So-net無料ブログ作成
クラシック音楽鑑賞 ブログトップ

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017(2) [クラシック音楽鑑賞]

LFJ2017_7.jpg

公演3日目の今日、以下の公演を聴いて来ました。
LFJ2017_10.jpg

■公演番号312(ホールA)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ⾧調 Op.35
ショスタコーヴィチ:バレエ「黄金時代」から 序曲、ポルカ、ダンス

ヴァイオリン テディ・パパヴラミ
指揮 ドミトリー・リス
演奏 ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

テディ・パパヴラミ(Tedi Papavrami,1971年5月~)アルバニア生まれ。5歳でヴァイオリニストであった父親のもとでヴァイオリンを習う。ティラナ・フィルハーモニー管弦楽団と共演後、1982年に招かれて渡仏し、パリ国立高等音楽院でピエール・アモワイヤルに師事。数々の国際コンクールで優勝の後、ソリストとして世界最高の技術と音楽性を持ち合わせ世界の大舞台で活躍するフランスを代表するヴァイオリニスト。1727年製ストラディヴァリウスを使用。

パパヴラミの奏でるストラディヴァリウスは高域の倍音の伸びがすばらしく、クリアーな美しい響きでした。途中で弓捌きがおかしいと思われるところは有りましたが、全体的には良い演奏でした。

バレエ「黄金時代」は2月にNHK BSプレミアムで放送されたボリショイ・バレエ公演を見て知っていましが、今回はオーケストラのみでの演奏で別の意味で新鮮さが有りました。チャイコのコンチェルトからチューバ、シンバル、トライアングル、小太鼓、木琴、バスドラムなどが加わり、大編成で聴く「黄金時代」は迫力が有りました。

■公演番号313(ホールA)
ラヴェル:
・ピアノ協奏曲 ト⾧調
・ボレロ

ピアノ 萩原 麻未
指揮 パスカル・ロフェ
演奏 フランス国立ロワール管弦楽団

萩原 麻未(Mami Hagiwara,1986年12月~ )は、広島県出身のピアニスト。2005年広島音楽高等学校卒業、同年、文化庁海外新進芸術家派遣員として単身フランスに留学しジャック・ルヴィエに師事。2010年パリ国立高等音楽院(修士課程)を首席で卒業。2000年第27回イタリア・パルマドーロ国際コンクールピアノ部門で史上最年少(13歳)優勝。2010年11月に開催された第65回ジュネーブ国際音楽コンクールピアノ部門で日本人として初優勝。2014年にモーツァルテウム音楽院を卒業。現在パリを拠点に日本、フランス、スイス、ドイツ、イタリアなどでソリスト、室内楽奏者として演奏活動を行っている。

ラヴェルのピアノ・コンチェルトは彼女がジュネーブ国際音楽コンクールで優勝した時の曲で「題名のない音楽会」でも弾いていたのを見たことが有りますが、彼女の十八番の曲でした。特に3楽章は彼女のテクニックが偉観なく発揮されていました。

ボレロでは編成が大きくなり、メンバーもかなり入れ替わりました。この曲は今まで何回も聴いていますが、途中から小太鼓が2台になり、フィナーレではCbが椅子から立ち上がって演奏する熱演でした。拍手が鳴りやまず、フィナーレの部分をアンコールで演奏してくれて、観客も手拍子で盛り上がりました。



その後、近くの第一生命日比谷本社で同時期開催中の「今蘇る、モーツァルトの響き
ロビーコンサートの視聴とモーツァルテウム財団「ナンネルとヴォルフガング」コレクション展を観てきました。

1740年代アンドレス・フェルナンド・マイヤー作「モーツァルトの幼少期のヴァイオリン」モーツァルテウム財団所蔵
LFJ2017_8.jpg


当日のヴァイオリンソナタの演奏で使われたフォルテピアノ
LFJ2017_9.jpg

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017(1) [クラシック音楽鑑賞]

東京国際フォーラムで4日から6日までの3日間にわたり開催されているラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの初日公演に行ってきました。
今年のテーマは「ラ・ダンス 舞曲の祭典」です。
LFJ2017_1.jpg

LFJ2017_2.jpg

公演初日の今日、以下の公演を聴いて来ました。

■公演番号114(ホールA)
ベートーヴェン:
・ロマンス第1番 ト⾧調 Op.40
・交響曲第7番 イ⾧調 Op.92

ヴァイオリン ドミトリ・マフチン
指揮 ドミトリー・リス
演奏 ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

ドミトリ・マフチン(Dmitri Makhtin,1975年~)サンクトペテルブルク出身。13歳でノヴォシビルスクの若い音楽家のための国立コンクールで優勝。ヒルシュホルン、クレバースに師事。これまでスヴェトラーノフ、スラットキン、テミルカーノフ、カサドシュらと共演。ベレゾフスキー、クニャーゼフと三重奏団を結成するなど、室内楽にも情熱を注いでいる。

ドミトリー・リス(Dmitri Liss,1960年~)旧ソヴィエト生まれ。モスクワ音楽院で、モスクワ・フィルの音楽監督であったD.キタエンコに学び、彼のアシスタント・コンダクターとして指揮者のキャリアをスタートさせる。1984年卒業後、クズバス響の首席指揮者にロシアで最も若い指揮者として就任。1995年ザグレブの第1回ロブロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクールで優勝。それ以来、ウラル・フィルの芸術監督兼首席指揮者を務めている。その間、1997~1999年アメリカ・ロシア・ユースオーケストラの首席指揮者、1998~2003年ロシア・ナショナル響のアソシエイト・コンダクターにも就任。ロシア・ナショナル管、モスクワ・フィル、モスクワ放送響、サンクトペテルブルク・フィル、KBS響、ベルゲン・フィル、トロンハイム響、オランダ放送響、ハーグ・レジデンティ管などに招かれ、著名な音楽祭やホールにて共演を重ねている。

ウラル・フィルハーモニー管弦楽団は1936年創設。本拠はウラル山脈中央東麓のエカテリンブルク。1995年に指揮者ドミトリー・リスを迎えた。2010年にゲルギエフによりマリインスキー劇場に招かれ、西欧の国際音楽祭でも度々演奏。これまでロストロポーヴィチ、庄司紗矢香らと共演。

ロマンス第1番はヴァイオリンと管弦楽のための小曲で第2番と同様の小ロンド形式ですが、独奏楽器に重音奏法を求めるなど、技術的には高度であるが演奏が難しいわりには低音の旋律が華やかさを欠き、第2番の方が良く演奏されるようです。重音奏法が多い点から、管弦楽との組み合わせよりヴァイオリンソナタに編曲されて親しまれていいます。第2番(1798年頃)に比べ、第1番の方が後の作品(1802年頃)だが作品番号は前になっています。
短い曲ですがゆっくりとしたテンポのロマンチックな曲で、冒頭部はドイツ国歌になっているハイドンの弦楽四重奏曲77番「皇帝」の2楽章になんとなく似ていると思いました。
ドミトリー・リスは体を大きく使ったダイナミックな指揮で、特に腕の動きに躍動感が有りました。交響曲第7番の演奏終了後のブラボーは結構の人がやっていました。

■公演番号146(ホールC)
ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」組曲(1919年版)
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲

指揮 パスカル・ロフェ
演奏 フランス国立ロワール管弦楽団

パスカル・ロフェ(Pascal Rophe,1960年~ )はフランス、パリ生まれの指揮者。パリ国立高等音楽院を卒業し、1988年ブザンソン国際コンクールに優勝してデビュー。その後アンサンブル・アンテルコンタンポランで修行を積み、現代音楽の権威としての地位を確立。ダラピッコラ、デュティユー、デュサパンなどの作品もレコーディングして高い評価を得ている。パリ管、BBC 響、サンタ・チェチーリア管などに定期的に客演している。オペラでも、リヨン歌劇場、ジュネーブ歌劇場、ローマ歌劇場などで「ペレアスとメリザンド」「カルメル派修道女の対話」などを指揮している。

フランス国立ロワール管弦楽団(Orchestre National des Pays de la Loire)は仏文化省の音楽部監督であった作曲家のランドスキが1971年に創設。歴代の音楽監督にはデルヴォー、スダーンらがおり、2014年のシーズンからにパスカル・ロフェが同ポストに就任する予定。母国フランスの作曲家はもとよりチャイコフスキーやマーラー、ストラヴィンスキー等も得意としている。

フランス国立ロワール管弦楽団は若いメンバーが大半のオーケストラですが演奏は結構上手いと思いました。特に金管の音はパワーが有って良いように感じました。パスカル・ロフェは指揮棒を持たないが、オーソドックな指揮でした。ラヴェル:「ダフニスとクロエ」は自国の作曲家の作品なので堂に入った演奏で、最後のトッティーは盛り上がりました。
LFJ2017_3.jpg


インターネット・クラシックラジオ局OTTAVAのLFJ生放送中
LFJ2017_4.jpg


NHKのFM放送でも生放送中
LFJ2017_6.jpg


LFJ2017_5.jpg



オーケストラ・ランキング2017 [クラシック音楽鑑賞]

レコード芸術誌3月号にて、2008年以来9年ぶりにオーケストラ・ランキングが発表されました。

1位:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(250点)
2位:バイエルン放送交響楽団(201点)
3位:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(186点)
4位:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(177点)
5位:ドレスデン国立管弦楽団(シュターツカペレ)(112点)
6位:パリ管弦楽団(76点)
7位:シカゴ交響楽団(58点)
8位:ロンドン交響楽団(48点)
9位:マーラー室内管弦楽団(41点)
10位:ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(36点)
11位:ベルリン国立管弦楽団(35点)
12位:ボストン交響楽団(30点)
13位:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(29点)
13位:マリインスキー劇場管弦楽団(29点)
13位:ミラノ・スカラ座管弦楽団(29点)
 ・
 ・
37位:NHK交響楽団(6点)

前回と違うのは、40名だった音楽評論家のアンケート結果に対し、今回は30名と少なくなっていることです。
2管編成以上の常設のフル編成オーケストラで、自己の演奏の好みでなく、できるだけ客観的な基準に従がって評価することが条件です。
結果を見ますと、トップのベルリン・フィルは変わらず、前回4位だったバイエルン放送交響楽団が2位に、3位だったロイヤル・コンセルトヘボウは変わらず、2位だったウイーン・フィルが4位と順位を下げたことです。ドレスデン国立管(シュターツカペレ)が6位から5位に、パリ管が10位から6位にと大きくアップしました。また、10位以内にマーラー室内管とドイツ・カンマーフィルという歴史のあまり無い室内オーケストラが入ったことです。
上位の4位までが高得点を獲得しており他を引き離しています。2004年~2015年にロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者を務め、離れたマリス・ヤンソンスが2003年から首席指揮者を務めているバイエルン放送交響楽団が、日本の評論家の評価が高いのは、最近たびたび来日公演を行っている影響もあるのですかね?


以下参考

CNNのサイトで2015年3月に発表された「世界の偉大なオーケストラトップ10」
アメリカCNNのサイト内の投票による結果のようだが、なぜか10位に日本の東フィルが入っています。

1位:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2位:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
3位:ニューヨーク・フィルハーモニック
4位:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
5位:ロンドン交響楽団
6位:ドレスデン国立管弦楽団(シュターツカペレ)
7位:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
8位:サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団
9位:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
10位:東京フィルハーモニー交響楽団

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2016(2) [クラシック音楽鑑賞]

公演3日目の昨日5日に以下の公演を聴いて来ました。
LFJ2016_3.jpg


LFJ2016_7.jpg


今日は東京駅で降りて、丸ビル1階マルキューブで行われていた無料のコンサートを
聴いてから東京国際フォーラムに向かいました。

東京芸大の学生たちによるミニコンサート
LFJ2016_6.jpg


■公演番号312(ホールA)
モーツァルト:セレナード第13番 ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595
ピアノ 小林愛実
指揮 廖國敏[リオ・クォクマン]
演奏 シンフォニア・ヴァルソヴィア

廖國敏(Lio Kuokman)はマカオ出身の指揮者。ジュリアード音楽院に留学中、カーティス音楽学校とニューイングランド音楽院でも指揮を学んだ。2014年、スヴェトラーノフ指揮者コンクールで優勝。これまで、オタワ国立芸術センター管、ソウル・フィルなどを指揮。現在、名門フィラデルフィア管のアシスタント・コンダクターを務めている。

リオ・クォクマンは派手なオーバー・アクションを伴わない、オーソドックな指揮でした。
先のショパンコンクールで最終審査まで残り、惜しくも入賞を逃した小林愛美さんのモーツァルトのコンチェルトを聴くのは今回が初めてでした。
モーツァルトの最後のピアノ・コンチェルトとなった第27番は難易度としてはそんなに難しそうではなさそうですが、曲調が春をイメージした曲なので、のんびりとしたタッチで淡々と弾いた、と言う感じがしました。アンコールには彼女のお手の物であるショパンのノクターン20番遺作を弾いてくれました。

■公演番号313(ホールA)
ドヴォルザーク:序曲「自然の王国で」Op.91
ボロディン:交響詩「中央アジアの草原にて」
ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」
スメタナ:交響詩「モルダウ」(連作交響詩《わが祖国》から)

指揮 ドミトリー・リス
演奏 ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

「はげ山の一夜」でのウラル・フィルは本家のロシアのオケだけあって、金管楽器のチューバや打楽器のバスドラムのパワーのある演奏を楽しめました。



ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2016(1) [クラシック音楽鑑賞]

「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2016」は昨日の5月3日から5日までの3日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムをメイン会場として開催されています。

今年のテーマは「la nature (ナチュール)-自然と音楽」で、ルネサンスから現代まで500年にわたる音楽史の中から、季節、風景、動物、天体、自然現象など、さまざまな切り口から選曲しています。
LFJ2016_1.jpg
LFJ2016_2.jpg
LFJ2016_5.jpg

2日目の今日、以下の公演を聴いて来ました。

■公演番号245(ホールC)
シベリウス:劇音楽「テンペスト」Op.109
チャイコフスキー:交響幻想曲「テンペスト」Op.18
フィビヒ:交響詩「嵐」

指揮 ドミトリー・リス
演奏 ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

シェイクスピアの戯曲「テンペスト(嵐)」を基に書かれた3つの管弦楽曲で、暴風雨に襲われながら大海を進む船の姿を音楽化した3人の作曲家たちの作品の聴き比べです。
3曲とも標題音楽で嵐が襲ってきて、雷鳴が轟く描写がありました。

■公演番号215(ホールA)
ヴィヴァルディ/リヒター:「四季」のリコンポーズ
ヴァイオリン,指揮 庄司紗矢香
演奏 ポーランド室内管弦楽団

マックス・リヒター(Max Richter,1966年~)ロンドン在住のドイツ人作曲家。スコットランドのエジンバラ大学やロンドンの英国王立音楽院でピアノと作曲を学び、フィレンツェではイタリア人作曲家ルチアーノ・ベリオに師事した。その後、コンテンポラリー・クラシカル・アンサンブルPiano Circusを共同で結成し、そこで10年ほど活動、Decca/Argoから5枚のアルバムを残している。2002年にBBC交響楽団と共演したアルバム「Memoryhouse」でソロ・デビュー。2012年にはヴィヴァルディの「四季」を解体再構築した作品を発表して話題を呼びました。

マックス・リヒターは「四季」の原曲の楽譜を検討した結果、既存の音源を使うのではなく、音符単位でリメイクしたほうがと判断し、その結果、原曲の75%にあたる素材を捨て、残りの25%の素材に基づきながら新たに楽譜を書き下ろし、ヴァイオリン独奏と室内アンサンブルで演奏可能な”新作”を完成させました。編成はヴィヴァルディの原曲とやや異なり、弦楽五部(4型)とハープからなる室内アンサンブルに、ヴァイオリン独奏とモーグ・シンセサイザーが加わる形をとっているが、ライヴでの演奏時は演奏効果を高めるため、通奏低音のチェンバロが追加されます。

4年ぶりにL.F.Jに登場した庄司紗矢香はマックス・リヒターが“リコンポーズ”した、電子音楽と初のコラボレーションの21世紀のヴィヴァルディ「四季」を演奏しました。

「四季」は、もともと小編成用の室内楽曲ですが今回演奏したポーランド室内管弦楽団は20名余りから成るアンサンブルで、この曲を5000名を収容するホールAでの演奏は無理があり、違和感を感じました。しかし、庄司紗矢香の演奏は素晴らしく、クリアーな響きを伴ったいい演奏でした。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015(2) [クラシック音楽鑑賞]

4日の最終日公演に行ってきました。
LFJ2015_10.jpg

LFJ2015_5.jpg

LFJ2015_9.jpg

今日は時間に余裕が有ったので東京駅で降り、東京ビルTOKIAのガレリアで行われていたピアノ4手連弾の無料コンサートを見学後、以下の公演を聴いて来ました。

■公演番号314(ホールA)
チャイコフスキー:交響曲 第4番 ヘ短調 op.36
指揮 アジス・ショハキモフ
演奏 デュッセルドルフ交響楽団
LFJ2015_6.jpg

演奏は3日の公演番号212と同じショハキモフ指揮、デュッセルドルフ交響楽団の組み合わせでした。この曲は私の好きな曲の一つで、CDでは何回も聴いていますが、演奏会で聴くのは初めてでした。聴いた感想ですが、デュッセルドルフ響は冒頭からホルンが見事な音色の響きを放ち、さすがクラシックの本家本元だけあるなと感心した。特に終楽章のフィナーレはチューバをはじめ金管のパワーに圧倒されました。金管が弱点の日本のどこかの交響楽団とはパワーの点でも差があるな、と感じました。


■公演番号325(ホールB7)
C.P.E.バッハ:
・シンフォニア ト長調 Wq.182/1,H.657
・シンフォニア 変ロ長調 Wq.182/2,H.658
・チェンバロと2つのヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスのための協奏曲 ニ短調

チェンバロ独奏 鈴木優人
指揮 ロベルト・フォレス・ヴェセス
演奏 オーヴェルニュ室内管弦楽団

C.P.E.バッハのシンフォニア ト長調 Wq.182/1と変ロ長調 Wq.182/2は、6曲から成るハンブルク・シンフォニア(Hamburg Sinfonias)と言われている「6つのシフォニア」の第1番と第2番で59歳の1773年に作曲されたもの。

鈴木優人(Masato Suzuki,1981年~)はオランダ・デンハーグ生まれ。東京藝術大学作曲科卒業、同大学院古楽科にてオルガンを父・鈴木雅明に師事。2007年オランダ・ハーグ王立音楽院修士課程オルガン専攻を首席で修了。同年9月より同音楽院即興演奏科を栄誉賞付きで日本人として初めて修了。アムステルダム音楽院チェンバロ科にも学ぶ。現在、バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとして、また室内楽やチェンバロやオルガンソロなど国内外で演奏活動を展開している。

ロベルト・フォレス・ヴェセス(Roberto Fores Veses)はスペイン、バレンシア出身。ペスカーラ音楽院とシベリウス音楽院で指揮を学ぶ。2006年にオルヴィエート国際コンクール、2007年にスヴェトラーノフ国際指揮コンクールで優勝。2012年、オーヴェルニュ室内管弦楽団の音楽監督・芸術監督に就任。これまでリヨン国立管、プラハ・フィル、ミラノ響等を指揮。

オーヴェルニュ室内管弦楽団はフランスの中南部オーヴェルニュを拠点のする室内管弦楽団。1981年創設。歴代の音楽監督にはジャン=ジャック・カントロフ、アリ・ヴァン・ベークがいる。21名の優れた奏者から成り、バロックから現代まで幅広いレパートリーを誇る。欧州内外の国際音楽祭での演奏に加え、地元オーヴェルニュでの定期公演も好評を博している。これまでE.クリヴィヌ、B.ヘンドリックスらと共演。今シーズンにはI.ファウストやC.ポッペンらと共演予定。

ハイドンやベートーヴェンなどに大きな影響を与えた大バッハの次男、C.P.E.バッハは私の好きな作曲家の一人です。シンフォニアの20曲をはじめ、チェンバロ協奏曲など、とても多くの作品を作曲しました。

オーヴェルニュ室内管はVn×11、Va×4、Vc×4、Cbs×2、Cemb×1の22名の編成のようで、弦はほとんどがモダン楽器を使用しているようでしたが、ピリオド用の弓を使っているメンバーもいました。3曲目のニ短調はチェンバロ協奏曲に編曲されているらしく、ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスのソロパートは有りませんでした。チェンバロのソロを鈴木優人さんが務め、見事なテクニックを披露してくれました。アンコールにJ.S.バッハの平均率クラヴィーア曲集第1巻の第1曲を弾いてくれました。

地上広場の屋台
LFJ2015_11.jpg


ガラス棟ロビーギャラリーでの LFJトークサロンにて
ヴァイオリンニストの成田達輝氏のミニステージ
LFJ2015_7.jpg

ピアニストの本田聖嗣氏と成田達輝氏のトーク
LFJ2015_8.jpg

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015(1) [クラシック音楽鑑賞]

「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2015」は昨日の5月2日から4日まで東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催されています。今年のテーマは「PASSIONS(パシオン)」恋と祈りといのちの音楽です。2日目の今日、以下の公演を聴いて来ました。
LFJ2015_1.jpg

LFJ2015_2.jpg


■公演番号212(ホールA)
マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調より 第4楽章 アダージェット
ワーグナー:オペラ《ローエングリン》より 第1幕前奏曲、第3幕前奏曲
ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》より 前奏曲とイゾルデの愛の死
指揮 アジス・ショハキモフ
演奏 デュッセルドルフ交響楽団

マーラーの交響曲 第5番第4楽章アダージェットは10分ほどの楽章で、弦楽器とハープだけで演奏する非常にゆっくりとしたテンポの美しい曲であることから、別名「愛の楽章」とも呼ばれており、映画『ベニスに死す』で使われたことで有名。

アジス・ショハキモフ(1988年~)ウズベキスタン生の指揮者。13歳でウズベク国立響にてデビュー。マーラー国際指揮者コンクール2位。ドレスデン・シュターツカペルやブレーメン・カンマーフィル、コムナーレ劇場フィル、シンフォニア・ヴァルソヴィア、ローザンヌ室内響等と共演。交響曲だけでなくオペラも得意とし、受賞も多数。

デュッセルドルフ交響楽団(Düsseldorfer Symphoniker)は1818年創立の市音楽協会をルーツとし、メンデルスゾーンとシューマンがかつて音楽総監督を務め、ドイツで2番目に古い市民オーケストラでもある。20世紀に入ってからはE.フィッシャーやホロヴィッツがソリストとして出演、R.シュトラウスが指揮となり、2009年にアンドレイ・ボレイコが音楽総監督に就任。共演には他にも、エッシェンバッハ、バレンボイム、ヤルヴィ、シャイー、ブッフビンダーらが名を連ねている。デュッセルドルフ・トーンハレのレジデント・オーケストラ

デュッセルドルフ交響楽団を始めて聴いたが、第1ヴァイオリンに坂口双葉、Sakuko Hayashi 、Tadako Okabeの日本人奏者をはじめ、第2ヴァイオリンやコントラ・バスなどに東洋系女性奏者が計6、7名いるようだった。3曲ともテーマの「愛のパシオン」通り、美しいメロディーのテンポのゆったりとした曲だった。

■公演番号213(ホールA)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61
独奏 オリヴィエ・シャルリエ
指揮 ロベルト・トレヴィーノ
演奏 シンフォニア・ヴァルソヴィア

オリヴィエ・シャルリエ(Olivier Charlier,1961年2月~)は、フランスのヴァイオリニスト。10歳からパリ音楽院でジャン・フルニエに師事し、また、ユーディ・メニューイン、ヘンリク・シェリング、ナディア・ブーランジェに師事した。1978年、ミュンヘン国際音楽コンクール(第3位)、1979年、モントリオール国際コンクール、1980年、シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール、1981年、ロン=ティボー国際コンクール(第2位)、エネスコ・コンクール、1982年、インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクール(第4位)に出場、入賞を果たした。世界各国の著名なオーケストラと共演し、レコーディングも数多い。日本では読売日本交響楽団、新星日本交響楽団などと共演した。1981年、パリ音楽院の室内楽クラスの助手となり、1992年からヴァイオリン科の教授を務め、ロン=ティボー国際コンクールなどで審査員を務めている。

ロベルト・トレヴィーノ(Robert Trevino,1983年~)20歳の2003年にシンシナティ交響楽団のアソシエート・コンダクターとしてプロデビュ。2009~11年にニューヨーク・シティ・オペラでアソシエート・コンダクターならびに客演指揮者を務め、モーツァルトからバーンスタイン、世界初演作品まで数々のオペラを指揮。2011年、タングルウッド音楽祭にてレヴァインより小澤征爾フェロー賞に選出。ボストン響、ロサンジェルス・フィル等に客演している。

シンフォニア・ヴァルソヴィアはポーランド・ワルシャワに本拠地があるオーケストラである。1984年、ポーランド室内管を前身に、メニューインにより設立された。これまでアバド、デュトワ、アルゲリッチ、ルプー、シフ、ドミンゴ、ラローチャ、クレーメル、ムターらと共演。現芸術監督はK.ペンデレツキ。2010年の「LFJワルシャワ」発足にも貢献。昨2014年、楽団創設30年を迎えた。

演奏予定のソロ奏者のオーギュスタン・デュメイが一時的な肩の痛みにより、長時間の演奏ができないと言うことで、急遽、同じフランス人のオリヴィエ・シャルリエに変わった。シャルリエは事前の練習が十分できなかったのか、出だしは弓使いが悪く、変な雑音も聞こえたが、曲が進むにつれて良くなってきた。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2014(2) [クラシック音楽鑑賞]

一昨日に続き5日の最終日公演に行ってきました。
lfj2014_3.jpg

lfj2014_4.jpg


■公演番号312(ホールA)
バーバー:弦楽のためのアダージョ Op.11
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調
ボリス・ベレゾフスキー(P)
ジャン=ジャック・カントロフ(指揮) シンフォニア・ヴァルソヴィア

ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky,1969年1月~)はモスクワ出身のロシアのピアニスト。モスクワ音楽院卒。1990年チャイコフスキー国際コンクール優勝。超絶技巧と力強さ、独自の洞察力と豊かな感性を兼ね備えた才能あふれる音楽家として高い評価を得ている。ミュンヘン・フィル、ニューヨーク・フィル、ロンドン・フィル等世界的オーケストラと度々共演。

ジャン=ジャック・カントロフ(Jean-Jacques Kantorow,1945年10月~)アルメニア系ロシア人の両親の下にカンヌ生まれのヴァイオリン奏者、指揮者。パリ国立高等音楽院卒。デビュー直前にグールドより演奏を大絶賛されたエピソードは有名。パガニーニ国際、ジュネーヴ国際コンクール覇者。タピオラ・シンフォニエッタの芸術監督、グラナダ市管弦楽団の音楽監督、ローザンヌ室内管弦楽団の首席客演指揮者等を経験。

シンフォニア・ヴァルソヴィアはポーランド・ワルシャワに本拠地があるオーケストラである。 1984年にユーディ・メニューインがポーランド室内響をもとに設立。アバド、デュトワ、アルゲリッチ、ゴールウェイ、ルプー、クレーメル、ロストロポーヴィチらと共演。97年にペンデレツキを音楽監督に迎え(03年~芸術監督)、08年にミンコフスキが音楽監督に就任。

サミュエル・バーバーの「弦楽のためのアダージョ」は弦楽四重奏第1番の2楽章から自身が編曲したもので、哀れみ深い曲調から、故ケネディ大統領の葬儀の際や、9.11の慰霊祭、阪神神戸震災時の追悼曲として知られている。重々しいが、とても美しい旋律を持つこの曲が益々好きになった。

ベレゾフスキーとカントロフ、シンフォニア・ヴァルソヴィアの組み合わせで演奏を聴くのは2012年のL.F.Jでのチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番以来2年振りであった。
大柄の身体のベレゾフスキーは、今回も決して手を抜かないエネルギッシュな演奏を聴かせてくれた。

■公演番号343(ホールC)
モーツァルト:
・ディヴェルティメントニ長調K.136
・ピアノ協奏曲第9番変ホ長調「ジュノム」
アンヌ・ケフェレック(P)
ジョシュア・タン(指揮)横浜シンフォニエッタ

アンヌ・ケフェレック(Anne Queffélec, 1948年1月~ )は、パリ生まれのフランスのピアニスト。5歳でピアノの演奏を始め、1964年にパリ音楽院に入学。1965年にピアノで、1966年には室内楽でそれぞれプルミエ・プリ(1等賞)をとる。その後、パウル・バドゥラ=スコダ、イェルク・デームス、アルフレート・ブレンデルに師事し、1968年にはミュンヘン国際音楽コンクールで優勝した。それ以後も、国際舞台の中心で演奏をつづけ、経歴を重ねる。ソロのコンサート・ピアニストとして有名であるばかりではなく、室内楽の分野でもよく知られている。

ジョシュア・タン(Joshua Kangming Tan,1976年~)はシンガポールの指揮者。北京NCPA オーケストラのレジデント・コンダクターを経て、現在、貴陽交響楽団アシスタント・ディレクターとシンガポール交響楽団アソシエート・コンダクターを兼任。2008年ミトロプーロス国際指揮者コンクール第2位入賞を果たし、近年カーネギーホールや上海、台湾でのデビューを機に国際舞台へと躍り出た。ジュリアード音楽院で学び、同院の学生では初めてのチャールズ・シフ賞を受賞。デプリースト、デュトワ、ジンマン、マズアらに師事し、シンガポール響、ジュリアード管、サンクトペテルブルク響、上海響、ボン・ベートーヴェン管などを指揮している。

横浜シンフォニエッタ(Yokohama Sinfonietta)は1998年にTOMATOフィルハーモニー管弦楽団として東京藝術大学学内にて創立された。学内外での演奏が評判を呼び、後に横浜シンフォニエッタへと改称、横浜に活動拠点を置くプロフェッショナルオーケストラに転身した。以来国内外で演奏活動を展開し、13年2月には ラ・フォル・ジュルネ発祥の地、仏ナントに日本の楽団として初めて招聘され7公演を行い、「フランスのオーケストラよりもフランスのサウンドがする」と絶賛された。CDリリースも多数、テレビ出演をはじめメディアにも度々取り上げられるなど、世界の最先端を行くイノベーション・オーケストラとして注目を集め、13年にはその功績を高く評価され横浜文化賞文化・芸術奨励賞を受賞。創立当初より音楽監督に山田和樹、13年より首席指揮者に鈴木優人を擁する。

ケフェレックの演奏を聴くのは、去年のL.F.Jでのサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番に続いて2回目でした。美貌の持ち主の彼女は小柄で高齢にもかかわらず、モーツァルトが21歳の時に作曲した第9番の協奏曲をしっかりしたタッチで丁寧に弾いていた。モーツァルトの時代のピアノはフォルテ・ピアノだったろうが今回使用していたのはスタインウエーのフルコンサート用ではなく中型のピアノであった。3楽章でVaの人が弓を落としてしまい、少し興ざめしたが、初めて聞いた横浜シンフォニエッタは弦の演奏がうまいと感じた。アンコールには彼女の得意とするフランスの作曲家のサティを演奏してくれた。

lfj2014_6.jpg


アーティスティック・ディレクターのルネ・マルタン氏によるクラシック・ソムリエ・トーク
lfj2014_7.jpg


ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2014(1) [クラシック音楽鑑賞]

今年で節目の10回目の開催になる「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2014」は3日から5日まで東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催されています。今年は10回目を記念して今までに取り上げられたテーマ作曲家10人が取り上げられています。
私は第2回目から毎年通っていますが、今日3日には以下の公演を聴いて来ました。
lfj2014_1.jpg

lfj2014_2.jpg


■公演番号142(ホールC)
・ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調「英雄」
小泉和裕(指揮) 東京都交響楽団

小泉和裕(1949年10月~ )は、京都府京都市生まれの指揮者。堀川高等学校音楽科(現京都市立京都堀川音楽高等学校)卒業。東京芸術大学指揮科で山田一雄に師事。1970年、第2回民音指揮者コンクール第1位。72年10月ベルリンのホッホシューレに入学、ラーベンシュタイン教授にオペラ指揮法を師事。73年夏、ボストンのタングルウッド音楽祭に参加。同年11月には、第3回カラヤン国際指揮者コンクールに第1位受賞、その後ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してベルリン・デビューを飾った。75年3月には、ベルリン・フィルの定期演奏会に出演。76年1月には、フランス国立管弦楽団を指揮し、ルービンシュタイン、ロストロポーヴィチとも協演。同年8月、ザルツブルク音楽祭にて、ウィーン・フィルを指揮(当時の最年少記録)。現在、九州交響楽団(音楽監督・首席指揮者 2013~ )、東京都交響楽団(レジデント・コンダクター2008年~2014年、終身名誉指揮者2014年~)、日本センチュリー交響楽団(音楽監督 2008年~)、 岡山フィルハーモニック管弦楽団(音楽アドバイザー 2004年~)、仙台フィルハーモニー管弦楽団(首席客演指揮者 2006年~)などを兼任している。

小泉和裕と東京都交響楽団の組み合わせの演奏を生で聴くのは去年のベルリーオズの幻想交響曲以来2回目でした。小泉のエロイカは相変わらず譜面台を置かず、暗譜での指揮で、要所では動きが大きくなり、適確に指示を出す正統派の指揮であった。演奏は、金管が心もとない箇所が有ったが、全体的には良い演奏だった。

■公演番号123(ホールB7)
ベートーヴェン:
・弦楽四重奏曲第11番ヘ短調「セリオーソ」
・弦楽四重奏曲第7番ヘ長調「ラズモフスキー第1番」
プラジャーク弦楽四重奏団

プラジャーク弦楽四重奏団(Prazak Quartet)はメンバーがまだプラハ音楽院の学生であった1972年に結成された。1974年のチェコ音楽年にプラハ音楽院室内楽コンクールで第1位を獲得。1975年プラハの春音楽祭で演奏を行って国際的なキャリアを踏み出した。そして1978年にはエヴィアン弦楽四重奏コンクールで第1位に輝き、同時にコンクール中の最優秀録音に授与されるラジオ・フランスの特別賞も獲得。ヨーロッパ音楽界の主要都市であるプラハ、パリ、アムステルダム、ブリュッセル、ミラノ、マドリード、ロンドン、ベルリン、ミュンヒェンなどで公演を重ねるほか、幾多の国際的なフェスティバルに招聘されては、メナヘム・プレスラー、ヨゼフ・スークといった第一級の演奏家たちと共演している。

プラジャーク弦楽四重奏団の演奏はPraga Digitalsレーベルのモーツァルトのピアノ協奏曲の室内楽編成版とメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲を手持ちのSACDで聴いたことが有ったが、四重奏団の単独の演奏を生で聴くのは初めてであった。席は前から2列目のほぼセンターの位置で小編成の室内楽では絶好の位置で演奏を愉しめた。一曲目のセリオーソは4人の息がもう一つ合ってない演奏のように感じたが、ラズモフスキー第1番では息が合い、演奏も良くなった。
Prazak Quartet_4.jpg


帰りは着替えて、皇居経由新宿までジョギングしました。
lfj2014_5.jpg



ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013(2) [クラシック音楽鑑賞]

昨日に続いて有料公演の第3日目の今日、公演番号312のベルリオーズの幻想交響曲と公演番号343のドビュシー、ラヴェルの作品を聴いて来ました。

lfj2013_5.jpg

lfj2013_6.jpg

■公演番号312(ホールA)
・ベルリオーズ:幻想交響曲Op.14
小泉和裕(指揮) 東京都交響楽団

小泉和裕(1949年10月~ )は、京都府京都市生まれの指揮者。堀川高等学校音楽科(現京都市立京都堀川音楽高等学校)卒業。東京芸術大学指揮科で山田一雄に師事。1970年、第2回民音指揮者コンクール第1位。72年10月ベルリンのホッホシューレに入学、ラーベンシュタイン教授にオペラ指揮法を師事。73年夏、ボストンのタングルウッド音楽祭に参加。同年11月には、第3回カラヤン国際指揮者コンクールに第1位受賞、その後ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してベルリン・デビューを飾った。75年3月には、ベルリン・フィルの定期演奏会に出演。76年1月には、フランス国立管弦楽団を指揮し、ルービンシュタイン、ロストロポーヴィチとも協演。同年8月、ザルツブルク音楽祭にて、ウィーン・フィルを指揮(当時の最年少記録)。現在、九州交響楽団(音楽監督・首席指揮者 2013~ )、東京都交響楽団(レジデント・コンダクター 2008年~)、日本センチュリー交響楽団(音楽監督 2008年~)、 岡山フィルハーモニック管弦楽団(音楽アドバイザー 2004年~)、仙台フィルハーモニー管弦楽団(首席客演指揮者 2006年~)などを兼任している。

幻想交響曲はベルリオーズ自身の失恋体験を告白することを意図した標題音楽であり、5楽章からなっています。第1楽章「夢と情熱」の導入部ではコントラバスの重厚な響きが印象に残りました。第2楽章「舞踏会」では2台のハープがワルツの中で華やかな彩りを添えていました。3楽章「野の風景」ではオーボエの一種であるコーラングレとオーボエの掛け合いがのどかな響きを聞かせていました。第4楽章「断頭台への行進」では打楽器、特にティンパニとコントラバスの響きが印象に残りました。第5楽章「ワルブルギス夜の夢」では大太鼓、ティンパニを含めた全楽器が大音量で演奏し、終盤は盛り上がりました。
指揮者の小泉和裕さんの指揮は初めて見ましたが、譜面を見ずに暗譜での指揮ぶりは、そんなにオーバーアクションではなく、全身を使った、良い指揮をしているなと感じました。

■公演番号343(ホールC)
・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
・ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
・ドビュッシー:海

パスカル・ロフェ(指揮) フランス国立ロワール管弦楽団

パスカル・ロフェ(Pascal Rophe,1960年~ )はフランス、パリ生まれの指揮者。パリ国立高等音楽院を卒業し、1988年ブザンソン国際コンクールに優勝してデビュー。その後アンサンブル・アンテルコンタンポランで修行を積み、現代音楽の権威としての地位を確立。ダラピッコラ、デュティユー、デュサパンなどの作品もレコーディングして高い評価を得ている。パリ管、BBC 響、サンタ・チェチーリア管などに定期的に客演している。オペラでも、リヨン歌劇場、ジュネーヴ歌劇場、ローマ歌劇場などで《ペレアスとメリザンド》《カルメル派修道女の対話》などを指揮している。2009/10年のシーズンにはアイルランド国立交響楽団、ソウル・フィルハーモニック、BBCウェールズ交響楽団、NHK交響楽団を指揮した。
Pascal Rophe_2.jpg


フランス国立ロワール管弦楽団(Orchestre National des Pays de la Loire)は仏文化省の音楽部監督であった作曲家のランドスキが1971年に創設。歴代の音楽監督にはデルヴォー、スダーンらがおり、2014年のシーズンからにパスカル・ロフェが同ポストに就任する予定。母国フランスの作曲家はもとよりチャイコフスキーやマーラー、ストラヴィンスキー等も得意としている。
Orchestre National des Pays de la Loire_1.jpg


フランスの作曲家の曲の演奏を地元の演奏家がやると全体的に柔らかな音になる、という印象を受けました。「牧神の午後への前奏曲」は昨日にラムルー管弦楽団の演奏でも聴きましたが、中編成の楽器編成でフルート、ハープの演奏が夏の昼下がりのけだるさを、うまく表現していました。
「高雅で感傷的なワルツ」では弦楽器の編成が増し、打楽器も演奏に参加しました。
最後の「海」ではさらに弦楽器、打楽器、バスーンなどの木管楽器も増員され大編成の楽器編成になり、終楽章の「風と海との対話」ではトランペットなど金管も加わり、疾風怒濤を表現したクライマックスで終わりました。


ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013(1) [クラシック音楽鑑賞]

今年で9回目を迎えた「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」の今回のテーマは「パリ、至福の時」。
19世紀後半から現代まで、パリを舞台に活躍したフランスとスペインの作曲家による名曲が演奏されます。

有料公演の第2日目、5月4日に公演番号212のドビュッシー、サン=サーンスなどの作品4つと公演番号213のデュカス、サン=サーンスを聴いて来ました。
lfj2013_2.jpg

lfj2013_1.jpg

lfj2013_3.jpg

lfj2013_4.jpg

■公演番号212(ホールA)
・サティ(ドビュッシー編):ジムノペディ1番、第3番(オーケストラ版)
・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
・サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.22
・ヒメネス:《ルイス・アロンソの結婚式》より間奏曲(カスタネットとオーケストラのための)
アンヌ・ケフェレック(P)
ルセロ・テナ(カスタネット)
フェイサル・カルイ(指揮) ラムルー管弦楽団

アンヌ・ケフェレック(Anne Queffélec, 1948年1月~ )は、パリ生まれのフランスのピアニスト。5歳でピアノの演奏を始め、1964年にパリ音楽院に入学。1965年にピアノで、1966年には室内楽でそれぞれプルミエ・プリ(1等賞)をとる。その後、パウル・バドゥラ=スコダ、イェルク・デームス、アルフレート・ブレンデルに師事し、1968年にはミュンヘン国際音楽コンクールで優勝した。それ以後も、国際舞台の中心で演奏をつづけ、経歴を重ねる。ソロのコンサート・ピアニストとして有名であるばかりではなく、室内楽の分野でもよく知られている。
Anne Queffélec_1.jpg


フェイサル・カルイ(Fayçal Karoui,1971年~)はフランスの指揮者。トゥールーズ・キャピトル管弦樂団でプラッソンの助手を務める。2002年にベアルン地方ポー管弦樂団の音楽監督に就任。同団の演奏技術の向上とレパートリーの拡大に成功し、定期会員を目覚ましく増大させた。2011年からコンセール・ラムルーの首席指揮者を務め、2006年から2012年までニューヨーク・シティ・バレエ管弦樂団の音楽監督も兼任した。
Fayçal Karoui_1.jpg


コンセール・ラムルー(Concerts Lamoureux)は、パリの民営のオーケストラ。ラムルー管弦楽団(Orchestre Lamoureux)とも呼ぶ。1881年、ヴァイオリン奏者で指揮者のシャルル・ラムルー(Charles Lamoureux)により設立された。コンセール・パドルー、コンセール・コロンヌと並ぶ、パリ3大民間オーケストラの一つである。1993年から2010年まで佐渡裕が首席指揮者を務めた。2011年からはフェイサル・カルイが首席指揮者を務めている。
Concerts Lamoureux_1.jpg


LFJとしては曲目数の多い(4曲)の演奏で1時間弱の公演時間でした。最初のサティは初めて聞きましたが、ジムノペディ1番、第3番ともゆったりとしたテンポの曲でオーボエをメインとしてハープの演奏が入るなかなか良い、小編成のオーケストラ版(ドビュッシー編)の曲でした。
牧神の午後への前奏曲はフルート3本、ハープ2台の演奏を表に出した曲でフルートの柔らかな響きが印象に残りました。ピアノ協奏曲第2番は今年65歳を迎えたケフェレックですが、衰えの見えない力強いキータッチのパワフルな演奏でした。特にスタンウェーの高域の柔らかな響きが印象に残りました。ヒメネスの《ルイス・アロンソの結婚式》より間奏曲ですが、カスタネットがオーケストラと一体になる楽器とは思っていませんでしたが、協奏曲として立派に成立していました。

■公演番号213(ホールA)
・デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」
・サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調Op.78「オルガン付」
川瀬賢太郎(指揮) 読売日本交響楽団

川瀬賢太郎(1984年~)東京生まれ。私立八王子高等学校芸術コースを経て、2007年東京音楽大学音楽学部音楽学科作曲指揮専攻(指揮)を卒業。これまでに、ピアノ及びスコアリーディングを島田玲子氏に、指揮を広上淳一、汐澤安彦、チョン・ミョンフン、アーリル・レンメライトの各氏に師事。2006年10月に行なわれた東京国際音楽コンクール〈指揮〉において1位なしの2位(最高位)に入賞し、2007年3月には入賞者デビューコンサートで神奈川フィルハーモニー管弦楽団および大阪センチュリー交響楽団を指揮。2011年4月より名古屋フィルハーモニー交響楽団の指揮者に就任。
人気テレビドラマ「のだめカンタービレ」の指揮指導を務めた。

「魔法使いの弟子」ではオーケストラの演奏がなんとなくぎこちなく、全体的に硬い響きの演奏でした。特に高域弦、金管の響きが固く感じました。前から10列目のほぼセンターの席でしたので直接音が多く、残響音があまり感じられなかったのも影響していると思います。
交響曲第3番では大編成のオーケストレーションになり、響きは少し柔らかくなりました。
オルガン付と言うことで、本物のオルガンが無いホールでどうするのか興味が有りましたが、電子式オルガンを使用し、結構本物に近い音がして、低音域もしっかり出ていました。若手の指揮者の川瀬賢太郎さんは動きの大きいダイナミックな指揮で、終盤は盛り上がった演奏になりました

東京都交響楽団プレミアムコンサート [クラシック音楽鑑賞]

本日、武蔵野市民文化会館で行われた東京都交響楽団プレミアムコンサート武蔵野公演を聴きに行ってきました。
この催し物は東京都と東京都歴史文化財団が中心になり実施している「東京文化発信プロジェクト」の一つで、無料で1,100名が招待されるクラシックのコンサートです。弟が応募してくれて、一緒に聴いて来ました。

指揮は大ブームとなったドラマ「のだめカンタービレ」に、指揮指導及び演奏で参加し注目を集めた梅田俊明さんでした。曲目は誰でも知っているポピュラーな曲の抜粋でした。

以下演奏曲
E.エルガー:行進曲「威風堂々」第1番
福島頼秀編曲:イギリス田園の歌メドレー
・アニーローリー、スコットランドの釣鐘草、蛍の光など
ボロディン:歌劇「イーゴリ公」より<ダッタン人の踊り>
ポンキエッリ:歌劇「ラ・ジョコンダ」より<時の踊り>
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」より<凱旋の場>

早めに行ったので席は前から2列目の指揮者の真ん前のセンターの席を取ることができましたが、音響的にはあまりいい席ではなく、楽器からの直接音がほとんどで、残響音がほとんど聞けない席でした。
しかし、高域弦の高域の繊細な響き、コントラバスの低音の豊かな響きをすぐ近くで感じ取ることができました。
演奏では「ダッタン人の踊り」は合唱を伴う、ダイナミックレンジのとても大きな演奏で、ティンパニーの音が腹にずしんと応えました。又、「アイーダ」の<凱旋の場>では普通のトランペットの2倍ほどのあるファンファーレの演奏に良く使う、アイーダ・トランペットを2本ずつ左右両翼に配し、戦争の勝利を祝う高らかな響きも良かったです。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012(2) [クラシック音楽鑑賞]

L.F.J有料公演の第2日目、5月4日に公演番号225のチャイコフスキー、ラフマニノフ
の作品と公演番号215のショスタコーヴィチを聴いて来ました。
ラ・フォル・ジュルネ_4.jpg

■公演番号225
・チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 op.33
 エドガー・モロー (チェロ)
 アレクサンドル・ルーディン(指揮) ムジカ・ヴィーヴァ
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番 ト短調 op.40
 アレクセイ・ヴォロディン(ピアノ)
 アレクサンドル・ルーディン(指揮) ムジカ・ヴィーヴァ

エドガー・モロー(1994年~)フランスのチェロ奏者。17歳の若さで昨年の2011年第14回チャイコフスキー・コンクール2位および現代作品最優秀演奏者賞。パリ国立高等音楽院にてP.ミュレールに師事。ブルネロ、ビルスマ、ゲリンガスらのマスタークラスを受講。ヴェルヴィエ音楽祭アカデミーにも参加している。

アレクセイ・ヴォロディン(Alexei Volodin,1977年~)ロシアのピアニスト。サンクトペテルブルク生まれ。超絶技巧と優れた楽曲解釈、美しい響きが特徴。グネーシン音楽大学、モスクワ音楽院で学ぶ。2003年スイスの第9回ゲーザ・アンダ国際コンクール優勝。2011年ルツェルン音楽祭デビュー。 ゲルギエフ一押しのソリストとして世界の桧舞台で活躍中。

会場がB7で、演奏会専用ホールで無く、講演会などでも使用されるスロープの無い、音響効果があまり考慮されていない会場だったので、残響が少なく、いわゆるホールトーンは、ほとんど無かった。しかし、ピアノの音は残響が多すぎると濁ると言われているので、そういう点からすると良かったのかもしれない。
チャイコフスキーのロココ風の主題による変奏曲は、ゆっくりとしたテンポの出だしからエドガー・モローのチェロは高域の繊細な音をしっとりと鳴らす演奏で、終盤になってテンポは速くなり彼のうまさが垣間見えた。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番のヴォロディンの演奏は、前日のベレゾフスキーを聴いた後なのでもうひとつであった。技巧的には優れているが、もう少し感情の入った、盛り上がった演奏をしてほしかった。3楽章では打楽器で小太鼓、トライアングル、タンバリンなどが登場するが、ムジカ・ヴィーヴァでは打楽器奏者のメンバーが足りないのか、日本人の助っ人と思われる男女各1名がその演奏に参加していた。

■公演番号215  
・ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op.77
 庄司紗矢香 (ヴァイオリン)
 ドミトリー・リス(指揮) ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

ドミトリー・リス(Dmitri Liss 1960年~)旧ソヴィエト生まれ。モスクワ音楽院で、モスクワ・フィルの音楽監督であったD.キタエンコに学び、彼のアシスタント・コンダクターとして指揮者のキャリアをスタートさせる。1984年卒業後、クズバス響の首席指揮者にロシアで最も若い指揮者として就任。1995年ザグレブの第1回ロブロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクールで優勝。それ以来、ウラル・フィルの芸術監督兼首席指揮者を務めている。その間、1997~1999年アメリカ・ロシア・ユースオーケストラの首席指揮者、1998~2003年ロシア・ナショナル響のアソシエイト・コンダクターにも就任。ロシア・ナショナル管、モスクワ・フィル、モスクワ放送響、サンクトペテルブルク・フィル、KBS響、ベルゲン・フィル、トロンハイム響、オランダ放送響、ハーグ・レジデンティ管などに招かれ、著名な音楽祭やホールにて共演を重ねている。

ウラル・フィルハーモニー管弦楽団は1936年創設。本拠はウラル山脈中央東麓のエカテリンブルク。95年に指揮者ドミトリー・リスを迎えた。2010年にゲルギエフによりマリインスキー劇場に招かれ、西欧の国際音楽祭でも度々演奏。これまでロストロポーヴィチ、庄司紗矢香らと共演。

ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番は4楽章まであり、全体に神経質な緊張感と苦悩に満ちた短調のこの曲は、タンブリン、タムタム(どら)、シロフォン、チェレスタ、ハープなども使用され、曲の長さ・内容・オーケストレーションとも大規模であり、交響曲に匹敵すると言われている。
ショスタコーヴィチの協奏曲第1番は庄司紗矢香、リスとウラル・フィルの組み合わせで昨年8月に録音し、CDとして発売されており、庄司にとってはお手のものであり、かなり弾きこなしている感じがした。3楽章のカデンツァでは庄司の本領が発揮された演奏だったが、息を殺したような静寂の中ソロのVnの響きを聴衆の咳をする雑音が、かき乱したのが残念であった。全体的には庄司が操る1715年製ストラディヴァリウス「ヨアヒム」は良く鳴っており、音に透明感があり、印象的であった。

ラ・フォル・ジュルネ_5.jpg


ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012(1) [クラシック音楽鑑賞]

有料公演の第1日目、5月3日に公演番号146のプロコフィエフの作品2つと公演番号116のグリンカ、チャイコフスキーを聴いて来ました。

ラ・フォル・ジュルネ_1.jpg


■公演番号146
・プロコフィエフ:交響曲第1番 「古典」
  アレクサンドル・ルーディン(指揮) ムジカ・ヴィーヴァ
・プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番
  竹澤恭子 (ヴァイオリン)
  アレクサンドル・ルーディン(指揮) ムジカ・ヴィーヴァ

竹澤恭子(1966年10月~)3歳よりヴァイオリンを始め、山村晶一、小林健次両氏に師事。ジュリアード音楽院卒。桐朋女子高校音楽科在学中に第51回日本音楽コンクール第1位、1986年第2回インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクール優勝。マズア、メータ、デュトワ、小澤征爾、ニューヨーク・フィル、ボストン交響楽団、シカゴ交響楽団、ゲヴァントハウス管弦楽団、コンセルトヘボウ管弦楽団等と共演。パリ在住。

アレクサンドル・ルーディン(Alexander Rudin,1960年~)ロシア生まれのチェロ奏者、指揮者、編曲者、教育者として活躍。グネーシン音楽学校・モスクワ音楽院卒。バッハ国際、カサド国際優勝。チャイコフスキー国際コンクール第2位。ムジカ・ヴィーヴァと共に知られざる作品の演奏に取り組み、ペルトを始め現代作曲家からの信頼も篤い。

ムジカ・ヴィーヴァは20年以上の歴史を誇るモスクワの室内オーケストラ。バッハ以降の広いレパートリーの内、特にグリンカやアリャビエフ等ロシア系を得意とする。2000年よりムジカ・ヴィーヴァ国際室内楽音楽祭「Dedication」をトレチャコフ・ギャラリーで開催している。

プロコフィエフの古典交響曲は久しぶりに聞いたが、ハイドンを意識して作曲されたこの曲はムジカ・ヴィーヴァのような編成が小編成のオーケストラ(1stVn7,2ndVn6,Va6,Vc4,Cbs3)
には合っているのだろう。曲のせいか、全体的にはあまりメリハリのない、こじんまりとした演奏であった。Vnパートには女性が多く、コン・ミスをはじめ美人のバイオリンニストが多かった。
プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番は、初めて聞いたがなかなか良い曲であった。
2楽章は哀愁に満ちた何とも物悲しいVnソロの奏でる響きが美しかった。3楽章の最後の盛り上がりは竹澤のテクニックがさえ渡った。演奏中、弓の毛が2回も切れる熱演であった。

ラ・フォル・ジュルネ_2.jpg


■公演番号116
・グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲
  ジャン=ジャック・カントロフ(指揮) シンフォニア・ヴァルソヴィア
・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番 ト長調 op.44
 ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)
 ジャン=ジャック・カントロフ(指揮) シンフォニア・ヴァルソヴィア

ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky,1969年1月~)はモスクワ出身のロシアのピアニスト。モスクワ音楽院卒。1990年チャイコフスキー国際コンクール優勝。超絶技巧と力強さ、独自の洞察力と豊かな感性を兼ね備えた才能あふれる音楽家として高い評価を得ている。ミュンヘン・フィル、ニューヨーク・フィル、ロンドン・フィル等世界的オーケストラと度々共演。

ジャン=ジャック・カントロフ(Jean-Jacques Kantorow,1945年10月~)アルメニア系ロシア人の両親の下にカンヌ生まれのヴァイオリン奏者、指揮者。パリ国立高等音楽院卒。デビュー直前にグールドより演奏を大絶賛されたエピソードは有名。パガニーニ国際、ジュネーヴ国際コンクール覇者。タピオラ・シンフォニエッタの芸術監督、グラナダ市管弦楽団の音楽監督、ローザンヌ室内管弦楽団の首席客演指揮者等を経験。

シンフォニア・ヴァルソヴィアはポーランド・ワルシャワに本拠地があるオーケストラである。 1984年にユーディ・メニューインがポーランド室内響をもとに設立。アバド、デュトワ、アルゲリッチ、ゴールウェイ、ルプー、クレーメル、ロストロポーヴィチらと共演。97年にペンデレツキを音楽監督に迎え(03年~芸術監督)、08年にミンコフスキが音楽監督に就任。

シンフォニア・ヴァルソヴィアは大編成のオーケストラ(1stVn10,2ndVn10,Va10,Vc10,Cbs6)
のためダイナミックレンジのとても大きな演奏であった。東欧のオーケストラの特徴である金管の響きが良く、良く鳴っていた。

グリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲は、かなりテンポの速い小気味良い演奏であった。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番はベレゾフスキーのテクニックが冴えわたった素晴らしいエネルギッシュな演奏で感激した。チャイコフスキー国際コンクールで優勝した実力をいかんなく発揮していた。
2楽章のソロのコンマスのVnとソロのチェロの掛け合いが変わっていて、演奏も良く感じた。最後の3楽章はベレゾフスキーの指捌きが冴えわたった演奏であった。演奏が終わるなり、「ブラヴォー」を叫んだ人はかなりいた。

ラ・フォル・ジュルネ_3.jpg

日本のオーケストラの実力は? [クラシック音楽鑑賞]

残念ながら、音楽評論家の少なからずは、日本のオーケストラの現状は欧米の一流オーケストラに比べ、基礎的な技術や、音楽的表現力が、依然として大きな隔たりがあると評価しています。

わたしは、日本のオーケストラは、少なくとも弦楽器については、技術的、音楽的表現力にも、欧米の一流オーケストラと比較して決して、ひけをとらないと思います。
なぜならば海外で活躍している演奏家は、ベルリン・フィルのコンサートマスターに抜擢されたヴァイオリンの安永 徹(1983年~2009年3月)や樫本大進(2010年12月~)、第一ヴァイオリン奏者では町田琴和がいます。また、ヴィオラ奏者の清水直子は、2001年よりセクションリーダーとして活躍中です。
ヨーロッパ系の演奏者以外を採用しないウィーン・フィルを除いて大概のオーケストラでは弦の日本人奏者が活躍しています。

一方、管楽器ではオーボエ奏者が目立つぐらいで他の楽器、特に金管楽器は少ないのが現状です。オーボエ奏者ではフランクフルト放送交響楽団、ケルン放送交響楽団の首席奏者と活躍した元オーボエ奏者の宮本文昭、吉田智春(ケルン放送交響楽団首席)、 若尾圭介(ボストン交響楽団)、 渡辺克也(ソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルク首席)、 井上圭子(国立パリ・オペラ座管弦楽団)、 吉井瑞穂(マーラー室内管弦楽団首席)など結構います。

金管楽器奏者に日本人が適さない理由は,骨格や歯列の良さなどの身体的特徴が欧米人と異なることが関係しているという説もあるそうです。

ある批評家は、日本でも実力がトップとされるN響でも、欧米の一流に比べて、音色に豊かさがない、あるいはパワーが不足していると、批評しています。

そこで日本のレコード芸術誌で評論家40人が評価したものと、イギリスGramophon誌が世界各地から名高い評論家に投票を依頼し、評価したオーケストラのランキングを比較のため以下に示します。

・「オーケストラ・ランキング2008」レコード芸術5月号

1位:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(313点)
2位:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(308点)
3位:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(285点)
4位:バイエルン放送交響楽団(193点)
5位:シカゴ交響楽団(146点)
6位:ドレスデン国立管弦楽団(138点)
7位:ロンドン交響楽団(113点)
8位:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(106点)
9位:ベルリン国立管弦楽団(104点)
10位:パリ管弦楽団(102点)
11位:ニューヨーク・フィル
 ・
 ・
35位:東京交響楽団
37位:NHK交響楽団

上位の3位までが圧倒的に高得点を獲得しており他を引き離しています。


・イギリス「グラモフォン」誌2008年12月号のランキング

1位:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
2位:ベルリン・フィル
3位:ウィーン・フィル
4位:ロンドン交響楽団
5位:シカゴ交響楽団
6位:バイエルン放送響
7位:クリーブランド管弦楽団
8位:ロサンゼルス・フィル
9位:ブダペスト祝祭管弦楽団
10位:シュターツカペレ・ドレスデン
11位:ボストン交響楽団
12位:ニューヨーク・フィル
13位:サンフランシスコ交響楽団
14位:マリインスキー歌劇場管弦楽団
15位:ロシア・ナショナル管弦楽団
16位:サンクトペテルブルク・フィル
17位:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
18位:メトロポリタン歌劇場管弦楽団
19位:サイトウ・キネン・オーケストラ
20位:チェコ・フィル

19位にサイトウ・キネン・オーケストラが入っているが、普段メンバーはそれぞれ別のオーケストラやソロで活躍しており、フェスティバルや海外公演の時のみ編成されるオーケストラである。

小澤征爾さん1年間の活動休止 [クラシック音楽鑑賞]

つい先日、小澤征爾さんは今年1月に行った公演のあとで体調を崩し、これから1年間、国内外のすべての出演予定をキャンセルして指揮者としての活動を休止することになったというニュースを聞きました。ゆっくり療養していただき、完全復活を望むばかりです。

2010年の1月末、食道ガンの手術を受けて休養していた小澤さんは世界の超一流オーケストラ、ウィーン・フィルやベルリン・フィルからの招聘をキャンセルしてまで、活動をサイトウ・キネン・オーケストラとの演奏だけに集中していましたが、復帰直前、持病の腰痛が悪化し結局、2010年の「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」において、チャイコフスキーの 「弦楽セレナード」第1楽章のみの指揮となりました。

NHKのBS hiでの放送されたのを私も視聴しましたが、持病の腰痛にもかかわらず、まさに入魂の一曲でした。
恩師・齋藤秀雄氏が、桐朋のオーケストラの合宿で最後に指揮した曲として、このチャイコフスキーの「弦楽セレナード」はサイトウキネンの「原点」の曲なのだそうです。

12月にはニューヨークのカーネギーホールでブラームスの交響曲第1番を熱演し,2011年のフェスティバルでは冒頭で東日本大震災の犠牲者を追悼するため、バッハの「G線上のアリア」を指揮し、そのあとバルトーク作曲のオペラ「青ひげ公の城」の指揮、完全復活に見えた矢先の今回の休止報道でした。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012 [クラシック音楽鑑賞]

ゴールデンウイーク中に東京国際フォーラムで開催される「ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)・オ・ジャポン」には2006年から毎年通っています。

東京では2005年にスタートし、2011年までに述べ480万人もの来場者数を集めたこのイベントは、クラシックの音楽祭で、敷居が高そうなクラシック音楽の演奏会がだれでも気楽に、安価で楽しめます。

昨年は東日本大震災の影響で外国人演奏家の大量キャンセルがあり、有料公演回数は大幅に縮小されました。私も2つの公演のチケットを購入していましたが、片方の下野竜也指揮読響のブラームスの2番のみの鑑賞となってしまいました。

今年は5月3日~5日の3日間開催され、今年のテーマは「サクル・リュス(ロシアの祭典)」で、すべてロシアの作曲家の作品です。チャイコフスキー、ラフマニノフ、プロコフィエフ、ストラビンスキーなどの作品を1公演は約45分ほどですが、9つの会場で朝10時から夜11過ぎまで鑑賞できます。

チケットの予約販売は3月31日からです。インターネットでの予約ですが、受付開始時間と同時にチケットサイトのネットがつがりにくくなり、有名演奏家の公演のS席はあっと言う間に完売してしまいます。

公式サイト以下参照

http://www.lfj.jp/lfj_2012/

ラフォルジュルネ_1.jpg

ラフォルジュルネ_2.jpg

ラフォルジュルネ_3.jpg

ラフォルジュルネ_4.jpg

ラフォルジュルネ_5.jpg

ラフォルジュルネ_7.jpg

ラフォルジュルネ_6.jpg

ラフォルジュルネ_8.jpg

ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2012 [クラシック音楽鑑賞]

新年を迎え、皆様今年もよろしくお願いいたします。

クラシック音楽の聴き初めは毎年恒例になっている「ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート」です。今年招聘された指揮者はロイヤル・コンセルト・ヘボウ管弦楽団の首席指揮者のマリス・ヤンソンスで2回目の登場です。ワルツやポルカなど、華やかな曲が演奏される新年の祝祭を、ウィーン楽友協会からライブ中継されます。
ちなみにゲストの茂木大輔さんは私の高校時代の後輩です。

1月1日(日)放送
Eテレ 後7:00〜10:00
NHK-FM 後7:15〜(10:00)

【ゲスト】NHK交響楽団オーボエ首席奏者…茂木大輔, 日本ヨハン・シュトラウス協会…中村哲郎, ウィーン・フィルディスコグラフィー制作…藤本眞一, 舞踊評論家・バレエ翻訳…長野由紀, 【司会】中條誠子
ウィーン楽友協会のホムページは以下です。

http://www.wienerphilharmoniker.at/index.php?set_language=ja&cccpage=Home

Conductor: Mariss Jansons
Vienna Boys' Choir
Program:
Johann and Joseph Strauss: "Vaterländischer Marsch (Fatherland March)"
Johann Strauss: "Rathausball-Tänze (City Hall Ball Dances)", Waltz, op. 438
Johann Strauss: "Entweder – oder! (Either - Or!)", Fast Polka, op. 403
Johann Strauss: "Tritsch-Tratsch (Chit-Chat)", Polka, op. 214
Carl Michael Ziehrer: "Wiener Bürger (Viennese Folk)", Waltz, op. 419
Johann Strauss: "Albion Polka", op. 102
Joseph Strauss: "Jokey Polka (Jockey Polka)", Fast Polka, op. 278
- Intermission -
Joseph Hellmesberger, Jr.: Danse Diabolique (Diabolic Dance)
Joseph Strauss: "Künstler-Gruss (Artists Greeting)", Polka française, op. 274
Johann Strauss: "Freuet euch des Lebens (Enjoy Life)", Waltz, op. 340
Johann Strauss, Sr.: "Sperl Galopp", op. 42
Hans Christian Lumbye: Copenhagen Railway Steam Gallop
Joseph Strauss: "Feuerfest (Fireproof)", Polka française, op. 269
Eduard Strauss: "Carmen-Quadrille", op. 134
Peter I. Tchaikovsky: "Panorama" from the Ballet "Sleeping Beauty", op. 66
Peter I. Tchaikovsky: "Waltz" from the Ballet "Sleeping Beauty", op. 66
Johann and Joseph Strauss: "Pizzicato Polka", no opus number
Johann Strauss: "Persischer Marsch (Persian March)", op. 289
Joseph Strauss: "Brennende Liebe (Burning Love)", Polka Mazur, op. 129
Joseph Strauss: "Delirien (Delirium)", Waltz, op. 212
Johann Strauss: "Unter Donner und Blitz (Thunder and Lightning)", Fast Polka, op. 324

クラシック音楽鑑賞 ブログトップ