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SACDサラウンド・レビュー(754) [サラウンド・サウンド・レビュー]

William Lawes The Royall Consort Sett.jpg
William Lawes
The Royal Consort
CKD 470 (2 Disks)
Phantasm
録音 2014年8月,9月
Linn Records

ウイリアム・ローズ:ロイヤル・コンソート集
・ロイヤル・コンソート集 第1番 ニ短調(抜粋)
・ロイヤル・コンソート集 第4番 ニ長調
・ロイヤル・コンソート集 第3番 ニ短調
・ロイヤル・コンソート集 第5番 ニ長調
・ロイヤル・コンソート集 第8番 ハ長調(抜粋)
・ロイヤル・コンソート集 第9番 ヘ長調
・5声のコンソート集 第4番 ヘ長調
・ロイヤル・コンソート集 第2番 ニ短調
・ロイヤル・コンソート集 第6番 ニ長調(抜粋)
・ロイヤル・コンソート集 第7番 イ短調(抜粋)
・ロイヤル・コンソート集 第10番 変ロ長調
・4声のコンソート集 ニ短調
・6声のコンソート集 第10番 ハ短調
・6声のコンソート集 第7番 ハ長調

ウィリアム・ローズ(William Lawes, 1602年5月~1645年9月)は、兄ヘンリーと同じく、イングランドの作曲家・宮廷楽師。ソールズベリー出身。王党派として清教徒軍と戦い、戦死した。ハートフォード伯エドワード・セイマーの庇護を得て、作曲家ジョン・コプラリオに師事。皇太子がチャールズ1世として即位すると、兄ヘンリーとともに宮廷楽団に採用される。1635年には、リュート奏者および声楽家の一人として常勤音楽家に任命されるが、それ以前から宮廷音楽の作曲を手懸けていた。成人してから全ての日々を、宮廷における任務に捧げ、世俗音楽やマスクのための歌曲を作曲し、またチャールズ1世の礼拝堂のためにアンセムやモテットを作曲した。
William Lawes_2.jpg


ファンタズム(Phantasm)は1994年にヴィオール奏者ローレンス・ドレイフュス(Laurence Dreyfus)によって創設されたイギリスのアンサンブル。1997年と2004年の2度の英グラモフォン賞(古楽器楽部門最優秀賞)の受賞歴を持つ世界最高峰のヴィオール四重奏団。16世紀から18世紀の作品を主なレパートリーとしている。ローレンス・ドレイフュス(トレブル・ヴィオール、ディレクター)、ジョナサン・マンソン(テノール・ヴィオール)、ミッコ・ペルコラ(テノール・ヴィオール)、エミリア・ベンジャミン(テノール・ヴィオール)、マルック・ルオヤラン=ミッコラ(バス・ヴィオール)。
Phantasm_6.jpg


Linnの録音チーフ・プロデューサーのフィリップス・ホップス氏が推奨する、当人が手掛けた録音の一つだけあって、音質は優れている。サラウンドスピーカーからの音は低めに抑えられている。録音場所はオックスフォード、モードリン・カレッジ・チャペル

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(753) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Richard Strauss Oboe Concerto.jpg
Richard Strauss
Oboe Concerto
BIS-2163
Alexei Ogrintchouk(oboe)
Andris Nelsons/Royal Concertgebouw Orchestra
録音  2014年10月
    2016年7月
BIS

R. シュトラウス:
・オーボエ協奏曲 ニ長調 TrV 292
・セレナード 変ホ長調 TrV106
・ソナティナ第2番 変ホ長調「楽しい仕事場」TrV291


アレクセイ・オグリンチュク(Alexei Ogrintchouk)はモスクワ生まれのオーボエ奏者。1998年ジュネーブ国際音楽コンクール・オーボエ部門で優勝。2005年からコンセルトヘボウの首席オーボエ奏者を務めている。コンセルトヘボウに入団する前は、ゲルギエフ時代の2005年までロッテルダム・フィルの首席オーボエ奏者。
Alexei Ogrintchouk_2.jpg


アンドリス・ネルソンス(Andris Nelsons, 1978年11月~ )は、ラトビア、リガ生まれの指揮者。音楽家の両親のもとに育ち、ピアノ、トランペット、歌唱を学ぶ。ラトビア国立歌劇場管弦楽団の首席トランペット奏者に就任。アレクサンドル・ティトフ、ネーメ・ヤルヴィ、ヨルマ・パヌラ、マリス・ヤンソンスより指揮を学ぶ。2003年から2007年の間、ラトビア国立歌劇場の首席指揮者に就任。2006年から2009年の間、北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任。2008年よりバーミンガム市交響楽団、2014年よりボストン交響楽団の音楽監督。2017年からライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の楽長(カペルマイスター)に就任する予定。
Andris Nelsons_1.jpg


ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(オランダ語: Koninklijk Concertgebouworkest )は、オランダ・アムステルダムに本拠を置くオーケストラである。オランダ語における略称は KCO であるが、英語表記のRoyal Concertgebouw Orchestraの頭文字を取って RCO と表記される事もある。旧称アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団。首席指揮者は最近ではマリス・ヤンソンスが2004年~2015年まで、2016年からダニエレ・ガッティが就いている。

1ポイントマイクをメインとした収録と思われ、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。ソロのオーボエはバックのオーケストラとの音のバランスは良い。サラウンドスピーカーからはアンビエンスな音がメイン。録音はオーボエ協奏曲がアムステルダム・コンセルトヘボウでのライヴ、セレナードとソナティナ第2番がアムステルダム、シンゲル教会でのセッション。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(752) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mozart Quintets KV.516, KV.174.jpg
Mozart
Quintets KV.516, KV.174
TACET S224
Auryn String Quartet
Nobuko Imai
録音  2014年4月
    2015年5月
TACET

モーツァルト:
・弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516
・ 弦楽五重奏曲第1番 変ロ長調 K.174

今井 信子(Nobuko Imai,1943年3月~ )は、東京都生まれのヴィオラ奏者。6歳でヴァイオリンを始める。桐朋学園大学で室内楽を齋藤秀雄に師事する。1964年、桐朋学園オーケストラのアメリカ・ツアーでコンサートミストレスを務め、そのままアメリカに残り、タングルウッド音楽祭で小澤征爾指揮ボストン響のリヒャルト・シュトラウスの「ドン・キホーテ」を聴いたことをきっかけにヴィオラに転向する。水戸室内管弦楽団メンバー。1983年から2003年までドイツ国立デトモルト音楽大学の教授を務め、現在はジュネーヴ音楽院とアムステルダム音楽院の教授を務めながら、各国で演奏活動を行っている。1988年以来、アンドレア・グァルネリ(1690年製作)を弾いている。

アウリン弦楽四重奏団(Auryn Quartet)は1982年にドイツのケルンで結成された弦楽四重奏団。1982年にロンドン国際コンクール(London International Competition) 及びARDミュンヘン・コンクール(ARD Munich competition) にて1位を獲得。メンバーはヴァイオリンはMatthias Lingenfelder、Jens Oppermann、ヴィオラがStewart Eaton、チェロをAndreas Arndtが担当している。
Auryn Quartet_3.jpg


このシリーズと同様に 5名の奏者を円周状に配置し、あたかもその中心の位置で聴いているようになるサラウンド感のとてもある収録で、フロント・レフトに1st Vn、センターに2nd Va、フロント・ライトに1St Va、サラウンド・レフトに2nd Vn、サラウンド・ライトにVcが定位している。高域弦はナチュラルな響きをしており、高域は伸びのある音をしている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch


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SACDサラウンド・レビュー(751) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Haydn ‘Sun’ Quartets Op.20.jpg
Haydn
‘Sun’Quartets Op.20
BIS2168
Chiaroscuro Quartet
録音 2015年12月
BIS

J.ハイドン:
・弦楽四重奏曲第34番 ニ長調 Op.20-4 Hob.Ⅲ34
・弦楽四重奏曲第35番 ヘ短調「レチタティーヴォ」 Op.20-5 Hob.Ⅲ35
・弦楽四重奏曲第36番 イ長調 Op.20-6 Hob.Ⅲ36

太陽四重奏曲(”Sun” Quartets)はハイドンが1772年に作曲した作品20の第31番から第36番までの6曲からなる弦楽四重奏曲集。1774年頃パリシュヴァルディエール社より初版が出版された。これら6曲は、アムステルダムのフンメル社から出版された版の表紙に、太陽の絵が描かれていたことから、「太陽四重奏曲」の呼び名で呼ばれている。ただし、他の出版譜には太陽の絵は無い。6曲中、3曲のフィナーレにフーガが導入されている。

キアロスクーロ弦楽四重奏団(Chiaroscuro Quartet)は1stVnのロシア生まれのアリーナ・イブラギモヴァを中心に2005年に結成された。絵画の「明暗法」を意味する名の通り、現代楽器にガット弦を張り、チェロ以外の3人は立って演奏。近年の主な活動は、エジンバラ国際音楽祭のデビュー、ドイツ、フランス、ベルギー、オランダの演奏会、ロンドンの新しい室内楽会場ワナメイカー劇場での演奏会。2013年、ブレーメン音楽祭に共催しているドイツのラジオ放送局のフェルデ賞を受賞、このブレーメン音楽祭には2014年夏にそのオープニングナイトコンサートで再出演が約束されている。この他に、ロンドンのウィグモア・ホール、ヨーク古楽センター、パリのルーヴル・オーディトーリアム、エクサンプロバンスのデ・ジュ・ドゥ・ポーム劇場、ディジョン劇場、リスボンのグルベキアン財団、オールドバラで演奏する。2016年4月に来日し、王子ホールなどで演奏した。
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前作(第1曲~第3曲)に続くハイドンの6つの弦楽四重奏曲 Op.20の「太陽四重奏曲」の後半の3曲。
各楽器はそれぞれの位置に良く定位しており、音のバランスも良い。サラウンドスピーカーからの音にはアンビエンスな音も含まれている。録音場所はドイツ、ブレーメン、センデザール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(750) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Bach & Telemann.jpg
Bach & Telemann
CCSSA27208
Florilegium
録音 2007年8月
Channel Classics

テレマン:ターフェルムジーク第1集より協奏曲イ長調
J.S.バッハ:
・カンタータ第209番「悲しみのいかなるかを知らず」BWV.209
・三重協奏曲イ短調BWV.1044

J.S.バッハの三重協奏曲イ短調(BWV.1044)はフルート、ヴァイオリンとチェンバロのための三重協奏曲で「フルート、ヴァイオリンとチェンバロのための協奏曲」と表記されることもある。この三重協奏曲は、1729年以降の1738年から1740年頃に作曲されたと推定されているが、自筆譜は紛失し、筆写譜も欠落している部分があるため、作曲の動機や実態は不明である。しかし、この作品もチェンバロ協奏曲などと同じように編曲であり、第1楽章と第3楽章はチェンバロ独奏の「前奏曲とフーガ イ短調 BWV894」の旋律が用いられ、第2楽章はオルガンのための「トリオ・ソナタ第3番 ニ短調 BWV527」の第2楽章の旋律が用いられている。このことから編曲であることが窺える。


ルーシー・クロウ(Lucy Crowe)はイギリスのソプラノ歌手。王立音楽アカデミーのオペラ・コースに学ぶ。2002年度ロイヤル・オーバーシーズ・リーグ音楽コンクールの金メダルを獲得。デイヴィッド・ウィルコックス指揮のヘンデル「メサイア」や、BBCプロムス2003に出演。
Lucy Crowe_1.jpg


ロドルフォ・リヒター(Rodolfo Richter)はイギリスのヴァイオリン奏者。王立音楽アカデミーにてバロック・ヴァイオリンをモニカ・ハジェットに師事。2002年から2007年までイギリスの古楽四重奏団パラディアン・アンサンブルのメンバー。
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フロリレジウム(Florilegium)は「音楽の花束」と言う名称を冠したロンドンを本拠地とする古楽アンサンブル。1991年にチェンバリストの(Neal Peres Da Costa)とフルート奏者のアシュリー・ソロモン(Ashley Solomon)によって設立された。現在アシュリー・ソロモンが監督に就いている。ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者として日本人の市瀬礼子が参加している。女流バロック・ヴァイオリニストのレイチェル・ポッジャーもかつては参加していた。アシュリー・ソロモンはイギリスを代表するフルートとリコーダーの名手で、英国王立音楽院(RCM)の歴史的演奏部門長(Chair and Headof Historical Performance)とリコーダーの教授を務めている。
Florilegium_9.jpg


各楽器間の音のバランスは良い。高域弦は透明感のある、低域弦は豊かな響きを伴っている。音場は左右への広がりを感じる。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスな音がメインだが、直接音も捉えている。録音場所はロンドン、ハイゲート、聖ミカエル教会。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(749) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Grand Tour Baroque Road Trip.jpg
Grand Tour
Baroque Road Trip
PTC5186668
Simon Murphy/New Dutch Academy
2016年3月、10月
PentaTone Classics

ヘンデル:歌劇「アルチーナ」より「帰ってきて、喜ばせて」
テレマン:ヴィオラ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ト長調
ヴィヴァルディ:リュート、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV.1051
ヴァッセナール(伝ペルゴレージ):弦楽合奏曲集「コンチェルト・アルモニコ第1番」
ヴィヴァルディ:フルート、弦楽と通奏低音のための協奏曲ハ長調 RV.443
ヘンデル:歌劇「アレッサンドロ」より「なにかしらまた分からない」



ユニコ・ヴィルヘルム・ファン・ヴァッセナール・オブダム伯爵(Unico Wilhelm rijksgraaf van Wassenaer Obdam, 1692年11月~1766年11月)は、オランダの貴族、アマチュア作曲家。その作品「コンチェルト・アルモニコ」は、最近まで誤ってジョヴァンニ・ペルゴレージ作曲と伝えられてきた。オランダの軍人の子としてデルデンで生まれた。ライデンで法学などを学び、1723年に貴族の女性と結婚し、3人の子をもうけた。1725年から1740年の間に「コンチェルト・アルモニコ」を作曲するが、貴族であったため、自らの名を冠して出版することを望まなかった。

ミルシニ・マルガリティ(Myrsini Margariti)はギリシャ、ラリッサ生まれのソプラノ歌手。ヴァイオリンと声楽を国立アテネ音楽院、音楽学をアテネ大学にて学ぶ。その後、ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽院にてエリザベス・ウィルケ(Elisabeth Wilke)教授とグドゥルン・フォルケルト(Gudrun Volkert)教授に師事した。
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サイモン・マーフィー(Simon Murphy,1973年8月~)はオランダを中心に活躍するオーストラリア出身の指揮者、ビオラ奏者、音楽学者。シドニー大学を卒業後、シドニー交響楽団にてDavid Porcelijnやハンス・フォンク(Hans Vonk)に師事し指揮者として研鑽を積んだ。1996年からはオランダに渡り古楽の若手指揮者として活躍している。 新オランダ・アカデミー室内管弦楽団(New Dutch Academy)の指揮者、音楽監督を兼任している。

新オランダ・アカデミー室内管弦楽団(New Dutch Academy)略称NDAは、オランダのハーグを拠点とした2002年創立の古楽の演奏に特化したグループ。古楽器を使用し、18世紀の音楽を中心に演奏しており、国際賞も受賞している。指揮と音楽監督にはサイモン・マーフィーが就いている。

ヴァッセナールの弦楽合奏曲集ではビオラ奏者の朝吹園子がヴァイオリンで参加している。
各楽器の音のバランスは良く、高域弦は音の伸びが有り、低域弦は豊かな響きを伴っており、好録音。ヴィヴァルディのRV.443ではソプラノ・リコーダの響きが美しい。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音が占める。録音場所はオランダ、デン・ハーグ、ゴシック・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(748) [サラウンド・サウンド・レビュー]

The Four Ballades.jpg
Chopin
The Four Ballades
CC 72728
Angela Brownridge(Piano)
録音 2016年8月,9月
Challenge Classics

ショパン:
・ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35
・バラード第1番ト短調 Op.23
・バラード第2番ヘ長調 Op.38
・バラード第3番変イ長調 Op.47
・バラード第4番ヘ短調 Op.52
・幻想曲ヘ短調 Op.49

アンジェラ・ブラウンリッジ(Angela Brownridge,1944年10月~)イギリス、ヨークシャー州、グール生まれのピアニスト、作曲家。6歳でピアノを習い始め、12歳で天才的ピアニストとしてウィグモアホール・デビューを飾り、15歳から2年間ロンドンにてドロシー・ヘッセ(Dorothy Hesse)に師事。その後、エジンバラ大学にて奨学生としてケニス・レイトン(Kenneth Leighton)に師事し、ピアノと作曲を学ぶ。引き続いてローマでも研鑽を積む。ロンドン芸術協会コンペティションにて第1位を獲得。イギリス国内及びヨーロッパ、アメリカ、アジアで幅広く活躍している。
Angela Brownridge_3.jpg


残響の豊かな教会での収録だが、その影響はあまり受けていない。サラウンドスピーカーからの音は低めに抑えられている。収録場所かオランダ、Schiedam、Westvest Church

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(747) [サラウンド・サウンド・レビュー]

MOZART Serenades Nos 9 & 13, Marches.jpg
MOZART
Serenades Nos 9 & 13, Marches
BIS-2244
Michael Alexander Willens/Kölner Akademie
録音 2015年12月
BIS

モーツァルト:
・行進曲 ニ長調 K.335, No.1
・セレナード第9番 ニ長調 「ポストホルン」K.320
・2つの行進曲 K.335 第2番 ニ長調
・セレナード第13番 ト長調 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 K.525
・弦楽四重奏曲第1番 ト長調 K. 80 第3楽章 メヌエット

セレナーデ第9番は第6楽章の第2トリオでポストホルンが用いられることから、「ポストホルン・セレナーデ」とも呼ばれる。1779年8月3日にザルツブルクで完成されたが、どのような経緯で作曲されたかについては不明である。モーツァルトが作曲したセレナーデの中でも楽器編成が大きく、規模も大きいことから、何らかの祝典のために作曲されたと考えられている。全7楽章から成り、演奏時間は約40分。

セレナード第13番は1787年8月10日にウィーンで作曲が完了された。モーツァルトが作曲したセレナードの中でもっとも有名な作品。モーツァルト自身は、セレナードあるいはディヴェルティメントのどちらにも分類していなく、「小さな夜曲」といった意味のドイツ語「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」という曲名を作品目録に記載した。この期日はオペラ・ブッファ「ドン・ジョヴァンニ」の作曲中の時期にあたる。ただし何らかの機会のために作曲されたと考えられるが、初演に関する史料は残されていない。モーツァルトの自作の目録には第2楽章のメヌエットとトリオを含む5楽章として記載しており、元来5楽章からなっていたと考えられる。しかし理由は不詳だが第2楽章は散逸しており、下記のような4楽章形式で演奏される。弦楽合奏、あるいは弦楽四重奏にコントラバスを加えた弦楽五重奏で演奏される。通常演奏時間は17~8分であるが、楽譜の指示どおり全部繰り返しを行うと20分程度になる。

ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(Michael Alexander Willens)はアメリカの指揮者。ジュリアード音楽院にて指揮をジョン・ネルソン(ジュリアード音楽院)、レナード・バーンスタイン(タングルウッド)などに学ぶ。リンカーンセンターのグレート・パフォーマーズ・シリーズやドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、イタリアなどの主要な音楽祭に出演。ケルン・アカデミーの音楽監督。

ケルン・アカデミー(Kölner Akademie)は指揮者のミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズによって、1996年に創設されたドイツのケルンを拠点とするオーケストラ。レパートリーは17世紀から21世紀までの音楽で、それらの作品をその時代の演奏解釈のもとに時代に合った楽器(バロック、クラシックなど)を使い分ける。歴史的研究を追求し、作曲家の意図を引き出すことを心がけるその演奏は新鮮で自然に聴こえ、作品の本来の姿を生き生きと響かせる。2013年5月にピアニストのブラウティガム、ヴィレンズと共に来日し、モーツアルトのピアノ協奏曲などを演奏した。

高域弦はナチュラルな響きを伴い、音像は、小編成での室内楽ホールで収録のためか、奥行き感はあまり無いが、左右への広がり感がある。特にセレナード第13番の弦の響きが美しく感じた。サラウンドスピーカからの音はアンビエンスな響きを良く捉えている。収録場所はケルン、ドイツ公共放送局・カンマームジークザール
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サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(746) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Shostakovich & Gubaidulina Violin Concerto.jpg
Shostakovich & Gubaidulina
Violin Concerto
CC72681
Simone Lamsma (violin)
James Gaffigan(Shostakovich)
Reinbert de Leeuw(Gubaidulina)
The Netherlands Radio Philharmonic Orchestra
録音   2016年5月(Shostakovich)
     2011年10月(Gubaidulina)
Challenge Classics

ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op.77
グバイドゥーリナ:ヴァイオリン協奏曲「今この時の中で」

ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番 は、1947年から1948年にかけて作曲された。曲の長さ・内容・オーケストレーションとも大規模であり、交響曲に匹敵すると言える。ショスタコーヴィチの傑作の1つで、ヴァイオリニストのダヴィッド・オイストラフに献呈された。十二音技法を使うなどの前衛的な書法と、1948年2月に共産党中央委員会によりジダーノフ批判が始まったことから、ショスタコーヴィチは発表を控えた。スターリン死後の雪解けの雰囲気の中、交響曲第10番の初演が一応の成功をもって終え、ジダーノフ批判が一段落したと考えられた1955年、曲の完成から約7年が経った頃に発表された。楽器編成は打楽器を増強したオーケストラながらも、トランペット、トロンボーンを含まないことが特徴的。4つの楽章はそれぞれ独立した曲をなしており、古典的な音楽形式であるパッサカリアを第3楽章に配置したこと、「夜想曲」や「ブルレスケ」など、各楽章に標題をもっていることも特徴的。演奏時間は約35分。

ソフィア・グバイドゥーリナ(Sofia Gubaidulina, 1931年10月~ )は、ソ連邦のタタール自治共和国(現在のロシア連邦タタールスタン共和国)出身の現代音楽の女性作曲家。タタール系の父親とロシア系の母親の間に生まれる。カザン音楽院で作曲とピアノを学び、1954年に卒業する。モスクワ音楽院に進んで1959年までニコライ・ペイコに、さらに1963年までシェバリーンに師事。1970年代半ばに、作曲家仲間のヴィクトル・ススリンやヴャチェスラフ・アルチョーモフらと、民族楽器を用いた即興演奏グループ「アストレヤ」を結成。1980年代初頭にギドン・クレーメルの擁護を得て、ヴァイオリン協奏曲「オッフェルトリウム」がソ連邦の国外で演奏され、これが現在の国際的な名声のきっかけとなった。ペレストロイカが始まり、以前にもまして名声が高まると、ソ連を出て西ドイツに移住した。現在もドイツを拠点に自由な作曲生活を謳歌している。
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シモーネ・ラムスマ(Simone Lamsma,1985年~)はオランダのヴァイオリンニスト。5歳でヴァイオリンを始め、11歳でイギリスに移り、ユーディ・メニューイン・スクールでフ・クンに師事。その後、最年少で入学を許された英国王立音楽院にてモーリス・アッソンに学び、19歳で最優秀の成績と数々の賞を受賞し卒業。2011年には演奏分野において功績のある者に送られるAssociate of the RAMを授与された。国際コンクールでの受賞も数多い。2010年オランダのクラシック音楽分野で活躍したアーティストに贈られるオランダVSCDクラシック音楽賞の新人賞、北オランダで活躍したアーティストに贈られる3年に1度のゴールデン・ヴァイオリン賞も受賞。使用楽器は1718年製のストラディヴァリウス”Mlynarski"。
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ジェイムズ・ガフィガン(James Gaffigan,1979年~)はアメリカのニューヨーク生まれの指揮者。ボストンのニューイングランド音楽院(New England Conservatory of Music)とヒューストンにあるシェパード音楽学校(Shepherd School of Music at Rice University)で学ぶ。2004年のショルティ国際指揮コンクールで優勝。2011/12年のシーズンからルツェルン交響楽団の首席指揮者。オランダ放送フィルや、ケルン・ギュルツェニヒ管などで首席客演指揮者を務めている。

ラインベルト・デ・レーウ(Reinbert de Leeuw, 1938年9月~)はオランダ、アムステルダム生まれの指揮者、ピアニスト、作曲家。アムステルダム音楽院でピアノと音楽理論をヤープ・スパーンデルマンに学び、ハーグ王立音楽院でキース・ヴァン・バーレンに作曲を師事する。1974年以来、現代音楽を演奏するシェーンベルク・アンサンブルの指揮者兼音楽監督として活躍する一方、ピアニストとしても1970年代からサティ作品を積極的に取り上げ、国際的に高い評価を得ている。1994~8年にはタングルウッド現代音楽祭の芸術監督を務め、多くの作品の初演を手掛けた。また、作曲家、著述家としても活躍しており、極めて幅広い現代音楽のスペシャリストである。
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オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団(Netherlands Radio Philharmonic,略称RFO)はオランダ放送協会(NOS)が運営するオーケストラ。1945年に指揮者アルベルト・ファン・ラールテによって設立された。定期演奏会はヒルフェルスムで行われ、年に数回の特別演奏会がアムステルダムとユトレヒトで行われる。首席指揮者は2012/2013年のシーズンからマルクス・シュテンツ(Markus Stenz)。2011/12年の シーズンからジェイムズ・ガフィガンが首席客演指揮者を務める。


ショスタコーヴィチがヒルフェルスム、MCOスタジオ5でのセッションだが、ソロのヴァイオリンとバックのオーケストラとの音のバランスは良く、サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音。一方、グバイドゥーリナはロイヤル・コンセルトヘボウでのライヴでアンビエンスな音も含んでいる。使用楽器はショスタコーヴィチでストラディヴァリウス“Mlynarski”(1718)をグバイドゥーリナではストラディヴァリウス“ex Chanot-Chardon”(1718)を使用している。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(745) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Sibelius Kullervo & Kortekangas.jpg
Sibelius & Kortekangas
BIS-9048 SACD(2 Disks)
Osmo Vänskä/Minnesota Orchestra
録音 2016年2月
BIS

シベリウス:クレルヴォ Op.7 メゾソプラノ、バリトン、男声合唱と管弦楽のための
オッリ・コルテカンガス:「移住者たち」~メゾソプラノ、男声合唱と管弦楽のための
シベリウス:交響詩「フィンランディア」 Op.26~合唱と管弦楽のための

クレルヴォ(Kullervo)は、シベリウスの初期の合唱付き管弦楽曲。楽章の配置や内部構成から見ると交響曲と呼びうる内容を持っており、「クレルヴォ交響曲‘Kullervo’-sinfonia」とする俗称ないしは通称が一般化しているが、シベリウス自身は譜面の題扉に「交響曲」の文字を記入しておらず、「独唱者と合唱、管弦楽のための交響詩」との副題を添えていた。このような事情により、交響曲全集に収録されない場合がある。1891年の春から留学先のウィーンで、フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」(第31章~第36章)に基づく管弦楽曲の作曲に取り掛かり、結局これが「クレルヴォ交響曲」として結実することになった。父カレルヴォの兄ウンタモに一族を滅ぼされ、一人残った母から生まれてその復讐を誓う、超人的な怪力だけれども不器用な悲運の男、クレルヴォの生涯の様々な段階を年代記風に追った内容。シベリウスの管弦楽曲としては最も規模が大きく、5楽章から成り、演奏時間は70~80分


オッリ・コルテカンガス(Olli Kortekangas,1955年5月~)フィンランド、ツルク生まれの作曲家。シベリウス音楽院にて作曲をエーロ・ハメーンニエミ(Eero Hämeenniemi)やエイノユハニ・ラウタヴァーラ(Einojuhani Rautavaara)などに師事。現在までオルガンのための多くの室内楽や楽器のソロ作品などを含む、合唱作品や管弦楽作品やオペラに至るまで、幅広い約140の作品を作曲している。ザルツブルク劇場賞、イタリア賞コンペティション特別賞、そして名高いテオスト賞など数多くの賞を受賞している。
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オスモ・ヴァンスカ(Osmo Vänskä,1953年2月~ )は、フィンランドの指揮者。元はクラリネット奏者であり、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団で活動していたが、シベリウス音楽アカデミーでヨルマ・パヌラに師事して指揮を学んだ後、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、指揮者としての活動を本格的に開始した。1985年にラハティ交響楽団の首席客演指揮者に就任、さらに1988年に同楽団の音楽監督に就任し、2008年に退くまで、フィンランドの一地方オーケストラに過ぎなかった同楽団を世界的なオーケストラに育て上げた。同楽団とのシベリウスの交響曲や管弦楽曲の録音は、世界的に評価が高い。1993年から1996年までアイスランド交響楽団、1996年から2002年までBBCスコティッシュ交響楽団のそれぞれ首席指揮者を務めた。また、2003年より2013年までミネソタ管弦楽団の音楽監督を務め、同楽団とベートーヴェンの交響曲の全曲録音を行った。2012年の2月に来日し、シベリウスの交響曲第2番などを読響と共演した。

ミネソタ管弦楽団(Minnesota Orchestra)は、ミネソタ州ミネアポリスを拠点とするアメリカ合衆国のオーケストラ。1903年にミネアポリス交響楽団(Minneapolis Symphony Orchestra)として設立され、同年11月5日に最初の演奏会を行なった。1968年にミネソタ管弦楽団に名称を変更した。主な歴代首席指揮者はユージン・オーマンディ、アンタル・ドラティ、大植英次(1995年~2002年)、オスモ・ヴァンスカ (2003年~2013年)など。

2016年2月4,5,6日に行われたパブリックコンサートでのライヴ録音。1ポイントマイクをメインとした収録と思われ、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。音場は左右、奥行き方向にも広い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスな音がメインだが、直接音も拾っている。録音場所はミネソタ州、ミネアポリス、オーケストラホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(744) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Brahms
String Quintets
PTC5186663
Members of the WDR Symphony Orchestra,Köln
録音 2016年12月
PentaTone Classics


ブラームス:
・弦楽五重奏曲第1番 ヘ長調 Op.88
・弦楽五重奏曲第2番 ト長調 Op.111

弦楽五重奏曲第1番は、1882年春6月頃、オーストリアの保養地バート・イシュルにて作曲された。ブラームス自身「親しみ易く気持ちの良いところ」と友人に語る此の保養地への想いが曲想に生きている。同年中に公開初演された。1883年までに総譜・パート譜・作曲者自身の連弾用編曲が出版された。3楽章から成り、演奏時間 約25分。

弦楽五重奏曲第2番は1890年夏頃、オーストリアの保養地バート・イシュルにて作曲された。擱筆した作曲者の魅力が詰まった逸品であり、作品全体にワルツの主題がちりばめられ、自家薬籠中のロマの音楽が終末部に展開される。4楽章から成り、演奏時間 約20~30分

ケルンWDR交響楽団チェンバー・プレーヤーズ(The WDR Symphony Orchestra Cologne Chamber Players)はドイツ、ケルンを本拠とする西部ドイツ放送局の所属オーケストラのケルンWDR交響楽団のメンバーで構成される室内アンサンブル。メンバーは中国、上海出身の第一ヴァイオリンでリーダのYe Wu, ルーマニア出身で第一ヴァイオリンのAndreea Florescu,ポーランド出身でヴィオラの Tomek Neugebauer,ドイツ出身のヴィオラのMischa Pfeiffer,女性チェリストのSusanne Eychmüller から構成されている。
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オフマイク気味で捉えた各楽器の音のバランスは良いが、横への広がり感はあまり無い。サラウンドスピーカーからの音は低めに抑えられており、ほぼ直接音。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(743) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Falla
Noches en los jardines de España
PTC5186598
Mari Kodama(Piano)
Sophie Harmsen(Ms)
Kazuki Yamada/Orchestre de la Suisse Romande
録音 2016年7月
Pentatone Classics


ファリャ:
・交響的印象「スペインの庭の夜」
・バレエ音楽「三角帽子」
・歌劇「はかなき人生」~間奏曲とスペイン舞曲
・バレエ音楽「恋は魔術師」~火祭りの踊り

マヌエル・デ・ファリャ・イ・マテウ(Manuel de Falla y Matheu,1876年11月~1946年11月)は、スペインの作曲家。1890年代からマドリードでピアノを学ぶかたわら、近代スペイン音楽復興の立役者フェリーペ・ペドレルに作曲を師事。ファリャにスペイン民族音楽への興味を植え付けたのが、ほかならぬペドレルだったといわれる。ファリャはとりわけ、アンダルシアのフラメンコに興味を寄せ、多くの作品においてその影響を示している。1936年にスペイン内戦が始まり、グラナダにいた親友フェデリコ・ガルシーア・ロルカが銃殺されたことを機に祖国を離れることを決意、1939年にアルゼンチンに亡命した。フランコ政権からはたびたび帰国要請があったが、彼は終生拒否し続けた。
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交響的印象「スペインの庭の夜」は、独奏ピアノと管弦楽のための作品で、そのように明記されてはいないものの、演奏形態としてはピアノ協奏曲に準じ、またジャンルとしては交響詩に分類されることもある。ファリャがパリ滞在中の1909年に、親交があった同国人のピアニスト、リカルド・ビニェスに献呈するためのピアノ独奏曲「3つの夜想曲」として作曲が始められたが、ビニェスの示唆により、独奏ピアノと管弦楽のための楽曲に書き換えられた。完成したのはスペイン帰国後の1915年であり、作品はビニェスに献呈された。ファリャは本作を「交響的印象」と呼んでおり、ピアノ・パートは洗練されて華麗で雄弁だが、めったに他パートを圧倒することはない。管弦楽は官能的な筆致で綴られている。3楽章よりなり、演奏時間は平均24分

児玉麻里(Mari Kodama,1966年~)は、大阪府生まれのピアニスト。3歳でピアノを始める。6歳の時に家族とともに渡欧。14歳(1981年)の時にパリ音楽院に入学。ジェルメーヌ・ムニエにピアノを、ジュヌヴィエーヌ・ジョア・デュティユーに室内楽を学ぶ。同音楽院修了後、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と共演で本格的な演奏活動を開始し、その後は世界各国のオーケストラとの共演、リサイタルなど精力的な活動を続けている。ピアニストの児玉桃は妹。夫は指揮者のケント・ナガノ。

山田和樹(Kazuki Yamada ,1979年~)神奈川県生まれ。東京藝術大学で指揮法を小林研一郎、松尾葉子に師事。在学中に藝大生有志とともにTOMATOフィルハーモニー管弦楽団(2005年より横浜シンフォニエッタに改名)を結成し、音楽監督に就任。2009年に、若手指揮者の登竜門として有名なブザンソン国際指揮者コンクールで優勝、2011年には出光音楽賞、2012年には渡邊暁雄音楽基金音楽賞、齋藤秀雄メモリアル基金賞、そして文化庁芸術祭賞音楽部門新人賞を続けざまに授賞した。日本フィルハーモニー管弦楽団正指揮者、横浜シンフォニエッタの音楽監督、オーケストラ・アンサンブル金沢のミュージックパートナー、仙台フィルハーモニー管弦楽団のミュージックパートナー、東京混声合唱団のコンダクター・イン・レジデンスなどのポストを兼任。スイス・ロマンド管弦楽団の首席客演指揮者。ドイツのベルリン在住。

スイス・ロマンド管弦楽団( L’Orchestre de la Suisse Romande)は1918年エルネスト・アンセルメによってジュネーブで結成された楽団。1938年にはローザンヌ放送管弦楽団を吸収し,発展した。アンセルメの指導のもとで繊細で透明な音質を特色とする独特の個性をもつ楽団に仕上げられた。1967年アンセルメの引退後,音楽監督に1970~1977年サヴァリッシュ,1978~1985年ホルスト・シュタイン、85~97年アルミン・ジョルダン、ファビオ・ルイジ、2005年より2012年までマレク・ヤノフスキが、2012年7月から2015年まではネーメ・ヤルヴィ、2016年からはジョナサン・ノット(Jonathan Nott)が就任予定。2012/2013年のシーズンより山田和樹が首席客演指揮者になった。2014年7月に山田和樹と共に来日し、サントリーホールなどで公演を行った。

児玉麻里の弾くピアノの音は倍音の響きが美しく、バックのオーケストラとの音のバランスも良い。要所にスポットマイクを使用し、ヴィクトリア・ホールの豊かな残響をうまく利用した好録音。サラウンドスピーカーからの音には直接音も含んでいる。録音場所はジュネーブ、ヴィクトリア・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(742) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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HAYDN
Harmoniemesse,Symphony No. 88
900102
Mariss Jansons/Bavarian Radio Symphony Orchestra
録音 2008年10月
BR KLASSIK

J.ハイドン:
・シンフォニア ニ長調(序曲)Hob.Ia-7
・交響曲 第88番 ト長調 Hob.I-88 「V字」
・ミサ曲 第14番 変ロ長調 Hob.XXII:14 「ハルモニー・ミサ」

バイエルン放送合唱団(独: Chor des Bayerischen Rundfunks)は、ドイツ・バイエルン州ミュンヘンに本拠地を置く、バイエルン放送協会所属の合唱団。1946年5月1日に、ロバート・ザイラーによって設立された。最も古い放送合唱団の一つでもある。首席指揮者は歴代のバイエルン放送交響楽団の首席指揮者が兼任しており、オイゲン・ヨッフム、 クーベリック 、サー・コリン・デイヴィス 、マゼール、ヤンソンスらによって率いられてきた。
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南ドイツで最高のバロック様式の教会の一つのヴァルトザッセン、バシリカ聖堂(Waldsassen Basilika)でのライヴでの収録。このアルバムの組み合わせでミサ曲は教会での儀式を目的として作曲されたもので、教会での収録は厳かな雰囲気が出ていて良いのだが、管弦楽曲の演奏にはあまり適しないと思う。教会での特徴の、とても豊な残響を伴っており、サラウンドスピーカーからの音にはアンビエンスな音が多くを占めており、かなり遅れて聴こえる。今日のデジタル録音技術では位相の補正もできるが、やっていないようだ。演奏終了後の拍手は入っているが、咳音などのノイズは消されている。
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サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(741) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mozart String Quintets K.406 (516b) & K.515.jpg
Mozart
String Quintets K.406 (516b) & K.515
TACETS223
Auryn Quartett
Nobuko Imai
録音  2014年4月
    2015年3月
Tacet

モーツァルト:
・弦楽五重奏曲第2番ハ短調 K.406 (516b)
・弦楽五重奏曲第3番ハ長調 K.515

今井 信子(Nobuko Imai,1943年3月~ )は、東京都生まれのヴィオラ奏者。6歳でヴァイオリンを始める。桐朋学園大学で室内楽を齋藤秀雄に師事する。1964年、桐朋学園オーケストラのアメリカ・ツアーでコンサートミストレスを務め、そのままアメリカに残り、タングルウッド音楽祭で小澤征爾指揮ボストン響のリヒャルト・シュトラウスの「ドン・キホーテ」を聴いたことをきっかけにヴィオラに転向する。水戸室内管弦楽団メンバー。1983年から2003年までドイツ国立デトモルト音楽大学の教授を務め、現在はジュネーヴ音楽院とアムステルダム音楽院の教授を務めながら、各国で演奏活動を行っている。1988年以来、アンドレア・グァルネリ(1690年製作)を弾いている。
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アウリン弦楽四重奏団(Auryn Quartet)は1982年にドイツのケルンで結成された弦楽四重奏団。1982年にロンドン国際コンクール(London International Competition) 及びARDミュンヘン・コンクール(ARD Munich competition) にて1位を獲得。メンバーはヴァイオリンはMatthias Lingenfelder、Jens Oppermann、ヴィオラがStewart Eaton、チェロをAndreas Arndtが担当している。
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5名の奏者を円周状に配置し、あたかもその中心の位置で聴いているようになるサラウンド感のとてもある収録。フロント・レフトに1st Vn、センターに2nd Va、フロント・ライトに1St Va、サラウンド・レフトに2nd Vn、サラウンド・ライトにVcが定位している。
収録場所はドイツ、ヴッパタール、インマヌエル教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(740) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Tshaikowsky
Symphonie Nr.5
900105
Mariss Jansons/Bavarian Radio Symphony Orchestra
録音   2009年10月(SymNo.5)
     2010年7月(Francesca)
BR Klassik


チャイコフスキー:
・交響曲第5番ホ短調 Op.64
・交響的幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」Op.32

幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」(Francesca da Rimini)作品32は、管弦楽曲で、「交響詩」と銘打ってはいないが、交響詩に分類されることもある。ダンテの「神曲」中にある詩を題材にしている。導入部に続いて3つの部分が展開される形式となっている。大規模な楽器編成を要し、和声法もかなり大胆である。演奏時間は約25分。

マリス・イヴァルス・ゲオルグス・ヤンソンス(Mariss Ivars Georgs Jansons, 1943年1月~ )は、ラトビア、リガ生まれの指揮者。1971年、カラヤン国際指揮者コンクールで2位の成績に輝き、同じ年にはレニングラード・フィルを指揮してプロ・デビューを果たす。 1992年にはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者、1997年から2004年までピッツバーグ交響楽団の首席指揮者も兼任、1990年代を迎えると世界の一流オーケストラへの客演も本格化する。2001年にはウィーン楽友協会の名誉会員に推挙。2003年にはバイエルン放送交響楽団の首席指揮者に就任、さらに2004年からはロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の常任も務めるようになり、ヤンソンスはふたつのヨーロッパ有数の名門オーケストラの常任を兼任する事になる。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は2015年に退任した。バイエルン放送響とは、2005年、2009年、2014年、2016年に来日。
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バイエルン放送交響楽団(Bavarian Radio Symphony Orchestra)は1949年に設立され、ドイツの伝統を理想的な形で継承しているオーケストラ。ヨッフムが種をまき、クーベリックが育て上げた「いぶし銀の響き」が特徴。以降、コリン・デイヴィス、ロリン・マゼール、そしてマリス・ヤンソンスと、5人の世界的な指揮者のもとで飛躍的に発展したこのオーケストラは2008年12月に英国の権威ある「グラモフォン誌」にて世界のオーケストラ第6位に選ばれ、レコード芸術誌2017年3月号では2位にランクされた。
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BR KLASSIKはバイエルン放送(Bayerischer Rundfunk)が2009年に立ち上げた自主製作レーベル。バイエルン放送交響楽団、放送合唱団、そしてミュンヘン放送管弦楽団の演奏記録をリリースしている。

ライヴでの収録で、聴衆の咳などの雑音は消されているが、拍手は残している。1ポイントマイクがメインの収録と思われ、高域弦の音の伸びはあまり無いが、低域弦の響きはとても豊であり、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。サラウンドスピーカーからの音は会場の豊な残響が影響してか、遅れて聴こえる。録音場所はミュンヘン、Philharmonie, Gasteig

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(739) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Haydn
Symphonies Nos. 53, 64 & 96
PTC5186612
Carlos Kalmar/The Oregon Symphony
録音   2013年(No.64)
     2016年(No.53,No.96)
Pentatone Classics

J.ハイドン:
・交響曲第53番ニ長調 Hob.I:53「帝国」
・交響曲第64番イ長調 Hob.I:64「時の移ろい」
・交響曲第96番ニ長調 Hob.I:96「奇跡」

カルロス・カルマー(Carlos Kalmar,1958年~ )は、オーストリア人の家系に生まれたウルグアイの指揮者。オレゴン交響楽団の音楽監督、シカゴのグラントパーク音楽祭の首席指揮者を兼任している。6歳でヴァイオリンを始め、15歳でウィーン国立音楽大学に入学、カール・エスターライヒャーに指揮を師事した。1984年、ウィーンのハンス・スワロフスキー指揮コンクールで第1位を獲得した。これまでに、ハンブルク交響楽団、シュトゥットガルト・フィルハーモニック、アンハルト劇場(デッサウ)の音楽監督、トーンキュンストラー管弦楽団の首席指揮者を歴任した。
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オレゴン交響楽団(Oregon Symphony)は、アメリカ合衆国のオレゴン州ポートランドのオーケストラ。1896年、ポートランド交響楽協会(Portland Symphony Society)として創立。本拠地はポートランド市街地文化区域のアーリン・シュニッツァー・コンサート・ホール。アメリカ西部のオーケストラとしては最も長い歴史を有する。1967年8月、現在のオレゴン交響楽団に改称した。ジェームズ・デプリーストが音楽監督に就任すると、1982年にはアメリカ合衆国の「主要なオーケストラ」の地位に上り詰め、レコーディング活動を積極的に行うなど著しい成長を遂げた。主な歴代音楽監督はカール・デントン (1918年~1925年)、ヴィレム・ヴァン・ホーフストラーテン (1925年~1938年)、ピエロ・ベルージ (1959年~1961年)、ローレンス・レイトン・スミス (1973年~1980年)、ジェームズ・デプリースト (1980年~2003年)、カルロス・カルマー (2003年~ 現在)
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ライブでの収録だが、高域弦は音の伸びがあり、低域の響きも豊かである。しかし、聴取のノイズが完全にとりきれてなく、ざわざわ感があり、録音自体は良いので残念。サラウンドスピーカーからにはアンビエンスな音が少な目。録音場所はオレゴン州ポートランド、アーリン・シュニツァー・コンサート・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(738) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Prokofiev Symphonies 4,6,7.jpg
Prokofiev
Symphonies Nos 4, 6 & 7
MAR0577 2Disks
Alexei Volodin (Pf) No.4
Sergei Babyan (Pf) No.5
Valery Gergiev/Mariinsky Orchestra
録音   2015年4月(Sym No.4, Sym No.6)
     2012年4月(Sym No.7,P.Con No.5)
     2015年9月(P.Con No.4)
Mariinsky


プロコフィエフ:
・交響曲第4番 ハ長調 Op.47
・交響曲第6番 変ホ短調 Op.111
・交響曲第7番 嬰ハ短調 Op.131「青春」
・ピアノ協奏曲第4番(左手のための) 変ロ長調 Op.53
・ピアノ協奏曲第5番 ト長調 Op.55

アレクセイ・ヴォロディン(Alexei Volodin ,1977年~)はロシア、サンクトペテルブルク生まれ。グネーシン音楽大学でタチアナ・ゼリクマンに、モスクワ音楽院でエリソ・ヴィルサラーゼに師事。2001年には、コモ湖国際ピアノ・アカデミーに進学。2003年、チューリッヒで行われたゲーザ・アンダ国際ピアノ・コンクールでの優勝を機に、国際的にその名が知られることとなった。マリインスキー劇場管弦楽団とのツアーや、ミュンヘン室内管弦楽団とのスペイン・ツアー、さらにヨーロッパ各国15箇所で演奏会を行うNFMヴロツワフ・フィルハーモニー管弦楽団とのツアーなど、ツアー・ソリストとしての予定も目白押しである。室内楽奏者としても熱心に活動しており、ボロディン弦楽四重奏団、カザルス弦楽四重奏団、ソル・ガベッタらと頻繁に共演している。
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セルゲイ・ババヤン(Sergei Babyan,1961年1月~)アルメニア生まれのピアニスト。6歳から音楽の勉強を始め、モスクワ音楽院でレフ・ナウモフに師事。1989年にアメリカ移住。ブゾーニ国際ピアノ・コンクールや、エリザベート王妃国際音楽コンクールで入賞。第1回浜松コンクールで第1位(1991年)になり、現在、同コンクールの審査員を担当している。クリーブランド音楽院にてババヤン国際ピアノ・アカデミーを主宰しており、第14回チャイコフスキー国際コンクールで優勝したダニール・トリフォノフを指導した。ルール・ピアノ・フェスティバル、ザルツブルク夏期国際音楽祭、スイスのルガーノ・フェスティヴァル「マルタ・アルゲリッチ・プロジェクト」フェスティバルなどの名立たる音楽祭において、ソリストおよび室内楽奏者として多数出演している。
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ヴァレリー・ゲルギエフ(Valery Abisalovich Gergiev, 1953~ )はモスクワでオセット人の両親の家庭に生まれる。その後、北オセチア共和国の首都オルジョニキゼ(現在のウラジカフカス)に移り、オルジョニキゼ音楽学校を卒業後、レニングラード音楽院(現サンクトペテルブルク音楽院)でイリヤ・ムーシンに師事し、指揮法を学ぶ。同院在学中にカラヤン指揮者コンクール2位、全ソ指揮者コンクール1位の栄誉に輝く。1977年レニングラード音楽院を卒業し、テミルカーノフの助手としてキーロフ劇場(現マリインスキー劇場)の指揮者となる。1988年、マリインスキー劇場の芸術監督に選出され、同劇場を世界中が注目する一流歌劇場へ発展させた、カリスマ性を備えた現代屈指の指揮者。2007年よりロンドン響首席指揮者。最近では2016年10月にマリインスキー歌劇場管弦楽団と共に来日し、ベルリオーズの劇的交響曲「ロメオとジュリエット」などを公演した。また、2017年12月にも同楽団と共に来日し、公演予定。

マリインスキー劇場管弦楽団(Mariinsky Orchestra)、旧称キーロフ管弦楽団は、ロシア・サンクトペテルブルクにあるマリインスキー劇場付属のオーケストラである。ピョートル大帝の治世のもと18世紀に創設。ロシアで最も古い音楽団体として、由緒ある歴史を誇る。マリインスキー劇場は、19~20世紀の名作オペラやバレエが多数生まれた場所であり、ボロディン「イーゴリ公」、ムソルグスキー「ボリス・ゴドノフ」、チャイコフスキー「くるみ割り人形」「眠りの森の美女」のほか、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ等がオペラやバレエの初演を行った。

いずれもライブ録音だが、Symphony No.7,Ppano Con No.5は2012年のモスクワ・イースター・フェスティバルのモスクワ音楽院でのPCM 48khz/24bit録音。他は2015年でサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場でのDSD録音。録音レベルは低めで、1ポイントマイクをメインとした収録と思われ、高域弦の音の伸びはあまり無いが、低域弦は豊かな響きを伴っている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(737) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Nordic Suites
Ensemble Esperanza
ARS 38 227
録音 2016年8月
ARS Produktion

グリーグ:組曲「ホルベアの時代から」Op.40
フランク・ブリッジ: 弦楽オーケストラのための組曲 H.93
カール・ニールセン:弦楽のための小組曲 Op.1
ホルスト:セントポール組曲 Op.29, No.2

フランク・ブリッジ(Frank Bridge, 1879年2月~1941年1月)は、イギリス、ブライトン出身の作曲家、弦楽奏者、指揮者。劇場オーケストラの指揮者だった父からヴァイオリンの手ほどきを受け、12才でヨーク音楽学校へ進んでヴァイオリンを学んだ。奨学金を得て王立音楽大学に進み、1899年から1903年までチャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォードの薫陶を受ける。ヴィオラ奏者としてイギリス弦楽四重奏団に加わったほか、ヨアヒム四重奏団の補助要員も務めた。また指揮者としても活動し、エリザベス・クーリッジ夫人の援助のもとに作曲に没頭できるようになるまでは、ヘンリー・ウッドの代理を務めることもあった。特定の教育機関に属さず、フリーランスの音楽教師としても活躍し、とりわけ高弟ベンジャミン・ブリテンが著名であるホルストやヴォーン・ウィリアムズらによる民謡に依拠した作風が20世紀初頭のイギリス楽壇の主流となる中にあって、同時代のヨーロッパ大陸のさまざまな新音楽(フランス印象主義、ロシア象徴主義、ドイツ表現主義)に触発されつつ、独自の前衛音楽を貫いた。このため存命中は、ベンジャミン・ブリテンの恩師としてのみ名を残すも、作曲家としては孤立し、ほとんど顧みられなかった。だが1970年代に「前衛の衰退」が叫ばれる中、ポスト・マーラー世代の忘れられた作曲家の一人として、その進歩性が再評価されるようになった。

アンサンブル・エスペランサ(Ensemble Esperanza)は2015年に創立の、リヒテンシュタイン国際音楽アカデミーで学んだヨーロッパの12の国からの出身者によって構成される弦楽アンサンブル。レパートリーはバロック作品から現代音楽までとはば広い。インターナショナル・クラシカル・ミュージック・アワード2017(International Classical Music Awards2017, ICMA2017)の 特別貢献賞(Special Achievement Award )を受賞。
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ブックレットの写真によるとメインマイクの他に各パートにオフマイク気味のセッティングでスポットマイクを使っている。音像は横方向への広がり感が有り、低域弦の豊かな響きが印象に残った。好録音である。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音が占める。収録場所はオーストリア、シュヴァルツェンベルク、Angelika-Kauffmann-Saal

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch


SACDサラウンド・レビュー(736) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Brahms Ballades and Fantasies.jpg
Brahms
Ballades and Fantasies
PTC5186568
Denis Kozhukhin (piano)
録音 2016年3月
Pentatone Classics

ブラームス:
・主題と変奏 ニ短調 Op.18b
・4つのバラード Op.10
・7つの幻想曲 Op.116

主題と変奏 ニ短調 Op.18bはブラームスの作品の4楽章から成る弦楽六重奏曲第1番から、作曲者自ら1860年に第2楽章をピアノ独奏用に編曲したものである。この作品はロベルト・シューマンの元妻クララに献呈された。1860年9月13日、ブラームスは41歳の誕生日の記念としてクララにこの曲を贈ったのである。1865年10月31日、フランクフルトで初演。この作品は、主題と6つの変奏から成っており、演奏時間は約11分。

4つのバラード(Vier Balladen)作品10は、ブラームスの初期のピアノ曲集。ショパンやリストの劇的なバラードと異なり、叙情的な小品集となっている。1854年作曲の日付を持ち、親友で音楽家仲間のユリウス・オットー・グリムに献呈された。この曲集の作曲とほぼ同時期に、ブラームスの創作活動の船出を後押ししていた有名な作曲家ロベルト・シューマンの妻、クララ・シューマンへのブラームスの生涯にわたる愛が始まっている。4曲のバラードは、同主調になっている2曲が2組組み合わされた構成となっており演奏時間は約25分。

7つの幻想曲 作品116は、1892年の夏に作曲された作品で、7曲のうちのいくつかは既に書き上げられたと推測される。作曲当時、エリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクや6月に姉を亡くすなど友人や身内の死に衝撃を受け、作品には暗く沈んだ気分が反映されており、晩年における孤独と諦念の心象を独特に描き出した作品の世界を形成している。出版は1892年の11月にベルリンのジムロック社から出版され、現在のタイトルである「幻想曲」と題されているが、なぜ与えられたかは不明である。ほとんどが3部形式で書かれ、簡素でわかり易く、且つ精巧なものとなっている。全曲の演奏時間は約24分。

デニス・コジュヒン(Denis Kozhukhin,1986年~)はロシアのニージニー・ノヴゴロド生まれのピアニスト。最初は母親からピアノのレッスンを受けた後、バラキレフ音楽学校で学び、14歳でディプロマを取得。23歳の2010年5月、圧倒的な評価を得て、エリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝。これまでにマルタ・アルゲリッチ・プロジェクト、サハロフ音楽祭、パロマ・オシア夏季音楽祭、ルール・クラヴィーア音楽祭、ルーブル美術館オーディトリアム・シリーズ、プレステージ・シリーズ、などに招かれており、特に2003 年のヴェルビエ音楽祭・アカデミーではロイター財団賞を受賞し、翌年の同音楽祭でデビュー・リサイタルを開催した。2011年初来日、最近では2013年1月に来日し、プロコフィエフのピアノ・ソナタ全曲(9 曲)演奏会を敢行し、注目を集めた。また、2017年9月に再来日の予定で、N響第1865回定期公演 Cプログラムにてラフマニノフのピアノ協奏曲第4番を弾く。
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ピアノの音像はセンターに集まることなく、左右への広がりを感じ、透明感のある音である。サラウンドスピーカからの音はほぼ直接音。収録はオランダ、ヒルフェルムス、MCOスタジオ5

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(735) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Franz Liszt
Vesselin Stanev
88843071642
Vesselin Stanev(Piano)
録音 2014年5月
RCA

フランツ・リスト:
・「ノルマ」の回想
・ダンテを読んで
・メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」
・「ドン・ジョヴァンニ」の回想

ヴェセリン・スタネフ(Vesselin Stanev,1964年~)はブルガリア、ヴァルナ生まれのピアニスト。地元で10歳から最初の音楽教育を受ける。1981年に国立ソフィア音楽大学で音楽教育を受け、2年後モスクワ・チャイコフウキー音楽院でドミトリー・バシキーロフ(Dmitri Bashkirov)に師事、その後1992年から1995年までパリのコンセルヴァトワールでアレクシス・ワイセンベルク(Alexis Weissenberg)に師事。リストの超絶技巧練習曲を得意としている。スイス在住。
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スタネフの奏でるピアノの音はナチュラルで、特に高域の倍音の美しい響きが印象に残った。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音だが低めに抑えられている。録音場所はベルリンTeldex Studio

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(734) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Handel
Six Trio Sonatas
ACD BL 085-2
Ensemble Amalthée
録音 2014年6月
Aliud Records

G.F.ヘンデル:オーボエ、ヴァイオリンと通奏低音のための6つのトリオ・ソナタ
・トリオ・ソナタ 変ロ長調 HWV.380
・トリオ・ソナタ ニ短調 HWV.381
・トリオ・ソナタ 変ホ長調 HWV.382
・トリオ・ソナタ ヘ長調 HWV.383
・トリオ・ソナタ ト長調 HWV 384
・トリオ・ソナタ ニ長調 HWV.385

ヘンデルのトリオ・ソナタは作品2と作品5が良く知られているが、オーボエ、ヴァイオリンと通奏低音のための6つのトリオ・ソナタ(HWV.380~HWV.385)はヘンデルが11歳の1696年に作曲されたと推定されており、当初は彼が好きだったオーボエを2本と通奏低音を使用したトリオ・ソナタであると考えられていた。第3番のソナタの出だしでは2本の弦を使用するような動きになっており、現在ではオーボエとヴァイオリンとチェロまたはオルガンの通奏低音で演奏される。

アンサンブル・アマルテア(Ensemble Amalthée)は、ベルギー・ブリュッセルを本拠地とするオーケストラ、ブリュッセル・フィルハーモニック(Brussels philharmonic)の首席オーボエ奏者のヨリス・ヴァン・デン・ホウエ(Joris Van den Hauwe)と第2ヴァイオリン奏者のキャロライン・チャードンネット(Caroline Chardonnet)の主導で創設された室内楽アンサンブル。
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アリウド( Aliud Records)はオランダの新興レーベルで、クラシック、 古楽、 ジャズ、 吹奏楽などのCD、SACD、DSDダウンロード音源をリリースしており、高音質を売りとしている。

Vnが左、オーボエが右、通奏低音のオルガン、チェロはセンターの少し下がった位置に定位しており音は低めに抑えられている。ブックレットにある写真ではVnとObに補助としてそれぞれにスポットマイクが、メーン・マイクで全体の音を捉えているようだ。Vnの響きがクリアーで美しい。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスな音は少なく、ほぼ直接音。録音場所はオランダのJoureにある小さなバプテスト教会Doopsgezinda Kerk

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(733) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Shostakovich Violin Concerto No. 2.jpg
Shostakovich
Violin Concerto No. 2
CC72689
Linus Roth (violin)
Thomas Sanderling/London Symphony Orchestra
録音 2016年5月
Challenge Classics

ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第2番嬰ハ短調 Op.129
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35(オリジナル版)

ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第2番は名作第1番に比べると圧倒的に演奏される機会が少ない。ダヴィド・オイストラフのために作曲され、ショスタコーヴィチ後期の作品のなかでも近代色が強い。

リナス・ロス(Linus Roth,1977年5月~)ドイツ、ラーベンスブルク生まれ。6歳から音楽の勉強を始める。1993年よりザハール・ブロンに師事し、リューベック音楽大学で芸術ディプロマを獲得。アンネ=ゾフィー・ムター財団のスカラーシップを受けてもいる。ノヴォシビルスク国際ヴァイオリン・コンクールで第1位,ヨーゼフ・シゲティ国際コンクールで第2位,ドイツ音楽コンクールで第1位といったコンクール歴を有し,2006年にEMIからリリースしたデビューCDがドイツのEcho Klassik Awardを受賞。2012年からはアウグスブルクの大学の「レオポルト・モーツァルト・センター」で教授を務めている。1997年以来、ドイツの音楽財団(L-銀行バーデン=ヴュルテンベルク州)よりDancla Stradivari 1703を借与されている。

トーマス・ザンデルリング(Thomas Sanderling,1942年10月)はノヴォシビルスク生まれ、レニングラーで育った、ドイツの指揮者。父のクルト、及び異母弟のシュテファンも指揮者、異母弟のミヒャエルはチェリストである。レニングラード音楽院で学び、パリ国立高等音楽・舞踊学校に一年間留学した後、ベルリン音楽大学で学んだ。その後ライヘンバッハ交響楽団首席指揮者、ハレ州立歌劇場音楽監督を歴任した。以降は東ドイツのみならず世界の主要なオーケストラに招かれて指揮するようになった。1992年から2000年までは大阪シンフォニカー交響楽団の音楽監督・常任指揮者を務め、現在は桂冠音楽監督・首席指揮者に任ぜられている。また2014年からは東京佼成ウインドオーケストラの首席客演指揮者に就任した。
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ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra,略称LSO)は、イギリスのプロのオーケストラのひとつ。ロンドンのオーケストラの中でも中心的存在で、本拠地は、1982年よりロンドンのバービカン・センター。1904年にクィーンズホール管弦楽団のメンバーを中心に、英国初の独立採算、自主運営のオーケストラとして発足。同年6月9日にクィーンズホールにおいて、ハンス・リヒターの指揮で第1回コンサートを開催した。その後、リヒターは首席指揮者に就任し、1911年にエドワード・エルガーにその座を譲るまで楽団の基礎を固める。ロイヤル・フィルとならび、「女王陛下のオーケストラ」としても知られ、名誉総裁にはエリザベス2世が就いている。主な歴代首席指揮者にアンドレ・プレヴィン(1968年~1979年)、 クラウディオ・アバド(1979年~1988年)、マイケル・ティルソン・トーマス(1987年~1995年)、コリン・デイヴィス(1995年~2006年)。2007年から現在までヴァレリー・ゲルギエフが就いている。



ショスタコーヴィチのVn協2番の冒頭はバックのオケの低域音の豊かな響きを伴い、ソロのVnはあまり前に出ることが無く、バックの演奏との音のバランスは良い。サラウンドスピーカーからの音にはアンビエンスな音があまり含まれていない。録音場所はロンドン、LSOセント・ルークス

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

SACDサラウンド・レビュー(732) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Tchaikovsky
Ballet Suites for Piano Duo
PTC5186579
Mari Kodama (piano)
Momo Kodama (piano)
録音 2016年4月
PentaTone Classics


チャイコフスキー:
・「眠りの森の美女」組曲 Op.66 ラフマニノフ編曲による連弾版
・バレエ音楽「くるみ割り人形」 Op.71 より アレンスキー編曲による連弾版
・「白鳥の湖」Op.20より情景/四羽の白鳥の踊り/パ・ド・ドゥ 
  ランゲリ編曲による連弾版
・「白鳥の湖」Op.20よりロシアの踊り/スペインの踊り/ナポリの踊り
  ドビュッシー編曲による連弾版 

児玉 麻里(Mari Kodama,1966年~)は、大阪府生まれのピアニスト。3歳でピアノを始める。6歳の時に家族とともに渡欧。14歳(1981年)の時にパリ音楽院に入学。ジェルメーヌ・ムニエにピアノを、ジュヌヴィエーヌ・ジョア・デュティユーに室内楽を学ぶ。同音楽院修了後、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と共演で本格的な演奏活動を開始し、その後は世界各国のオーケストラとの共演、リサイタルなど精力的な活動を続けている。ピアニストの児玉桃は妹。夫は指揮者のケント・ナガノ。

児玉桃(Momo Kodama,1972年~)は、大阪府生まれのピアニスト。1歳の時に家族とともに渡欧。13歳の時にパリ音楽院に入学。ジェルメーヌ・ムニエに師事。在学中にセニガリア国際コンクールで優勝。1991年、ミュンヘン国際コンクールにて最年少で最高位に輝き、以来、国内はもとより欧米の名だたるオーケストラや国際音楽祭などに招かれている。バッハからメシアンに至る幅広いレパートリーと表現で、パリを拠点に活躍中。2013年にはルツェルン音楽祭、ウィグモアホール、東京オペラシティ文化財団の共同委嘱による「細川俊夫:練習曲集」を11月ルツェルン音楽祭にて世界初演、12月東京オペラシティにて日本初演し、現地メディアより大絶賛を博した。パリ在住。



2台のピアノはコンサート会場で見られるような対向でなく、同じ向きに並列に並んだ配置での収録。あたかも、一人のピアニストが弾いているような、姉妹の息が合った演奏で、主旋律を左のピアノが奏でており、左右の広がり感がある。高域音は透明感のあるナチュラルな響きを伴っている。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音が占める。
収録はオランダ、ヒルフェルムス、MCOスタジオ5

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(731) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Johann Sebastian Bach
als Europäer
SACD 131518
Thomas Günther(Piano)
録音 2015年9月
Cybele Records

J.S.バッハ:
・音楽の捧げもの BWV1079
・イタリア協奏曲 BWV971
・4つのデュエットBWV802-805
・フランス風序曲 BWV831

トーマス・ギュンター(Thomas Günther)はドイツ生まれのピアニスト。エッセン・フォルクヴァング音楽大学(Folkwang Hochschule in Essen)とベルリン芸術大学(University of the Arts Berlin)で学ぶ。ロンドンで、アルトゥール・シュナーベル(Artur Schnabel )の弟子だったマリア・クルシオ( Maria Curcio )に、ニューヨークでコンラート・ヴォルフ (Konrad Wolff )に師事。1980年、ドイツの奨学金を得て、1981年フォルクヴァングコンクールで優勝、そして1983年にはソリストとしてベルリン音楽祭でデビュ。レパートリーは、古典派以外にも現代ロシア、ドイツにおけるシェーンブルクの時代の知られざる作品などである。1980年終わりからバッハの鍵盤楽器作品や解釈に従事している。エッセン・フォルクヴァング音楽大学の教授でもある。
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Cybele Recordsは1994年に設立された、オルガン作品や現代音楽などを中心に150以上のタイトルを発売しているドイツのレーベル。高音質録音に特化しており、ピュアDSDレコーディングによるSACDハイブリッド盤を多く手がけている。さらに2014年からは、聴く人の耳や体の各部に反射する音まで含めて録音し、ヘッドホン使用時に生演奏を聴いている時の音響効果を再現する「バイノーラル録音」を取り入れ、さらなる音質向上を図っている。

ブックレットにある収録風景の写真では2本のメインマイクはオフマイク気味のセッティングで、サラウンド用の2本のマイクはピアノからかなり離れた位置にセットしている。このメディアには1次元のステレオCDの音源(1D)がCD層に、二次元サラウンドサウンド(2D)がSACD層に、三次元バイノーラル・ステレオサウンド(3D)がSACD層と3種のバージョンが含まれている。バイノーラル・ステレオサウンドの3Dは2つのマイクを使用し、フィルタやエフェクトなしで非常にピュアな音を実現した3次元の音質で、ヘッドホンでの再生を意図としている。横への広がりのある音像で、ピアノの共鳴板の響きを良く捉えており、透明度のある音である。使用ピアノはスタインウェイD。収録場所はドイツ、Stadthalle Meinerzhagen

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(730) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Chopin 24 Preludes.jpg
Fedéric Chopin
24 Préludes
MDG 904 1936-6
Yubo Zhou (piano)
録音  2014年8月
    2016年4月
MDG

ショパン:
・24の前奏曲 Op.28
・ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
ピン・ガオ: ナイト・アレイ

ショパンの24の前奏曲作品28は、1839年1月にマジョルカ島で完成した。完成の時期はユリアン・フォンタナ宛の手紙によって確認できるが、着手の時期については明らかでなく1831年から1838年まで諸説ある。出版は1839年の9月になされ、フランス版はカミーユ・プレイエルに、ドイツ版はヨゼフ・クリストフ・ケスラーに献呈された。24曲がすべて異なる調性で書かれているが、これはJ.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集に敬意を表したものといわれる。7番のアンダンティーノが歌謡風の主題が印象的で単独でもよく知られた小品。
演奏時間は全曲で40~45分程度。

ピン・ガオ(Ping Gao,高平,1970年~)は中国、成都生れの作曲家、ピアニスト。四川音楽院、オバーリン音楽院等を経て、シンシナティ大学にて博士号取得。2004年ボストンのアウロス作曲コンクールで優勝。世界各国の演奏家から委嘱を受け、作品を提供するなど、若いながら、中国の著名な作曲家タン・ドゥンに続く、中国第6世代を代表する作曲家として、華々しい活躍を続けている。ピアニストとしても、第1回北京国際ピアノコンクール等、数々の国際コンクールで優勝している。

シュウ・ユーボー(Yubo Zhou)は中国、瀋陽生まれの女性ピアニスト。5歳の時からピアノのレッスンを始め、7歳で中国のコンクールで賞を受ける。ドイツのフライブルク州立音楽大学にてProf. Felix Gottliebに師事し、ピアノと室内楽のディプロマを得た。数々の国際コンクールで入賞しており、若くして中国の中国福建省にある集美大学(Jimei University)音楽学院の教授に就いている。
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数々の国際ピアノ・コンクールで賞を獲っているが、日本ではあまり知られていない中国の若手女性ピアニストのシュウ・ユーボーのこの録音では、テクニックのある演奏をしているが、使用しているピアノのせいか、中低域が少しこもった、濁り気味に聴こえ、録音レベルも低めで、あまり美しい音色に感じなかった。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音。録音場所はドイツ、ハノーファーの南西約50kmにあるマリエンミュンスター修道院(Abtei Marienmünster)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          5.1ch(2+2+2方式


SACDサラウンド・レビュー(729) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Brahms Piano Music VOL.4.jpg
Brahms
Piano Music VOL.4
BISSA 2137
Jonathan Plowright(Piano)
録音 2016年1月
BIS

ブラームス: ピアノ独奏曲全集 Vol.4
・パガニーニの主題による変奏曲 Op.35より第1部
・バラード集 Op.10(ニ短調「エドワード」/ニ長調/ロ短調/ロ長調)
・2つの狂詩曲 Op.79(ロ短調/ト短調)
・4つの小品 Op.119(間奏曲ロ短調/間奏曲ホ短調/間奏曲ハ長調/狂詩曲変ホ長調)
・パガニーニの主題による変奏曲 Op.35より第2部

ジョナサン・プロウライト(Jonathan Plowright,1959年~)はイギリスのピアニスト。1983年にロンドン王立アカデミー音楽院でゴールド・メダルを受賞。以降ヨーロッパ・ピアノ・コンクールで優勝するなど、輝かしい経歴を誇っている。英国王立スコットランド音楽院講師。
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レコーディング専用のスタジオでのセッション録音だが、スタインウエーD274の音はオフマイク気味の収録のためか、高域弦の倍音のきらびやかさのある響きがあまり感じられない。音像もセンターの少し右寄りに定位しており、左右の広がり感がない。録音場所:イギリス、サクスンダム、ポットン・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          5ch


SACDサラウンド・レビュー(728) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Bach Werke für Cembalo.jpg
Bach
Werke für Cembalo
SACD 031517
Fritz Siebert(Cembalo)
録音 2015年3月,4月
Cybele Records

J.S.バッハ:チェンバロ作品集
・トッカータ ニ長調 BWV.912
・組曲ホ短調 BWV.996
・前奏曲とフーガ BWV.894
・パルティータ第4番ニ長調 BWV.828

トッカータ ニ長調(BWV.912)は作曲が1707~1717年で、初版は1843年にPeters社から出版された。「トッカータ」はイタリア語のtoccare(触る)という語源に由来し、オルガンやチェンバロなどの鍵盤楽器の調律や音程を調べるために弾いた、即興的な走句に起源があると言われている。バッハの真作とされている鍵盤楽器のためのトッカータは7曲あるが、この他にヘ短調のトッカータ(BWV Anh. 85)が、真作かどうか疑わしいが、その2つの異稿とも、真作でないという根拠にも欠けていて、新バッハ全集第V部門第12巻「鍵盤楽器のための疑わしい作品」に収録されている。真作の7曲の内、ニ長調の古い異稿(BWV 912a)は、「メラー手稿」に含まれているほか、ヨハン・ペーター・ケルナーの所有であった手稿に不明の筆者による写譜があるなど、後の異稿(BWV 912)とともに多数の写譜が存在する。メラー手稿への記入は、1705年から1707年と考えられている。バッハの7曲のトッカータは即興的で速いパッセージを含む作品と、バロック期のオルガン曲に見られるいくつかのセクションを組み合わせた作品がある。7曲にはすべてフーガが含まれている。

フリッツ・ジーベルト(Fritz Siebert,1979年9月~)ドイツ、ハノーファー生まれのチェンバロ奏者、オルガン奏者。ピアノ、クラリネット、トラヴェルソを地元の音楽学校で習得した後、マリーナ・ザゴルスキ、ウルフェルト・シュミットらにオルガンを師事、1997年アウンドル国際オルガン音楽祭で優勝。その後チェンバロに興味を持ち、2000年にはベルリンで行われたドイツ連邦選抜若い音楽家のためのコンクール、チェンバロ部門で優勝を果たした。2007年より古楽アンサンブルのネオ・バロック(NeoBarock)のチェンバロ奏者として参加。
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録音レベルが各チャンネルとも大きめで、サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音。ブックレットに収録時の写真が載っており、かなりオフマイクでのセッティングにしているようだが、実際に聞く音は爪にはじかれた弦の倍音の微細な音まで捉えている。音像はセンターに集まることなく、左右への広がり感がある。使用楽器はブルクハルト・ツァンダー1999年製(17世紀中期リュッカースのレプリカ)
収録場所はドイツ、ハノーファー、Kirchenzentrum Kronsburg

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch


SACDサラウンド・レビュー(727) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Elgar & Tchaikovsky
Works for Cello & Orchestra
PTC5186570
Johannes Moser(Chero)
Andrew Manze/Suisse Romande Orchestra
録音 2016年7月
Pentatone Classics

エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85
チャイコフスキー:
・ロココの主題による変奏曲イ長調 Op.33(オリジナル版)
・夜想曲~6つの小品 Op.19-4
・アンダンテ・カンタービレ Op.11
・カプリッチョ風小品 ロ短調 Op.62

ヨハネス・モーザー(Johannes Moser,1979年6月~)はミュンヘン生まれのチェリスト。8歳からチェロを学び、1997年からダヴィド・ゲリンガスに師事、2002年チャイコフスキー・コンクールで最高位(1位なし)を受賞。これまでに数多くの名門オーケストラ、名指揮者と共演し世界中に活躍の幅を広げる実力派で、バロックから現代まで豊富なレパートリーの持ち主で客観的なスタンスから巧みに難曲を弾きこなすスタイルが評判。愛器は1694年製のグァルネリウス
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アンドルー・マンゼ(Andrew Manze, 1965年~ )は、イギリス生まれ。バロック・ヴァイオリニストとしては1610年から1830年までの音楽のスペシャリストとして知られ、指揮者としてはバロック音楽から古典、あるいは19世紀から20世紀音楽にまでいたる、幅広い年代の音楽のエキスパートである。演奏活動以外にも教育活動、楽譜の校訂、著作業などにも携わっている。 演奏家としては、イングリッシュ・コンサートと共に古典派のレパートリーを研究しており、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲、管弦楽曲、オラトリオ編曲作品などを手がけている。指揮者としては1996年から2003年までエンシェント室内管弦楽団の副指揮者、2003年から2007年までトレヴァー・ピノックの後任者としてイングリッシュ・コンサートの芸術監督を務める。2006/2007年のシーズンよりスェーデンのヘルシングボリ交響楽団の首席指揮者を務めている。2014/2015年のシーズンからハノーファー北ドイツ放送フィルの首席指揮者に就任予定。最近では2013年7月に来日し、NHK交響楽団を指揮した。
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スイス・ロマンド管弦楽団( L’Orchestre de la Suisse Romande)は1918年エルネスト・アンセルメによってジュネーブで結成された楽団。1938年にはローザンヌ放送管弦楽団を吸収し,発展した。アンセルメの指導のもとで繊細で透明な音質を特色とする独特の個性をもつ楽団に仕上げられた。1967年アンセルメの引退後,音楽監督に1970~1977年サヴァリッシュ,1978~1985年ホルスト・シュタイン、85~97年アルミン・ジョルダン、ファビオ・ルイジ、2005年より2012年までマレク・ヤノフスキが、2012年7月から2015年まではネーメ・ヤルヴィ、2016/2017年のシーズンからはジョナサン・ノット(Jonathan Nott)が就任した。また、2012/2013年のシーズンより山田和樹が首席客演指揮者に就いている。2014年7月に山田和樹と共に来日し、サントリーホールなどで公演を行った
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オフマイク気味で収録されたソロのチェロはなまめかしくなく、ナチュラルな音で、低域弦の豊かな響きを伴っている。バックの演奏はダイナミックレンジが大きく、高域弦の音の伸びはあまり感じられないが、とても豊な低域の響きを伴っている。音場は左右、奥行き方向にも広く、好録音である。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。
収録場所はジュネーブ、ヴィクトリア・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch


SACDサラウンド・レビュー(726) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Christmas Cantatas from Leipzig
HMC901781.82(2 Disks)
Dorothee Mields (S)
Ingeborg Danz(A)
Mark Padmore(T)
Peter Kooy(B)
Collegium Vocale Gent
Philippe Herreweghe/ Collegium Vocale Gent Orchestra
録音  2001年12月
    2002年12月
Harmonia Mundi

J.S. バッハ:カンタータ集
・イエス・キリストよ、賛美をうけたまえ BWV.91
・われらキリストを讃えまつらん BWV.121
・われ汝に喜びあり BWV.133
・キリスト者よ、この日を銘記せよ BWV.63
・マニフィカト 変ホ長調 BWV.243a

バッハは聖霊降臨祭の第1~3日目のためにカンタータをそれぞれ数曲ずつ作曲しているが、このアルバムではBWV.63とBWV.91が第1日用、BWV.121が第2日用、BWV.133が第3日用。
このアルバムには「ライプツィヒのクリスマス・カーンタータ」と言うタイトルが付けられており、クリスマス・カンタータ(降誕節カンタータ)として演奏される場合は、第1日用が12月25日で、27日まで3日間にわたって演奏される。


ドロシー・ミールズ(Dorothee Mields,1971年4月~)はドイツのソプラノ歌手。ドイツ人とウクライナ人を両親に持つ。17、18世紀の音楽をレパートリーとする歌手で、魅力的な歌声と情感的な役作りによって、聴衆はもとより批評家からも大きな支持を受けている。18世紀オーケストラ、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント、アムステルダム・バロック・オーケストラ等に参加し、レオンハルト、ブリュッヘン、ヘレヴェッヘ、トン・コープマン等と共演している。
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インゲボルク・ダンツ(Ingeborg Danz,1961年)はドイツ、ヴィッテン生まれのアルト歌手。 デトモルトの北西ドイツ音楽アカデミーに学び、学生時代から多くのコンクールで優秀な成績を挙げて注目されて、デトモルト州立歌劇場やハンブルク国立歌劇場に出演。90年代に入り宗教音楽で本領を発揮し現代ドイツの若手世代を代表するアルトの1人。
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マーク・パドモア(Mark Padmore,1961年3月~)はロンドン生まれのテノール歌手。ケンブリッジ大学キングス・カレッジにて合唱を学ぶ。深い洞察に富んだ解釈、確かな様式の把握、流れるような自然な歌唱は世界中で賞賛されており、リサイタル、オペラ、現代音楽の各分野で優れた才能を発揮している。とりわけJ.S.バッハの受難曲の演奏で定評があり、エヴァンゲリスト(福音史家)として、ピーター・セラーズ演出による「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」(サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)等で活躍。
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ペーター・コーイ(Peter Kooy, 1954年9月~) はオランダ生まれのドイツのバス歌手。6歳から聖歌隊で活躍し、ボーイ・ソプラノ歌手として数多くのコンサート、レコーディングでソロを歌う。ヴァイオリン専攻の学生として音楽の勉強を始め、アムステルダム・スウェーリンク音楽院でマックス・ファン・エグモントに声楽を師事。ヘレヴェッヘ、ブリュッヘン、レオンハルト、ノリントン、I.フィッシャーなど高名な指揮者のもと、世界中の音楽祭、主要コンサートホールでソリストを務める。
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フィリッペ・ヘレヴェッヘ(Phliippe Herreweghe, 1947年5月~)はベルギーのヘントの医師の子に生まれ、幼いころから少年聖歌隊で歌うが、大学では医学・精神医学を専攻。ヘント音楽院ではオルガンとチェンバロも学ぶ。グスタフ・レオンハルト、ニコラウス・アーノンクールらによるバッハのカンタータ全集の録音にも合唱指揮者として参加。ドイツ音楽の専門家として知られており、なかでもバッハから新ウィーン楽派までを得意としている。1993年にコレギウム・ヴォカーレとともにフランデレン音楽大使に選任され、1997年にはルーヴァン・カトリック大学より名誉博士号を、2003年にはフランス政府よりレジオン・ドヌール・シュヴァリエ章を授与されている。今日では主要なバッハ研究家によって、正統的な歴史考証を踏まえたピリオド奏法によるバッハ演奏の開拓者の一人と認められている。ヘレヴェッヘは1998年から2008年までロイヤル・フランダース・フィルの音楽監督を務めていた。
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コレギウム・ヴォカーレ・ゲント(Collegium Vocale Gent)は指揮者のフィリッペ・ヘレヴェッヘにより1970年に創立された合唱団。ベルギーのヘント(Gent)を拠点としている。優れた演奏ですぐに頭角をあらわし、レオンハルト、アーノンクールといった世界のトップ・アーティストから注目され、コンサートやレコーディングで共演、レパートリーもルネサンスから現代作品まで幅広く、ウィーン・フィル、コンセルトヘボウ管等とも共演、世界中で活躍している。ハルモニア・ムンディからの数多くのCDはいずれも高い評価を得ている。
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音像は左右への広がり感はあるが、奥行き方向の広がり感はあまり無い。高域弦は音の伸びが有り、ナチュラルな響きを伴っている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。CD1とCD2では収録場所が異なり、CD1はベルギー、リエージュ、Salle Philharmonique de Liège。CD2はフランス、Arsenal de Metz

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

SACDサラウンド・レビュー(725) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Mozart
Great Mass in C minor
BIS-2171 SACD
Carolyn Sampson(S)
Olivia Vermeulen(Ms)
Makoto Sakurada(T)
Christian Immler(Br)
Masaaki Suzuki/Bach Collegium Japan
録音 2015年11月
BIS

モーツァルト:
・ミサ曲第16番 ハ短調 「大ミサ曲」 K.427 (K.417a)(F. バイヤーによる補筆完成版)
・モテット 「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」(エクスルターテ・ユビラーテ) K.165
・モテット 「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」(エクスルターテ・ユビラーテ) K.165 アリア(1779年改訂版)

ミサ曲 ハ短調は通称「大ミサ曲」と呼ばれ、1781年にモーツァルトがウィーンに移り住んでから最初の教会音楽で未完の作品。以前までは作曲の時期が不明な点が多くあって判明できていなかったが、近年になって1782年末から1783年にかけて作曲されたものと判明している。一連のミサ曲において16番目に当たることから「ミサ曲第16番」と表記される場合もある。モーツァルトの没後になってから補筆が行われ、ロビンス・ランドン版やF.バイヤー版などが存在する。


キャロリン・サンプソン(Carolyn Sampson,1974年5月~)はイギリスのソプラノ歌手。バーミンガム大学で音楽を学び、バロック演奏でアーノルド・ゴールズバラ賞受賞。完璧なコロラトゥーラ技術と豊かに伸びる輝かしい声でデビュー以後瞬く間にバロック・古典派の一流指揮者及びオーケストラ、BBCプロムス、グラインドボーンをはじめ各地の音楽祭にも出演を重ねている。
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オリヴィア・フェアミューレン(Olivia Vermeulen)はオランダのメゾ・ソプラノ歌手。
声楽をアーネム音学院でCaren van Oijenに師事、その後デトモルト音楽大学にてMechtild Böhmeに師事。さらに、2003年9月よりベルリン芸術大学にてジュリー・カウフマン(Julie Kaufmann)に師事し、マスタークラスにてAndreas Scholl, Thomas Quasthoff, レーネ・ヤコブス(Rene Jacobs) や ディートリッヒ・フィッシャーディスカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)に師事。2008年バイエルン州ラジオ局主催の国際的な歌手コンペティション'La voce'にて賞を獲得。
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櫻田亮(Makoto Sakurada,1960年~)は札幌生まれのテノール歌手。声楽を平野忠彦、G. ファッブリーニ、W. マッテウッツィ、G. バンディテッリの各氏に師事。第27回イタリア声楽コンコルソ、シエナ部門大賞、02年ブルージュ国際古楽コンクール第2位(声楽最高位)など受賞多数。アカデミア・ビザンティーナ、ヴェニス・バロック・オーケストラ、ル・コンセール・ド・ナシオンなど一流の古楽アンサンブル、国内外のモダン・オーケストラ等と多数共演するほか、クレモナ音楽祭「ウリッセの祖国への帰還」、エディンバラ音楽祭《オルフェオ》など主要なオペラ舞台でも活躍している。日本イタリア古楽協会運営委員長としてイタリア・バロック音楽の普及に務める。二期会会員。2013年より東京藝術大学准教授。
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クリスティアン・イムラー(Christian Immler,1971年~)はドイツのバリトン歌手。ロンドン・ギルドホール音楽学校で学ぶ。2001年パリのナディア&リリー・ブーランジェコンクールで優勝。以来、ソリストとして世界各地の主要なオーケストラや指揮者と共演を重ねている。これまでにミンコフスキ指揮《ロ短調ミサ》、ヘレヴェッヘ指揮《ヨハネ受難曲》など多くの公演に出演。またロンドンのウィグモアホール、ロイヤル・フェスティヴァルホール、ニューヨークではフリック・コレクションにデビューなど、欧米各地でのリサイタルも多く、ドイツ歌曲から20世紀作品までレパートリーも幅広い。録音はバッハのロ短調ミサ、シュテルツェルのカンタータほか複数のCDが出ている。ローザンヌ音楽院声楽科教授。
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鈴木雅明(Masaaki Suzuki,1954年4月~ )は、バッハ・コレギウム・ジャパンの音楽監督、チェンバロ・オルガン奏者。神戸出身。東京芸術大学作曲科およびオルガン科を経て、アムステルダム・スウェーリンク音楽院においてチェンバロとオルガンをトン・コープマン、ピート・ケーに師事。東京芸術大学古楽科を設立し、2010年まで20年にわたって教鞭を執った。イェール大学音楽大学院および教会音楽研究所招聘教授、神戸松蔭女子学院大学客員教授。BISレーベルでのBCJとの<バッハ:教会カンタータシリーズ>は、2013年2月に全曲演奏・録音が完結し、世界でもまれにみる偉業に大きな話題を呼んでいる。
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バッハ・コレギウム・ジャパン(Bach Collegium Japan, BCJ)は、バロック音楽を専門とする日本のオーケストラおよび合唱団である。1990年に鈴木雅明によって設立され、1995年以来ヨハン・ゼバスティアン・バッハのカンタータのシリーズをBISレーベルより発売しており、リリースは数十枚にのぼる。BCJは毎年バッハのカンタータと器楽曲のプログラムを演奏している。2000年のバッハ没後記念250年には、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、テルアビブ、ライプツィヒ、メルボルンといった都市のフェスティバルに参加し、国際的に活動の幅を広げている。最近では、イタリア、スペイン、アメリカ合衆国、韓国、ドイツでバッハのカンタータ、マニフィカト、マタイ受難曲、ヨハネ受難曲を含んだ演奏会を行っている。1999年、モービル音楽賞受賞。2014年、サントリー音楽賞受賞。
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音像は左右、奥行き方向にも広がっており、特にバックの合唱は奥行き感がある。大ミサ曲のトラック13のサンクトゥスでは4人ソロ歌手の立ち位置(左からS、Ms、T、Br)がはっきりと解るように定位している。また、高域弦は音の伸びがあり、低域弦は響きが豊で好録音。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。収録は彩の国さいたま芸術劇場でのセッション

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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