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SACDサラウンド・レビュー(692) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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SCHUBERT
Arpeggione Sonata
PTC5186549
Matt Haimovitz
Itamar Golan
Miro Quartet
録音  2001年10月(D.821)
    2003年6月(D.956)
PentaTone

シューベルト:
・アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D.821 (チェロとピアノ編)
・弦楽五重奏曲 ハ長調 Op.163, D.956

アルペジオーネ・ソナタは、チェロを小型化したような、6弦の弦楽器のアルペジョーネのための作品で、現存する唯一の名高い作品である。本作は、弦楽四重奏曲「死と乙女」と同時期の作品であり、当時シューベルトは梅毒の進亢に苛まれ、度々の抑鬱症の発作に見舞われてもいた。本作はアルペジョーネが発明された翌年の1824年に作曲された。おそらくは、アルペジョーネの演奏に通じていた知人ヴィンチェンツ・シュースターから、委嘱を受けてのことと考えられている。作品がシューベルトの死後1871年に出版されるまでに、アルペジョーネじたいが愛好されなくなり姿を消していた。こんにちこの作品はもっぱらチェロ・ソナタないしはヴィオラ・ソナタに編曲して演奏されている。また時折りコントラバスやギターがアルペジョーネの代役を果たすこともある。3楽章から成り、演奏時間は30分弱。

シューベルトの弦楽五重奏曲は、最晩年の室内楽曲で、「グレイト」交響曲の完成直後の1828年の夏に作曲された。作曲者の死を2ヵ月後に控えて完成された遺作である。1850年になってようやく初演され、1853年に初版が出版された。作品番号は163とされた。シューベルトの多岐にわたる楽曲の中でも、唯一の本格的な弦楽五重奏曲として目立った存在となっている。また、独特な楽器編成でも抜きん出ており、ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ2という楽器編成となっている。たいていの弦楽五重奏曲は、モーツァルトの先例に従って、弦楽四重奏に第2ヴィオラを加えた編成を標準としている。シューベルトのこの作品では、低音域の充実とバランスが図られているのである。4楽章で構成されるが、各楽章は規模が大きく、全曲を通して演奏するのにほぼ1時間を要する。

マット・ハイモヴィッツ(Matt Haimovitz,1970年12月~)はイスラエル生まれのチェリスト。5歳の時に家族と共にアメリカに移住。7歳からチェロを習い始めレナード・ローズ、ヨーヨー・マなどに師事。ドイツ・グラモフォンから天才少年としてデビューし、古典派から現代音楽にいたる幅広いレパートリーをもつ。主にアメリカとカナダで活動している。CD録音に「20世紀チェロ作品集」などがある。
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ミロ弦楽四重奏団(Miró Quartet)はアメリカのテキサス州オースティンを拠点に国際的に活動する弦楽四重奏団。オーバリン音楽院の学生4人で1995年に結成された。スペインの画家、ホアン・ミロに因んで名付けられた。1996年4月には第50回コールマン室内楽コンクールで第1位、続くフィショフ全国室内楽コンクールでも第1位と大賞を受賞している。 1998年バンフ国際弦楽四重奏コンクールで第1位、あわせてカナダ人作曲家チャン・カ・ニン作曲の特別委嘱作品演奏賞受賞、その後2000年ウォルター・W ・ナウンバーグ財団室内楽賞を受賞し一躍世界的に認められた。
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オランダのPentatoneレーベルとカナダのOxingale Recordsレーベルとの共同企画「PENTATONE OXINGALE Series」。

アルペジオーネ・ソナタではチェロがセンター前寄りに、ピアノがセンター奥行きに定位しており、横への広がり感は無い。ピアノは倍音の響きが不足気味。2曲のそれぞれの収録日、収録場所は異なり、弦楽五重奏曲の方が音が良い様に感じた。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音が占める。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          5ch


SACDサラウンド・レビュー(691) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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LES ÉLÉMENTS
Tempêtes, Orages & Fêtes Marines
AVSA9914
Jordi Savall/LE CONCERT DES NATIONS
録音 2015年7月19日
ALIA VOX

バロック作曲家たちによる「嵐」
[CD1]
ルベル:四大元素
マシュー・ロック:「テンペスト」のための音楽
ヴィヴァルディ:フルート協奏曲「海の嵐」 RV 433

[CD2]
マラン・マレ:「アルシオーネ」より水夫とトリトンのためのエア
テレマン:水上の音楽
ラモー:雷雨と雷鳴
(「優雅なインドの国々」よりゼフォーロのエア、雷雨とボレーのためのエア/
「イポリートとアリシ」より雷鳴/
「ゾロアストル」よりコントルダンス、コントルダンス・トレ・ヴィーヴ)

ジャン=フェリ・ルベル(Jean-Féry Rebel,1666年~1747年)は、フランス盛期バロック音楽の作曲家、ヴァイオリニスト。不協和音に始まるバレエ音楽「四大元素 Les Eléments」によって有名(同名のバレエ音楽は、他にアンドレ・デトゥーシュによるものも存在する)。ジャン=バティスト・リュリに師事。1699年に王立音楽アカデミーとパリ・オペラ座の首席ヴァイオリニストに就任。1700年にスペインを訪問。1705年に帰国後まもなく、宮廷楽団の一つ「王の24のヴァイオリン」に入団し、宮廷作曲家、王立音楽アカデミー楽長ならびにコンセール・スピリテュエルの指揮者を歴任。
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マシュー・ロック(Matthew Locke,1621/2年~1677年) はイングランド初期バロック音楽の作曲家。エグゼター大聖堂の少年聖歌隊員として音楽活動に入り、オルガン教育もそこで受けた。オーランド・ギボンズの兄エドワードに師事。エグゼター大聖堂のオルガニストの称号を得る。イギリス最初のオペラ作曲家であり、ヘンリー・パーセルに強い影響を及ぼした。器楽曲や劇音楽に加えて、ロックはアンセムの作曲家でもある。ロックのアンセムはとりわけジョン・ブロウに影響を及ぼした。
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マラン・マレ(Marin Marais,1656年5月~1728年8月)はフランスの作曲家、指揮者、バス・ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者。パリ南の貧民街で見習い靴職人の子供として生まれ、幼少の頃から音楽の才能を認められて1667年にはパリ第一の音楽教育機関だったサン=ジェルマン=ロクセロワ教会の聖歌隊に入り、1672年までフランソワ・シャプロンなどのもとに教育を受ける。 聖歌隊を出た後、ヴィオールをサント=コロンブ師などに師事して、名手として知られるようになり、おそらくはリュリ門下の作曲家ジャン=フランソワ・ラルウェットなどの手引きもあって、1676年にはパリのオペラ、そして1679年8月1日からはルイ14世の宮廷のヴィオール奏者に任命された。また作曲家としての名声も高く、1693年に最初のオペラ「アルシード」を発表してからは、パリのオペラの作曲家、そして後には指揮者としても成功をおさめている。晩年にはまた、ヴィオールの優れた教師として知られた。ヴィオール曲集第5巻の中の一曲で「膀胱結石手術図」という変わった曲名が付いているのがあるが、作曲者自身の膀胱結石の手術の様子がナレーションと音楽で表現されている。
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ジョルディ・サヴァール(Jordi Savall,1941~)はスペイン東北部カタルーニャ州バルセロナ県イグアラーダに生まれ。6歳から同市教会の聖歌隊で児童歌手となり、やがてチェロの勉強をはじめ、バーゼル・スコラ・カントルムでヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。1974年にオリジナル楽器使用のエスペリオンXX(現エスペリオンXXI)を設立。1987年に声楽アンサンブルのラ・カペイラ・レイアルを、1989年にはコンセール・デ・ナシオンを設立。ルネサンスやバロックなどの作品を得意とするが、近年19世紀の音楽も演奏している。
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ル・コンセール・デ・ナシオン(Le Concert des Nations)はジョルディ・サヴァールの主宰するピリオドアンサンブルで1989年の結成以来、活動の中心をバルセロナに移すと共に、バロック期のスペインないしラテン系諸国の声楽、器楽作品を新鮮な解釈と表現のもとに演奏活動に取り組んでいる。
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バロック作曲家たちによる「嵐」を模倣した作品を集めたアルバム。冒頭の「カオス」の不協和音の合奏で始まるルベルの「四大元素」は、バレエ音楽で水、火、大気、土と言った四大元素を含む世界の創造を描いたもの。

ピリオド楽器での演奏であるが、高域弦の音の伸びは良く、中低域弦の響きも豊かな録音。「海の嵐」ではソロのフルートはあまり前に出ないようにミキシングされている。フランス南西部にあるフォンフロワ修道院でのライヴ

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch


SACDサラウンド・レビュー(690) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Prokofiev
Symphonies nos. 6 and 7
CC72714
James Gaffigan/Netherlands Radio Philharmonic Orchestra
録音  2015年6月(No.6)
    2012年10月(No.7)
Challenge Classics

プロコフィエフ:
・交響曲第6番 変ホ短調Op.111
・交響曲第7番 嬰ハ短調Op.131「青春」

交響曲第6番 作品111は、セルゲイ・プロコフィエフが1947年に作曲した6番目の交響曲である。1945年1月に交響曲第5番が初演された翌年の1946年から1947年にかけて、モスクワ西部のニコリーナ・ゴーラという村の別荘で、しだいに重くなる病とたたかいながら作曲した。戦争の悲劇と犠牲を内面的に描き、難解で密度の高い作品となっている。この曲にはピアノが単一楽器として演奏が加わる。3楽章から成り、演奏時間は約40分から45分。

交響曲第7番 作品131は、セルゲイ・プロコフィエフが1952年に完成した交響曲である。ソヴィエトの青年に捧げる意向であったため作曲者自身が「青春交響曲」と呼んでいたことから、「青春」の標題が用いられることもある。第4楽章の終結部は、弱奏のピチカートで消えるように終わるものと、強奏で終わるものの2種類がある。後者はサモスードの要望でオリジナルの終結部に20小節ほどが追加されたもので、スコアでは付録の形で載せられている。実際の演奏は両方で行なわれていて、どちらを選択するかは指揮者の判断による。初演は1952年10月18日にモスクワでサモスードの指揮によって行われ、熱狂的な反響をもって迎えられた。4楽章から成り、演奏時間は約35分。

ジェイムズ・ガフィガン(James Gaffigan,1979年~)はアメリカのニューヨーク生まれの指揮者。ボストンのニューイングランド音楽院(New England Conservatory of Music)とヒューストンにあるシェパード音楽学校(Shepherd School of Music at Rice University)で学ぶ。2004年のショルティ国際指揮コンクールで優勝。2011/12年のシーズンからルツェルン交響楽団の首席指揮者。オランダ放送フィルや、ケルン・ギュルツェニヒ管などで首席客演指揮者を務めている。
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オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団(Netherlands Radio Philharmonic,略称RFO)はオランダ放送協会(NOS)が運営するオーケストラ。1945年に指揮者アルベルト・ファン・ラールテによって設立された。定期演奏会はヒルフェルスムで行われ、年に数回の特別演奏会がアムステルダムとユトレヒトで行われる。首席指揮者は2012/2013年のシーズンからマルクス・シュテンツ(Markus Stenz)。2011/12年の シーズンからジェイムズ・ガフィガンが首席客演指揮者を務める。
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スタジオでのセッション録音だが、1ポイントマイクをメインとし、少し下がった位置で聴いているような奥行き感がある収録になっている。ダイナミックレンジも大きく好録音である。特に金管の響きの良さが印象に残った。サラウンドスピーカーからの音は抑え気味だが直接音が入っている。オランダ、ヒルフェルスム、MCOスタジオ5

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(689) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Bach
Johannes-Passion
HMC902236.37
René Jacobs/Akademie für Alte Musik Berlin
録音 2015年7月
Harmonia Mundi

J.S. バッハ:ヨハネ受難曲BWV 245

ヨハネ受難曲(Johannes-Passion)は、新約聖書「ヨハネによる福音書」の18-19章のイエスの受難を題材にした受難曲。ヨハネ福音書を骨子として、自由詩によるアリアとレチタティーヴォ、さらに種々のコラールで構成される。旧バッハ全集では68曲とカウントしていたが、新バッハ全集では40曲に改めた。場面は第一部14曲(捕縛からペテロの否みまで)、第二部26曲(ピラトの審問から埋葬まで)、の二部構成である。特に第二部については、曲の配置がシンメトリーになっていることが知られている。演奏時間は約2時間(第1部40分、第2部80分)、ピリオド奏法は短くなる傾向が多い。

ヴェルナー・ギューラ(Werner Güra,1964年~)ドイツ、ミュンヘン出身のテノールのオペラ歌手。ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽院を卒業。その後バーゼル音楽院(Musik-Akademie der Stadt Basel)にてバリトン歌手クルト・ヴィトマー(Kurt Widmer)に師事、アムステルダム音楽院ではソプラノ歌手Margreet Honigに師事した。オペラの舞台にはフランクフルト歌劇場やバーゼル劇場にゲスト出演。1996年からはベルリン国立歌劇場(Staatsoper Berlin)に招かれている。
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イム・スンヘ(Sunhae Im,1976年1月~)韓国、チョルウォン(鉄原)出身のソプラノ歌手。ソウル大学校でパク・ノギョン(朴魯慶)に、カールスルーエ大学でローランド・ヘルマンに師事。2000年エリザベート王妃国際音楽コンクール声楽部門ファイナリスト。2000年に「フィガロの結婚」のバルバリーナ役でフランクフルト歌劇場にデビュー。オペラ歌手としての彼女は、ベルリン国立歌劇場、フランクフルト歌劇場、ハンブルク歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、パリ・オペラ座等に出演。また、コ ンサート歌手としてもモーツァルト、ハイドン、ヘンデル、バッハ、シューベルト、メンデルスゾーン、マーラー等の幅広いレパートリーを持ち、そのCD録音 の多くが賞に輝いている。
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ヨハネス・ヴァイサー(Johannes Weisser,1980年~)ノルウェー生まれのバリトン歌手。コペンハーゲンの音楽大学で学び、王立アカデミーでスザンナ・エーケンに師事した。
2004年春、23歳の彼はノルウェー国立歌劇場及びベルリン・コーミッシェ・オーパーで「ドン・ジョヴァンニ」のマゼット役でデビュー。ザルツブルク音 楽祭等、主要なヨーロッパの舞台でオペラ歌手として活躍する一方、コンサートやオラトリオにも多く出演しており、そのレパートリーは17世紀のモンテヴェ ルディから20世紀のワイルやブリテンまで幅広い。
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ベンノ・シャヒトナー (Benno Schachtner,1984年12月~)ドイツのカウンターテナー歌手。幼少の頃にはボーイ・ソプラノとして聖歌隊で活躍。2004年から2009年までデトモルト音楽大学(Detmold Academy of Music)で教会音楽についてゲルハルト・ワインバーガーに師事。その後スイス、バーゼル・スコラ・カントルム(Schola Cantorum Basiliensis)の声楽科にてウルリヒ・メシュサラー(Ulrich Messthaler)に師事。
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ルネ・ヤーコプス(René Jacobs, 1946年10月~ )は、ベルギー、ヘントの生まれのカウンターテナー歌手、指揮者。同地の大聖堂少年合唱団に所属して歌い始める。その後アルフレッド・デラーに学び、カウンターテナーとしてグスタフ・レオンハルトやニコラウス・アーノンクールのレコーディングに参加する。1970年代にコンチェルト・ヴォカーレを組織し、指揮者として活動を始める。モンテヴェルディの声楽曲で目覚しい成果を挙げて注目される。近年はハイドンやモーツァルトの交響曲をレコーディングしたり、コンチェルト・ケルンやベルリン古楽アカデミー、フライブルク・バロック管弦楽団とともにバロック・オペラやモーツァルトのオペラを取り上げている。近年ベルリン州立歌劇場にしばしば登場し、バロック・オペラの上演を行っている。バーゼル・スコラ・カントルムの教授も務めている。
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ベルリン古楽アカデミー(Akademie für Alte Musik Berlin)は1982年に旧東ベルリンで設立の世界有数のバロック室内オーケストラ。室内楽からオーケストラ作品まで年間約100回におよぶコンサートに出演している。1984年のベルリン・コンツェルトハウスの再開以来、独自の連続演奏会を行い話題を集め、1994年以降は、ベルリン国立歌劇場やインスブルック古楽際に定期的に客演している。また、多くの指揮者やソリストと共演してきたが、特にルネ・ヤーコプスとは、25年以上にわたり数多く共演している。
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付属のDVDで収録の様子が観られ、指揮者から見て、通奏低音のパートは前方中央に、オーケストラは前方左から左側面にかけて、ソリストは前方右に、合唱の1グループの16名は右前方から右側面にかけて、合唱のもう1つのグループの16名は後面右側に配置されている。実際の再生音はオーケストラの音はフロント・レフトとバックレフトからソリストの歌はフロント・ライト。コーラスはフロント・ライトとバック・ライトの両方にミキシングされている。録音場所はベルリン、テルデックス・スタジオ

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(688) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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DVOŘÁK & MARTINŮ
Cello Concertos
BIS-2157 SACD
Christian Poltéra (cello)
Thomas Dausgaard/Deutsche Symphonie-Orchester Berlin
録音 2015年8月
BIS

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調Op.104
マルティヌー:チェロ協奏曲 第1番(第3稿)

ボフスラフ・マルティヌー(Bohuslav Martinů ,1890年12月~ 1959年8月)は、チェコ出身の作曲家。7歳からヴァイオリンを習い、12歳の時には弦楽四重奏曲を作曲している。プラハ音楽院に入学したが途中で退学。1919年にはカンタータ「チェコ狂詩曲」でスメタナ賞を受賞し、作曲家としてのデビューを飾った。大変多作な作曲家で400作を残した。6曲の交響曲を始め、様々な楽器のための30曲近くもの協奏曲、11作のオペラをはじめ、あらゆる分野で作曲を行った。

クリスチャン・ポルテラ(Christian Poltera,1977年~)スイス、チューリッヒ生まれのチェロ奏者。17歳の若さでヨーヨー・マの代役としてダヴィット・ジンマン指揮チューリヒ・トンハレ管弦楽団でエルガーのチェロ協奏曲を演奏。トリオ・ツィンマーマンのチェロ担当
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トーマス・ダウスゴー(Thomas Dausgaard, 1963年7月~ )はデンマークの指揮者で、トマス・ダウスガードとも記されることがある。コペンハーゲンに生まれ、同地の王立デンマーク音楽院、ロンドンの王立音楽大学に学ぶ。1997年よりスウェーデン室内管弦楽団の首席指揮者に就任、その後2004年8月にはデンマーク国立響の首席指揮者に就任した。その溢れんばかりのエネルギーと創造性のもと両オーケストラは目覚ましい変化を遂げており、2010年夏のBBCプロムスでは彼の指揮のもと、両オーケストラが出演し観客や評論家より絶賛された。最近では今年1月に来日し、新日本フィルハーモニー交響楽団の第553回定期演奏会でマーラー交響曲第5番などを振った。
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ベルリン・ドイツ交響楽団(独: Deutsches Symphonie-Orchester Berlin 略称:DSO)は、ドイツの首都ベルリンに本拠を置くオーケストラである。1946年、西ベルリンのアメリカ軍占領地区放送局(英: Radio In the American Sector,独: Rundfunk im amerikanischen Sektor, 通称:RIAS)のオーケストラ(独:RIAS-Symphonie-Orchester)として設立された。1956年にはベルリン放送交響楽団(独:Radio-Symphonie-Orchester Berlin, 英:Berlin Radio Symphony Orchestra)と改称した。歴代の首席指揮者はフェレンツ・フリッチャイ、ロリン・マゼール、リッカルド・シャイー、ウラディーミル・アシュケナージ、ケント・ナガノ、インゴ・メッツマッハー。2012年からはトゥガン・ソヒエフが務めている。
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ソロのチェロはあまり前に出ることもなく、バックのオーケストラは1ポイントマイクをメインとした収録と思われ、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。残響の多いベルリン、イエス・キリスト教会での収録だが、その影響を受けていない。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(687) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Beethoven
Serenade Op.25
MDG9031953
Ardinghello Ensemble
録音 2015年11月
MDG

ベートーヴェン:
・フルート、ヴァイオリン、ヴィオラのためのセレナード ニ長調 Op.25
・ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための三重奏曲 変ホ長調 Op.3

セレナード作品25は、7楽章からなる組曲形式の作品で1976年に作曲された。モーツアルトの弦楽セレナーデを範として7楽章とし、フルートを使ってチェロを欠いているので、爽やかで明るく、楽想もモーツアルト風に優美である。

弦楽三重奏曲作品3は弦楽三重奏曲第1番とも呼ばれており、ベートーヴェンが作曲した弦楽三重奏曲5曲のうち最も早く、24歳の時の1794年に作曲された。この頃のベートーヴェンはハイドンに認められ、生まれ故郷のボンを離れてウィーンに出てきていた。ハイドンに作曲の教えを受けていた時期の作品なので、曲にハイドンの影響が大きい。

アルディンゲロ・アンサンブル(Ardinghello Ensemble)はカメラータ・ケルンのトラヴェルソ奏者でもある、カール・カイザー(Karl Kaiser)をリーダーとした4名から成るピリオド楽器使用の室内楽アンサンブル。他のメンバーはヴァイオリンのアンネッテ・レーベルガー(Annette Rehberger)、ヴィオラのゼバスティアン・ヴォールファルト(Sebastian Wohlfarth)、チェロは現在ウルスラ・カイザー(Ursula Kaiser)が担当している。
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OP.25ではFlが左、Vnがセンター、Vaが右に、Op.3ではVnが左、Vaがセンター、Vcは右に定位している。各楽器の音のバランスは良い。教会での収録だが、残響はあまり感じられない。録音場所はドイツ、ハノーファーの南西約50kmにあるマリエンミュンスター修道院(Abtei Marienmünster)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch(2+2+2方式)


SACDサラウンド・レビュー(686) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Antonín DVOŘÁK
String Quartets Vol. VIII
PRDDSD250305
Zemlinsky Quartet
録音 2014年2月
PRAGA DIGITALS

ドヴォルザーク:
・弦楽四重奏曲第10番変ホ長調 Op.51
・弦楽四重奏曲第11番ハ長調 Op.61

弦楽四重奏曲第10番 作品51は、ドヴォルザークが、「スラブ舞曲集」第1集で国際的名声を得て多くの作曲の依頼が舞い込むようになった頃に依頼された作品の一つで、1878年12月に当時高名だったフローレンス四重奏団の主宰者でヴァイオリニストのジャン・ベッカーからスラブ的な弦楽四重奏曲との依頼を受け作曲された。4楽章から成り、演奏時間は約30分

弦楽四重奏曲 第11番 作品61 は、ドヴォルザークが、1881年の10月末から11月初旬にかけて、ヘルメスベルガー四重奏団の依嘱に応じて完成させた弦楽四重奏曲である。当初はヘ長調の作品が作曲されたが、どうも作曲者自身が不満に感じたらしく、その後10月25日に、まったく新たにハ長調の作品を書き始めた。ボヘミア初演は1884年1月5日に、フェルディナント・ラハナーやアロイス・ネルーダらの演奏で行われた。4楽章から成り、演奏時間は約38分

ツェムリンスキー弦楽四重奏団(Zemlinsky Quartet)は1994年創設のチェコの弦楽四重奏団。2005年プラハの春国際音楽コンクール(Prague Spring International Music Competition)第2位、2007年にカナダのバンフ国際弦楽四重奏コンクール(Banff International String Quartet Competition )第2位、2010年フランスのボルドー国際弦楽四重奏コンコール(Bordeaux International String Quartet Competition )に優勝。
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各楽器はそれぞれの位置に定位しており、音のバランスは良い。1stVnのクリアな響きが印象に残った。録音場所はプラハ、マルティネク・スタジオ

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch