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SACDサラウンド・レビュー(617) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Delius Double Concerto, Violin Concerto.jpg
Delius
Double Concerto, Violin Concerto
CHSA 5094
Tasmin Little (violin)
Paul Watkins (cello)
Sir Andrew Davis/BBC Symphony Orchestra
録音 2010年8月
Chandos

ディーリアス:
・ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
・ヴァイオリン協奏曲
・チェロ協奏曲

フレデリック・シーオドア・アルバート・ディーリアス(Frederick Theodore Albert Delius, 1862年1月~1934年6月)は、イギリス、ヨークシャーのブラッドフォード生まれのドイツ系の作曲家。1874年にグラマー・スクールへ進んだのち,1878年にロンドンへ出て,インターナショナル・カレッジで2年間修学した。卒業後,家業の見習い助手となったが,程なく父を説得して渡米。フロリダ州ジャクソンヴィルのオルガン奏者トーマス・ワードに音楽理論を師事したのち,ヴァージニア州ダンヴィルで音楽教師となる。1886年に父の援助でドイツへ渡り,ライプツィヒ音楽院へ進学。1888年の卒業後はパリへ移り,残る人生はフランスで送った。歌劇6、劇音楽1、協奏曲7、交響詩などの管弦楽曲、室内楽、ピアノ曲、歌曲、合唱曲など広範囲に多くの作品を遺している。
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サー・アンドルー・デイヴィス(Sir Andrew Davis,1944年2月~ )は、イギリスの指揮者。エルガーやディーリアス、ヴォーン・ウィリアムズなどの近代イギリス音楽を得意とする。1970年にBBC交響楽団を指揮してデビュー。1975年にトロント交響楽団の音楽監督に就任後、レコーディングを活発に行う。1989年より2000年までBBC交響楽団の音楽監督、2005年から2008年までピッツバーグ交響楽団芸術顧問、2012年からはメルボルン交響楽団の音楽監督に就いている。
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BBC交響楽団(The BBC Symphony Orchestra)は、英国放送協会(BBC)が所有する放送オーケストラの一つであり、イギリスの主要オーケストラの一つである。1930年に指揮者・エイドリアン・ボールトによって創設された。ボールトは1950年まで首席指揮者の地位にあり、その後同ポジションはマルコム・サージェント(1950年~1957年)、アンタル・ドラティ(1962年=1966年)、コリン・デイヴィス(1967年~1971年)、ピエール・ブーレーズ(1971年~1975年)、ルドルフ・ケンペ(1975年~1978年、ただし1976年に急逝)、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(1978年~1981年)、アンドルー・デイヴィス(1989年~2000年)、レナード・スラットキン(2000年~2004年)と引き継がれ、2006年のBBCプロムス初日からはイルジー・ビエロフラーヴェクが務めており、そして、2013年からはサカリ・オラモが就任している。BBCプロムスにおいては主要な役割を果たしており、ロイヤル・アルバート・ホールでの初日と最終日はBBC交響楽団が管弦楽を担当する。
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二重協奏曲でソロのVnはセンター左寄りに定位しており、少し透明感に欠ける音、Vcはセンター右寄りに定位している。バックのオケの弦の響きには豊かさがあるが、濁り気味の音に聞こえる。教会での録音なので、残響が豊さすぎの影響か?チェロ協奏曲でのソロのチェロは深みのある締まった音をしている。センタースピーカーからの音は低めに抑えられており、サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はロンドンのイースト・フィンチリーのオール・セインツ教会(All Saints Church)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(616) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Chopin Reminiscences .jpg
Chopin
Reminiscences
CKD 248
Artur Pizarro
録音 2004年6月
Linn Records

ショパン:レミニシェンス
・華麗なる大円舞曲変ホ長調op.18
・ワルツ第9番変イ長調op.69-1「別れ」
・ワルツ第2番変イ長調op.34-1「華麗なる円舞曲」
・ワルツ変ホ長調
・幻想即興曲嬰ハ短調op.66
・夜想曲第17番変ロ長調op.62-1
・夜想曲嬰ハ短調 (忘れられた夜想曲)
・夜想曲第8番変ニ長調op.27-2
・夜想曲第2番変ホ長調op.9-2
・ポロネーズ第6番変イ長調op.53「英雄」
・マズルカ第16番変イ長調op.24-3
・マズルカ第50番ヘ長調op.68-3 (48番)
・マズルカ第17番変ロ短調op.24-4
・マズルカ第10番変ロ長調op.17-1
・スケルツォ第2番変ロ短調op.31

アルトゥール・ピツァーロ(Artur Pizarro,1968年8月~)ポルトガル、リスボン生まれのピアニスト。ピアニストの祖母ベルタ・ダ・ノーブレガ、彼女のデュオパートナーであったカンポス・ コエーリョの手ほどきでピアノを始める。幼少より才能を発揮し、4歳にしてテレビ出演にて演奏。1974年から1990年までセケイラ・コスタに師事。やがてリスボンからアメリカ・カンザス州のローレンスに移り、カンザス大学にて引き続きセケイラ・コスタに師事。この間、リスボンにてホルへ・モヤノに、またパリにてアルド・チッコリーニ、ブルーノ・リグットなどにも師事。13歳でリスボンのサン・ルイス劇場にてリサイタルデビュー、同年同劇場にてグルベンキアン管弦楽団とコンチェルトデビュー。コスタに師事を続けながら、1987年ヴィアンナ・ダ・モッタ国際コンクール、1988年グレーターパームビーチ交響楽団コンクール、1990年リーズ国際ピアノ・コンクール、それぞれ第1位を獲得、国際的なコンサートキャリアを開始する。最近では2012年に来日し、ショパンのプログラムを中心にリサイタルを催した。
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ピアノはドイツのブリュートナーを使用している。このピアノは調律に時間がかかり、調律師泣かせのピアノらしい。このピアノを始めて聴いたが、低音は厚みのある音をしており、高音域は倍音の響きが美しく、良いピアノだと感じた。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音。録音場所はイギリス、サフォーク州、saxmundhamにあるポットン・ホール(Potton Hall)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(615) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Brahms Piano Trios Op. 8, 101.jpg
Brahms
Piano Trios Op. 8, 101
PRD/DSD 250 230
Guarneri Trio Prague
録音 2006年4月,6月
Praga Digitals

ブラームス:
・ピアノ三重奏曲第1番ロ長調 Op.8
・ソナタ ハ短調
・ピアノ三重奏曲第3番ハ短調 Op.101

プラハ・グァルネリ・トリオ(Guarneri Trio Prague)は1986年に創設されたチェコのピアノ三重奏団。グループ名は、ヴァイオリンとチェロの使用がイタリアの名器グァルネリであることに拠る。数々の国際音楽祭、著名なコンサートホールでの演奏活動、さらにはヨーロッパ各地をはじめカナダ、オーストラリア、アメリカ合衆国、南アメリカそして日本と広範囲に渡る規模のツアーもしばしばおこなっている。使用る楽器は、ヴァイオリンのチェネック・パブリークはルイジ・タリシオの有名なコレクションであるグァルネリ・デル・ジュスの1735年製“ジンバリスト”を使用しており、チェロのマレク・イェリエはアンドレア・グァルネリ1684年製のチェロを使用している。
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チェネック・パブリーク(Čeněk Pavlík,1955年~)はチェコのヴァイオリニスト。プラハ国際、ロンドン国際の2つのコ ンクールで優勝を果たし、今やチェコを 代表するヴァイオリニストの一人。考古学にも造詣が深く、中世の陶製タイルの専門家でもあり、余暇を利用して発掘調査を行っている。また蒸気機関車や古城にも興味惹かれている。
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マレク・イェリエ(Marek Jerie)はチェコのチェリスト、室内楽 奏者。カザルス、ナヴァラ、ロストロポーヴィチらの薫陶を受ける。ルツェルン音楽アカデミー(Lucerne Academy of Music)教授。
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イヴァン・クラーンスキー(Ivan Klansky,1948年5月~)はチェコのピアニスト、大学教授。1967年ブゾーニ・コンクールで2位入賞(1位該当なし)。ルツェルン音楽アカデミー教授、プラハ芸術アカデミー教授。
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Vnは左、Vcは右、Pfはセンター奥に定位している。ピアノの音はセンタースピーカーから強めに出ており、サラウンドスピーカーからの音には直接音がかなり入っている。トラック5はヴァイオリン・ソナタでVnはセンター前寄り、Pfは奥寄りに定位している。録音場所はプラハ、ドモヴィナ・スタジオ

サラウンド。パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(614) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Franck
Preludes, Langlais
906 1437-6
Ulfert Smidt (organ)
録音 2006年9月
MDG

セザール・フランク:
・前奏曲、アリアと終曲
・前奏曲、コラールとフーガ
ジャン・ラングレ:
・ハルモニウムのための24の小品から

ジャン・ラングレ(Jean Langlais, 1907年2月~1991年5月)は、ブルターニュ出身のフランスの作曲家、オルガニスト。ヴィルトゥオーゾのオルガニストにして即興演奏の名手としても知られている。まだ2歳のときに失明するが、国立盲学校に入学し、パリでオルガンの学習を始める。その後パリ音楽院に進み、オルガンをマルセル・デュプレに師事して受賞する。また、即興演奏をシャルル・トゥルヌミールやアンドレ・マルシャルに、作曲をポール・デュカスに師事した。パリ音楽院卒業後に国立盲学校に戻って教鞭を執る。1961年から1976年まではスコラ・カントルムでも教壇に立った。1945年に、セザール・フランクや恩師トゥルヌミールの前例に倣ってサント・クロチルド聖堂に教会オルガニストに着任したのを機に、1988年に勇退するまで音楽家としての名を揚げていった。演奏会オルガニストとしても引く手あまたで、欧米各地で幅広く演奏旅行を行なった。ラングレーは多作家であり、作品番号にして254曲もの楽曲を創った。
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ウルフェルト・シュミット(Ulfert Smidt,1958年~)はドイツ、ブルーメン生まれのオルガニスト、合唱指揮者。10歳よりオルガンの手ほどきを受ける。ハノーファー国立音楽・芸術大学(Hanover College of Music and Drama)でウルリッヒ・ブレムステラー(Ulrich Bremsteller)に師事。バッハ、ブラームス、メンデルスゾーンなどの録音でドイツ・レコード批評家賞及びエコー賞を授与された。
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ペダルの重低音が少し濁りがちな音に聞こえる。トラック7以降のラングレの作品は微弱音から重低音までいろいろな響きが愉しめる曲。サラウンドスピーカーからの音はやや大きめで、もう少しアンビエンスな音も拾ってほしいところ。

録音場所はドイツ、バイエルン州、メミンゲン、聖マルタン教会(St.Martin Memmingen)
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1998年、スイスのゴル社(Goll)製のオルガン4段鍵盤+ペダル62ストップ
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サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5.1ch(2+2+2方式)

SACDサラウンド・レビュー(613) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Brahms
Piano Quartet No. 1 (arr. Schoenberg)
PTC 5186 398
Marc Albrecht/Netherlands Philharmonic Orchestra
録音 2014年8月
PentaTone Classics

ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 Op. 25 (管弦楽版 編曲:A. シェーンベルク)
アルノルト・シェーンベルク:映画の一場面への伴奏音楽 Op. 34

マルク・アルブレヒト(Marc Albrecht,1964年~ )はハノーファー生まれのドイツの指揮者。ダルムシュタット歌劇場音楽監督、ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督を歴任。2011年からは急逝したヤコフ・クライツベルクの後を引き継ぎ、ネーデルラント・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者を務めている。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、シュターツカペレ・ドレスデン、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、フランス国立管弦楽団などに客演している。日本では、東京フィルハーモニー交響楽団、NHK交響楽団、札幌交響楽団を指揮。オペラの分野でも高い評価を得ており、特に、バイロイト音楽祭での「さまよえるオランダ人」の新演出(2003年~2006年)、ザルツブルク音楽祭でのヴェレス「バッカスの信女」(2003年)、パリ国立オペラでのヤナーチェク「死者の家から」(2003年)は絶賛された。2001年から2004年まで、ベルリン・ドイツ・オペラの首席客演指揮者を務め、メシアン「アッシジの聖フランチェスコ」等で成功を収めた。また、ドレスデン・ゼンパーオーパー(州立歌劇場)とも良好な関係を築き、「ファウストの劫罰」「影のない女」「エレクトラ」等を指揮した。最近では2014年5月に来日し、東京都交響楽団の定期演奏会に客演し、コルンゴルトの交響曲などを指揮した。
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ネーデルラント・フィルハーモニー管弦楽団(英:Netherlands Philharmonic Orchestra,蘭: Nederlands Philharmonisch Orkest)はオランダ・フィルハーモニー管弦楽団とも言い、オランダ・アムステルダムを本拠地とするオーケストラである。オランダ国内のオーケストラが交替でピットに入るネーデルラント・オペラで最も多く演奏するオーケストラでもある。1985年にアムステルダム・フィルハーモニー管弦楽団(Amsterdams Philharmonisch Orkest)とユトレヒト交響楽団(Utrechts Symfonie Orkest)とネーデルラント室内管弦楽団(オランダ室内管弦楽団)が合併して発足した。合併後もネーデルラント室内管弦楽団は同名称で引き続き独立した活動をしている。初代首席指揮者はヘルムート・ヘンヒェン(ネーデルラント室内管弦楽団と兼任)。2003年から2010年までヤコブ・クライツベルクが同じく兼任で首席指揮者を務めた。小林研一郎も客演指揮者を務めている。歴代の指揮者としてウィレム・ヴァン・オッテルロー、ユベール・スダーンらがいる。現在、マルク・アルブレヒトが首席指揮者を務める。
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補助マイクをあまり使用しない1ポイントマイクをメインとした録音で、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。高域弦の音の伸びはあまり無いが、中低域音の響きは豊かで、音場は左右、奥行きにも広がっている。サラウンドスピーカーからの音には直接音が多く含まれている。録音場所はアムステルダム、 NedPho-Koepel

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(612) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Bach, C.P.E.
Hamburger Symphonies
ABCD 374
Sakari Oramo/Ostrobothnian Chamber Orchestra
録音 2013年8月
Alba Records

C. P. E. バッハ:6つのシンフォニア Wq.182
・シンフォニア ト長調 Wq.182-1(H.657)
・シンフォニア 変ロ長調 Wq.182-2(H.658)
・シンフォニア ハ長調 Wq.182-3(H.659)
・シンフォニア イ長調 Wq.182-4(H.660)
・シンフォニア ロ短調 Wq.182-5(H.661)
・シンフォニア ホ長調 Wq.182-6(H.662)

6つのシンフォニア Wq.182は、ヨハン・セバスティアン・バッハの次男でバロック時代と古典派時代の端境期に生き、ハイドンやベートーヴェンに多大な影響を与えたC. P. E. バッハが1768年ベルリンからハンブルクに移った後の1773年にオーストリア公使としてベルリンに滞在していたゴットフリート・ファン・スヴィーテン男爵の依頼で書かれた。委嘱にあたって「演奏にあたっての技術的困難を一切顧みずに作曲するよう」求められたため、当時としては大胆で奇抜な楽想になっている。この全6曲は一括して「ハンブルク交響曲」と言われており、奇想天外でアイディア満載のC.P.E.バッハらしさがあらわれた作品集。

サカリ・オラモ(Sakari Markus Oramo,1965年10月~ )は、フィンランド、ヘルシンキ生まれの指揮者。シベリウス音楽院でヴァイオリンを学び、17歳でアヴァンティ室内管弦楽団の創設に参加する。その後、フィンランド放送交響楽団のコンサートマスターを務める。1989年から3年間、シベリウス音楽院の指揮者ヨルマ・パヌラのクラスに在籍した。1993年、フィンランド放送交響楽団の指揮者が病気のため公演の直前にキャンセルし、代役として指揮台に立った。この成功により、同交響楽団の副常任指揮者の1人となった。1999年、バーミンガム市交響楽団の音楽監督に就任、2003年5月、同交響楽団が主催するフルーフ音楽祭の芸術監督を務めた。2006年より、フィンランドのコッコラ歌劇場の首席指揮者。2008年より、ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者をつとめている。
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オストロボスニア室内管弦楽団(Ostrobothnian Chamber Orchestra)は、フィンランド・コッコラに本拠地を置く弦楽アンサンブルである。1972年、ユハ・カンガスにより国内の音楽学生を集めた学生オーケストラとして設立された。1989年からプロ・オーケストラとしての活動を始め、1993年に「NOMUS(北欧音楽委員会)賞」を受賞。名実ともフィンランドと北欧を代表する弦楽オーケストラとして国際的に知られるようになった。2013 年、ユハ・カンガスが名誉指揮者に就くと、後任の首席指揮者に王立ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団、BBC 交響楽団、西海岸コッコラ・オペラの首席指揮者、サカリ・オラモ(Sakari Markus Oramo)が就任した。
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弦楽器とチェンバロによる小編成のアンサンブルでピリオド楽器を使用している。高域弦は音の伸びが有り、中低域弦の響きは豊かで好録音。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はフィンランド、コッコラ、スネルマン・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(611) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Franck, Richard Piano Quartets, Fantasies.jpg
Franck, Richard
Piano Quartets, Fantasies
92.522
Bernhard Fograscher (piano)
Christoph Schickedanz (violin)
Marius Nichiteanu (viola)
Mathias Beyer-Karlshoj (cello)
録音 2005年12月
Audite

リヒャルト・フランク:ピアノ四重奏曲集
・ピアノ四重奏曲 イ長調 Op. 33
・ピアノ四重奏曲 ホ長調 Op. 41
・3つの幻想曲 Op. 28

リヒャルト・フランク(Richard Franck, 1858年1月~1938年1月)は、ドイツのピアニスト、作曲家。ケルンで、作曲家のエドゥアルト・フランクとピアニストのトニー・フランクの間に生まれた。ベルリンのギムナジウムを卒業後、シュテルン音楽院に入学した。フェリックス・メンデルスゾーンの弟子であり、良質な教育の価値を心得ていた父のエドゥアルトによってライプツィヒ音楽院へと送り出され、当時を代表する教員の2人であるカール・ライネッケとザーロモン・ヤーダスゾーンの他、ヴィルヘルム・ルスト、エルンスト・フェルディナント・ヴェンゼル、アルフレート・リヒター (Alfred Richter) に師事した。その後大学に進学して哲学を修め、1880年にスイスのバーゼルでハンス・フーバーが経営する音楽学校の教員となり、次にベルリンのテオドール・クラクの音楽院、続いてマクデブルクで働いた。その後バーゼルへと戻り、教員、指揮者、作曲家として活動。1903年からはカッセルでプロイセン王国の音楽監督を務め、1910年から1938年にはハイデルベルクの音楽院の教授職に就いていた。ハイデルベルクで没した。ピアノ曲を中心に交響曲、ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲の作品がある。
Richard Franck_1.png


ベルンハルト・フォグラッシャー(Bernhard Fograscher,1965年~)はルーマニア生まれのピアニスト。ドイツ、ハンブルク音楽大学にてマリアン・ミグダル(Marian Migdal)に師事。さらにアメリカ、インディア大学ブルーミントン校にて研鑽を積む。
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クリストフ・シッケダンツ(Christoph Schickedanz,1969年~)ドイツのダルムシュタット生まれのヴァイオリン奏者。ハイベルクとグッリに師事。ソロ、室内楽の両面で活躍中。ハンブルク音楽大学教授。ギリロフ・クァルテット・ベルリン(Gililov Piano Quartet Berlin)のメンバー。
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ヴァイオリン・ソナタで有名なセザール・フランク(ベルギー)の作品はたびたび聴いているが、この作曲家のものは初めて聴いた。四重奏曲はVnが左、Vaがセンター、Vcは右、Pfはセンター奥に定位している。トラック6~8の3つの幻想曲はピアノのソロ曲で、こちらの方がピアノの倍音の響きが良いように感じた。録音場所はドイツ、カールスルーエ、SWR Studio

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(610) [サラウンド・サウンド・レビュー]

HAYDN Symphonies Nos. 31, 70 & 101.jpg
Hayden
Symphonies Nos. 31, 70 & 101
CKD500
Robin Ticciati/Scottish Chamber Orchestra
録音 2015年1月,2月
Linn Records

F.J.ハイドン:
・交響曲第31番 ニ長調 「ホルン信号」 Hob.I:31
・交響曲第70番 ニ長調 Hob.I:70
・交響曲第101番 ニ長調 「時計」 Hob.I:101

交響曲 第31番は、ハイドンが1765年に作曲した交響曲である。ホルン信号という副題は19世紀になってから呼ばれるようになった。交響曲第72番ニ長調との関連が指摘されるが、実際に作曲年代は近くこの曲の方が後に書かれた。両曲ともエステルハージのホルン奏者の技巧を誇示するために書かれたとされている。4本のホルンが活躍する協奏曲風ともいえる曲。

交響曲第101番は、ハイドンが1793年にウィーン近郊で着手し、翌1794年にロンドンで完成させたロンドン交響曲の12曲(第93番~第104番)のうちの1曲。第2楽章の伴奏リズムが時計の振り子の規則正しさを思わせることから「時計」という愛称で呼ばれているが、それは作曲者自身が付けたものではなく、19世紀になってから付けられたものである。演奏時間は約30分

ロビン・ティチアーティ(Robin Ticciati,1983年~)はイタリア系のイギリス人でコリン・デイヴィス、サイモン・ラトルに指揮を師事し、2006年に最年少でザルツブルク音楽祭デビューを果たし、2009/10シーズンにはスコットランド室内管の首席指揮者に就任。さらに2014年1月からはユロフスキの後任としてグラインドボーン音楽祭の音楽監督に就任した。
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スコットランド室内管弦楽団(Scottish Chamber Orchestra)は、イギリス・スコットランドのエディンバラを本拠地とする室内オーケストラである。 1974年に設立。エディンバラのクィーンズホールを拠点としてスコットランド地方で活動しており、エディンバラ国際音楽祭でも活躍している。 主要な首席指揮者として、ユッカ=ペッカ・サラステ、アイヴィー・ボルトン、ヨゼフ・スヴェンセン(現名誉指揮者)らが務め、桂冠指揮者チャールズ・マッケラス(2010年7月亡)も頻繁に客演していた。2007年よりオラリ・エルツ(Olari Elts)が首席客演指揮者に就任し、2009年からは首席指揮者にロビン・ティチアーティ(Robin Ticciati)が就任している。
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ブックレットの写真によると、少なくとも弦楽器はピリオド楽器を使用しているようだ。小編成だが、音像は左右、奥行き方向にも広がっている。ワンポイントマイクをメインとした録音で、打楽器以外には補助マイクは多用していないと思われ、管楽器との音のバランスはいい。サラウンドスピーカーからの音には直接音も入っている。録音場所はエディンバラ、ウッシャー・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(609) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Echo & Risposta.jpg
Echo & Risposta
92.572
Les Cornets Noirs
録音 2008年8月
Audite

エコーとリスポスタ
ムーリ修道院所属教会合唱隊席から響く最上の器楽曲
・ディートリヒ・ベッカー(1623-1679):カンツォン
・ベネデット・レ(17世紀初期):カンツォーネ
・ニコロ・コッラディーニ(1580/90-1646):ソナタ『ラ・ゴルフェランマ』
・サラモーネ・ロッシ(1570頃-1630頃):ソナタ
・チェザリオ・グッサーゴ(17世紀初期):ソナタ『ラ・レオーナ』
・ダリオ・カステッロ(17世紀初期):ソナタ第10番
・ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチョ(17世紀初期):カンツォン
・ビアージョ・マリーニ(1594-1663):ソナタ第9番、カンツォン第1番
・ロドヴィーコ・ヴィアダーナ(1560-1627):シンフォニア『ラ・ベルガマスカ』、フランス風カンツォン、シンフォニア『ラ・マントヴァーナ』
・ジョヴァンニ・ピッキ(17世紀初期):カンツォン第12番、ソナタ第16番
・アレッサンドロ・ストラデッラ(1639-1682):ソナタ
・ザムエル・シャイト(1587-1654):エコー、カンツォン・コルネット
・ヨハン・ゾンマー(1570頃-1627):ソナタ
・ヨハン・シュターデン(1581-1634):ソナタ第1番


レ・コルネ・ノワール(Les Cornets Noirs)はイタリアやドイツのバロック音楽を専門とする器楽アンサンブル。スイス、バーゼル・スコラ・カントルムで学んだ6人のメンバーを中心として構成される。
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スイス、アールガウ州ムーリにあるムーリ修道院所属教会(Klosterkirche Muri)は、反響を配慮した8角形のドームで、そのうちの4面に合唱隊席を配し、音源が前方2方向の場合はエコーが、4方向の場合は立体音響が際立ち、どちらの場合にも、非常に色濃いサラウンド効果が得られるようになっている。
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残響の豊かな教会での録音でオルガンの荘厳な重低音の響きを伴っている。高域弦の高域音の伸びは良く、管楽器とのバランスは良い。周辺の細かなノイズを拾っており、少し気になる。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(608) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Haydn Symphonies 92, 93, 97-99.jpg
Haydn
Symphonies 92, 93, 97-99
LSO0702 (2 discs)
Sir Colin Davis/London Symphony Orchestra
録音  2011年5月,6月,10月,12月
     2010年5月
LSO Live

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン:
Disc 1
・交響曲第92番 ト長調 「オックスフォード」 Hob.I:92
・交響曲第93番 ニ長調 Hob.I:93
・交響曲第97番 ハ長調 Hob.I:97
Disc 2
・交響曲第98番 変ロ長調 Hob.I:98
・交響曲第99番 変ホ長調 Hob.I:99

サー・コリン・デイヴィス(Sir Colin Rex Davis, 1927年9月~ 2013年4月)は、英国の指揮者。生まれた家が貧しく、指揮者になるためのピアノを買う金がなくて、まず一番安い楽器のクラリネットから始める。王立音楽大学で更にクラリネットを学ぶが、ピアノの演奏能力の欠如を理由に指揮法の履修は禁じられていた。しかし同級生とカルマー管弦楽団を結成し、しばしば指揮を執っていた。1952年にロイヤル・フェスティバル・ホールに勤め、1950年代後半からBBCスコティッシュ交響楽団を指揮する。1959年に病身のオットー・クレンペラーの代理でモーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を指揮して一躍名声を馳せる。1960年代にサドラーズ・ウェルズ・オペラやロンドン交響楽団、BBC交響楽団を指揮する。1971年にゲオルグ・ショルティの後任として、コヴェント・ガーデン王立歌劇場の首席指揮者に就任。1980年にナイトに叙される。その後は、バイエルン放送交響楽団首席指揮者、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団名誉指揮者などを歴任し、1995年に母国イギリスのロンドン交響楽団首席指揮者に就任した。2013年4月14日、病気のため85歳で死去。
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ロンドン交響楽団( London Symphony Orchestra,略称LSO)は、イギリスのプロのオーケストラのひとつ。ロンドンのオーケストラの中でも中心的存在で、本拠地は、1982年よりロンドンのバービカンセンター。1904年にクィーンズホール管弦楽団のメンバーを中心に、英国初の独立採算、自主運営のオーケストラとして発足。同年6月9日にクィーンズホールにおいて、ハンス・リヒターの指揮で第1回コンサートを開催した。その後、リヒターは首席指揮者に就任し、1911年にエドワード・エルガーにその座を譲るまで楽団の基礎を固める。ロイヤル・フィルとならび、「女王陛下のオーケストラ」としても知られ、名誉総裁にはエリザベス2世が就いている。主な歴代首席指揮者にアンドレ・プレヴィン(1968年~1979年)、 クラウディオ・アバド(1979年~1988年)、マイケル・ティルソン・トーマス(1987年~1995年)、コリン・デイヴィス(1995年~2006年)。2007年から現在までヴァレリー・ゲルギエフが就いている。
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1ポイントマイクをメインとした録音と思われ、高域弦の音の伸びはあまり無いが、中低域弦の響きは豊かでコンサートホールの中ほどで聴く音に近い。ライブ録音であるが、聴衆のノイズは消されている。音場の広がり感はあまり感じられない。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(607) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Forgotten Treasures, Vol. 1
ARS 38 016
Eric Hoeprich (clarinet)
Michael Alexander Willens/Kölner Akademie
録音 2005年11月
Ars Produktion

忘れられた至宝 Vol.1
ベルンハード・クルーセル:クラリネット協奏曲集
・クラリネット協奏曲へ短調 Op.5(1815)
・クラリネット協奏曲変ロ長調 Op.11(1822)
・クラリネット協奏曲変ホ長調 Op.1(1811)

ベルンハード・クルーセル(Bernhard henrik Crusell ,1776年10月~1838年7月)は、フィンランド生まれ、スウェーデンで活躍したクラリネット奏者、作曲家、翻訳家。古典派における最も重要で最も国際的に知られたフィンランド生まれの作曲家であり、まさにシベリウス以前の傑出した作曲家と評される。クルーセル自身がクラリネットの名手だったためにクラリネットを含む作品が多く、なかでも3つのクラリネット協奏曲はいまでもよく演奏されている。
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エリック・ホープリチ(Eric Hoeprich)はアメリカ、ボルチモア生まれの古楽クラリネット、バセット・ホルン奏者。7歳からクラリネットを習い、デーヴィス・ハイスクールを1972年に卒業後、ハーバード大学にて哲学を専攻。フランス・ブリュッヘン率いる18世紀オーケストラのメンバーで構成されるアンサンブル「ナハトムジーク」を主催するなど、ピリオド楽器を用いた演奏活動をしている。パリ国立高等音楽院、デン・ハーグ王立音楽院の教授。
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ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(Michael Alexander Willens)はアメリカの指揮者。ジュリアード音楽院にて指揮をジョン・ネルソン(ジュリアード音楽院)、レナード・バーンスタイン(タングルウッド)などに学ぶ。リンカーンセンターのグレート・パフォーマーズ・シリーズやドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、イタリアなどの主要な音楽祭に出演。ケルン・アカデミーの音楽監督。

ケルン・アカデミー(Kölner Akademie)は指揮者のミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズによって、1996年に創設されたドイツのケルンを拠点とするオーケストラ。レパートリーは17世紀から21世紀までの音楽で、それらの作品をその時代の演奏解釈のもとに時代に合った楽器(バロック、クラシックなど)を使い分ける。歴史的研究を追求し、作曲家の意図を引き出すことを心がけるその演奏は新鮮で自然に聴こえ、作品の本来の姿を生き生きと響かせる。 2013年5月にブラウティガム、ヴィレンズと共に来日し、モーツアルトのピアノ協奏曲などを演奏した。

高域弦の音の伸びは良く、中低域弦の響きも豊かである。ソロのクラリネットはあまり前に出ることもなく、程よい距離感を感じさせる。サランドスピーカーからの音には直接音がかなり入っている。録音場所はドイツ、ヴッペルタール、インマヌエル教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(606) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Wilms
Symphonies Nos. 1 & 4
777 209-2
Howard Griffiths/NDR Radiophilharmonie
録音 2004年3月,4月
    2005年4月
CPO

ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス:
・交響曲第1番 ハ長調 Op.9
・交響曲第4番 ハ短調 Op.23
・序曲 ニ長調

ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(Johann Wilhelm Wilms,1772年3月~1847年2月)ドイツのゾーリンゲンの近くにあるヴィッツヘルデン(Witzhelden)生まれ。父親や長兄からピアノや作曲の教育を受けたが、フルートは独学で習得した。1791年にはアムステルダムに移住し、そこで2つの楽団のフルート奏者を務め、ソリストとして、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ協奏曲のオランダでの初演を行なった。ただ、彼はドイツの国籍を剥奪されたとされているが、その辺りの事情はよく判っていない。彼の作曲した交響曲は番号が振られているものが第7番まで、付いていない物が2作品、そのほかピアノ協奏曲が2作品、フルート協奏曲などの作品を遺している。1815年から1932年まで使われていたドイツ国歌の作曲者でもある。
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ハワード・グリフィス(Howard Griffiths,1950年2月~)は英国生まれの指揮者。ロンドンのロイヤル音楽大学で学ぶ。1976年、ゲオルグ・フルストに指揮法の教授を受け、またチューリッヒでエーリッヒ・シュミットに、パリでレオン・バルゼインに師事する。1981年以来、スイスを本拠地に、多くの著名なオーケストラを指揮している。1996年から2006年までチューリッヒ室内管弦楽団の首席指揮者兼芸術監督を歴任した。特にワルシャワ・フィルハーモニーやイギリス室内管弦楽団と、コンサート、レコーディング活動を展開しており、今後の活躍が注目される。
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ハノーファー北ドイツフィルハーモニー管弦楽団(NDR Radiophilharmonie Hannover)は、ドイツ・ハノーファーに本拠を置く北ドイツ放送(NDR)付属のオーケストラである。ハンブルクの北ドイツ放送交響楽団(NDR Sinfonieorchester Hamburg)に次ぐ第2オーケストラである。1950年の創立以来、ヴィリー・シュタイナー、アルド・チェッカート、ズデニェク・マーツァル、ベルンハルト・クレーらが歴代の首席指揮者を務め、フランス、デンマーク、オランダ、スウェーデン、日本など海外ツアーも多く行なっている。1998年10月からは大植英次を首席指揮者に迎え、年20回に及ぶ定期公演、休日昼間のコンサート「クラシック・エキストラ」シリーズ、ドイツ各地へのツアーや音楽祭参加など意欲的な活動を展開しているが、北ドイツ放送交響楽団と違ってマーラーのような大編成の曲目や現代音楽はほとんどやらず、レパートリーの分担が確立している。2009年に大植は首席指揮者を退任し、名誉指揮者になった。代わってノルウェー人指揮者のエイヴィン・グルベルグ=イェンセンが首席指揮者を務めている。
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音場の左右への広がり感はあるが、奥行き感があまり感じられない。1ポイントマイク中心の録音と思われ、補助マイクはあまり使用していないようだ。高域弦の音伸びはそこそこあるが、中低域弦の響きの豊かさが物足りない。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがほぼ占める。録音場所はドイツ、ハノーファー、ニーダーザクセン州立北ドイツ放送局内大放送スタジオ

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(605) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Grieg
Complete Symphonic Works Vol.3
92.669
Eivind Aadland/WDR Sinfonieorchester Köln
録音 2012年8月
Audite

エドヴァルド・グリーグ:管弦楽作品全集第3巻
・序曲「秋に」 Op.11
・抒情的組曲 Op.54
・抒情小品集 第5巻 Op.54 第6番 鐘の音(管弦楽編)
・古いノルウェーの歌と変奏 Op.51 (管弦楽版)
・組曲「十字軍の戦士シーグル」 Op.56 (管弦楽版)

「抒情組曲」(Lyriske suite)作品54は、グリーグの管弦楽曲でピアノのための「抒情小曲集」第5巻(Op.54)から4曲を選んで管弦楽編曲し、組曲としたもの。6曲からなる「抒情小曲集」第5巻は1891年の作曲で、全10集に及ぶ一連の曲集の中でも最も評価が高いものである。この第5集から4曲が、1895年にハンガリーの指揮者アントン・ザイドルによって管弦楽用に編曲され、「ノルウェー組曲」と名付けられた。ザイドルが選んだのは原曲第2曲「ノルウェー農民の行進」、第3曲「小人の行進」、第4曲「夜想曲」、第6曲「鐘の音」である。

組曲「十字軍の戦士シーグル」作品56は、グリーグの十字軍に参加したノルウェー国王シーグル1世を題材とした同名の戯曲のために作曲された、3幕からなる劇音楽を管弦楽用に編曲し、組曲としたもの。3曲からなり、第1曲「力比べ(王の広間にて)」、第2曲「ボルグヒルの夢(間奏曲)」、第3曲「忠誠行進曲」

アイヴィン・オードラン(Eivind Aadland,1956年9月~)ノルウェーに生まれの指揮、ヴァイオリン奏者。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーで指揮法をヨルマ・パヌラに師事した。ベルゲン交響楽団(Bergen Philharmonic Orchestra)のコンサートマスターを1981年~1989年まで務めた後、トロンハイム交響楽団(Trondheim Symphony Orchestra)の首席指揮者と芸術監督を2004年~2010年まで務めた。現在はオスロ・フィルハーモニックやスウェーデン室内管弦楽団など、スカンジナビア各国のオーケストラとの関係を保ちつつ、ヨーロパの主要な管弦楽団のトゥールーズ・キャピトル管弦楽団(Orchestre du Capitole de Toulouse)、スコットランド室内管弦楽団( Scottish Chamber Orchestra)などに客演している。
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ケルンWDR交響楽団(独:WDR Sinfonie-orchester Köln,英:Cologne Radio Symphony Orchestra)は1947年、北西ドイツ放送(NWDR)のケルン放送局の開局と同時に、ケルン放送交響楽団(Kölner Rundfunk-Sinfonieorchester)が設立され、1956年に、WDR(西部ドイツ放送協会)が分離独立すると、オケはその管轄下になった。1960年代後半には若きクリストフ・フォン・ドホナーニが首席をつとめた。1977~1983年には若杉弘、1983~1991年にはガリー・ベルティーニ、1991~1997年にはハンス・フォンク、1997~2010年にはセミヨン・ビシュコフが首席を務めた。ベルティーニとはマーラー全集を録音している。コンサートミストレスに荻原尚子、首席コントラバスに河原泰則がいる。2010年からはユッカ=ペッカ・サラステ(Jukka-Pekka Saraste)が首席指揮者をつとめている。
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ドイツ、AUDITEレーベルでのケルン放送曲(WDR)との共同制作盤。
1ポイントマイクをメインとして打楽器などに補助マイクを使用した録音と思われる。ダイナミックレンジは大きく、コンサートホールの中ほどで聴くような音に近く、中低域弦の響きも豊かである。サラウンドスピーカーからの音には直接音も含んでいる。録音場所はケルン、Philharmonie
サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(604) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Schubert
Wanderer Fantasy
92.575
Hideyo Harada (piano)
録音 2010年11月
Audite

シューベルト:
・さすらい人幻想曲 ハ長調 D.760
・ピアノソナタ第21番 変ロ長調 D.960

さすらい人幻想曲 D760は幻想曲ハ長調「さすらい人」(Fantaisie 'Wandererfantasie' )はフランツ・シューベルトが1822年に作曲したピアノ独奏曲で、4楽章からなるが、切れ目なく演奏される。第2楽章の変奏曲主題が自作の歌曲「さすらい人」によるのでこの名がある。1823年出版。演奏時間は約22分

ピアノソナタ第21番変ロ長調D960は、1828年9月に作曲された。この曲は作曲者晩年のピアノソナタ3部作(第19番,第20番,第21番)の最後を締めくくり、また、作曲者の生涯最後のピアノソナタである。4楽章からなり、演奏時間は約36分

原田英代(Hideyo Harada)は山口生まれのピアニスト。東京藝術大学及び同大学院で松浦豊明に師事。ロシア国立チャイコフスキー記念モスクワ音楽院の名教師ヴィークトル・メルジャーノフ教授の愛弟子として研鑚を積む。1984年ジュネーブ国際コンクール最高位、1991年シューベルト国際ピアノコンクール第1位、ウィーン現代音楽コンクール第2位、1993年にはモスクワにおける第1回ラフマニノフ国際ピアノコンクールで旧西側参加者の中で唯一入賞を果たし、併せて2つの特別賞を受賞。これまでにN響、読響、トリノ放送響など国内外の主要オーケストラとの共演、音楽祭への参加している。
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Auditeレーベルでの原田英代の録音場所はいずれもベルリン、イエスキリスト教会であるが、このディスクも同場所。サラウンドスピーカらの音にはピアノの豊な残響をとらえており、フロントに比べかなり遅れて聴こえる。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質                ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

SACDサラウンド・レビュー(603) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Saint-Saëns
Works for Piano Duo, Vol. 2
ARS 38 038
Vilija Poskute (piano)
Thomas Daukantas (piano)
録音 2008年1月
Ars Produktion

サン=サーンス:ピアノ・デュオ作品集2
・歌劇「エティエンヌ・マルセル」(編曲:C. ドビュッシー)
・歌劇「サムソンとデリラ」(編曲:P. デュカス)
・子守歌 ホ長調 Op.105
・パ・ルドゥブレ 変ロ長調 Op.86
・動物の謝肉祭(2台ピアノと室内アンサンブル編)

「サムソンとデリラ」(Samson et Dalila )は、サン=サーンスが作曲した13曲のオペラのうち、代表作に挙げられる唯一の作品。3幕からなるオペラで、旧約聖書「士師記」第13章から第16章のサムソンの物語に基づく。作曲に着手したのは1868年であるが、当初はオラトリオとして構想していたという。作曲開始から6年後の1874年に完成し、再度第2幕の試演が行われた。この時に好意的な評もあったが、オペラ座での上演は拒否された。翌1875年に第1幕のみが演奏会形式で、エドゥアール・コロンヌ指揮のコンセール・コロンヌにより行われた。


ヴィリヤ・ポスクテ(Vilija Poskute)とトマス・ダウカンタス(Thomas Daukantas)はリトアニアのピアニスト。2000年結成のピアノ・デュオ(Piano Duo Poskute & Daukantas)でドイツを中心に活躍中。二人はヴィリニュス音楽院でピアノを習い、引き続きスイスのチューリヒ、ドイツのロストックでKonstantin Scherbakov, Friedemann RiegerやHanz-Peter、Volker Stenzlなどに師事する。イタリアで行われたパヴィア国際音楽コンクール(Concorso Internazionale di Musica Citta di Pavia)やカミロ・トンニ国際コンクール(Concorso Internazionale Camillo Togni Brescia )などで賞を獲得している。
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1台のピアノでの4手の合奏曲集であるが、トラック13~26の「動物の謝肉祭」ではピアノは2台での演奏で、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団のメンバーがアンサンブルとして加わり、音場は左右に広くなる。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質               ☆☆☆☆
チャンネル            5.1ch