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SACDサラウンド・レビュー(602) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Respighi
Metamorphosen
BIS-2130 SACD
John Nestling/Orchestre Philharmonique Royal de Liège
録音 2014年6月
BIS

レスピーギ:
・第12旋法によるメタモルフォーゼ P.169
・地の精のバラード P.124
・組曲「シバの女王ベルキス」 P.177

「第12旋法によるメタモルフォーゼ」はレスピーギが1930年のボストン交響楽団の創立50周年記念に同楽団からの委嘱で作曲された作品。主題と12の変奏からなり、哀愁を感じさせる主題で、頭の部分が五音音階風の旋法的なメロディである。吹奏楽でも良く演奏される。

「シバの女王ベルキス」は、レスピーギが最後に手掛けたバレエ音楽で、1930年から1931年にかけて作曲された。バレエの全曲は80分を要し、オフステージ、バンダなどの楽器群、合唱、独唱群をも必要とする大がかりな内容から、十数回の公演が初演時に行われて以降、現在に至るまでほとんどレパートリーとしては定着していない。アラビア風な旋律を用いて異国的な雰囲気を醸し出したり、多種多様な打楽器群を用いたりする手法により、レスピーギらしい色彩感豊かな世界を描き出している。作曲者自身により、バレエ音楽の流れに沿った形で2つの組曲が編む構想があったが、結果的に1934年に4部から成る1つの組曲が編まれた。この曲も吹奏楽でも良く演奏される。

ジョン・ネシュリング(John Neschling ,1947年~)はサンパウロ生まれのブラジルの指揮者。シェーンベルクやボダンツキーの血を引くという人物であり、スワロフスキー、バーンスタインの薫陶を受けたというキャリアの持ち主。1997年以来、サンパウロ交響楽団の音楽監督を務めていたが、2009年に楽団事務局のトップと争い同ポストを解任させられた。2013年1月よりサンパウロ市立劇場(Municipal Theatre of São Paulo)の芸術監督に就いた。
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リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団(Orchestre Philharmonique Royal de Liège)はベルキー、リエージュ王立音楽院付属の国立の管弦楽団。1960年設立でリエージュを本拠地とする。2011年9月よりクリスチャン・アルミンク(Christian Arming)が音楽監督に就いている。
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ネシュリングとリエージュ・フィルとの組み合わせによるレスピーギの管弦楽作品録音の第2弾。

1ポイントマイクをメインとしたような録音で、音場は左右、奥行き方向にも広く、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。「メタモルフォーゼ」はゆったりとした、雄大な曲調からだんだんアップテンポに変わり、ヴァイオリンやチェロのソロも入る。「シバの女王ベルキス」ではバスドラムをはじめ、いろいろな打楽器が活躍する。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はベルギー、リエージュ,Salle Philharmonique

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(601) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Bach
Keyboard Concertos 2
SACDA67308
Angela Hewitt (piano)
Richard Tognetti/Australian Chamber Orchestra
録音 2005年2月
Hyperion

J.S.バッハ:鍵盤楽器のための協奏曲集第2巻
・クラヴィア協奏曲第4番イ長調BWV1055
・クラヴィア協奏曲第3番ニ長調BWV1054
・クラヴィア協奏曲第2番ホ長調BWV1053
・クラヴィア協奏曲第5番へ短調BWV1056
・クラヴィア協奏曲第6番へ長調BWV1057

アンジェラ・ヒューイット(Angela Hewitt,1958年7月~ )は、カナダのピアニスト。オンタリオ州オタワで教会オルガニストを務める父ゴドフリーがイギリス人のため、イギリスとカナダの二重国籍である。3歳でピアノの学習を始め、4歳で公開演奏を行い、5歳で最初の奨学金を受ける。ピアノのほかにヴァイオリンやリコーダー、バレエも学ぶほどの早熟ぶりであった。最初のリサイタルは9歳のときトロント王立音楽院で行う。1964年から1973年までトロント音楽院に学んだ後、オタワ大学にてフランス人ピアニストのジャン=ポール・セヴィラに師事した。著名なオーケストラと共演して国際的な活動を続けるかたわら、数々の録音を残す。1994年よりハイペリオン・レーベルと契約して、バッハのクラヴィア作品の全曲録音に挑んでいる。他方でフランス音楽を好み、フランソワ・クープランやショパン、シャブリエ、ラヴェル、メシアンらのピアノ曲を録音している。1985年よりロンドンに暮らすが、イタリアのウンブリア州にも住まいがある。2005年よりマジョーネにて定期的にトラジメーノ音楽祭を開催し、その芸術監督を担当している。
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リチャード・トネッティ(Richard Tognetti,1965年8月~)はオーストラリア・キャンベラ生まれのヴァイオリニスト、作曲家、指揮者。シドニー音楽院でアリス・ワーテンに、故郷のウロンゴンではウィリアム・プリムローズに、またスイスのベルン音楽院でイゴール・オジムにヴァイオリンを師事し、1989年に同音楽院卒業のトップ・ソリストとしてチュミ賞を授与されている。同年オーストラリアへ帰国し、オーストラリア室内管の客演リーダーとして数公演に出演、リーダーに任命され、続いて音楽監督に就任した。ヴァイオリニストとして古楽器、モダン楽器、電子楽器を弾きこなす他、数多くの作品を室内オーケストラのために編曲し、世界中で演奏している。
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オーストラリア室内管弦楽団(Australian Chamber Orchestra)は1975年、シドニーに創設される。 レパートリーは古典作品から現代作曲家による新作まで、多岐 にわたる。1989年、リチャード・トネッティが音楽監督兼コンサートマスターに就任、以来トネッティのリーダーシップの下、柔 軟性に富み万能な“ソリスト集団”であるACOは、モダンおよびバロック楽器を用い、あるときは室内管弦楽団、あるときは小規模シンフォニー・オーケストラ、またあるときは電子音響を用いた楽団として演奏活動を行っている。
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音場は左右に広く、高域弦は伸びがあり、中低域弦の響きも豊かで、ヒューイットの奏でるFAZIOLIの響きもなかなか良い。サラウンドスピーカーからの音には直接音も含んでいる。録音場所はオーストラリア、シドニー、コンサルバトリウーム・オブ・ミュージック、Verbruggen Hall

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(600) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Tchaikovsky The Seasons.jpg
Tchaikovsky
The Seasons
92.569
Hideyo Harada (piano)
録音 2008年5月
Audite

チャイコフスキー:四季 Op.37b
ラフマニノフ:コレッリの主題による変奏曲 Op.42

四季Op.37bは1876年に作曲され、ペテルブルクの音楽雑誌で連載された作品で、12ヶ月に対応した12の小品から成っている。季節の自然のみならず、民衆の生活をも生き生きと描写したユニークな作品で、その音楽には、祖国ロシアの自然と人々を見つめるチャイコフスキーのあたたかな眼差しがつねに息づいている。副題は「12の性格的描写」。

「コレッリの主題による変奏曲」作品42は、ピアノ独奏のための変奏曲。主題と20の変奏からなる。フリッツ・クライスラーに献呈されている。ラフマニノフがロシア革命を避けるため亡命、渡米した後の1931年に書いた曲で、渡米後に作曲した最初で最後のピアノ独奏曲となった。ラフマニノフが主題としたのは、アルカンジェロ・コレッリの「ヴァイオリン、ヴィオローネ、チェンバロのための12のソナタ」作品5の終曲である変奏曲「ラ・フォリア」であるが、コレッリが元にしたのは古来の舞曲であるフォリアであるため、この名称は本来正確ではない。

原田英代(Hideyo Harada)は山口生まれのピアニスト。東京藝術大学及び同大学院で松浦豊明に師事。ロシア国立チャイコフスキー記念モスクワ音楽院の名教師ヴィークトル・メルジャーノフ教授の愛弟子として研鑚を積む。1984年ジュネーブ国際コンクール最高位、1991年シューベルト国際ピアノコンクール第1位、ウィーン現代音楽コンクール第2位、1993年にはモスクワにおける第1回ラフマニノフ国際ピアノコンクールで旧西側参加者の中で唯一入賞を果たし、併せて2つの特別賞を受賞。これまでにN響、読響、トリノ放送響など国内外の主要オーケストラとの共演、音楽祭への参加している。
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コレッリのフォリアの変奏曲はピアノで聴くと新鮮に感じた。残響の豊かなベルリン、イエスキリスト教会での録音で、サラウンドスピーカーからの音は、その豊かな残響を多く拾っている。使用ピアノはスタインウェイD

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(599) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Berg
Orchestral Works
CHSA 5074 (2 discs)
Isabelle van Keulen (violin)
Geraldine McGreevy (soprano)
Robert Murray (tenor)
Mario Venzago/Gothenburg Symphony Orchestra
録音 2004年8月
    2006年8月
    2007年6月,8月
Chandos

アルバン・ベルク:管弦楽作品集
Disc1
・ピアノ・ソナタ Op.1 (管弦楽編曲:T.ファーヴェイ)
・3つの小品 Op.6 (1929年改訂版)
・演奏会用アリア「ぶどう酒」(フランス語歌唱)
・パッサカリア(管弦楽編曲:C.von ボリエスとM.ヴェンツァーゴ)
・ヴァイオリン協奏曲
Disc2
・歌劇「ヴォツェック」からの3つの断章
・歌劇「ルル」組曲
・演奏会用アリア「ぶどう酒」(ドイツ語歌唱)
・シュトラウスII   酒、女、歌

アルバン・マリア・ヨハネス・ベルク(Alban Maria Johannes Berg, 1885年2月~1935年12月)はオーストリア、ウィーン出身の作曲家。富裕な商人の家庭に生まれるが、15歳で父を亡くし、そのころから独学で作曲を始めた。その後、アルノルト・シェーンベルクに師事し、アントン・ヴェーベルンと共に、無調音楽を経て十二音技法の中に調性を織り込んだ作風で知られる。アルノルト・シェーンベルク、アントン・ヴェーベルンとともに「新ウィーン派」と呼ばれた。二次世界大戦前にアメリカに亡命した。主な作品はオペラ「ヴォツェック」、「ルル」、弦楽四重奏のための「叙情組曲」、ヴァイオリン協奏曲など。
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イザベル・ファン・クーレン(Isabelle van Keulen, 1966年~)は、オランダを代表する女性ヴァイオリニスト、またヴィオラ奏者でもある。6歳でヴァイオリンを始める。アムステルダム・スウェーリンク音楽院に学んだ後、ザルツブルク・モーツァルテウムにてシャンドール・ヴェーグに師事。これまで演奏会では、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団やバイエルン放送交響楽団、ウィーン交響楽団、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、バーゼル室内管弦楽団など世界の主要なオーケストラや、マーク・エルダーやヴァレリー・ゲルギエフ、ネーメ・ヤルヴィ、ネヴィル・マリナー、ロジャー・ノリントン、デイヴィッド・ジンマン、ヒュー・ウルフ、オスモ・ヴァンスカら著名な指揮者と共演してきた。室内楽や現代音楽の演奏を中心とした活動を繰り広げており、1996年にはデルフト国際室内楽フェスティバルを創立した。これには演奏家としてだけでなく、2006年までは指揮者としても出演した。主な共演者に、レイフ・オヴェ・アンスネスやホーカン・ハーデンベルガー、ギドン・クレーメル、ハインリヒ・シフ、トマス・アデスらがいる。
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マリオ・ヴェンツァーゴ(Mario Venzago,1948年7月~ )は、スイスの指揮者。チューリヒの生まれ。5歳からピアノを弾き、地元の音楽院と大学でエーリヒ・シュミットらの薫陶を受けた。その後ウィーン国立音楽大学でハンス・スワロフスキーに指揮法を学んだが、しばらくはスイス・イタリア語放送のピアニストとして活動した。1978年からヴィンタートゥール市管弦楽団で指揮活動を始め、1986年から1989年までハイデルベルク歌劇場の音楽監督とドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンの首席指揮者を務めた。1991年から1994年までグラーツ・フィルハーモニー管弦楽団及びグラーツ歌劇場の首席指揮者、1997年から2003年までバーゼル交響楽団の首席指揮者、1999年から2002年までバスク国立管弦楽団の首席指揮者、2000年から2003年までボルティモア夏季音楽祭の芸術監督、2002年から2009年までインディアナポリス交響楽団の首席指揮者を歴任した。また、2004年から2007年までエーテボリ交響楽団首席指揮者を務めた。
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イェーテボリ交響楽団(Gothenburg Symphony Orchestra)はスウェーデンのイェーテボリにあるオーケストラ。1905年に創立され、1997年にスウェーデン国立管弦楽団の名称を贈られた。本拠地のイェーテボリ演奏会ホールは、優秀な音質で有名。歴代の主な首席指揮者にはシャルル・デュトワ(1976年~1979年)、ネーメ・ヤルヴィ(1982年~2004年)、グスターボ・デュダメル(2007年~2012年)がいる。2013年~2014年のシーズンには首席客演指揮者・音楽監督としてケント・ナガノが就いた。
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ワンポイントマイクをメインとした録音で、レベルは低めだがダイナミックレンジは大きい。ピアノ・ソナタ Op.1の管弦楽版ではグランカッサの重厚な響きが印象に残った。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5ch

マルモッタン・モネ美術館所蔵「モネ展」 [美術・絵画鑑賞]

昨日、上野の東京都美術館で開催されている「モネ展」を観てきました。

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午後から行ったのですが、シルバーデーとあって待ち時間は約40分でした。
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フランス、パリ16区にあるマルモッタン・モネ美術館には、印象派を代表する画家クロード・モネ(1840-1926)の、86歳で亡くなるまで手元に残したコレクションが所蔵されています。今回はモネ・コレクションを中心に約90点が展示されています。

以下、印象に残った作品

《トゥルーヴィルの海辺で》 1870年 最初の妻のカミュがモデル
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《オランダのチューリップ畑》 1886年
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特別出展の「印象、日の出」は20日から「ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅」に変えられていました。
モネは、1877年初頭に、パリのサン=ラザール駅を題材にした12点の連作を制作しました。

《ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅》 1877年 ジョジュル・ド・ペリオ・コレクション
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「睡蓮」はモネが1883年4月から晩年を過ごしたアトリエ兼住まいがあるジヴェルニーの庭にある睡蓮の池をモチーフに、1899年から1926年の亡くなるまでの間に全部で200点以上制作されています。

《睡蓮》 1903年
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《睡蓮》 1917-19年
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《キスゲの花》 1914-17年
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モネは、ジヴェルニーの庭の風景を描きつつ、時を経るごとにその絵は、抽象化され、色彩も豊かになっていきました。又、72歳になって白内障と診断されたそうです。晩年の絵には、その影響もあったのでしょうね。

モネは、ジヴェルニーの庭のしだれ柳の絵を10点書きました。

《しだれ柳》 1918-19年
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《バラの小道、ジヴェルニー》 1920-22年
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SACDサラウンド・レビュー(598) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Schumann, Schubert Piano Works
92.512
Hisako Kawamura (piano)
録音 2003年3月
Audite

シューマン:「ウィーンの謝肉祭の道化」 Op.26
シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番 イ長調D.959

「ウィーンの謝肉祭の道化」 Op.26は「ウィーンの謝肉祭の道化芝居」とも呼ばれ、ロベルト・シューマンが1839年に作曲した全5曲から構成されるピアノ曲。「幻想的情景」(Phantasiebilder)という副題が与えられている。出版は1841年にウィーンのブライトコプフ・ウント・ヘルテル社より。楽譜はシナモン・ド・シールに献呈された。演奏時間は約21分。

ピアノ・ソナタ第20番イ長調 D.959はシューベルト最晩年の1828年作曲のピアノ・ソナタ3部作のひとつである。19番が暗い情熱、21番が静寂な歌謡風の曲想であるのに対して、本作は暖かで明朗な響きを特徴としている。本作は初期のイ短調ソナタの楽章を引用するなど創意も多く、特に終楽章は平明である。4楽章構成の作品で演奏時間は約42分。

河村 尚子(Hisako Kawamura,1981年5月~) は兵庫県西宮市に生まれる。5歳で渡独し、ピアノを学ぶ。ハノーファー音楽演劇大学でウラジミール・クライネフに師事。ハノーファー国立音楽演劇大学在学中に数々のコンクールで優勝、入賞を重ねる。2006年ミュンヘン国際コンクールで第2位受賞後、翌年、多くの名ピアニストを輩出しているクララ・ハスキル国際コンクールで優勝を飾り、大器を感じさせる新鋭として、一躍世界の注目をあびる。2009年度には出光音楽賞、新日鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞、日本ショパン協会賞を受賞。2012年、芸術選奨新人賞受賞。2013年、ホテルオークラ音楽賞を受賞。2011年5月よりドイツ・エッセンのフォルクヴァング芸術大学にて非常勤講師を務める。
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ピアノのソロの録音だが、音像は左右に広がっており、好録音。センタースピーカーからの音はやや大きめで、サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスな音も含んでいる。使用ピアノはKAWAI EX

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(597) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Dvorak Symphony No. 8, Janacek Jenufa
FR-710SACD
Manfred Honeck/Pittsburgh Symphony Orchestra
録音 2013年10月
Reference Recordings

ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調 Op.88
ヤナーチェク:交響的組曲「イェヌーファ」(マンフレート・ホーネック&トーマス・イレ編)

交響的組曲「イェヌーファ」はヤナーチェクの3作目のガブリエラ・プライソヴァーの戯曲を基に三幕のオペラにした「イェヌーファ」を組曲にしたもの。オペラは1904年1月21日ブルノにてシリル・フラズディラの指揮により初演。チェコとスロヴァキアでは原作のタイトル「彼女の養女」と呼ばれている。ヤナーチェクのオペラの中では、早い時期から国外で受容され、上演頻度も最も高い。

マンフレート・ホーネック(Manfred Honeck,1958年9月~ )は、オーストリアの指揮者。ウィーン音楽院でヴァイオリンを学ぶ。1983年からウィーン国立歌劇場管弦楽団ならびにウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のヴィオラ奏者を務める。その後指揮者に転向し、1987年クラウディオ・アバドの元でグスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団の準指揮者を務める。2007年より2011年までシュトゥットガルト州立歌劇場、2008年から現在までピッツバーグ交響楽団の音楽監督。弟のライナー・ホーネックはウィーン・フィルのコンサートマスターである。
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ピッツバーグ交響楽団(Pittsburgh Symphony Orchestra)は、アメリカ合衆国の主要なオーケストラの一つで、ペンシルベニア州ピッツバーグのハインツ・カンパニーによって設立されたハインツ・ホールが本拠地となっている。1895年に設立。主な指揮者はオットー・クレンペラー、フリッツ・ライナー、アンドレ・プレヴィン、ロリン・マゼールなど。アメリカ最古のオーケストラの一つとして知られる。2008年より、マンフレート・ホーネック(Manfred Honeck)を9代目の音楽監督に迎え、新体制がスタートした。
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第57回グラミー賞(2015年) 「最優秀オーケストラ・パフォーマンス」部門のノミネート盤。ワンポイントマイクをメインとした録音と思われ、ハインツ・ホールの豊かな残響の中、高域弦の音の伸びは良く、強調され過ぎ、と思えるほど中低域弦の響きに厚みがある。ライブ録音だが聴衆のノイズは消されている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(596) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Beethoven
String Trios Op. 9
BIS-SACD-1857
Trio Zimmermann
録音 2010年8月
    2011年8月
BIS

ベートーヴェン:弦楽三重奏曲集 Op. 9
・弦楽三重奏曲 ト長調 Op. 9, No. 1
・弦楽三重奏曲 ニ長調 Op. 9, No. 2
・弦楽三重奏曲 ハ短調 Op. 9, No. 3

作品9の三曲の弦楽三重奏はほぼ同時期の1798年、28歳の時の作品で、ブラウン伯に献呈された。第1番は第1楽章に序奏を持たせたソナタ形式で、第2楽章アダージョ、第3楽章スケルツォ、第4楽章ソナタ形式によるプレストという構成になっている。第2番は各楽章の緩急にあまり差をつけず、第1楽章はアレグレット、第2楽章はアンダンテ、 第3楽章はメヌエット、第4楽章はロンド・アレグロで、全体に流麗、女性的な印象を与える。第3番は第1主題をユニゾンで提示しているが、ユニゾンによる主題の提示というのはピアノ三重奏曲第3番でもやっており、調性も同じハ短調である。

フランク・ペーター・ツィンマーマン(Frank-Peter Zimmermann,1965年2月~)はドイツのデュイスブルク生まれのヴァイオリニスト。ヴァイオリニストの母親から手ほどきを受け5歳からヴァイオリンを始める。なお父親はチェリストであった。1975年、10歳でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番を弾いてデビュー。1976年にエッセンのフォルクヴァング音楽院に入学、ヴァレリー・グラドフに師事する。同年には全国青少年音楽家コンクールで優勝して「天才少年出現」として評判になる。その後、ベルリン芸術大学でサシュコ・ガヴリーロフに師事する。1979年、14歳でルツェルン音楽祭に出演。1983年、世界のメジャー・オーケストラや一流指揮者との共演を開始。2008年にはドイツ連邦共和国功労勲章一等功労十字章を受章。2013/14シーズンは、トーンハレ管弦楽団のアーティスト・イン・レジデンスとしてジンマンやフォン・ドホナーニと共にシーズンを通してコンサートを行うとともに、パーチェとのリサイタルやトリオ・ツィンマーマンの演奏会を行っている。使用楽器はPortigon AGのサポートにより、かつてクライスラーが所有していた1711年製ストラディヴァリウス。
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トリオ・ツィンマーマン(Trio Zimmermann)はヴァイオリンニストのフランク・ペーター・ツィンマーマンにより2007年に創立された弦楽3重奏団。他メンバーはヴィオラのアントワーヌ・タムスティ(Antoine Tamestit)、チェロのクリスチャン・ポルテラ(Christian Poltéra)。
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Vnは左、Vaはセンターやや右寄り、Vcは右に定位している。No.1,No.3は2010年スエーデン、旧ストックホルム音楽アカデミー、No. 2は2011年ベルリン、ポツダマー・マイスターザールと録音時期と場所は異なり、No. 2の方がVaはよりセンターよりに聴こえるが、音の差異はあまり無い。チェロの中低域の響きが美しい。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音が占めている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル              5ch

SACDサラウンド・レビュー(595) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Noriko Ogawa plays Mozart Sonatas
BIS-1985 SACD
Noriko Ogawa
録音 2011年8,9月
BIS

モーツァルト:
・ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K. 330
・ピアノ・ソナタ第11番 イ長調 「トルコ行進曲付き」 K. 331
・ピアノ・ソナタ第12番 ヘ長調 K. 332

ピアノ・ソナタ第10番 K.330は1783年に作曲したとされ、作曲時期については諸説あったが、近年の研究ではこの年に第11番イ長調K.331 、第12番ヘ長調K.332 とともに作曲したとされる。これら3曲は翌1784年にウィーンで「作品6」として出版されている。3楽章からなり、演奏時間は約14分。

ピアノ・ソナタ第11番K. 331は1783年頃ウィーンあるいはザルツブルクで作曲されたとされ、第3楽章が有名な「トルコ行進曲」であるため、「トルコ行進曲付き」と呼ばれることが多い。またこの楽章だけが単独で演奏される機会も良くある。

ピアノ・ソナタ第12番 ヘ長調 K. 332は1783年頃ウィーンあるいはザルツブルクで作曲されたとされ、3楽章からなり、演奏時間は約18分。

小川典子(Noriko Ogawa,1962年~)は神奈川県川崎市出身のピアニスト。東京音楽大学付属高等学校、ジュリアード音楽院卒業後、ベンジャミン・カプランに師事。1983年、第2回日本国際音楽コンクール2位の後、1987年のリーズ国際ピアノ・コンクールで3位となり、国際的な演奏活動のキャリアを開始した。ニューヨークでは1982年にデビューしており、ロンドンでのデビューは1988年となる。その後、世界の主要オーケストラ・指揮者との共演や、室内楽、リサイタル等で世界各国へ演奏旅行を行う他、国際的なコンクールでの審査、各国でのマスタークラスなど、国際的で多彩な活動を展開している。ロンドンのギルドホール音楽演劇学校の教授、東京音楽大学の客員教授に就いている。
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スタインウェイD-274の響きはクリアで倍音の響きが美しい。センタースピーカーからの音は低めに抑えられており、サラウンドスピーカーからはアンビエントな音も含まれている。録音場所はイギリス、サフォーク州、saxmundhamにあるポットン・ホール(Potton Hall)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(594) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Verdi, Rossini, Puccini, Mascagni
COGQ-72
Andrea Battistoni/Orchestra e Coro del Teatro Carlo Felice
録音 2014年3月
Denon

イタリア・オペラ管弦楽・合唱名曲集
ヴェルディ:
・歌劇「運命の力」より 序曲
・歌劇「ナブッコ」より 「行け、わが想いよ、黄金の翼に乗って」
・歌劇「椿姫」より 第1幕への前奏曲
プッチーニ:
・歌劇「マノン・レスコー」より 第3幕への間奏曲
ロッシーニ:
・歌劇「ウィリアム・テル」より 序曲
・歌劇「セビーリャの理髪師」より 序曲
マスカーニ:
・歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲
ヴェルディ :
・歌劇「マクベス」より バレエ音楽
・歌劇「マクベス」より 「虐げられた祖国よ!」
・歌劇「アイーダ」より 凱旋の合唱 「エジプトとイシスの神に栄光あれ」、凱旋行進曲とバレエ音楽

アンドレア・バッティストーニ(Andrea Battistoni ,1987年~)イタリア、ヴェローナ生まれの指揮者。7歳の頃からチェロを学び、後に作曲・指揮法を学ぶ。2011年1月オペラ2演目、交響曲2演目を指揮する3年契約でパルマ王立歌劇場の首席客演指揮者に任命された。「フィガロの結婚」でスカラ座デビュー、パルマ王立歌劇場での「スティッフェリオ」、ベルリン・ドイツ・オペラでのコンサート形式「イル・トロヴァトーレ」、ナポリでの「ラ・ボエム」、ジェノヴァでの「マクベス」、ヴァレンシアでの「ラ・ボエム」等を指揮。2014年6月よりジェノヴァ・カルロ・フェリーチェ歌劇場の首席客演指揮者に5年契約で就任。同年9月にはベルリン・ドイツ・オペラ新シーズンの新制作「ナブッコ」で幕開けを飾った。東京フィルハーモニー交響楽団首席客演指揮者。最近では2015年9月に来日し、東京フィルハーモニー交響楽団とヴェルディの歌劇「運命の力」序曲や反田恭平のピアノでラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲などを振った。
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カルロ・フェリーチェ歌劇場管弦楽団(Orchestra e Coro del Teatro Carlo Felice)はイタリアのジェノヴァにあるカルロ・フェリーチェ歌劇場の専属管弦楽団。カルロ・フェリーチェ歌劇場は日本での知名度が音盤の世界でこそまだ低いものの、イタリアでトップクラスの水準にある名門歌劇場でアンドレア・バッティストーニが首席客演指揮者を務める。
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ダイナミックレンジのとても大きな録音で、S/Nもとても良い。高域弦の音の伸びは良く、クリアーで、低域弦のピチカット音も豊かな響きをしている。補助マイクを多用したと思われ、トライアングルなどの打楽器音は強調気味。AVアンプのモニターには5.1chとして表示されるが、サブウーハーから音は出ていない。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(593) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Mozart
Complete sonatas for keyboard and violin Vol. 3
CCS SA 23606
Rachel Podger (violin)
Gary Cooper (fortepiano)
録音 2005年8月
Channel Classics

モーツァルト: ヴァイオリン・ソナタ全集 Vol.3
・ヴァイオリン・ソナタ第40番変ロ長調 K.454
・ヴァイオリン・ソナタ第13番ハ長調 K.28
・アンダンテとフーガ イ短調 K.402 (ヴァイオリン・ソナタ第37番)
・アンダンテとアレグレット ハ長調 K.404 (ヴァイオリン・ソナタ第39番)
・ヴァイオリン・ソナタ第3番変ロ長調 K.8
・ヴァイオリン・ソナタ第36番変ホ長調 K.380

ヴァイオリン・ソナタ第40番K.454は、モーツァルトが作曲したヴァイオリン・ソナタ中でも現在でも多く演奏されている。K.55~K.61までの偽作(K.61はヘルマン・フリードリヒ・ラウパッハの作品)を除けば第32番に当たる。1784年に、イタリアのマントヴァ出身の女性ヴァイオリニスト、レジーナ・ストリナザッキという人物がウィーンに訪れた。ストリナザッキはウィーンで自身の演奏会を開くに当たって、モーツァルトに共演を依頼し、モーツァルトはこの依頼を承諾し、これを受けて、同年の4月21日に作曲を開始し、4月29日に全曲が完成した。3楽章の構成で、演奏時間は約21分。

ヴァイオリン・ソナタ第36番K.380はモーツァルトが1778年のマンハイム・パリ旅行からウィーンに定住する1781年までにかけて作曲した12曲のヴァイオリン・ソナタの中の最後を飾る作品であり、1781年の4月7日にウィーンで作曲された。(夏に作曲されたとする説もある)3楽章で構成され、演奏時間は約16分。

アンダンテとフーガ イ短調 K.402は未完のヴァイオリン・ソナタで、第1楽章がモーツァルト自身の手で完成されており、第2楽章はフーガの中ほどで中断され断片のままであるが、後にマクシミリアン・シュタードラーによって補筆完成された。ヴァイオリン・ソナタ第37番とも呼ばれている。第1楽章の冒頭の主題は、オペラ「ドン・ジョヴァンニ」第1幕のメヌエットと酷似している。演奏時間は約6分

アンダンテとアレグレットハ長調 K.404はアンダンテ(18小節)とアレグレット(24小節)の2つの楽章で構成されているものの、この2つの楽章はいずれも未完のまま放棄されている。アンダンテは4手ピアノのための変奏曲(K.501)と類似しており、また楽器指定がチェンバロではなくフォルテピアノになっている事から、研究によって1788年の作と推測されている。しかしアレグレットは1785年から1786年に作曲されたとする説もある。この事からアンダンテとアレグレットは別で作曲されたということになる。演奏時間は約3分

レイチェル・ポッジャー(Rachel Podger,1968年~)はイギリス生まれのヴァイオリニスト。ドイツのルドルフ・シュタイナー・スクールで教育を受け、帰国後ギルドホール音楽演劇学校でミカエラ・コンバーティとデイヴィッド・タケノに師事した。在学中からバロック奏法に興味を惹かれ、バロック音楽を専門とするフロレジウムとパラディアン・アンサンブルという楽団の創設に関与する。その後も、このアンサンブルとコンサート・ツアーやレコーディングに参加し、国際的にも高く評価されている。1997年、トレヴァー・ピノックに招かれ、イングリッシュ・コンサートのコンサートミストレス兼協奏曲ソリストに就任、2007年からは自らが創設したブレコン・バロックの音楽監督になった。最近ではブレコン・バロックと共にトリフォニーホール・バッハ・フェスティバル2012に来日し、無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータなどを演奏した。使用ヴァイオリンは1739年ジェノヴァ製ペザリニウス(Pesarinius)
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ゲイリー・クーパー(Gary Cooper,1968年~)はイギリス、ロンドン生まれのフォルテピアノ、チェンバロ奏者、指揮者、大学教授。チータム音楽学校(Chetham's School of Music)でオルガンとチェンバロを学び、その後オックスフォード大学でオルガンを学び優秀な成績で卒業。バッハとモーツァルトの鍵盤音楽の解釈者として、また、ルネサンス、バロックの古楽の指揮者としても活躍している。また、英国王立ウエールズ音楽学校(Royal Welsh College of Music and Drama)やバーミンガム音楽院 (Birmingham Conservatoire)でチェンバロとフォルテピアノの教授に就いている。
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Vnはセンター、Pfはセンター奥に定位している。両者の音のバランスは良い。センタースピーカーからの音は出ていない。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音が占める。使用ピアノはAnton Walter,Vienna1795;copy By Derek Adlam,1987
録音場所はロンドン、ハイゲート、聖ミカエル教会(St Michael's Church)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(592) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Beethoven Piano Trios
BIS-SACD-1172
Kempf Trio
録音 2003年4月
BIS

ベートーヴェン:
・ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 Op. 1 No. 3
・ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 「大公」 Op. 97

ケンプ・トリオ(Kempf Trio)はピアノのフレディ・ケンプとヴァイオリンのピエール・ベンセイド、チェロの アレックス・チャウシャンで2000年に結成された。

フレディ・ケンプ(Freddy Kempf,1977年~ )は、英国のピアニスト。父親はドイツ人、母親は日本人のもとロンドンに生まれる。巨匠ヴィルヘルム・ケンプは遠縁に当たる。4歳でピアノを始め、8歳のときロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と共演して、注目を集めた。1987年に第1回イングランド国営モーツァルト・コンクールに優勝。1992年には、セルゲイ・ラフマニノフの「パガニーニ狂詩曲」の演奏により、「BBCことしの青少年音楽家」に選ばれる。王立音楽院に学び、ロナルド・スミス、クリストファー・エルトンに師事。1998年にチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門に出場するが、最終選考でデニス・マツーエフに敗れ、3位となる。サー・アンドリュー・デイヴィスおよびクルト・ザンデルリンク指揮のフィルハーモニア管弦楽団、ダニエレ・ガッティおよびマティアス・バーメルト指揮のロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団などと共演した。最近では2012年6月に来日し、各地でピアノリサイタルを行った。また、アンサンブルにも取り組んでおり、同世代の演奏家とケンプ・ピアノ・トリオを組んで定期的に活動している。
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ピエール・ベンセイド(Pierre Bensaid,1973年~)フランス、ボルドー生まれのヴァイオリニスト。ボルドー国立音楽院で学び、ヴァイオリンと室内楽で金賞を授与された。引き続きヴァイオリンをロラン・ドガレイユ(Roland Daugareil)に師事。その後、英国のロンドン王立音楽院(Royal Academy of Music in London)にてモーリス・アッソン(Maurice Hasson)に師事。
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アレクサンダー・チャウシャン(Alexander Chaushian, 1977年~)はアルメニア生まれのチェリスト。7歳の時に祖父からチェロを教わる。ユーディ・メニューイン音楽学校でメリッサ・フェルプスに、ギルドホール音楽演劇学校でオレグ・コーガンに、ハンス・アイスラー音楽大学ベルリンではボリス・ペルガメンシコフやダヴィド・ゲリンガスなどに師事。プレミオモーツァルト国際コンクール(ヴェローナ)、ピエール・フルニエ賞、チャイコフスキー国際コンクール、ミュンヘン国際音楽コンクールなど受賞歴多数。ソリストとしては、ウィーン室内管弦楽団、アカデミー室内管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、ロイヤル・フィル、スイス・ロマンド管弦楽団、ボストン・ポップス、アルメニア・フィルなどと共演している。日本では、サントリーホールでのコンサートにおいてデビューし、大成功をおさめた。また、ドミトリ・シトコヴェツキー、ダヴィド・ゲリンガス、ユーリ・バシュメット、ギドン・クレーメルなどと共演している。英国王立音楽大学教授。
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Vnは左、Pfはセンター奥、Vcは右にしっかりと定位している。Vnは高域の伸びが有り、クリアな音で、Vcは低域の響きが豊であり、好録音。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はスウェーデン、ストックホルム、Nybrokajen 11

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

ハッブル宇宙望遠鏡25周年「時空を超える銀河の旅」展 [その他]

一昨日の日曜日に高校時代の友人が入っている合唱団の定期演奏会が浜離宮朝日ホールであり、その鑑賞の前に、先日、国立天文台三鷹を見学した際、パンフレットをもらい、新宿のコニカミノルタプラザで開催されていることを知った、ハッブル宇宙望遠鏡25周年「時空を超える銀河の旅」展を見てきました。
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ハッブル宇宙望遠鏡公式サイトはこちら

1990年4月24日にスペースシャトル「ディスカバリー号」で打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡(HST)は数度の修理や機器の交換を経て、今年で25周年を迎えました。これを記念して迫力ある天体画像を42点展示しています。

ハッブル宇宙望遠鏡25周年記念画像 星団「ウエスタールンド2」(Westerlund 2)
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ハッブル宇宙望遠鏡は、「宇宙が膨張している」ことを発見したアメリカの天文学者エドウィン・ハッブルにちなんで名づけられました。地上約600㎞上空の軌道を周回しており、長さ約13m、重さ約12t、主鏡の直径約2.4mで、無数の画像を送り続けている宇宙に浮かぶ巨大な天文台です。
地球の大気の影響を受けないおかげで鮮明な画像を撮影できるという強みを活かし、太陽系内の天体から数十億光年も離れた銀河まで、科学的に重要な天体から純粋に見た目が美しいものまで、様々なターゲットを撮影してきました。
なかでも星の誕生や最期の姿、遥か宇宙に浮かぶ銀河、巨大なブラックホールなどの天体画像は、それまで人類が目にしたことのないほど鮮明なものでした。

土星のオーロラ
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バタフライ星雲(Butterfly Nebula, NGC 6302)
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Whirlpool Galaxy and Companion
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馬頭星雲(Horsehead Nebula)
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リング星雲(Ring Nebula)
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NGC 1300
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超新星爆発SNR 0509-67.5
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衝突銀河Arp 273
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蟹星雲(Crab Nebula)
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パンドラ銀河団 Abell 2744(Pandora's Cluster)
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暗黒物質(ダークマター)説明
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SACDサラウンド・レビュー(591) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Haydn
Late Piano Works
CCS SA 26509
Gary Cooper (fortepiano)
録音 2008年11月
Channel Classics

ハイドン: 後期ピアノ作品集
・ピアノ・ソナタ第49番変ホ長調 Hob.XVI-49
・皇帝讃歌「神よ、皇帝を護り給え」による変奏曲ト長調
・ピアノ・ソナタ第48番ハ長調 Hob.XVI-48
・変奏曲ヘ短調 Hob.XVII-6
・ピアノ・ソナタ第52番変ホ長調 Hob.XVI-52

ピアノ・ソナタ第48番Hob.XVI-48の正確な作曲年は不明であるが、1780年にHob. XVI/39までの作品と共に「ソナタ集 第1巻」としてウィーンで出版されたことから、それ以前の作であることがわかっている。このソナタ集はアウエンブルッガー姉妹に献呈されている。第1楽章は、アレグロで始まることが多いソナタの中で、珍しくアンダンテから開始する魅力的な曲。ピアノ・ソナタのみならず、弦楽四重奏曲においても同様な感じを受けるのだけど、ハイドンの緩徐楽章曲はしっとりとした情感に満ち溢れていて、そこにとても心が惹かれる。その後のロンドへの移行も、全体の流れが失なられず、すごくかみ合っている。3楽章から成り、演奏時間は約13分

ピアノ・ソナタ第49番Hob.XVI-49は1789年~1790年にかけて作曲され、ピアニストのマリアンネ・フォン・ゲンツィンガーに捧げられた。軽やかな両端の楽章に挟まれた、第2楽章が際立つ。しっとりとした流れの中、しかし中間の展開部分では感情の発露があり、大きな広がりを生み出す。その後再び曲は戻りつつ、揺れ動く情感が見事に描かれてゆく。3楽章から成り、演奏時間は約22分

ピアノ・ソナタ第52番Hob.XVI-52は、ハイドンのピアノ・ソナタの中で最後期に書かれた作品(1794年作曲、1798年出版)。長年仕えたエステルハージ家を離れた後の、大成功したロンドン訪問など、傑作が多く生まれた時期である。冒頭の旋律が非常に明瞭な線を与える。第2楽章は憂いを含んだ感情が交差し、去来してゆく。そして第3楽章は一転し、気流が一気に上昇する。3つの楽章がそれぞれ非常に違った特徴を持っており、その独立した個性的な楽章がひとつの豊かな曲へと結びつく。3楽章から成り、演奏時間は約18分

皇帝讃歌「神よ、皇帝フランツを守り給え」による変奏曲の旋律は、現在ドイツの国歌として用いられており、弦楽四重奏曲第77番第2楽章にも用いられている。
 
変奏曲ヘ短調 Hob.XVII-6はアンダンテと変奏曲ヘ短調とも呼ばれ、1793年に作曲された。この曲の題名については当初は混乱が見られ、出版社によって「小さなディヴェルティメント」や「ソナタ」ともされていた。ヘ短調の主題が悲痛な響きを持つことから、この曲の作曲には、マリアンネ・フォン・ゲンツィンガー夫人やモーツァルトとの死が関連しているともいわれる。

ゲイリー・クーパー(Gary Cooper)はイギリスのフォルテピアノ、チェンバロ奏者、指揮者、大学教授。チータム音楽学校(Chetham's School of Music)でオルガンとチェンバロを学び、その後オックスフォード大学でオルガンを学び優秀な成績で卒業。バッハとモーツァルトの鍵盤音楽の解釈者として、また、ルネサンス、バロックの古楽の指揮者としても活躍している。また、英国王立ウエールズ音楽学校(Royal Welsh College of Music and Drama)やバーミンガム音楽院 (Birmingham Conservatoire)でチェンバロとフォルテピアノの教授に就いている。
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ペダルのないフォルテピアノを使用した教会での録音で、残響はけっこう豊だが、その影響をあまり受けていない。ピアノ自体の音は倍音の響きも良く、美しいが、微かであるが周りのノイズを拾っている。使用ピアノはAnonymous,Vienna Ca.1785, Edwin Beunk collection。録音場所はオランダ、デーヴェンター(Deventer)にあるドープスヘヅィンデ教会(Doopsgezinde Kerk)
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サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(590) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Beethoven
Piano Sonatas Nos. 16, 17 & 18
PTC 5186 063
Mari Kodama (piano)
録音 2004年4月
PentaTone Classics

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第3集
・ピアノ・ソナタ第16番ト長調 Op.31-1
・ピアノ・ソナタ第17番ニ短調 Op.31-2「テンペスト」
・ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調Op.31-3「狩」

ピアノ・ソナタ16番は1802年の作品。有名な「テンペスト」や変ホ長調「狩」の作品と共にOp.31として出版されたが、その中では相対的に存在感が薄い。しかし作曲年代はハイリゲンシュタットの遺書が書かれた時期にあたり、作曲者の中期様式へと変化していく入り口となる作品である。3楽章から成り演奏時間は約23分

ピアノ・ソナタ第17番は1802年に作曲され、一般に「テンペスト」の名で知られ、ベートーヴェンのピアノ・ソナタのなかでは比較的有名な部類に属する。特に第3楽章が有名であり単独で演奏される機会も多い。この第3楽章は、ごく短い動機が楽章全体を支配しているという点で、後の交響曲第5番にもつながる実験的な試みのひとつとして考えられている。また、3つの楽章のいずれもがソナタ形式で作曲されている点もこの作品のユニークな点として知られている。「テンペスト」という通称は、弟子のアントン・シンドラーがこの曲とピアノ・ソナタ第23番の解釈について尋ねたとき、ベートーヴェンが「シェイクスピアの『テンペスト』を読め」と言ったとされることに由来している。3楽章から成り演奏時間は約24分

ピアノ・ソナタ第18番は1801年に着手され、第16番、第17番のピアノ・ソナタと並行して作曲された結果、1802年の初頭にはほぼ完成に至っていたとみられている。この曲が世に出されたのは1804年、楽譜出版者のハンス・ゲオルク・ネーゲリが刊行した「クラヴサン奏者演奏曲集」の中に第8番「悲愴」と合わせて収められたのが最初だった。現在の作品31が3曲まとめられたのは1805年にカッピが出版した版からである。新作のピアノ・ソナタがひとつの作品番号にまとめられるのは作品31が最後となる。4楽章から成り演奏時間は約22分。

児玉 麻里(Mari Kodama,1966年~)は、大阪府生まれのピアニスト。3歳でピアノを始める。6歳の時に家族とともに渡欧。14歳(1981年)の時にパリ音楽院に入学。ジェルメーヌ・ムニエにピアノを、ジュヌヴィエーヌ・ジョア・デュティユーに室内楽を学ぶ。同音楽院修了後、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と共演で本格的な演奏活動を開始し、その後は世界各国のオーケストラとの共演、リサイタルなど精力的な活動を続けている。ピアニストの児玉桃は妹。夫は指揮者のケント・ナガノ。
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残響の多い教会での録音で、サラウンドスピーカーからの音は低めに抑えられているが、アンビエンスな音を多く含んでおり、ピアノのソロの録音場所には向いていないと思う。録音場所はオランダ、デーヴェンター(Deventer)にあるドープスヘヅィンデ教会(Doopsgezinde Kerk)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5ch