加え、Vaにローランド・グラッスル。ミュンヘン、エヴィアン、パオロ・ボロチアーニなどの弦楽四重奏国際コンクールを制する実力派。1997年からは、ノイシュタット郊外のハムバッハ城で、自らが芸術監督としてハムバッハ音楽祭を開催している。
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弦楽器はそれぞれの位置に、ピアノはセンターやや奥に定位している。高域弦の音の伸びは良いが、チェロの低域音の響きがもう少しほしい。録音場所はドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州レバークーゼンにあるBayer Kulturhaus

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(582) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Beethoven Piano Sonatas Nos. 9, 10, 19, 20, 24 & 25.jpg
Beethoven
Piano Sonatas Nos. 9, 10, 19, 20, 24 & 25
PTC 5186 304
Mari Kodama (piano)
録音 2008年3月
    2010年1月 DSD Recording
PentaTone Classics

ベートーヴェン:
・ピアノ・ソナタ第25番ト長調Op.79
・ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調Op.78「テレーゼ」
・ピアノ・ソナタ第9番ホ長調Op.14-1
・ピアノ・ソナタ第10番ト長調Op.14-2
・ピアノ・ソナタ第19番ト短調Op.49-1
・ピアノ・ソナタ第20番ト長調Op.49-2

児玉 麻里(Mari Kodama,1966年~)は、大阪府生まれのピアニスト。3歳でピアノを始める。6歳の時に家族とともに渡欧。14歳(1981年)の時にパリ音楽院に入学。ジェルメーヌ・ムニエにピアノを、ジュヌヴィエーヌ・ジョア・デュティユーに室内楽を学ぶ。同音楽院修了後、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と共演で本格的な演奏活動を開始し、その後は世界各国のオーケストラとの共演、リサイタルなど精力的な活動を続けている。ピアニストの児玉桃は妹。夫は指揮者のケント・ナガノ。
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付属のDVDビデオによるとマイクのセッティングは、かなりオンマイクでの収録のようだが、それほどオンマイクのようには聴こえなかった。スタインウェイD-274の響きを良くとらえており、センタースピーカらの音は大きめで、サラウンドスピーカーからの音は低めに抑えられている。録音場所はオランダ、ファルテルモントのConcertboerderij

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(581) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Schumann - Harada
92.577
Hideyo Harada (piano)
録音 2009年6月
Audite

シューマン:
・幻想曲ハ長調Op.17
・クライスレリアーナOp.16
・アラベスクOp.18

原田英代(Hideyo Harada)は山口生まれのピアニスト。東京藝術大学及び同大学院で松浦豊明に師事。ロシア国立チャイコフスキー記念モスクワ音楽院の名教師ヴィークトル・メルジャーノフ教授の愛弟子として研鑚を積む。1984年ジュネーブ国際コンクール最高位、1991年シューベルト国際ピアノコンクール第1位、ウィーン現代音楽コンクール第2位、1993年にはモスクワにおける第1回ラフマニノフ国際ピアノコンクールで旧西側参加者の中で唯一入賞を果たし、併せて2つの特別賞を受賞。これまでにN響、読響、トリノ放送響など国内外の主要オーケストラとの共演、音楽祭への参加している。
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ベルリン、イエス・キリスト教会での録音で音質自体は良いが、サラウンドスピーカーからのピアノの低域の音は残響成分と混ざり、エコーがかかったように遅れて聴こえる。ソロのピアノの録音場所としては残響が豊すぎて、あまり適した場所ではないかと思う。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(580) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Debussy
Piano Works
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Ronan O'Hora (piano)
録音 1995年1月
Membran

ドビュッシー:ピアノ作品集
・2つのアラベスク(第1番ホ長調,第2番ト長調)
・ベルガマスク組曲より(第3曲「月の光」,第4曲「パスビエ」)
・「夢」
・「映像」第1集より(ラモー礼賛)
・前奏曲集 第1巻より
(第2曲「帆」,第4曲「音と香りは夕暮れの大気に漂う」,第8曲「亜麻色の髪の乙女」,第10曲「沈める寺」,第12曲「ミンストレル」)
・「子供の領分」より(第5曲「小さな羊飼い」,第6曲「ゴリウォーグのケーク・ウォーク」)
・「喜びの島」

ロナン・オホラ(Ronan O'Hora,1964年~)英国マンチェスター生まれのピアニスト、教授。王立ノーザン音楽大学でリシャルト・バクスト(Ryszard Bakst)に師事。ロンドン・フィル、BBC響、フィルハーモニア管など英国を代表するオーケストラと度々協演し、巨匠メニューイン、エド・デ・ワールトらと共演するイギリス・ピアノ界の重鎮。ザルツブルク音楽祭、ラヴィニア音楽祭などにも出演。王立ノーザン大学およびチータム音楽院教授を経て、1999 年よりギルドホール音楽演劇学校(The Guildhall School of Music & Drama)ピアノ科主任教授。派手さはないが、繊細で技巧に富む演奏が特徴。最近では毎年のように来日し、リサイタルやコンペティションの審査員、マスタークラスの指導を行っている。
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Membranというドイツのレーベルは元々1990年代後半にRPO RecordsというレーベルでCDにて発売されていたThe Ryoal Philharmonic CollectionシリーズというPCM録音の音源をDSDリマスタリングし、SACDハイブリッド盤で発売している。
SA-CD.netでのレビューの音質評価がわりと良かたったので買ってみたが、最悪だった。
ピアノの倍音の響きは豊かでなく、何よりサラウンド・レフトからの音の高域に歪んだようなノイズが乗っている。再生を最初はマルチチャンネルのアナログ出力で、次にHDMI経由のデジタルでも聴いてみたが現象は無くならかった。念のためプレーヤーをSONYに変えてみたが変わらなかった。まさかDSDリマスタリング時のミスとは考えられないし、製造時の不良か?
録音場所はイギリス、エセックス、Loughton、 St. John's Church

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(579) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Pamela Thorby
Garden of Early Delights
CKD 291
Pamela Thorby (recorder)
Andrew Lawrence-King (harp,psaltery)
録音 2006年10月,11月
Linn Records

快楽の園
ディエゴ・オルティス:低音旋律によるレセルカーダ第2番
ファン・エイク:人は夜何をする、最も美しい娘ダフネが、道化師
ダリオ・カステッロ:ソナタ第2番
ダウランド:悲しみよとどまれ
ヨハン・ショップ:涙のパヴァーヌ
ダウランド:もう泣くな悲しみの泉よ
ジョヴァンニ・バッサーノ:ある日スザンナは
オルティス:定旋律によるレセルカーダ第2番
ジョヴァンニ・バティスタ・フォンターナ:ソナタ第6番
ビアージョ・マリーニ:パッサカリア
フォンターナ:ソナタ第2番
ファン・エイク:アマリリ麗し
オルティス:「甘き想い出」によるレセルカーダ第1番
バッサーノ:フレ&ガイヤール

ディエゴ・オルティス(Diego Ortiz, 1510年頃~1570年頃)は、スペイン・ルネサンス音楽の作曲家・音楽理論家。当時スペイン領だったイタリア南部で活躍した。生涯についてはごくわずかな情報しか残されていない。1553年にはナポリ副王領に住み、その後1558年にアルバ公フェルナンド・アルバレス・デ・トレドによってナポリ宮廷の聖歌隊長に任命されている。オルティスは、ヴィオラ・バスタルダのために作曲・編曲を行なった最初の作曲家の一人であるとともに、当時スペイン語で「ディフェレンシアス」と呼ばれた、器楽のための変奏曲集を初めて上梓した作曲家の一人であった。

ファン・エイク(Jacob van Eyck,1589年~1657年)オランダの盲目の作曲家として知られている。「笛の楽園」は後期ルネサンス音楽における最も大切な曲集の一つで、当時の流行歌や舞曲など「聖俗合わせもつ雑多な曲」を主題とする変奏曲集。なかでも有名なのはダウランドの「涙のパヴァーヌ」による変奏曲であり、同じ主題を基にした作曲家たちの作品と比べても、この存在はユニークかつ、孤高のものとして位置づけられている。

ダリオ・カステッロ(Dario Castello,~1630年没?)はバロック時代初期にヴェネツィアで活躍したイタリアの作曲家、器楽奏者。ヴェネツィア楽派後期に属し、器楽カンツォーナ形式のソナタ形式への発展に貢献した。カステッロの作品は、29作品残されており、いずれも独創的で、また演奏には高度な技術を要する。ポリフォニー様式に厳格に従う部分と、劇的なレチタティーヴォが通奏低音を伴って展開する部分が交互に現れるスタイルは、出版譜に記される「現代的様式」("in stil moderno")の文言にふさわしいものとなっている。

ジョン・ダウランド(John Dowland, 1563年~1626年2月)は、イングランドの作曲家、リュート奏者である。作品は声楽とリュート音楽に分けられる。宗教的な楽曲はほとんど見あたらず、愛や悲しみを歌う通俗作品が特徴的である。声楽は世俗曲であり、1597年、1600年、1603年に歌曲集が出版され、80以上の作品が残されている。

パメラ・トービー(Pamela Thorby,1968年~)は イギリス・スコットランド出身のリコーダー奏者。中世から現代に至るまでの作品を多数録音している。協奏曲のソリスト、室内楽奏者、オーケストラの首席奏者として国際的に活躍している。パラディアン・アンサンブル(Palladian Ensemble)のリコーダー奏者、ダンディン・コンソート(Dunedin Consort),イングリッシュ・コンソート( English Concert)などにも参加している。
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アンドルー・ローレンス=キング(Andrew Lawrence-King,1959年~)は英国、ガーンズィ生まれのハーピスト、通奏低音奏者。最初は、教会の聖歌隊員として音楽活動を始め、ケンブリッジ大学で数学を学んだ後、ロンドン・アーリー・ミュージック・センターで声楽と通奏低音奏法の研鑽を積みました。エスペリオンXXなどのハープ奏者を務めた後、1988年の「トラジコメディア」共同主宰、1994年に「ザ・ハープ・コンソート」を結成。ルネッサンスからバロックの様々な時代のハープの名手として活躍する一方、世界の檜舞台でバロック・オペラやオラトリオを指揮し、高い評価を受けている。
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リコーダーとハープまたはプサルテリーによるルネサンスと初期のバロック(16~17世紀)の作品集でトラック3ではトービーの技がさえた演奏。サラウンドスピーカーからはアンビエンスな音も出ている。
録音場所はイギリス、ヨークシャーのSt Margaret's Church内にある国立古楽センター(The National Centre for Early Music,略称NCEM)
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サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(578) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Haydn
Cello Concertos
KTC 5251
Quirine Viersen (cello)
Jan Willem de Vriend/Combattimento Consort Amsterdam
録音 2006年2月
Etcetera

J.ハイドン:
・チェロ協奏曲第1番ハ長調Hob.VIIb-1
・チェロ協奏曲第2番ニ長調Hob.VIIb-2
・交響曲第60番ハ長調「うかつ者」Hob.I-60

キリーヌ・フィールセン(Quirine Viersen ,1972年~)はアムステルダム生れのチェリスト。父親はコンセルトヘボウ管のベテラン・チェリスト、イケ・フィールセン(Yke Viersen)。最初に父からチェロの教えを受けた。アムステルダム音楽院でチェロを学ぶ、その後ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽院にてハインリッヒ・シフ(Heinrich Schiff)に師事し、1997年卒業。ロストロポーヴィチ国際コンクール、ヘルシンキ国際チェロ・コンクール、1994年第10回チャイコフスキー国際コンクールなどの入賞歴を持つ。使用楽器は1715年製のヨゼフ・グァルネリ・フィリウス・アンドレア
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ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド(Jan Willem de Vriend, 1963年~ )はオランダの指揮者。ヴァイオリニストとしても超一流の実力を誇っている。近年では指揮者としての名声が欧米諸国を中心にますます高まっている。2006年からネザーランド交響楽団の首席指揮者兼、芸術監督を務めている。
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コンバッティメント・コンソート・アムステルダム(Combattimento Consort Amsterdam) は1982年、伝統的なバロック・レパートリー以外の作品を開拓することを目的に、オランダで結成されたアンサンブル。普段耳にする機会のない作品を、彼らと同時代の大作曲家の作品と並べて演奏することで、耳慣れたレパートリーに新しい一面を発見することができ、その活動は高く評価されている。とりわけ、デ・フェッシュ、ヴァン・ワッセナー、ヘレンダールといったオランダの作曲家の作品をレパートリーにしていることも特徴的である。また、モンテヴェルディやパーセルのオペラ制作にも携わっている。
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高域弦の音の伸びは良く、クリアな響き。低域弦は豊かな響きをしている。ソロのチェロはバックの演奏とのバランスも良く、ガルネリの響きは美しい。交響曲60番はダイナミックレンジも大きく、好録音である。サラウンドスピーカーからの音にはアンビエンスな音はあまり無い。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(577) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Hagen Quartett 30
MYR006
Hagen Quartett
録音 2010年5月,12月 DSD Recording
Myrios

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番 ホ短調 「ラズモフスキー」Op.59-2
モーツァルト:弦楽四重奏曲第16番 変ホ長調 K428(K421b)
ヴェーベルン:
・弦楽四重奏のための5つの楽章 Op.5
・弦楽四重奏のための6つのバガテル Op.9

ハーゲン弦楽四重奏団(Hagen Quartett)はオーストリアの弦楽四重奏団。モーツァルテウム管弦楽団の首席ヴィオラ奏者オスカー・ハーゲンを父に持つ4人の兄弟(ルーカス・ハーゲン、アンゲリカ・ハーゲン、ヴェロニカ・ハーゲン、クレメンス・ハーゲン)によってオーストリアのザルツブルクで結成された弦楽四重奏団である。当地では早くからその実力を認められていたが、4人兄弟の若い方がより才能があるということはよく言われていた。事実、ハーゲン弦楽四重奏団としてプロ活動をはじめる時には、長女で第2ヴァイオリンのアンゲリカ・ハーゲンはキャリアを断念した。その後第2ヴァイオリンはアンゲリカから、アネッテ・ビク(Annette Bik)、そして現在のライナー・シュミット(1987年秋から)に交替したが、彼らはみなザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学でヘルムート・ツェトマイヤー教授の元で学んだ。ロッケンハウスでは、1981年に審査員賞と観客賞を受賞し、その翌年ポーツマス弦楽四重奏コンクールで優勝。ドイツ・グラモフォンから数々のアルバムを発表している。1984年にはザルツブルク音楽祭にデビュー、大成功を収めた。4人は現在モーツァルテウム音楽大学の教授でもある。
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ハーゲン四重奏団結成30周年記念アルバム。かつてドイツ・グラモフォンに多数の録音を残してきたが, この節目でMYRIOSというドイツのマイナーレーベルに移籍しての最初のアルバム。

各楽器はそれぞれの位置にしっかりと定位しており、とてもナチュラルな響きをしている。楽器間の分離、横への広がり感はベートーヴェンに比べ、モーツァルトの方が良いように感じた。録音場所は同じであるが、録音期日の違いによる微妙なセッティングの違いの差によるものなのか?サラウンドスピーカーからの音には直接音がかなり入っている。録音場所はベルリンのSiemens-Villa

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch